JPS5827753Y2 - ポケット自動縫製機におけるエンドレスファスナ−取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ポケット自動縫製機におけるエンドレスフ
ァスナー取付装置に関するものであり、特に、エンドレ
スファスナーを使ってポケット口へのファスナー取付を
、簡単に能率よく行なえるようにしたポケット自動縫製
機の改良に関するものである。

一般に、ポケット自動縫製機は、身頃をテーブル上に置
いてキャリッジ装置をセットしてから、シュテンベル装
置により上装置台上の上布をつかんで前記身頃に乗せて
それらを押えながら、キャリッジ装置に具備する左右の
上布押えを作用させて玉縁を形成した後、キャリッジ装
置により玉縁を移送させ、その途中においてセンターメ
スにて玉縁の中央部分をポケット口の寸法だけ前後に切
断すると共に、２本針ミシンによりその両側を前記切断
寸法だけ同時に縫合してからキャリッジ装置を停止させ
、前記玉縁の前後切断部分の両端を、コーナーメスによ
りＶ字状に切断してポケット口を縫製するミシンであり
、この種のポケット自動縫製機は既に提供されており公
知である。

この従来のポケット自動縫製機は、オプションのアタッ
チメントをセットすることにより、単品化した取付部と
なるファスナーをポケット口へ取付ることかできるが、
ドラムに巻いた長尺なテープ状のエンドレスファスナー
については、それを事前に切断して単品の取付形態にし
なければ取付ることかできなかった。

この考案は、この従来のポケット自動縫製機を改良して
、ドラムに巻いた長尺なテープ状のエンドレスファスナ
ーについても、事前に切断することなく簡単に能率よく
ポケット口へ取付られるようにしたものである。

以下、この考案を図示する実施例に基づいて説明する。

この考案の要旨はポケット自動縫製機の装置全体にある
のではなく、その装置の利用を前提にして他の用途に応
用できるようにしたその装置の改良に関するものである
から、ポケット自動縫製機の装置全体の構成および作動
についての説明を省略する。

第１図はポケット自動縫製機におけるシュテンベル装置
を図示したものであり、このシュテンベル装置１は、テ
ーブル３の上方においてペタル操作により揺動および昇
降自在に構成された枠体１０に、下方を開放した逆Ｕ字
状の断面形を有する細長い外板１１と、その外板１１の
断面中心に位置し外板１１の同円側面との間隙で保持部
５を構成する矩形状の細長い基板１２と、その基板１２
の下方に位置し前記外板１１の下面との間隙で保持部５
を構成するスキー状の細長い底板１３を夫々取付なもの
で、前記枠体１０と同様に揺動および昇降自在であり、
揺動および降下による作用位置と、上昇および揺動によ
る不作用位置との間を移動する。

このシュテンベル装置１の前記保持部５はＬ字状に開設
されており、第２図に示す如く、ファスナー８の生部８
ａを下方にし且つ底板１３の側端に当接させながら、フ
ァスナー８を前記保持部５へ挿入保持する。

このシュテンベル装置１には、単品化した取付形態のフ
ァスナー８はもちろんのこと、別体に設置したドラムに
巻いた長尺なテープ状のエンドレスファスナー８を使用
できるように、下方を開放した稍々幅広の切断部６を形
成し、前記保持部５へ挿入保持したエンドレスファスナ
ー８を、この切断部６でハサミ等により切断して取付形
態のファスナー８とする。

この切断部６は、先に挿入保持したエンドレスファスナ
ー８の先端部が、ポケット口への取付部となる寸法に切
断できる位置に形成してあり、その前後には夫々保持部
５が構成されている。

この切断部６前後の夫々の保持部５により、切断後のフ
ァスナー８が夫々保持される。

またこのシュテンベル装置１底板１３の作業者側にはク
ランプ４が設置してあり、一端をドラムに巻いたエンド
レスフアスナ−８の他端を両側に分離して挿通させ、後
方の保持部５への挿入を容易にする。

従来のポケット口縫製におけるシュテンベル装置は、上
装置台上の土寄をつかんでテーブル３上の身頃７に乗せ
てそれらを押えながら、キャリッジ装置２に具備する左
右の上布押え２１′を作用させて玉縁を形成するもので
あるが、この考案におけるシュテンベル装置１はテーブ
ル３の上方において保持部５へ挿入保持したエンドレス
ファスナー８を切断して、取付部となるファスナー８と
、エンドレス状のファスナー８とに夫々分割して保持す
ると共に、ペダル操作により身頃７上に下降させて後述
するキャリッジ装置２に具備する左右のファスナー押え
２１を作用させ得るようにしたものである。

