JPS6227166B2 - - Google Patents

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JPS6227166B2
JPS6227166B2 JP5084984A JP5084984A JPS6227166B2 JP S6227166 B2 JPS6227166 B2 JP S6227166B2 JP 5084984 A JP5084984 A JP 5084984A JP 5084984 A JP5084984 A JP 5084984A JP S6227166 B2 JPS6227166 B2 JP S6227166B2
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JP
Japan
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fibers
fiber
aromatic
gas
vapor phase
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JP5084984A
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JPS60199919A (ja
Inventor
Mutsuaki Murakami
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shingijutsu Kaihatsu Jigyodan
Original Assignee
Shingijutsu Kaihatsu Jigyodan
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Description

【発明の詳細な説明】
a 産業上の利用分野 本発明は電導体、抵抗体、発熱体、電極の材料
あるいはFRP、FRMなどの複合材料用強化材と
して使用される炭素質繊維の製造法に関する。 b 従来技術 従来、炭素質繊維の製造法としては、(1)ポリア
クリロニトリル、セルローズ、ピツチなどを繊維
にし、これを不融化し、さらに焼成する方法が広
く行われている。この方法とは別に(2)ベンゼン、
メタン、エタンなどの炭化水素ガスを熱分解して
気相反応により直接繊維を製造する方法も知られ
ている。この方法で製造された繊維は気相生長炭
素繊維と呼ばれ、前記(1)の方法により製造された
炭素質繊維に比べて、弾性率、引張り強度、電導
度などで優れた特性を有する。 しかし、従来のベンゼン等の炭化水素ガスを原
料とする気相生長炭素繊維の製法においては次の
ような欠点を有する。 (1) 気相生長炭素繊維は連続した長繊維で得難
く、短繊維となり、また欠陥があつたりするこ
とが多く、均一な繊維が得にくい。 (2) 繊維の太さが5〜50μm程度でばらつきが多
く不均一である。一般に細い繊維の方が高い強
度と弾性率を有するので、強化材料として使用
する場合は細い繊維が好ましい。しかし5μm
以下の直径の繊維を安定に得ることは困難であ
る。 (3) 反応温度が高く、一般には1100℃以上の温度
を必要とする。 (4) 生長反応を促進するためには、触媒例えば
Fe,Ni,Coなどの超微粉末を必要とする。触
媒を使用しない時は反応の制御が難しく繊維が
得られない場合もある。 本発明者らは従来の気相生長炭素繊維の欠点を
解消すべく研究の結果、ベンゼンを原料として使
用する場合は触媒表面で脱水素反応によつて炭素
質繊維を生成するので1000℃以上の高温が必要と
なる。そこでこの反応以外の反応を利用して炭素
繊維維を生成すべく研究を行つた。その結果、芳
香族2酸無水物を原料とすると、カルボニル基の
部分が解裂し、これによつて生じた芳香族炭化水
素ラジカルが気相で会合して生長して繊維状の生
成物となることを知見し、炭素質繊維を製造する
ことを発明した。 すなわち、芳香族2酸無水物または加熱により
芳香族2酸無水物を生成する化合物を、アルゴ
ン、チツ素、ヘリウム、水素及びこれらの混合ガ
スから選ばれたガス雰囲気中あるいは真空中で加
熱気化させて気相生長させることを特徴とする炭
素質繊維の製造法を発明した。(特願昭59年第
号)。 このようにして得られた炭素質繊維は下記表―
1に示すように、従来のポリアクリルニトリル系
(PAN系と略記する)から得られた炭素質繊維、
及びベンゼンを原料とした気相生長炭素繊維と比
較して、引張り強度、弾性率、及び電気抵抗率も
優れている。
【表】 このようなすぐれた物性特性を有するが、一方
でその繊維の太さは径0.1〜4μm、程度のもの
で、余り太い繊維が得られないと言う問題点があ
つた。 c 発明の目的 本発明の目的は、芳香族2酸無水物を原料と
し、気相生長させた炭素質繊維のすぐれた特性を
保有すると共に繊維の太さを大きくした炭素質繊
維を提供するにある。 d 発明の構成 本発明者は芳香族2酸無水物を原料とし、気相
生長させた炭素繊維上に、ベンゼン、メタン、エ
タン、プロパンなどの炭化水素を使用し、気相生
長繊維を生長させると、繊維径を容易に50μm程
度まで太くし得られること。また、得られた炭素
質繊維は内部に存在する芳香族2酸無水物からの
気相生長炭素繊維の特性である高引張り強度と電
導性を保有することを究明した。この知見に基い
