JPS6234968Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は水平状態で搬送されてきた板ガラスを
曲げ成形する際に位置決めする装置に関する。

板ガラスを曲げ成形して彎曲ガラスを製造する
手段として、加熱炉からトング等で板ガラスを吊
下げて搬出し、搬出した板ガラスを垂直状態で型
間でプレスする手段と、加熱炉から板ガラスを水
平状態で搬出し、これを上下の型間でプレスし、
又は自重によつて成形する手段等がある。

そして、板ガラスを水平状態で連続的に成形す
る装置としては、例えば第１図及び第２図に示す
如き装置を用いている。

即ち、加熱炉１の下部にエアテーブル２を配設
し、加熱炉１の周囲を循環するチエーン３にバー
状の搬送部材４を取付け、この搬送部材４によつ
てエアテーブル２上の板ガラス５の後端部に押
し、加熱炉１内を搬送し、この間に板ガラス５を
軟化点近くまで加熱するようにしている。そし
て、搬送部材４によつて加熱炉１の出口近くまで
エアテーブル２上を滑走してきた板ガラス５は、
加熱炉１内まで侵入する一対のシヤトル６，６に
よつて後端の両隅部を保持され、シヤトル６，６
の移動でプレスベツド７上まで引き出され、次い
でプレスベツド７を囲むリングモールド８が上昇
することで、リングモールド８によつて板ガラス
５が持ち上げられ、上型９との間でプレス成形さ
れるようにしている。

しかしながら、上記した従来の成形装置によつ
て成形する場合、その位置決めは一対のシヤトル
のみによつて行なつているため、プレスベツド上
の板ガラスの位置にバラツキが生じる。このため
曲げ精度が安定せず、特に深曲げ部分における曲
げ精度が劣ることとなり、場合によつてはリング
モールドから板ガラスが外れることもある。

本考案は上記した従来の曲げ成形における問題
点を改善すべく成したものであつて、その目的と
する処は、加熱炉から引き出された板ガラスをベ
ツド上にて正確に位置決めすることで、曲げ精度
に優れた彎曲ガラスを得ることができる板ガラス
成形用位置決め装置を提供するにある。

この目的を達成するため本考案に係る位置決め
装置は、成形用リングモールドを固定した保持体
に、ストツパの基端部を回動自在に取付け、一方
上記リングモールドがベツドの周囲に嵌装された
際に、前記基端部が回動してストツパの先端部が
ベツドの前端部近傍で前記ベツドの上面よりも上
方に位置するようにし、該ストツパの先端部によ
つてベツド上に搬送されてきた板ガラスの前端部
の位置決めを行なうようにしたことをその要旨と
している。

以下に本考案の実施例を第３図乃至第５図に基
いて説明する。

第３図は本考案に係る位置決め装置をプレス成
形装置に適用した場合の斜視図であり、加熱炉内
に配設されたエアテーブル１０の図中右側（下流
側）には支持台１１を配設し、この支持台１１上
に多数の加熱空気の吹出孔１２…を形成したプレ
スベツド１３を設け、このプレスベツド１３より
も右側の支持台１１上には幅方向に離間して一対
の板状ストツパ１４，１４を固設している。

また、支持台１１の右側には保持体１５を設け
ている。この保持体１５は一対の平行な側板１
６，１７と、これら側板１６，１７の先端部（図
中左側端）間に架設された横板１８とからなる平
面略逆コ字状をなし、横板１８には第４図及び第
５図にも示すようにロツド１９，１９を介して前
記プレスベツド１３の周囲に遊嵌するリングモー
ルド２０を固定している。また横板１８には一対
のクランク状ストツパ２１の基部を回動自在に取
付け、第５図に示すように保持体１５がリングモ
ールド２０とともに降下する際に、前記支持台１
１に設けた板状ストツパ１４，１４にクランク状
ストツパ２１，２１が当接するようにし、この当
接によつてクランク状ストツパ２１，２１は上方
に回動し、リングモールド２０がプレスベツド１
３に嵌り込んでプレス準備状態となつた位置で、
クランク状ストツパ２１，２１の先端はプレスベ
ツド１３の前端部近傍でプレスベツド１３の上面
よりも上方に位置するようにしている。

一方、保持体１５の側板１６，１７にはこれら
側板１６，１７と平行なラツク棒２２，２３を取
付け、これらラツク棒２２，２３にはモータによ
つて回転せしめられるピニオン２４，２５を噛合
している。またラツク棒２２，２３の一部はガイ
ドロツド２６，２７に沿つて昇降可能とされた中
間体２８，２９のアーム部３０，３１と係合し、
中間体２８，２９は他方のアーム部３２，３３が
結合するチエーン３４，３５を上下に走行せしめ
ることで昇降するようにしている。而して、ピニ
オン２４，２５を回転せしめることで、保持体１
５及びこれに固定されたリングモールド２０は前
後動し、中間体２８，２９は昇降動せしめること
で、保持体１５及びこれに固定されたリングモー
ルド２０は昇降動する。尚、保持体１５が昇降動
する場合には、ラツク棒２２，２３はピニオン２
４，２５の歯部に沿つて昇降動し、また保持体１
５が前後動する場合には、中間体２８，２９がラ
ツク棒２２，２３とともに移動するような構成と
している。

また、保持体１５によつて囲まれる空間には別
系統の駆動手段により移動される板ガラス３６の
保持具３７…を配設し、急冷された板ガラス３６
をリングモールド２０から受け取るようにし、更
に保持体１５の右方には上記保持具３７…によつ
て保持されてきた板ガラスを受け取り、所定位置
まで搬送するベルト装置３８を配設している。

