JPS6243714B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、スカートやズボンのウエストベル
トの所定位置にホツク等の止め具をミシンで縫い
付ける方法に関する。

〔従来の技術〕

一般に、例えば第１図に示すごとくスカートの
ウエストベルト１の互いに重ね合わされる両端部
１ａ，１ｂには互いに係脱自在なホツクやこはぜ
等の止め具２が取り付けられる。

このウエストベルト１に対する止め具２の取り
付け方法として、従来は帯状ベルト地５を二つ折
りしてこの中に硬直性を有する帯状ベルト芯６を
包み込んでウエストベルト１を縫製仕上げしたの
ち、その両端部１ａ，１ｂに止め具２，２をミシ
ンで縫着していた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、従来方法では止め具２の縫着個所を設
定し易い反面、縫糸４がウエストベルト１の表面
に露出して外観的体裁を損なう。そのため、縫糸
４が露出しないようにすくい縫いする方法がある
が、これは手縫いでしか出来ず、機械縫いは不可
能であつた。

そこで、本発明者は縫糸が露出せず、かつ機械
縫いで止め具２をウエストベルト１に縫着するた
めに、第２図に示すごとく帯状ベルト地５で帯状
ベルト芯６を包みこむ前の段階、つまりウエスト
ベルト１の展開状態でその規定位置に止め具２を
ミシンで縫着することができないか、を検討し
た。しかし、ウエストベルト１が展開状態にある
ときは、止め具２を帯状ベルト地５に縫着するこ
とになるが、この帯状ベルト地５の規定位置に止
め具２を正しく位置決めして縫着することが困難
であることに気付いた。すなわち、その位置決め
に際しては、例えば帯状ベルト地５の端から所定
距離の所にチヨークなどで印をつけて、その印箇
所に止め具２を置いた状態でミシン掛けをしなけ
ればならないが、帯状ベルト地５これ自体をミシ
ンテーブル面上で位置決めすることが困難だから
である。そのため、この改良形態もまた止め具２
の縫着位置を正確に出すには、かなりの熟練が必
要とされるばかりか、その縫着作業に多大の労力
と時間を要することを知つた。

〔発明の目的〕

尤も、帯状ベルト地５にこれの長手方向にわた
つて帯状ベルト芯６を平行に重合一体化した状
態、すなわちウエストベルト１の縫着仕上げ前の
展開状態において、帯状ベルト地５の規定位置に
止め具２をミシン縫いする方法は、縫糸４が露出
せず、機械縫いが可能となつて有効である。

そこで、本発明はこの基本的な方法を踏襲し
て、止め具２を縫糸４が露出しないようにミシン
縫いできるようにすることを目的とする。

そのうえで、本発明の目的は、展開状態にある
ウエストベルト１をミシンテーブル面上に確実に
位置決めし、その帯状ベルト地５の規定位置に止
め具２を容易確実にミシン縫いできものとし、以
てミシン縫い作業の能率化を図ることにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明では、予め帯状ベルト地５にこれの長手
方向にわたつて帯状ベルト芯６を平行に重合一体
化したウエストベルト１の半製品を用意する。こ
の段階では、第２図に示すごとく帯状ベルト地５
で帯状ベルト芯６が包み込まれておらず、ウエス
トベルト１が展開状態にある。

そのうえで、帯状ベルト芯６が帯状ベルト地５
に比べてより硬直性を有することを利用し、ウエ
ストベルト１をミシンテーブル面１８上に案内し
て、第６図に示すごとく帯状ベルト芯６の長手方
向一端縁６ａをミシンテーブル面１８上に設けた
長手方向位置規制部Ａに突き当てるとともに、帯
状ベルト芯６の前記一端縁６ａと直交する幅方向
一端縁６ｂをミシンテーブル面１８上に設けた幅
方向位置規制部Ｂに突き当てる。これで、ミシン
テーブル面１８上において、帯状ベルト６の長手
方向および幅方向の位置決めをする。

次に、帯状ベルト芯６を介して位置決めされた
帯状ベルト地５の規定位置に止め具２を供給して
ミシン縫いするようにしたものである。

〔発明の効果〕

以上のようにした本発明によれば、帯状ベルト
地５と帯状ベルト芯６とからなるウエストベルト
１をミシンテーブル面１８上に案内し、帯状ベル
ト芯６が帯状ベルト地５よりも硬直性を有するこ
とを利用して、帯状ベルト芯６の長手方向一端縁
６ａをミシンテーブル面１８上の長手方向位置規
制部Ａに突き当てるとともに、該ベルト芯６の前
記一端縁６ａと直交する幅方向一端縁６ｂをミシ
ンテーブル面１８上の幅方向位置規制部Ｂに突き
当てることにより、まず、ミシンテーブル面１８
上において、帯状ベルト芯６を、従つて自動的に
帯状ベルト地５をそれぞれ位置決め支持するもの
とした。したがつて、帯状ベルト地５の規定位置
に止め具２を確実に位置決めして供給できること
になり、ミシン縫いによる止め具２の止め付け作
業が高精度に能率よく行える利点を有する。しか
も、よつて得られるウエストベルト１には止め具
２をミシン縫いしたときの縫糸４が外部に露出せ
ず、体裁の良いものとなる。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。

