JPS6236195Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はリードスイツチと環状永久磁石・感温
磁性体からなる温度スイツチの２個の組合せ構造
に関する。

リードスイツチ、環状永久磁石および環状感温
磁性体からなる温度スイツチは第１図に示す構造
の常閉型や第２図に示す常開型などが実用されて
いる。常開型温度スイツチ１はリードスイツチ２
の外周に異磁極対向の２個の環状永久磁石３を間
に環状感温磁性体４をはさんで配置した構造で、
常閉型温度スイツチ５は稍長い環状感温磁性体４
の中央部に磁気間隙材６を設けた構造である。

この種の温度スイツチの互いに異なる動作温度
をもつ２個を同じ検出部に設置する場合、通常は
磁石３からの磁束が互いに影響を及ぼさない間隔
を設けている。しかし用途によつては設置空間に
制約があり２個の温度スイツチを密接または近接
して設けざるを得ないことがある。このような場
合当然のことながら動作温度が単体の状態での動
作温度からずれることになる。しかしながら、こ
のずれを予め見込んだ特性の温度スイツチを用い
ても、設置時における２個の温度スイツチの相互
間隔、軸方向のずれ、平行度のばらつきの不可避
的発生により、所要の動作温度を実現することは
難しい。さらに引出し線が接続される為、引出し
線を温度スイツチのリードに直接接続した場合、
リードの引き回しによつては、リードスイツチの
ガラスワレを起こす危険性があり、又引出線が接
続された２個の温度スイツチを、相互間隔、軸方
向のずれ、平行度をそろえ、ガラスワレに注意
し、リード線のネジレ、交差を較正しながら固定
することは動作温度精度、作業性から見ても非常
に困難である。

本考案の目的は、上述した型の２つの温度スイ
ツチを隣接して設置しなければならない場合のよ
うな用途に適した複合型の温度スイツチを提供す
ることである。

本考案は、２つの温度スイツチを方形枠状基板
を用いて固定配置した複合型温度スイツチであ
り、引出し線を接続する前に基板の表裏から長辺
内側で温度スイツチの外周面をおさえ、相互間
隔、平行度を一定にし、短辺内側の片方に両温度
スイツチのマグネツト端面を位置させ、ずれをな
くし基板の端子孔（表裏）に温度スイツチのリー
ドを接続（ハンダ付けスポツト溶接）し、その後
引出し線を接続する。このように位置出し、作業
性、ガラスワレの危険性を方形枠状基板を用いる
ことにより、工程を分割し、作業性の改善と動作
温度精度、信頼性を改善でき、さらに基板の表裏
に温度スイツチを接続し、基板をケースの対角間
に差し渡しすることによつてケースが金属の場合
でもリード接続部との絶縁距離が確保できる小型
構造をもつ複合型温度スイツチが得られる。

２個の常開型温度スイツチを密接状態に組み合
わせた本考案の実施例について、第３図の分解斜
視図（引出し線は図示せず）、第４図の側面図を
参照して説明する。

第３図において、基板７は方形枠状の絶縁性板
体で、その外形寸法は角筒ケース１０の対角間に
差し渡し嵌入しうる寸法であり、中央角孔の短辺
内寸は基板の表裏から密接された温度スイツチ５
ａ，５ｂのリードがはとめ端子９に接触する位置
から出された寸法であり、温度スイツチ５ａ，５
ｂの外径の合計寸法より小さく、長辺内寸はリー
ドスイツチ２の管体の長さより長い寸法である。
基板７の短辺部分には基板７を貫通して４個のは
とめ端子９が設けられている。角筒ケース１０は
常磁性金属製、樹脂製のいずれでもよく、その角
筒内寸は対角基板の底辺及び温度スイツチ外径と
接続される引出し線外径による高さに余裕をもた
せた挿入できる寸法とされている。

以下、組立方法とともに構造を説明する。

個別に作られた温度スイツチ５ａ，５ｂのリー
ド片を基板７のはとめ端子９に対応する所定の個
所で切断する。リード片を切断した温度スイツチ
５ａを、第３図に示すように基板７の表面から、
一方の温度スイツチ５ｂを基板７の裏面から磁石
３の磁化の向きが互いに逆向きになるようにし
て、中央角孔８に基板の表裏からそれぞれ嵌合さ
れ。この結果、２つの温度スイツチ５ａ，５ｂの
両中心軸が共通に乗る平面に対して基板７は第４
図に示されるように傾斜することになり、また両
温度スイツチ５ａ，５ｂは、中央角孔８の長辺端
縁にそれぞれ当接して互いに平行に配置される。
一方、２つの温度スイツチ５ａ，５ｂの磁石３の
端面は、中央角孔８の短辺に小さなギヤツプをお
いて対向しており、これにより、軸方向のずれは
わずかなものに制限される。なお、温度スイツチ
５ａ，５ｂは磁石３間の磁気的吸引力により常に
密着状態に保たれる。平行度は基板長辺の内側に
温度スイツチ５ａ，５ｂ外周を接触させることに
より保たれる。このように位置出しされた２個の
温度スイツチ５ａ，５ｂのリードは４つのはとめ
端子９に接続（ハンダ付け、スポツト溶接）され
る。はとめ端子９に引出し線（図示せず）を接続
固定した後、第４図に示すようにケース１０内に
基板７を斜めにして収納し、接着剤などで固着す
るか絶縁性埋込樹脂を充填してケース入りの複合
型温度スイツチが作られる。

なお、第４図において、１１は端子９に接続さ
れたケース外部導出用のリード線である。

実施例として常開型温度スイツチ同士の場合を
説明したが、常閉型同士または常閉型と常開型の
組合せであつてもよい。

以上に説明したように、本考案によれば角筒ケ
ース内に対角間に差し渡し固定できる基板を用い
ることによつて２個の温度スイツチを簡単に精度
よく並列配置に組み合わせることができケース入
りの複合型温度スイツチが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来から実用される温度スイ
ツチの異なる構造例を示す正面図、第３図は本考
案による複合型温度スイツチの実施例を示す分解
斜視図、第４図は側面図である。 １……常閉型温度スイツチ、２……リードスイ
ツチ、３……環状永久磁石、４……環状感温磁性
体、５，５ａ，５ｂ……常開型温度スイツチ、６
……磁気間隙材、７……方形枠状基板、８……中
央角孔、９……はとめ端子、１０……角筒ケー
ス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リードスイツチと該リードスイツチの外周に配
   置された環状の感温磁性体と永久磁石とからなり
   互いに異なる動作温度をもつ２個の温度スイツチ
   と、短辺方向内寸が上記温度スイツチの外径の合
   計寸法より若干小さくかつ長辺方向内寸が各温度
   スイツチの軸方向長さより若干長く長辺方向両端
   部に複数の端子孔が設けられた方形枠状の絶縁性
   基板と、角筒状ケースとからなり、上記温度スイ
   ツチのそれぞれを磁石の着磁方向を互いに逆向き
   にかつ接点部を互いに対向させて、上記方形枠状
   の基板の表裏からそれぞれ部分的に嵌合し長辺内
   端縁に沿わせて並列に配置するとともに複数のリ
   ード線を端子孔に接続することによつて取り付け
   た該基板を上記ケース内にケースの対角間に差し
   渡し収納してなることを特徴とする複合型温度ス
   イツチ。