て本発明を完成した。 e 発明の要旨 本発明の要旨は、芳香族2酸無水物または加熱
により芳香族2酸無水物を生成する化合物を、ア
ルゴン、チツ素、ヘリウム、水素及びこれらの混
合ガスから選ばれたガス雰囲気中あるいは真空中
で加熱気化させて気相生成させた炭素質繊維上
に、更に炭化水素を使用してこれを不活性ガス雰
囲気中あるいは真空中で加熱気化させて気相生長
させて繊維太さを大きくすることを特徴とする炭
素質繊維の製造法にある。 本発明において使用する芳香族2酸無水物の代
表的化合物としては、次のような化合物が挙げら
れる。 ピロメリツト酸2無水物(BTCDと略す);
1,4,5,8,ナフタレンテトラカルボン酸2
無水物(NTCD―1);2,3,6,7,ナフタ
レンテトラカルボン酸2無水物(NTCD―2);
1,2,5,6,ナフタレンテトラカルボン酸2
無水物(NTCD―3);3,4,9,10ペリレン
テトラカルボン酸2無水物(PTCD―1);1,
12,6,7ペリレンテトラカルボン酸2無水物
(PTCD―2);3,4,8,9アントラセンテ
トラカルボン酸2無水物(ATCD);3,4,
8,9,ピレンテトラカルボン酸2無水物;3,
3′,4,4′ビフエニルテトラカルボン酸2無水
物;2,2′,3,3′ビフエニルテトラカルボン酸
2無水物;2,2―ビス(3,4―ベンゾフエノ
ンテトラカルボン酸2無水物;ビス(3,4―ジ
カルボキシフエニル)スルフオン2無水物;ビス
(3,4―ジカルボキシフエニル)エーテル2酸
無水物、2,3,4,5チオフエンテトラカルボ
ン酸2無水物;また、これら2酸無水物の異性体
や、フエナンスレン、アクリジン、ピロール、キ
ノリン、コロメン等の2酸無水物がある。しか
し、これら例示の化合物に限定されるものではな
い。 更にまた、本発明における出発原料としては、
加熱により前記芳香族2酸無水物を生成する化合
物、例えば加熱により脱水反応を起して、芳香族
2酸無水物を生ずるテトラ芳香族カルボン酸も同
様に使用することができる。 芳香族2酸無水物を原料として気相生長炭素繊
維の生長させるメカニズムにおいては、本質的に
は生長促進のための触媒を必要としない。実際に
多くの芳香族2酸無水物は単に加熱するだけで繊
維状生成物を製造することができる。しかしなが
ら、BTCD(融点283〜286℃)のような融点が比
較的低い化合物の場合には、触媒の存在がカルボ
ニル基の解裂反応を促進するので触媒の存在が好
ましい。このような場合に使用される触媒として
は、Fe,Co,Ni,V,Nb,Ta、またはこれらの
炭化物、窒化物などの化合物を初めとして、通常
の気相生長炭素繊維の製造に使用される触媒も使
用することができる。これらの触媒は炭素質繊維
が析出する加熱帯域中に置かれ、特に超微粉末で
ある場合が有効である。 生長反応は、アルゴン、窒素、ヘリウム、水素
及びそれらの混合ガスから選ばれたガス雰囲気中
あるいは真空中で行う。特に気化する温度が高い
原料を用いる場合は真空中で行うのが有効であ
る。逆に気化温度が低い原料を用いる場合は、オ
ートクレーブを用いて前記ガスの加圧下で行うの
が有効である。水素の存在は一般に生長反応をお
そくする傾向がある。 また触媒を共存させて生長反応を行う場合は水
素を存在させることが好ましい。この場合、水素
は触媒の活性を保持するのに有効に働くものと考
えられる。少量の酸素の存在は生長反応を促進す
る効果があるが、10%以上の酸素の存在は生長反
応を阻害する。酸素の多量の存在は燃焼を起こさ
せてスス状炭素を発生させ、これが生長反応を阻
害するものと考えられる。 芳香族2酸無水物を原料とし、炭素質繊維を製
造する実施例を示すと次の通りである。 ペレツト状にプレス加工した各種の芳香族2酸
無水物(ペレツト径13mm、厚さ1mm)を加熱炉に
セツトし、10℃/minの速度で200〜1000℃の間
のあらかじめ設定した温度まで昇温し、1時間そ
の温度に保持した後40℃/minの速度で降温し
た。反応はすべてアルゴン気流中で行ない、反応
終了後ペレツト表面を観察して生成物の有無を確
かめた。生成物の存在の認められる最低の温度を
生成温度とし、この生成温度と1000℃の間の温度
で生成した繊維の一般的な形状(径と長さ)を電
子顕微鏡で測定した。その結果は表―2の通りで
あつた。
【表】
【表】
【表】 このようにして基板例えばセラミツク板上に気
相生長させた炭素質繊維を、アルゴンガス中ある
いは真空中で、ベンゼン、プロパン等の炭化水素
ガスを1100℃で通ずると、炭素質繊維上に気相生
長して太い径の繊維となる。 その太さはベンゼン等の供給量、温度、反応時
間を制御することによつて任意の太さにすること
ができる。 このようにして得られた繊維の物性値は芳香族
2酸無水物を出発原料とした繊維の物性値をよく
保持しており、通常の気相生長法によつて得られ
た炭素繊維よりもすぐれた弾性率、引張り強度、
電導性を有している。むろん径の太さが太くなる
につれて上記の物性値は、通常の気相生長法によ
つて得られた炭素繊維の物性値に近づく。しかし
ながら、本発明者らの実験では通常芳香族2酸無
水物を出発原料とした繊維の10倍程度までは繊維
径を太くしても十分にすぐれた物性質の繊維を得
る事が出来る。 e 実施例 実施例 1 アルゴンガス中でPTCD―1を加熱して600℃
でセラミツク基板上に炭素質繊維を生長させた。