第２図はウエストベルト１を縫製仕上げする前
段階における展開状態を示しており、５は左右横
長の帯状ベルト地、６は帯状ベルト地５よりも狭
幅で硬直性を有する左右横長の帯状ベルト芯であ
る。この状態でのウエストベルト１は、帯状ベル
ト地５の幅方向一側縁に、これの長手方向にわた
つて帯状ベルト芯６を平行に重合一体化してあ
り、止め具２が帯状ベルト地５の端の規定位置Ｐ
に縫着されることを予想している。その止め具２
の縫着位置Ｐは帯状ベルト芯６の長手方向一端縁
６ａから所定の間隔ａを以て、かつその長手方向
一端縁６ａと直交する幅方向一端縁６ｂから所定
の間隔ｂを以て設定される。

因に、帯状ベルト芯６は硬直性を有する材料か
らなるため、ウエストベルト１の保形機能のほか
に、ウエストベルト１の長さ、幅を決定する要因
ともなるものである。

第３図ないし第５図は帯状ベルト地５の上記縫
着位置Ｐに止め具２をミシン縫いするのに用いら
れる治具を示す。

この治具３は略中央部にミシン針通穴８を上下
貫通状に形成した基台板７を有し、この基台板７
の上面側に溝９ａ，９ｂ，９ｃをミシン針通穴８
の上方とこれの前後に位置するよう設けてある。
この各溝９ａ，９ｂ，９ｃは上方および左側方が
開放しており、下部の溝幅寸法Ｈが上部のそれよ
りも大きい断面逆Ｔ字形状を呈している。

このうち、中央の溝９ａには左側方より後述す
る当て布２１が挿入される。手前側の溝９ｃには
左側方より帯状ベルト芯６がその長手方向一端縁
６ａ側から挿入される。後ろ側の溝９ｂは予備的
なものであつて手前側の溝９ｃに代えて左側方よ
り帯状ベルト芯６が同様に挿入されることを許す
ためのものである。

手前側の溝９ｃの右側方の内奥端は帯状ベルト
芯６の挿入側の長手方向一端縁６ａが接当する長
手方向位置規制部Ａに設定されている。また、手
前側の溝９ｃの下部の溝幅寸法Ｈは帯状ベルト芯
６の幅寸法とほぼ同一に設定してあり、該溝９ｃ
の下部の前後端は帯状ベルト芯６の挿入される側
の長手方向一端縁６ａと直交する幅方向端縁６
ｂ，６ｂが接当する幅方向位置規制部Ｂ，Ｂに設
定されている。なお、後ろ側の溝９ｂにも手前側
の溝９ｃと同様の長手方向位置規制部Ａおよび幅
方向位置規制部Ｂ，Ｂを有する。

ミシン針通穴８は、手前側の溝９ｃの下部の後
ろ側の幅方向位置規制部Ｂから前記した間隔ｂを
置いた位置で、かつ長手方向位置規制部Ａから左
方へ前記した間隔ａを置いた位置にある。

前記溝９ａ，９ｂ，９ｃの具体的な形成手段を
第４図および第５図で説明すると、基台板７の左
右方向の長さよりも短くて左端縁の中央および前
後に同形の切欠１２ａ，１２ｂ，１２ｃを有する
櫛歯形状の透明な上板１３と、この上板１３とほ
ぼ同形で上板１３の各切欠１２ａ，１２ｂ，１２
ｃの前後幅よりも少し大きい前後幅を持つ切欠１
４ａ，１４ｂ，１４ｃを有するスペーサ１５とを
用意する。そして、上板１３を基台板７の上面側
にスペーサ１５を狭んで一体に重ね合わせること
により、基台板７の上面側に前記溝９ａ，９ｂ，
９ｃを形成した。

このように構成された止め具縫着用治具３の右
方には取付ブラケツト１６が基台板７から延出形
成されており、第７図に示すごとく該ブラケツト
１６をミシン１７のテーブル面１８上に固着して
治具３を水平姿勢に支持するとともに、ミシン針
１９の直下位置にミシン針通穴８が合致するよう
に取付ける。

