JPS6243979Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエレベータの運転制御装置に関し、
特に個人住宅などに適用されるエレベータのいた
ずら運転を防止するためのエレベータ運転制御装
置に関する。

個人住宅用エレベータは、コストを抑える関係
上戸の開閉を手動で行う方式が採られる。

しかし、戸の開閉を手動式にした場合、エレベ
ータかごが呼階に停止しても戸は自動的に開かな
いため、エレベータかごに乗つた者、例えば子供
などが戸を開かずにエレベータを繰返し走行さ
せ、いたずら運転する問題があつた。

この考案は上記問題を解決したもので、扉の開
閉動作を伴わずにエレベータ走行を繰返し行つた
ときいたずら運転と判定してエレベータを停止さ
せ、もしくは警報を出し、いたずら運転を防止す
るようにしたエレベータの運転制御装置を提供す
ることを目的とする。

以下、この考案の具体的実施例を図面について
説明する。

第１図はいたずら運転を防止するためのこの考
案にかかるエレベータの運転制御装置の一例を示
す回路であつて、１はかご上昇用電磁接触器、２
はかご下降用電磁接触器を示し、このかご上昇用
電磁接触器１はその自己保持接点１ａ及びこれに
並列接続した上昇運転指令リレーの常開接点６ａ
と、かご下降用電磁接触器２の常閉接点２ｃ及び
運転指令で動作し、目的階の停止点にかごが到着
すると消勢する停止点検出リレーの常開接点９ａ
を介して直流制御母線１０，１１間に並列に接続
され、また、かご下降用電磁接触器２はその自己
保持接点２ａ及びこれに並列接続した下降運転指
令リレーの常開接点７ａと、かご上昇用電磁接触
器１の常閉接点１ｃ及び上記停止点検出リレーの
常開接点９ａを介して直流制御母線１０，１１間
に並列に接続されている。

また、５は上記直流制御母線１０，１１間に並
列に接続したかご走行運転検出リレーで、この検
出リレー５の電源回路には、その自己保持接点５
ａと、かごの戸が閉じているとき閉成する常開接
点３ａ及び乗場の戸が閉じているとき閉成する常
開接点４ａが直列に接続され、さらに上記検出リ
レー５の自己保持接点５ａには、上昇運転指令リ
レーの常開接点６ｂと上記上昇用電磁接触器１の
常開接点１ｂとの直列回路、及び下降運転指令リ
レーの常開接点７ｂと上記下降用電磁接触器２の
常開接点２ｂとの直列回路とが並列に接続されて
いる。８は自己保持接点８ａとこれに並列接続し
た上記かご走行運転検出リレー５の常開接点５ｂ
を介して制御母線１０，１１間に並列に接続した
時限リレーで、この時限リレー８は付勢される
と、一定時間後に動作し、消勢されると直ちに復
帰するものであり、そしてこの時限リレー８の常
閉接点８ｃは上記かご上昇及びかご下降用電磁接
触器１，２の電源回路に直列に接続され、この常
閉接点８ｃが開放されたとき電磁接触器１，２は
消勢、すなわちエレベータを停止するようになつ
ている。また、１２は警報器であり、この警報器
１２は上記時限リレー８の常開接点８ｂを介して
直流制御母線１０，１１間に並列に接続されてい
る。

次に上記のように構成されたこの考案にかかる
運転制御装置の動作について説明する。

この実施例における乗場の戸及びかごの戸は手
動で開閉されるように構成されており、また時限
リレー８は、かごの積載量が定格負荷で最下階か
ら最上階までエレベータかごが走行するのに要す
る時間よりもやや長めの時限に設定されているも
のとする。