次に上記の如き構成からなるプレスセクシヨン
の作動を以下に説明する。

先ず、ピニオン２４，２５を回転して保持体１
５をプレスベツド１３方向へ移動せしめ、保持体
１５に固定したリングモールド２０をプレスベツ
ド１３と上型３９との間に位置せしめる。この
後、中間体２８，２９を降下させて保持体１５を
降下せしめ、リングモールド２０をプレスベツド
１３の周囲に嵌装せしめる。そしてこの動作に伴
ない、前記した如くクランク状ストツパ２１，２
１は支持台１１上に固設した板状ストツパ１４に
当接し、クランク状ストツパ２１，２１は上横板
１８に取付けられた基端部を中心として上方に回
動し、その先端部がプレスベツド１３の前端部近
傍のプレスベツド１３上面よりも上方で且つリン
グモールド２０の前端部と干渉しない位置に停止
する。

斯る状態から、シヤトル４０，４０によつてエ
アテーブル１０上の板ガラス３６はプレスベツド
１３上に引き出され、このプレスベツド１３上面
を滑走して、その前端部がクランク状ストツパ２
１，２１の先端部に当接し、この当接によつて板
ガラス３６はその移動が停止せしめられるととも
に、シヤトル４０，４０及びストツパ２１，２１
により四隅が位置決めされる。

そして、板ガラス３６の位置決めが終了したな
らば、中間体２８，２９を介して保持体１５を上
昇せしめ、この保持体１５に固定されたリングモ
ールド２０を上昇せしめる。このリングモールド
２０の上昇により、位置決めされた板ガラス３６
の周縁部が正確にリングモールド２０の上に載置
される。そして、リングモールド２０を更に上昇
せしめると、クランク状ストツパ２１，２１も上
昇して板状ストツパ１４，１４から離れ、クラン
ク状ストツパ２１，２１は自重で下方に回動し、
その先端部がリングモールド２０の上端よりも下
方位置となる。斯る状態のまま、リングモールド
２０上に載置された板ガラス３６の上型３９との
間でプレス成形される。

この後直ちに、ピニオン２４，２５を前記とは
逆方向に回転して保持体１５を搬送方向前方（第
３図中右方）へ移動させ、成形された板ガラス３
６をリングモールド２０に載置したまま冷却空気
の吹出しノズル上方に位置せしめ、板ガラス３６
に冷却空気を吹き付ける。すると、冷却空気は板
ガラス３６とリングモールド２０上端部との間等
を通過しつつ板ガラス３６を急冷強化せしめる。

次いで、保持具３７…によつて板ガラス３６の
四隅を保持してリングモールド２０から板ガラス
３６を取り上げて搬送ベルト３８上に板ガラスを
移し替え、次工程へ板ガラス３６を搬送する。こ
こで前記クランク状ストツパ２１，２１はリング
モールド２０上端よりも下方に下つているため、
保持具３７による取り上げの邪魔にならない。

尚、図示例にあつては本考案に係る位置決め装
置をプレス成形装置に適用した例を示したが、本
考案に係る位置決め装置は、軟化点近くまで加熱
した板ガラスをリングモールド上にて板ガラスの
自重によりリングモールドの形状に倣つて彎曲せ
しめるようにした自重式の成形装置にも適用し得
るものである。

以上説明したように本考案によれば、加熱炉か
ら水平状態で搬送されたきた板ガラスをベツド上
に載置し、この板ガラスをベツド周囲に嵌装され
たリングモールドを上昇せしめることで成形する
ようにした装置において、上記リングモールドが
固定される保持体にストツパを回動自在に取付
け、リングモールドがベツド周囲に嵌装される位
置、つまり成形の準備位置において、ストツパの
先端部がベツドの前端部近傍のベツド上面よりも
上方に位置するようにしたので、従来のシヤトル
と合せベツド上で板ガラスの四隅を位置決めで
き、更に成形時及び搬送時にあつてはストツパは
リングモールド上端よりも下方に位置するように
したので、成形及び搬送の妨げとなることがな
い。

したがつて、リングモールド上に迅速且つ正確
に板ガラスを載置することが可能となり、曲げ精
度に優れた彎曲ガラスを得ることができる。特に
自動車のフロントガラスのように深曲げ部分を有
する彎曲ガラスを製造するにあたつて極めて効果
的である。

【図面の簡単な説明】

図面は従来例及び本考案の実施例を示すもので
あり、第１図は従来のプレス成形装置の側面図、
第２図は従来のプレス成形装置の平面図、第３図
は本考案は係る位置決め装置を適用したプレス成
形装置の要部の斜視図、第４図はリングモールド
とストツパとの位置関係を示した平面図、第５図
はリングモールドの作動とストツパの作動とを示
した側面図である。 尚、図面中１０はエアテーブル、１３はベツ
ド、１５は保持体、２０はリングモールド、２１
はストツパ、３６は板ガラス、４０はシヤトルで
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱炉から搬送されてきた板ガラスを載置する
   ベツドと、昇降動可能とされた保持体に固定さ
   れ、且つベツド上に載置された板ガラスの周囲を
   下方から持ち上げて成形するリングモールドと、
   上記保持体に基端部が回動自在に支持されるとと
   もに、リングモールドがベツドの周囲に嵌装され
   る際に前記基端部が回動してその先端部がベツド
   前端部近傍で前記ベツドの上面よりも上方に位置
   するストツパとなることを特徴とする板ガラスの
   成形用位置決め装置。