このミシン１７において、ミシン針１９の下方
には止め具２を係脱自在に保持するホルダ２０ａ
が上下動アーム１０によつて上下動自在に保持さ
れている。

かくして、止め具２をミシン縫いすることにな
る。それにはまず、第６図に示すごとく帯状ベル
ト地５が治具３の上板１３の上側になるように帯
状ベルト芯６をこれの長手方向一端部ａ側から手
前側の溝９ｃに左側方より水平に挿入する。この
とき、帯状ベルト芯６の幅方向端縁６ｂ，６ｂを
幅方向位置規制部Ｂ，Ｂに摺接させながら、長手
方向一端縁６ａが長手方向位置規制部Ａに突き当
たるまで完全に挿入する。これで帯状ベルト芯６
がミシンテーブル面１８上に位置決め支持され、
これに伴つて同じく位置決めされた帯状ベルト地
５がミシン針通穴８の上側に存在し、そのミシン
針通穴８の真上に位置する帯状ベルト地５の個所
が止め具２を縫着すべき位置Ｐとなる。

次に、上下動アーム２０を下降させると、その
先端のホルダ２０ａに保持されている止め具２が
帯状ベルト地５上の止め具縫着個所に供給され、
その止め具２の縫着部２ａ，２ｂ，２ｃにミシン
針１９が順次通つて縫着する。そのさい止め具２
の縫着を確個たるものにするには、縫着前におい
て第６図および第８図に示すごとく帯状ベルト芯
６の切れ端などによる当て布２１をミシン針通穴
８の上の溝９ａに挿通して帯状ベルト地５の下面
側に当て、その当て布２１と共に止め具２を帯状
ベルト地５に縫着すればよい。ただし、帯状ベル
ト地５が厚物の場合などに当て布２１が不要であ
ることは言うまでもない。

止め具２の縫着後は、上下動アーム２０を上動
させ、帯状ベルト地５と共に帯状ベルト芯６を治
具３の溝９ｃから横側方へ抜き出す。

このように止め具２の縫着されたウエストベル
ト１は、従前通り、第１０図に示すごとく帯状ベ
ルト地５をその長手方向に沿つて平行に二つ折り
して帯状ベルト芯６を包み込むため、止め具２の
前記縫糸４は帯状ベルト地５の内側に隠され、そ
の表面に露出しないことになる。その後に、第１
１図に示すごくくウエストベルト１はスカートに
縫着される。

なお、上記治具３において、ミシン針通穴８の
上方に形成される溝９ａは前述したように前記当
て布２１を用いる場合にこれを挿入する為のもの
であり、ミシン針通穴８の後ろ側に形成された溝
９ｂは、上記実施例とは逆に帯状ベルト地５の幅
方向の他側縁がわに帯状ベルト芯６が重合一体化
されている場合にも適用できるようにするがため
のものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の方法で止め具が縫着されたスカ
ートを例示する斜視図である。第２図は本発明の
方法により止め具が縫着されたウエストベルトの
展開斜視図、第３図は本発明方法を実施する際に
使用する止め具縫着用治具の一例を示す平面図、
第４図は第３図における−線断面図、第５図
は前記治具の分解斜視図、第６図は前記治具にウ
エストベルトの帯状ベルト芯の長手方向一端部を
挿入した状態での平面図、第７図は前記治具をミ
シンに取付けた状態での斜視図、第８図は第６図
における−線拡大断面図、第９図は前記止め
具を供給する止め具ホルダの斜視図、第１０図は
前記止め具が縫着されたウエストベルトの断面
図、第１１図は本発明方法により得られたウエス
トベルトをスカートに縫着した状態での一部斜視
図である。 １……ウエストベルト、２……止め具、５……
帯状ベルト地、６……帯状ベルト芯、８……ミシ
ン針通穴、９ｃ……溝、Ａ……長手方向位置規制
部、Ｂ……幅方向位置規制部、１７……ミシン、
１８……ミシンテーブル面、１９……ミシン針。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 予め帯状ベルト地５にこれの長手方向にわた
   つて平行に重合一体化した帯状ベルト芯６をミシ
   ンテーブル面１８上に案内し、 帯状ベルト芯６の長手方向一端縁６ａをミシン
   テーブル面１８上に設けた長手方向位置規制部Ａ
   に突き当てるとともに、帯状ベルト芯６の前記一
   端縁６ａと直交する幅方向一端縁６ｂをミシンテ
   ーブル面１８上に設けた幅方向位置規制部Ｂに突
   き当てることにより、ミシンテーブル面１８上に
   おける帯状ベルト６の長手方向および幅方向の位
   置決めをし、 前記帯状ベルト地５の規定位置に止め具２を供
   給してミシン縫いする、ウエストベルトへの止め
   具の縫着方法。