JPS6230232B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は粘着剤の接着面用付着液、さらに詳し
くは粘着剤の設けられた粘着テープ等の接着面側
に塗布等により付着することによつて粘着テープ
を被接着物に対して接離自在としうる粘着剤の接
着面用付着液に関するものである。

（背景技術） 一般に粘着テープを紙等の被接着物に接着した
後これを被接着物から剥離すると、特に被接着物
が紙の場合には紙の表面が剥がれたり破けたりす
るおそれがあり、しかも一旦接着した粘着テープ
を被接着物から剥離した場合には、粘着テープの
接着力がかなり低下し、よつて上記のような粘着
テープを被接着物に対して繰り返して接着、剥離
することは従来においては決して出来なかつたも
のである。

そこで上記粘着テープを被接着物に対して接離
自在とするために、該粘着テープと被接着部との
接着面を円滑にする物質、たとえばシリコン樹脂
を粘着テープの接着面側に付着することも試みら
れているが、この場合には次のような問題が生じ
ていた。

すなわち上記粘着テープは通常トルエンや酢酸
エチル等を溶媒としてアクリル樹脂系や合成ゴム
系の粘着剤を付着させてなるものであるが、シリ
コン樹脂自体は上記のような溶媒に溶解しないた
め、シリコン樹脂を仮に粘着テープの接着面側に
付着したとしてもシリコン樹脂が粘着剤と混和せ
ず、よつて粘着テープを被接着物に一旦接着した
後剥離するとシリコン樹脂のみが被接着物側に付
着して粘着テープから除去されてしまうという問
題点があつた。

そしてシリコン樹脂は上記トルエンや酢酸エチ
ル以外のあらゆる有機溶媒に対しても十分溶解し
ないため、シリコン樹脂を上記粘着剤に混和させ
ることができず、よつ上述のような問題点を解決
することができなかつた。

この結果、紙等の被接着物に対して接離自在な
粘着テープが未だ開発されていないまま現在に至
つているのである。

（解決課題、技術目的） 本発明は上述のような問題をすべて解決するこ
とを課題として発明されたもので、その目的とす
るところは、粘着テープの接着面に付着すること
によつて該接着面に設けられた粘着剤とほぼ完全
に混和し、しかも粘着テープと被接着物との接着
面を円滑化し、よつて粘着テープを被接着物に対
して接離自在にしうる全く新規且つ有用な粘着剤
の接着面用付着液を提供するにある。

（発明の開示） 本発明は上述のような目的を達成するために、
流動パラフインが上記シリコン樹脂と同様に粘着
テープと被接着物との接着面を円滑化する性質を
有する点に着目して構成されたもので、その構成
上の特徴は、流動パラフインに、１・１・１−ト
リクロルエタン又はクロロホルムからなる溶剤を
混合せしめてなるにある。すなわち、通常ほとん
どの溶剤に溶解し難い流動パラフインをクロロホ
ルム等の溶剤によつて完全に溶解せしめた粘着剤
の接着面用付着液にある。そしてこのような付着
液を粘着テープの接着面に付着すると、該付着液
に含まれているクロロホルム等の溶剤は流動パラ
フインのみならず粘着テープに設けられたアクリ
ル樹脂系等の粘着剤をも溶解し、よつてこの粘着
剤、流動パラフイン、及び溶剤が完全に混和する
こととなるのである。そして溶剤が輝発した後に
おいても混和した粘着剤と流動パラフインとは決
して分離することがないのである。

（効果） 本発明は上述のような特徴を有する粘着剤の接
着面用付着液なるため、次のような顕著な効果を
有するに至つた。

(イ) すなわち、上記構成からなる付着液を粘着テ
ープに付着すると、付着液中の流動パラフイン
が上述のようにクロロホルム等の溶媒の存在に
より粘着テープに設けられた粘着剤と完全に混
和するため、粘着テープを被接着物に接着しそ
の後剥離しても流動パラフインのみが被接着物
側に付着しても粘着テープから除去されること
もなく、しかも流動パラフインの存在によつて
粘着テープと被接着物との接着面が円滑化され
るため、粘着テープの剥離がスムーズに行なえ
且つその剥離によつて決して被接着物が破損す
ることもないのである。

この結果、粘着テープが被接着物に対して接
離自在になるという従来なし得なかつた画期的
な効果を有するに至つた。

(ロ) しかも流動パラフインの存在によつて上記接
着面が円滑化される結果、粘着剤自体も被接着
物側に極端に付着することがなく、よつて粘着
テープの接着、剥離を繰り仮し行なつても決し
て接着効果が激減することもないのである。

(ハ) からに従来の粘着テープの接着面に上記付着
液を塗布、吹き付け等によつて付着させるだけ
で接離自在な粘着テープが得られるため、その
作業が著しく容易である他、コスト面において
も非常に経済的であるという大なる実益があ
る。

（実施例） 以下、本発明の実施態様について説明すると、
先ず一実施例としての粘着剤用付着液は、流動パ
ラフインとクロロホルムとを１：１の割合で混合
して構成されている。

次にこのような構成からなる付着液をアクリル
樹脂系粘着剤を設けた粘着テープの接着面に塗布
すると、該粘着剤が付着液中のクロロホルムに溶
解し、粘着剤、流動パラフイン及びクロロホルム
が完全に混和することとなる。その後クロロホル
ムは輝発するが、流動パラフインは粘着剤と混和
して完全に一体化した状態となる。

よつてこのように付着液を塗布して流動パラフ
インを付着させた粘着テープを紙に接着しても流
動パラフインが粘着剤と混和しているため、流動
パラフインのみが被接着物である紙側に付着する
ことはなく、よつて粘着テープを紙から剥離して
も決して流動パラフインが粘着テープから除去さ
れることはないのである。しかも粘着テープと紙
との接着面は流動パラフインによつて円滑化され
るため、粘着テープの剥離の際決して紙の表面が
剥がれたり紙が破れたりすることもないのであ
る。この結果、上記付着液の塗布によつて紙に対
して接離自在な粘着テープが得られることとなつ
た。

尚、上記実施例においては付着液を塗布するこ
とによつて粘着テープの接着面に付着させてなる
が、塗布以外にたとえばスプレー容器に上記処理
液を収納して吹き付けることによつて粘着テープ
に付着してもよい。

さらに付着液中の流動パラフインを溶解させる
溶剤としては、該実施例のクロロホルムに限ら
ず、たとえば１・１・１−トリクロルエタンを溶
剤として使用してもよい。要はクロロホルム（ト
リクロルメタン）や１・１・１−トリクロルエタ
ンからなる溶剤が使用されていればよいのであ
る。

さらに粘着テープ側に設けられる粘着剤も該実
施例のアクリル樹脂系粘着剤に限らず、アクリル
樹脂以外の合成樹脂系粘着剤、さらにはたとえば
ブチルゴムやポリイソブチレン等の合成ゴム系粘
着剤やその他天然ゴム系、天然樹脂系等のもので
あつてもよい。

さらに流動パラフインと溶剤との混合比率も該
実施例の１：１に限定されない。

さらに上記粘着剤の用途も通常の文具用粘着テ
ープのみならず、たとえばガムテープ等に使用す
ることも可能であり、その用途は一切問うもので
はない。従つて被接着物も上記実施例の紙に限ら
ずダンボール箱、タツク紙或いはその他のもので
あつてもよい。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 流動パラフインに、１・１・１−トリクロル
   エタン又はクロロホルムからなる溶剤を混合せし
   めてなることを特徴とする粘着剤の接着面用付着
   液。