JPS6235137A - 伝動用ベルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は無段変速機などに用いられる伝動用Ｖベルトに
関する。

〔従来の技術〕

自動車の無段変速機に用いられる伝動用Ｖベルト（ＣＶ
Ｔ用ベルト）は、−例として第５図に示されるベルト１
のように構成される。すなわち、積層バンド２は無端帯
状をなす複数枚（１０ないし２０枚位）の金属バンド２
ａ、２ｂ・・・２ｎを厚み方向に重ねて構成され、この
積層バンド２の長さ方向に、多数の金属製ブロック３（
一部のみ図示）か重ねて設けられる。これらブロック３
は、積層バンド２に対しバンドの長さ方向に相対滑り可
能な状態に保持されている。

上記ベルト１は、軸間距離の固定された一対のプーリ５
，６間に張り渡され、各ブロック３を介して動力の伝達
が行なわれる。一方のプーリ５は、互いに軸方向に対向
する一対の円錐板からなり、また他方のブー９６も互い
に軸方向に対向する一対の円錐板からなる。そして各円
錐板を油圧制御などによって回転軸８，９の軸方向に相
対移動させて、円錐板間の距離を変えることにより、各
ブロック３の接触位置をプーリ５，６の半径方向に変化
させる。こうして回転比すなわち変速比を無段階的に変
化させるとともに、ベルト１をたるみなく張り渡すよう
にしている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

この種の伝動用ベルトにあっては、ブロックを介して動
力の伝達が行なわれるため、従来は互いに隣合うブロッ
ク相互の対向面を面接触させることで、ブロック間の荷
重伝達を行なっている。また、例えば特開昭５８−１４
９４３７号公報や、特開昭５８−３４２５３号公報など
に見られるように、ブロックの位置決めをなすために、
ブロックの一方の面に凸部を設けるとともに、他方の面
の同じ位置に凹部を設け、互いに隣接するブロック同志
で上記凸部と凹部を嵌合させる構造が採用されることも
ある。

しかしながら、いずれにしてもブロック間の荷重伝達は
、ブロック相互の対向面間の面接触により行なわれてい
る。

〔発明が解決しようとする問題点３ 以上のように従来はブロック間の面接触により荷重の伝
達が行なわれているため、ベルトが新品であって馴し運
転が充分に行なわれていない状態では、ブロック相互の
接触面が互いに馴染みにくく、ブロック相互が片寄って
接触したり接触位置が不安定になる場合がある。このた
め、特にベルトの使用初期においてベルトの動きが不安
定になることがある。

ｃ問題点を解決するための手段〕 本発明は、無端帯状の積層バンドと、この積層バンドの
長さ方向に多数個重ねて設けられるブロックとからなる
伝動用ベルトに適用される。

本発明では、上記ブロックの厚み方向の一方の面に凸部
を設けるとともに、他方の面には、隣のブロックに設け
られた上記凸部と嵌合する凹部を設ける。そして、上記
凸部が設けられている面の最前部から凸部の先端までの
距離ｉ１を、凹部が設けられている面の最後部から凹部
の奥端までの距離ノ２よりも長くし、さらに上記凹部は
、ブロックがプーリ上を走行する際に互いに前後方向に
傾くことによる凸部の傾きを許容する形状とするか、ま
たは凹部の内径を凸部の外径よりも大きくしたことを特
徴とする。

〔作用〕

上記構成の伝動用ベルトは、各ブロックに設けられた凸
部の先端が、隣のブロックの凹部の内壁に突き当るため
、これら凸部と凹部を介してブロック間で荷重の伝達が
行なわれる。

〔実施例１〕 第１図に示された伝動用Ｖベルト１は、第５図に示され
たものと同様に、無端帯状の積層バンド２と、この積層
バンド２の長さ方向に多数個重ねて設けられるブロック
３とからなる。

積層バンド２は、複数枚の金属バンド２ａ。

２ｂ・・・２ｎを厚み方向に重ねたものである。各金属
バンド２ａ、２ｂ・・・２ｎは、−例として厚さが０．
１　ｍないし０．２Ｍ位のステンレス鋼からなる。

ブロック３は、ブロック本体１０と、ブロック本体１０
の首部１３．１４間に架は渡された横部材１５とからな
る。ブロック本体１０と横部材１５は金属、ＦＲＰ、セ
ラミック、サーメットなどからなり、荷重が加わっても
実質的に変形しない剛性をもっている。また、横部材１
５は、首部１３．１４の補強部材としても機能する。

ブロック本体１０には、左右両側に設けられた首部１３
．１４間に位置してバンド支持面１６が形成されている
。このバンド支持面１６は、幅方向（第１図において紙
面と平行な方向）および厚み方向（第１図において紙面
と直交する方向）に、僅かであるが外側に凸となるよう
な湾曲した形状をなしている。

