JPS6234680Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はモータにより砥石を高速回転させ
て、包丁やはさみ等の刃物を研磨する電動刃物研
ぎ器の改良に関するものである。

従来この種の刃物研ぎ器においては、刃物研磨
用の砥石は質量を充分に大きくし、慣性力を持た
せることにより回転むらによる研磨状態のばらつ
きを軽減させているが、使用後、モータを停止さ
せても、砥石はその慣性力によつてしばらくの間
回転し続けるため、特に不慣れな婦女子にとつ
て、スイツチを切つたにもかかわらず、停止動作
が確実に行なわれているかどうか認知できず不安
感をいだかせるものであつた。また、刃物研磨中
に砥石の欠落等の不測の事態が起こつた場合、即
座に停止させることができず非常に危険であつ
た。

そこで、例えばブレーキシユー等の摩擦ブレー
キ手段によつて砥石を強制的に圧接停止させるこ
とが考えられるが、構造が複雑になるとともに、
摩擦熱が発生するため、機器に悪影響を与え、ま
たブレーキシユーの寿命にも制限が有り、実用に
適しているとはいえないものである。

この考案は上記欠点を勘案してなされたもの
で、以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図および第２図において、１は電池電源２
やモータＭ等を収納したケース本体、４はケース
本体１の上壁に形成された凹所で、上記モータＭ
の回転軸５側に対して上下変位可能に連結された
砥石６がこの凹所４内に一部が露出する状態で配
設されている。このモータＭと砥石６とは直接も
しくはベルトやギヤのような間接伝達するもので
ある。７，８は包丁やはさみ等の異種の刃物Ｓ，
S′に応じて、これらを砥石６の主面側に差し込む
ための溝であり、この溝７，８は上記砥石６の研
磨用主面側である上面に対向配設されたカバー９
と上記本体ケース１の上面との間のギヤツプで構
成したものである。

次に第３図ａ，ｂにより上記刃物研ぎ器の回路
図を示すと、上記電池電源２とスイツチSWを介
して直列に接続したモータＭとからなるメイン回
路Ａと、このメイン回路Ａと並列的に形成され、
かつ上記モータＭの両端を発光ダイオード１０、
保護用の抵抗１１および上記スイツチSWを介し
て接続する並列回路Ｂとから構成されており、メ
イン回路Ａと並列回路Ｂはそれぞれのスイツチ接
点ｐ，ｑのいずれかに上記スイツチSWを接続す
ることにより、選択できるようになつている。

したがつて、使用に際して砥石６を回転させる
場合には第３図ａに示すごとく、メイン回路Ａ側
のスイツチ接点ｐにスイツチSWを接続すれば、
モータＭと電池電源２とが通電し、モータＭが高
速回転して使用可能な状態になる。次いで、スイ
ツチSWをオフの状態、すなわち第３図ｂのごと
くスイツチSWを並列回路Ｂ側のスイツチ接点ｑ
に接続してやれば、電源２が断たれることによ
り、モータＭは砥石６の慣性力により回転し続け
るが、ここでモータＭは発電機として作用するた
め、モータＭの発電作用は過負荷状態となり、換
言すれば砥石６の慣性力によるモータＭの回転で
生ずる起電力が逆にモータＭを制動するように働
き、砥石６は強制的に停止される。このとき、並
列回路Ｂに接続した発光ダイオード１０はモータ
Ｍの発電作用により生ずる起電力により作動し、
モータＭが停止するまで発光する。この発光ダイ
オード１０は外方より視認できるように本体ケー
ス１表面に一部露呈状態で配設されている。

ここで、第２図に示す実際の使用状態におい
て、溝７に刃物Ｓを差し込み、刃物Ｓの刃先が砥
石６の上面側に当接するように設定し、その状態
で刃物Ｓを手前へ引くことにより刃先は刃わたり
全長に亘つて研磨される。使用後、あるいは砥石
６の欠損等の不測の事態が起こり砥石６の回転を
停止させる必要が生じた場合は、スイツチSWを
オフの状態に操作してやれば、モータＭが上述の
ごとく制動停止させられるため、砥石６は即座に
停止され、さらに上記砥石６の慣性力により回転
するモータＭからの起電力で、停止報知手段であ
る発光ダイオード１０が作動し、使用者に正確に
停止動作をしていることを促すので、使用に不慣
れな婦女子にも不安感を与えることはなく、ま
た、安全性にも優れたものとすることができる。
しかも、上記実施例においては、スイツチSWを
オフの状態では、スイツチSWは並列回路Ｂ側の
スイツチ接点ｑに自動的に接続され、モータＭは
常時過負荷状態にあるためモータＭは常時制動さ
れ、移動時や運搬時の砥石６の不要な回転を防止
することができる。

上記実施例は砥石を水平に回転するよう配設し
たものであるが、これに限るものではなく、例え
ば砥石を垂直に回転するごとく縦方向に配列した
ものであつてもよい。

さらに、本考案に使用する電源としては乾電
池、充電池、家庭用交流電源等が考えられるが、
本考案のモータとしては直流モータおよび整流子
型モータが適している。

また、上記実施例においては報知手段として発
光ダイオードを用いたが、その他の発光素子ある
いは、ブザー等の発音手段を用いてもよいのはい
うまでもない。

以上説明したように、本考案は電源とこの電源
により回転するモータと、このモータにより伝達
駆動される砥石とを備えた電動刃物研ぎ器におい
て、上記電源２と並列的にモータＭの両端を報知
手段１０を介して接続する並列回路Ｂを形成する
とともに、電源２とモータＭとの通電を開閉する
のと連繋して上記並列回路Ｂを形成するととも
に、電源２とモータＭとの通電を開閉するのと連
繋して上記並列回路Ｂを閉開操作するスイツチ手
段を配設したので、砥石の停止性能に優れ、さら
に停止動作が確実に行なわれているかどうかを視
覚又は聴覚により確認でき、使用者が安心して使
用できる安全性の高い電動刃物研ぎ器を提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す断面図、第２
図は同実施例の使用状態を示す説明図、第３図
ａ，ｂは同実施例の回路図を示している。 ２……電源、６……砥石、１０……報知手段、
Ｂ……並列回路、Ｍ……モータ、SW……スイツ
チ手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電源２とこの電源２により回転するモータＭ
   と、このモータＭにより伝達駆動される砥石６と
   を備えた電動刃物研ぎ器において、上記電源２と
   並列的にモータＭの両端を報知手段１０を介して
   接続する並列回路Ｂを形成するとともに、電源２
   とモータＭとの通電を開閉するのと連繋して上記
   並列回路Ｂを閉開操作するスイツチ手段SWとを
   備えたことを特徴とする電動刃物研ぎ器。