今、乗場の戸、及びかごの戸が閉じている状態
において、かご呼などで上昇運転指令リレーが動
作すると、その常開接点６ａ，６ｂが閉成され、
同時に停止点検出リレーの常開接点９ａも閉成さ
れる。このため、かご上昇用電磁接触器１が付勢
され、これに伴いかごは上昇運転に移り、かつ接
点１ａ，１ｂが閉成され、接点１ｃが開放する。
接点１ａが閉成されると、上昇用電磁接触器１が
自己保持され、かごは上昇運転を継続する。ま
た、接点１ｂが閉成されると、常開接点３ａ，４
ａがそれぞれのかご及び乗場の閉戸でONされて
いるため、時限リレー８は付勢されるが、時限リ
レー８の設定時限以前にエレベータかごが目的階
に停止してかごの戸又は乗場の戸が開かれると、
これに連動する常開接点３ａ又は４ａがOFFさ
れるので、時限リレー８は消勢され動作されるこ
とがない。また、エレベータの上階から下階への
下降運転時は、下降運転指令リレーの接点７ａ，
７ｂが閉成し、これによりかご下降用電磁接触器
２及びかご走行運転検出リレー５が付勢されてエ
レベータかごは下降運転されることになる。そし
てこの場合もかごが目的階に停止した後、かご及
び乗場の戸を開ければ、時限リレー８は消勢され
ることになり、したがつて、エレベータの通常運
転時は、時限リレー８は動作されることがなく、
警報器１２も動作されることがない。

ところが、乗場の操作釦又はかご内の操作釦に
よりエレベータを運転させて、戸の開閉動作が伴
わない、所謂いたずら運転時、即ち戸の開閉を行
わずにエレベータ走行を繰返した場合には、設定
時限経過すると、時限リレー８が動作し、その常
開接点８ａ，８ｂをON、常閉接点８ｃをOFFす
る。接点８ａがONすると、時限リレー８が自己
保持され、また、接点８ｂがONすることにより
警報器１２の電源回路が閉成して警報を発し、乗
場又はかご内のいたずらをしている人に注意を促
すと同時に、接点８ｃのOFFにより上昇又は下
降用電磁接触器消勢してエレベータを急停止させ
る。

第２図はいたずら運転が検出された後、エレベ
ータかごが目的階に到着した後は、エレベータを
停止させて再起動を阻止するようにしたこの考案
の他の実施例を示すもので、第１図と同一符号で
示される部分は同一構成、機能を有しており、ま
た、１ｄ，２ｄはそれぞれ上昇及び下降用電磁接
触器１，２の常開接点であり、この各常開接点１
ｄ，２ｄは上昇及び下降用電磁接触器１，２の電
源回路に接続した時限リレー接点８ｃに並列に接
続されている。

このように構成された第２図の実施例にあつて
は、エレベータがいたずら運転されていると判断
されることにより時限リレー８が動作されると、
その接点８ａ，８ｂがONされ、かつ接点８ｃが
OFFされるが、上昇又は下降用電磁接触器１又
は２により接点１ｄ又は２ｄがONされているた
め、時限リレー８が動作しても上昇又は下降運転
中のエレベータは直ちに急停止されない。したが
つて、上昇又は下降運転中のエレベータかごが目
的階に到着すると、停止点検出リレーの常閉接点
９ａがOFFされ、これにより上昇又は下降用電
磁接触器１又は２が消勢し、かごが目的階に到着
した時点でエレベータを停止させることになる。
そして再起動を阻止する。

以上のようにこの考案によれば、エレベータ走
行を繰返し、乗場又はかごの戸開閉動作が伴わな
い運転であるとき、これをいたずら運転と判定し
てエレベータを停止又は警報を出すようにしたの
で、子供等によるエレベータのいたずら運転を防
止でき、また、いたずら運転による事故等をも未
然に防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかるエレベータの運転制
御装置の一例を示す回路図、第２図はこの考案に
おけるエレベータ運転制御装置の他の実施例を示
す回路図である。 １…かご上昇用電磁接触器、２…かご下降用電
磁接触器、３ａ…かご戸により動作する常開接
点、４ａ…乗場戸により動作する常開接点、５…
かご走行運転検出リレー、６ａ，６ｂ…上昇運転
指令リレーの常開接点、７ａ，７ｂ…下降運転指
令リレーの常開接点、８…時限リレー、９ａ…停
止点検出リレーの常開接点、１２…警報器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 戸の開閉が手動で行われるエレベータにおい
   て、運転指令及び停止点検出で制御されるかご上
   昇用電磁接触器及びかご下降用電磁接触器と、上
   記運転指令と上記かごの上昇用又は下降用電磁接
   触器により動作され、かつ戸開閉により消勢され
   るかご走行運転検出リレーと、上記かご走行運転
   検出リレーにより付勢されてから所定時間後に動
   作すると共にこの動作したときにエレベータがい
   たずら運転されていると判定してエレベータを停
   止もしくは警報制御する時限リレーとを備えて成
   るエレベータの運転制御装置。