またブロック本体１０の幅方向両側部には、上記バンド
支持面１６の両側に位置して、左右一対の略Ｖ状の傾斜
面１８．１９が設けられている。

これら傾斜面１８．１９はプーリの内側面に接する。

そして傾斜面１８．１９の長さｈの中心位置Ｃ（第１図
参照）と、バンド支持面１６の高さとがほぼ一致するよ
うに、バンド支持面１６の位置が設定されている。

また、ブロック本体１０の厚み方向の一方の面には、左
右対称の位置に一対の凸部２１が設けられている。凸部
２１の先端は半球状をなしている。

またブロック本体１０の他方の面には、上記凸部２１と
対応した位置に一対の凹部２２が設けられている。この
凹部２２には、隣のブロックに設けられた凸部２１が嵌
合する。凹部２２は球状の窪みである。

そして第２図に示されるように、凸部２１が設けられて
いる面の最前部から凸部２１の先端、までの距Ｉ４１！
１を、凹部２２が設けられている面の最後部から凹部２
２の奥端までの距離ノ２よりも長くしである。また、上
記凹部２２の内径ｄ２は、凸部２１の外径ｄ１よりも大
きくしである。このため、凸部２１は凹部２２に嵌合し
た状態のまま、凹部２２に対し、ある程度の角度範囲内
で首を振ることができる。

上記構成のＶベルト１は、第５図のものと同様に一対の
プーリ間に張り渡される。そしてプーリの回転に伴って
各ブロック３が積層バンド２とともに一体的に走行する
。すなわち、一方のブロック３の凸部２１の先端が、隣
のブロック３の凹部２２の内壁に突き当ることにより、
凸部２１と凹部２２を介して、一方のブロック３が他方
のブロック３を押す。こうしてブロック３間で力の伝達
が行なわれる。また、凸部２１と凹部２２とが嵌合する
ことにより、ブロック３同志の位置決めもなされる。

上記Ｖベルト１は、プーリ上を走行する際にはプーリの
作用半径に応じて、第３図に示されるように、隣合うブ
ロック３同志が前後方向に多少傾く。このため、凹部２
２に嵌合している凸部２１も凹部２２に対して多少傾く
。しかしながら、凹部２２はこうした凸部２１の傾きを
許容し得るように、凹部２２の内径を凸部２１の外径よ
りも大きくするか、あるいは凸部２１の傾きを許すよう
な逃げをもった形状としであるため、プーリ上を通過す
る際にブロック３が互いに前後方向に傾いても何ら支障
はない。

なお、凸部２１と凹部２２は各２個に限らず、要するに
ブロック３の正面方向から見て左右対称となるように１
個以上設けてあればよい。また、凸部２１の先端と凹部
２２は半球以外の形状であってもよい。

また上記実施例によれば、以下述べる理由により、最内
側のバンド２ａの摩耗と伸びを防止する上で頗る効果的
である。

従来のＶベルト用ブロックにおいては、例えば第６図に
示されるように、プーリを通過する際のバンド支持面７
の作用半径Ｒ１と、ブロック３′の作用半径Ｒ２とは互
いに異なっていた。

このため積層バンド２とブロック３′は、各々の作用半
径に応じて、■（周速度）　−Ｒ（作用半径）×ω（角
速度・一定）で移動する。すなわち、プーリ上では角速
度ωが一定であるからプーリを通過する時には積層バン
ド２とブロック３′は相対滑りを生じることなく一体に
回転するが、この時の周速度Ｖは外側に位置するものほ
ど速くなる。

このためプーリ間を走行する時には、上述した周速度差
により、積層バンド２とブロック３′とが互いに相対滑
りを生じることになる。こうして積層バンド２とブロッ
ク３′は互いの接触部において摩耗したり、伸びるなど
して寿命の低下を引き起こす。

こうした相対滑りは、各バンド２ａ、２ｂ・・・２０間
にも生じるが、特に最内側に位置するバンド２ａとブロ
ック３′との接触部は面圧が大きく、かつ相対速度差も
大きいことから、最内側のバンド２ａの伸びと摩耗が顕
著となる。

しかしながら、上述した第１実施例のＶベルト用ブロッ
ク３（第１図のもの）によれば、バンド支持面１６の高
さを、プーリが接する傾斜面１８゜１９の長さ方向中央
部Ｃに位置させているので、ブロック３の作用半径と、
バンド支持面１６の作用半径がいずれもＲとなり、互い
に一致する。

このため、プーリを通過する際の作用半径差にもとづく
最内側のバンド２ａとブロック３との相対滑りがほとん
ど無くなり、従来のＶベルトに比べて最内側のバンドの
伸びと摩耗を大幅に低減できる。

