JPS6239952Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の格納式クツシヨン体構造に関
する。

従来の自動車において、第１図に示すようにフ
ロントシートクツシヨン１ａとフロントシートバ
ツク１ｂとからなるフロントシート１とリヤシー
トクツシヨン２ａとリヤシートバツク２ｂとから
なるリヤシート２とが縦列配置されている場合、
前部座席の乗員が寝たいときには、フロントシー
ト１に付設したリクライニングデバイス３を操作
してフロントシートバツク１ｂを二点鎖線で示す
ように平坦状態に倒し、フロントシートクツシヨ
ン１ａ、フロントシートバツク１ｂ、リヤシート
クツシヨン２ａの三者が略面一となるようにして
全体としてマツトの体裁を整える訳である。

なお、図中４はリヤシート２の後方空間である
ラゲージルーム、５はリヤパネル、６はこのリヤ
パネル５に装着したリヤトリムを示す。（実開昭
55−87827号公報参照） しかしながら、このような従来の構造にあつて
は、一般にラゲージルームに隣接するリヤシート
２にはリクライニングデバイスが付設されていな
いため、前席の乗員が寝ていない場合でもリヤシ
ートバツク２ｂを倒すことができず、結局、後部
座席の乗員は水平状態で寝ることができないとい
う不都合があつた。しかして仮にリヤシート２に
リクライニングデバイスを付設したとしても、リ
ヤシートクツシヨン２ａとリヤシートバツク２ｂ
とだけでは長さが充分でなく寝ることが不可能で
あるという問題点があつた。

この考案はこのような従来の問題点に着目して
なされたもので、ラゲージルームに隣接する座席
にリクライニングデバイスを付設してシートバツ
クがシートクツシヨンと略面一の平坦状態となる
構造とするとともに、リヤパネルに接合装備され
かつラゲージルーム内において前方に転倒可能で
その転倒状態でその先端が平坦状態の前記シート
バツクに連続し、しかもシートバツクと略面一の
平坦状態となるような補助クツシヨン体を設ける
ことにより、シートクツシヨン、シートバツクお
よび補助クツシヨン体の三者を略面一の平坦状の
クツシヨン体として最後部座席の乗員も寝ること
ができるようにし、併せてリヤトリムも省くこと
ができるようにしたものである。

以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第２図乃至第５図はこの考案の一実施例を示す
図である。

なお、従来と同一の部品には同一の符号を付し
てその説明を省略する。

まず、構成を説明すると、リクライニングデバ
イス３を付設したフロントシート１とリヤシート
２とが縦列配列され、しかもラゲージルーム４を
有する自動車において、ラゲージルーム４に隣接
するリヤシート２にリクライニングデバイス７を
付設してリヤシートバツク２ｂが第２図中鎖線で
示すようにリヤシートクツシヨン２ａと略面一の
平坦状態となる構造とするとともに、リヤパネル
５に接合装備する補助クツシヨン体８を設ける。
この補助クツシヨン体８は前記リヤパネル５の下
端近傍において、フロアパネル９に固設された軸
受ブラケツト１０に、該補助クツシヨン体８側に
固設したピン１１が軸支されたラゲージルーム４
内において前方に転倒可能で、第２図中鎖線で示
すように、転倒状態でその先端が平坦状態の前記
リヤシートバツク２ｂに連続し、しかもリヤシー
トバツク２ｂと略面一の平坦状態となるようにす
る。さらに前記補助クツシヨン体８とリヤパネル
５との間にはロツク機構１２が設けられている。
このロツク機構１２は第６図ａ，ｂに示すよう
に、補助クツシヨン体８の先端側面にピン１３に
より回動自在に軸支されノブ１４に付設したフツ
ク１５と、このフツク１５と、前記リヤパネル５
にボルト１６により固設した前記フツク１５が係
脱するストライカー１７と、前記フツク１５をス
トライカー１７に係合する向きに弾撥するスプリ
ング１８とより構成されている。

次に作用を説明する。

リヤシート２のリヤシートバツク２ｂをリクラ
イニングデバイス７を操作してリヤシートバツク
２ｂをラゲージルーム４側の後方に倒してリヤシ
ートクツシヨン２ａと略面一の平坦状態とし、次
にロツク機構１２のノブ１４を前方に引いてスプ
リング１８に抗してフツク１５を回動してストラ
イカー１７から外し、補助クツシヨン体８を前方
に倒し、リヤシートバツク２ｂと略面一の平坦状
態となる。

すなわちリヤシートクツシヨン２ａ、リヤシー
トバツク２ｂおよび補助クツシヨン体８の三者は
全体として略面一の平坦状態となりマツトとして
の体裁が整えられる。かくして後席の乗員は該マ
ツトに寝ることができる訳である。

補助クツシヨン体８は不要のときは、ロツク機
構１２によりロツクしておきリヤパネル５に接合
装備しておけば良く、この場合リヤパネル５はラ
ゲージルーム４内に露出しないので、従来設けら
れていたリヤトリム６は省かれる訳である。すな
わち補助クツシヨン体８はリヤトリム６を兼用す
ることができる。

なお、上記実施例では前部座席と後部座席が縦
列配置された場合を示したが、本考案はこれに限
定されず、例えば前部座席のみで後部がラゲージ
ルームになつている乗用車（いわゆる２シーター
車）や座席が３列以上あり最後部座席の後部がラ
ゲージルームとなつている多目的車の場合にも適
用できる。要するにラゲージルーム側に隣接する
座席において乗員が寝られれば良い訳である。

以上説明してきたように、この考案によれば、
ラゲージルームの前方の座席にリクライニングデ
バイスを付設してシートバツクがシートクツシヨ
ンと略面一の平坦状態となる構造とするととも
に、リヤパネルに接合装備されかつ前記ラゲージ
ルーム内において前方に転倒可能でその転倒状態
でその先端が転倒状態の前記シートバツクに連続
し、しかもシートバツクと略面一の平坦状態とな
るような補助クツシヨン体を設けたため、座席の
乗員がラゲージルームのスペースを有効に使つて
寝ることができるとともに、補助クツシヨン体が
リヤパネルに接合装備された状態においては該リ
ヤパネルが覆われるためリヤトリムを省くことが
できるという効果が得られた。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す概略説明図、第２図は本
考案の一実施例を示す概略説明図、第３図はその
一部を取り除いて示した平面図、第４図、第５図
は夫々第２図のおよび矢視図、第６図ａ，ｂ
は夫々ロツク機構の平面図および正面図である。 ２……リヤシート、２ａ……リヤシートクツシ
ヨン、２ｂ……リヤシートバツク、４……ラゲー
ジルーム、５……リヤパネル、７……リクライニ
ングデバイス、８……補助クツシヨン体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ラゲージルームを有する自動車において、ラゲ
   ージルームに隣接した座席に、リクライニングデ
   バイスを付設してシートバツクを後方に転倒しシ
   ートクツシヨンと略面一の平坦状態となる構造と
   するとともに、リヤパネルに接合装備されかつ前
   記ラゲージルーム内において前方に転倒可能でそ
   の転倒状態でその先端が転倒状態の前記シートバ
   ツクに連続し、しかもシートバツクと略面一の平
   坦状態となるような補助クツシヨン体を設けて成
   る自動車の格納式クツシヨン体構造。