その繊維の太さは0.2μmであつた。これをアル
ゴンガスと水素の混合ガス中で、ベンゼンガスを
1100℃以上の下で通じた。反応時間、温度、ベン
ゼンガスの供給量を変え行つた。その結果は次の
通りであつた。
【表】
【表】 以上の結果が示すように、ベンゼンガス供給量
を多くし、反応温度を高くし、反応時間が長いと
繊維太さは大きくなる。ベンゼン供給量5c.c./
分、反応時間30分、温度1100℃で太さ5μmφに
生長させた炭素繊維の引張り強度は32ton/cm2
弾性率は4100ton/cm2、電気抵抗率は1.50×10-3
Ωcmであつた。すなわちこのようにして得られた
炭素繊維の物性値は出発PTCD繊維(0.2μm
φ)の物性値とほとんど変りがなくPTCD繊維の
すぐれた性質を保持している。しかしながら本発
明の方法によつて得られた繊維はその太さがより
大きくなるに従つて、物性値は、従来のベンゼン
ガス等の炭化水素ガスを使用した気相生長炭素繊
維の物性値に近づく。本発明者らの実験では繊維
の直径が通常30μmφを超えた場合にはその物性
値は同じ直径を有する従来法の気相生長炭素繊維
の物性値にほぼ等しくなつた。 以上はPTCD―1を原料としたが他の芳香族2
酸無水物を原料とした場合、及びベンゼンに代
え、メタン、プロパン等の炭化水素を使用した場
合も同様に繊維太さを大きくし得られる。 実施例 2 実施例1と同じ方法で、プロパンガスを使用し
てPTCD―1を原料とした炭素質繊維の径を太く
した。得られた繊維はベンゼンガスを使用した場
合に比べより緻密であつたが、物性値はほとんど
変りがなかつた。 実施例 3 実施例1と同じ方法で、NTCD―1、PyTCD
を原料として作成した炭素質繊維の径を太くし
た。使用した炭素質繊維の径はNTCD―1は0.5
μm、PyTCDは0.6μmである。このような繊維
をベンゼンガスを使用してその径を太くして行き
NTCD―1の繊維の径を15μmφにPyTCDの繊
維の径を10μmφとした。前者の物性値は、引張
り強度28ton/cm2、弾性率3900ton/cm2、電気抵抗
率1.6×10-3Ωcmであつた。また後者の物性値は
引張り強度32ton/cm2、弾性率4000ton/cm2、電気
抵抗率1.75×10-3Ωcmであつた。 f 発明の効果 本発明によると、芳香族2酸無水物を原料とし
た気相生長させて得られた炭素質繊維の優れた引
張り強度、弾性率、電導性を保有させ、その繊維
太さの小さい欠点を改善し、これにより取扱い及
び利用の適用範囲を広くすることができる優れた
効果を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 芳香族2酸無水物または加熱により芳香族2
    酸無水物を生成する化合物を、アルゴン、チツ
    素、ヘリウム、水素及びこれらの混合ガスから選
    ばれたガス雰囲気中あるいは真空中で加熱気化さ
    せて気相生成させた炭素質繊維上に、更に炭化水
    素を使用してこれを不活性ガス雰囲気中あるいは
    真空中で加熱気化させて気相生長させて繊維太さ
    を大きくすることを特徴とする炭素質繊維の製造
    法。
JP5084984A 1984-03-19 1984-03-19 炭素質繊維の製造法 Granted JPS60199919A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5084984A JPS60199919A (ja) 1984-03-19 1984-03-19 炭素質繊維の製造法

Applications Claiming Priority (1)

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JP5084984A JPS60199919A (ja) 1984-03-19 1984-03-19 炭素質繊維の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60199919A JPS60199919A (ja) 1985-10-09
JPS6227166B2 true JPS6227166B2 (ja) 1987-06-12

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ID=12870166

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JP5084984A Granted JPS60199919A (ja) 1984-03-19 1984-03-19 炭素質繊維の製造法

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JP (1) JPS60199919A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH059402Y2 (ja) * 1986-12-17 1993-03-09

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH059402Y2 (ja) * 1986-12-17 1993-03-09

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