〔実施例２〕 第４図に示されたＶベルト１に使用される積層バンドは
、第１のバンド群２と、このバンド群２の外側に位置す
る第２のバンド群２′とに別れている。

第１のバンド群２は、複数枚の金属バンド２ａ。

２ｂ・・・２ｎを厚み方向に重ねたものである。第２の
バンド群２′　も、複数枚の金属バンド２ａ′。

２ｂ’　・・・２０′を厚み方向に重ねたものである。

ブロック３は、ブロック本体１０と、このブロック本体
１０に設けられた支持部材１１と、ブロック本体１０の
首部１３．１４間に架は渡された横部材１５とからなる
。ブロック本体１０と支持部月１１および横部材１５は
金属、ＦＲＰ、セラミック、サーメットなどからなり、
荷重が加わっても実質的に変形しない剛性をもっている
。ブロック本体１０の幅方向両側部には、プーリの内側
面に接する略Ｖ状の傾斜面１８．１９が設けられている
。

またブロック本体１０には、支持部材１１の内側に位置
して、ブロック本体１０の厚み方向に開口する凹部３０
が形成されている。この凹部３０の両側には、首部１３
．１４との間に位置して、段部３１，３２が形成されて
いる。そして段部３１．３２に、上記支持部材１１が適
宜の保持手段により取付けられている。

上記凹部３０の底には、第１のバンド群２と接面する第
１のバンド支持面３５が形成されている。

また支持部材１１の外側の面には、第２のバンド群２′
と接面する第２のバンド支持面３７が形成されている。

そしてブロック本体１０には、前記第１実施例で説明し
たと同様の凸部２１と凹部２２（図示路）が設けられて
いる。そして第１実施例の場合と同様に、凸部２１の先
端が隣のブロックの凹部２２の内壁に当ることによって
、隣合うブロック３同志が押し合い、荷重伝達が行なわ
れるようになっている。

上記第２実施例によれば、内側に位置する第１のバンド
群２が第１のバンド支持面３５に接し、第２のバンド群
２′が第２のバンド支持面３７に接する。すなわち積層
バンドは２つのバンド群２゜２′に別れて、それぞれブ
ロック３に支持されることになる。

従って、ブロックと接するバンドが１枚のみであった従
来品（例えば第６図のもの）と比較して、■ベルト全体
としての張力が一定であっても、ブロックと接触するバ
ンド数が増加した分たけ、ブロックと接触するバンドの
１枚当りの荷重分担が減少する。すなわち、張力分担か
等しいならばブロック３と接する最内側のバンド２ａ、
２ａ′の面圧が従来の半分となり、最内側のバンド２ａ
。

２ａ’の摩耗と伸びが従来品よりも大幅に減少すること
になる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、ブロックに設けられた凸部の先端が隣
のブロックの凹部の内壁に当り、これら凸部と凹部を介
してブロック間の荷重伝達が行なわれるので、ブロック
相互の対向面を面接触させていた従来品に比べて、特に
ベルトの使用初期におけるブロック相互の接触部の馴染
みがよくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示すＶベルト用ブロック
の正面図、第２図は第１図に示されたブロックを一部断
面で示す側面図、第３図はブロックが傾いた状態を示す
側面図、第４図は本発明の第２実施例を示すＶベルト用
プロ・ツクの正面図、第５図はＶベルトを用いた伝動装
置の概略側面図、第６図は従来のＶベルト用ブロックの
一例を示す正面図である。 １・・・伝動用Ｖベルト、２，２′・・・積層バンド、
３・・・Ｖベルト用ブロック、１０・・・プロ・ツク本
体、１６・・・バンド支持面、１８．１９・・・傾斜面
、２１・・・凸部、２２・・・凹部。 出願人代理人　弁理士　鈴江武彦 第１図 第２図　　　　　第３図 第４丙 第５図 第６図

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）無端帯状の積層バンドと、この積層バンドの長さ
   方向に多数個重ねて設けられるブロックとからなる伝動
   用ベルトにおいて、上記ブロックの厚み方向の一方の面
   に凸部を設けるとともに、他方の面には隣のブロックに
   設けられた上記凸部と嵌合する凹部を設け、かつ上記凸
   部が設けられている面の最前部から凸部の先端までの距
   離ｌ＿１を、凹部が設けられている面の最後部から凹部
   の奥端までの距離ｌ＿２よりも長くし、さらに上記凹部
   は、ブロックがプーリ上を走行する際に前後方向に傾く
   ことによる凸部の傾きを許容する形状とするか、または
   凹部の内径を凸部の外径よりも大きくしたことを特徴と
   する伝動用ベルト。
2. （２）上記ブロックは、上記積層バンドが接するバンド
   支持面と、このバンド支持面の両側に位置してプーリと
   接触する左右一対の傾斜面を備え、かつ上記バンド支持
   面の高さを、上記傾斜面の長さ方向中央部に位置させた
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の伝動用ベ
   ルト。
3. （３）上記ブロックは、プーリと接触する左右一対の傾
   斜面を備えたブロック本体と、このブロック本体に取付
   けられた支持部材とを備え、上記ブロック本体には上記
   支持部材の内側に位置して第１のバンド群と接する第１
   のバンド支持面を形成するとともに、上記支持部材には
   第１のバンド群の外側に位置する第２のバンド群に接す
   る第２のバンド支持面を形成したことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の伝動用ベルト。