第２図は縫合する身頃７および゛ファスナー８に対する
シュテンベル装置１およびキャリッジ装置２の関係を図
示したもので、そのキャリッジ装置２は、主としてキャ
リッジ本体２０と、従来の上布押え２１′に爪２１ ａ
を固着したファスナー押え２１からなり、作業者側の位
置においてはペダル操作により上方の不作用位置へ回動
でき、身頃７をテーブル３上にセットすることができる
と共に、反作業者側との間のテーブル３上を移動自在に
構成している。

このキャリッジ装置２の移動におけるキャノツジ本体２
０は身頃７の移送を行ない、そのキャノツジ本体２０に
具備されるファスナー押え２１は、シュテンベル装置１
の保持部５へ挿入保持したエンドレスファスナー８の、
取付部となる切断後のファスナー８の移送を行なうもの
で、身頃７および取付部となる切断後のファスナー８は
、キャリッジ装置２により一体に移送される。

その移送の途中においてセンターメスにてポケット口の
寸法だけ中央部分を前後に切断すると共に、２本針ミシ
ンによりその両側を前記切断寸法だけ同時に縫合してか
らキャリッジ装置２を停止させ、前記前後切断部分の両
端を、コーナーメスにてＶ字状に切断してポケット口へ
のファスナー８取付工程が終わる。

而して、身頃７をキャリッジ装置２にセットすると共に
、エンドレスファスナー８の先端部を、シュテンベル装
置」に設置したクランプ４に挿通させてから保持部５へ
挿入保持させ切断部６で切断する。

次に、シュテンベル装置１を下降させてファスナー８を
身頃７に合わせてから、キャリッジ装置２のファスナー
押え２１を、取付部となる切断後のファスナー８に作用
させ、キャリッジ装置２の移動により身頃７および取付
部となる切断後のファスナー８を一体に移送させる。

その移送の途中において、身頃７の中央部分をセンター
メスにより前後に切断すると共に、その両側を２本針ミ
シンにより同時に縫合する。

その後キャリッジ装置２が停止してからコーナーメスに
より前記前後切断部分の両端を切断してポケット口への
ファスナー８の取付工程が終了する。

最後に、両側のファスナー８を、身頃７の裏側へ折返し
て東部８ａを合致させてから、開閉のためのスライダー
を嵌込んでポケット口へのファスナー８取付が完了する
。

切断後のエンドレスファスナー８の先端部は、切断部６
手前側の保持部５に挿入保持されているため、次のファ
スナー８取付工程には、その先端部をつかんで切断部６
前方側の保持部５へ挿入保持するだけでスタートさせる
ことができる。

以上のようにこの考案によれば、従来におけるポケット
自動縫製機のシュテンベル装置に、クランプを設置して
ドラムに巻いた長尺なテープ状のエンドレスファスナー
をそのクランプに挿通させてから挿入保持するための保
持部を構成すると共に、前記エンドレスファスナーを切
断するための切断部を形成し、キャリッジ装置には、取
付部となる切断後のファスナーを押えて移送させるため
のファスナー押えを具備するだけの簡単な構成の変更に
より、従来出来なかったエンドレスファスナーのポケッ
ト口への取付を簡単に能率よく行なうことができ、ポケ
ット口へのファスナー取付の作業能率が向上すると共に
その用途を拡大できる効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図はシュ
テンベル装置の要部斜視図、第２図は要部正面図である
。 なお図中 １はシュテンベル装置、２はキャリッジ装置
、５は保持部、６は切断部、７は身頃、８はファスナー
、２１はファスナー押えである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 身頃および上布をキャリッジ装置およびシュテンベル装
   置の協働作用により形成する玉縁を、該キャリッジ装置
   により移送させる途中において、センターメスにてその
   中央部分を前後に切断すると共に、その切断部分の両側
   をミシン縫合して前記キャリッジ装置の移動を停止させ
   、更に前記玉縁の前後切断部分の両端を、コーナーメス
   によりＶ字状に切断してポケット口を縫製するポケット
   自動縫製機において、前記シュテンベル装置に、その外
   板の面内側面および下面と、基板の両性側面および底面
   の上面との間隙により保持部を構成して、一端をドラム
   に巻いたエンドレスファスナーの他端を前記保持部の手
   前側に設置したクランプにより両側に分離して挿入保持
   すると共に、該保持部には、挿入保持されたエンドレス
   ファスナーの先端部が、ポケット口への取付部となる寸
   法に切断できる位置に、下方を開放した切断部を形成し
   、更に身頃を一体に移送させるキャリッジ装置には、前
   記取付部となる切断後のファスナーを、前記身頃と一体
   に移送できるように保持するファスナー押えを具備した
   ことを特徴とするポケット自動縫製機におけるエンドレ
   スファスナー取付装置。