JPS622660Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車における自動変速機の変速操
作装置に関するものである。

従来の自動車における自動変速機の変速操作装
置では、例えば実開昭54−76495号にあるよう
に、チエンジレバーの回動を容易にするため該チ
エンジレバーの回動軸を車体フロアの下側に設け
るとともに、一般に、ワイヤケーブル端部に装着
されるケーブル長さ調整機構を車室内側から容易
に調整できるようにして、作業性の向上のため、
この変速機構に連係されたワイヤケーブルは車体
フロアの上側でチエンジレバーと連結されてい
る。

しかしながら、変速操作用ケーブルのストロー
ク量を充分確保するためには、この操作用ケーブ
ルはチエンジレバーに対しほぼ垂直方向に取付け
て、チエンジレバーの回動操作の運動方向と同一
方向にストロークさせるように配置する必要があ
る。このようにすると、ワイヤケーブルを導出す
るためのフロアに設ける孔は、かなり前方に位置
することになる。つまり、従来においては、車体
フロアには、チエンジレバーを挿通する孔と、ワ
イヤケーブルを導出する孔と２つの孔が開設され
ていた。そのため、加工が面倒であり、２つの孔
をシールしなければならないため、作業性も低か
つた。

本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、車
体フロアに開設した１つの開孔において、チエン
ジレバーの挿通および変速操作用ケーブルの導出
を行い、該チエンジレバーと変速操作用ケーブル
とを回動リンクを介して連結することにより、上
記欠点を解消した自動変速機の変速操作機構を提
供することを目的とする。

以下、本考案の構成を、実施例につき、図面に
沿つて説明する。

１はチエンジレバーで、その下端部が車体フロ
ア２に開設された開孔２ａに挿通されている。４
は車体フロア２の下部に位置する回動軸で、チエ
ンジレバー１の下端筒部１ａにブツシユ４を介し
て嵌挿されると共に、車体フロア２の下側にラバ
ー５を介してネジ６，６にて固定された支持部材
７に回動軸３の軸線が、車両の左右方向と一致す
るように取付けられている。したがつて、チエン
ジレバー１は、車両の前後方向に回動自在であ
る。

８は断面逆Ｕ字状の回動リンクで、その一端部
８ａがチエンジレバー１の突部１ｂ下部とピン９
にて車両の上下方向に回動自在になるように軸支
されている。

１０は支持部材７に車両の前後方向に固着され
た垂直板で、その上部に、前下りに傾斜した長孔
状のスリツト１０ａが形成されている。

１２はケーブル固定部材で、回動リンク８の他
端部８ｂを回動自在に軸支すると共に、スリツト
１０ａに摺動自在に係合した断面円形の摺動部１
２ａと、車両前方の車体フロア２の下側から開孔
２ａを通じて導出された変速操作用ケーブルＡの
一端部が螺着されたブロツク状の固定部１２ｂと
を有する。なお、変速操作ケーブルＡの他端部
は、図示しない変速機構に連係されている。

１３，１３は変速操作用ケーブルＡの取付位置
を調整するナツト、１４はスプリングワツシヤで
ある。

１５はガイドプレートで、垂直板１０に平行
に、かつチエンジレバー１に対して反対位置に、
支持部材７に立設されている。ガイドプレート１
５の上縁部には、チエンジレバー１の各位置、す
なわちパーキング位置、リベース位置、ニユート
ラル位置、ドライブ位置、第１速位置および第２
速位置に対応した複数の係合溝１５ａからなる係
合部１５ｂが形成されている。

１７は略Ｌ字形状のコントロールレバーで、そ
の基端部１７ａはチエンジレバー１の突部１ｂ上
部に回動自在に軸支され、屈曲部１７ｂにはガイ
ドプレート１５の係合溝１５ａに係合する係合ピ
ン１８が突設され、また、先端部１７ｃには一端
部が固定されたスプリング（図示省略）の他端部
が係止された係止ピン（図示省略）が設けられて
いる。このコントロールレバー１７は、前記スプ
リングにて、係合ピン１８が係合部１５ｂの何れ
かの係合溝１５ａと係合するように、すなわち時
計回り方向に常時付勢されている。

１５ｃはガイドプレート１５に形成されたガイ
ド溝で、チエンジレバー１の軸部１ｃ下部の縦溝
１ｄに上下動自在に挿通されたロツクピン１９が
係合している。このロツクピン１９は、チエンジ
レバー１の切換操作時に、プツシユノブ（図示省
略）の押圧により下降するロツクピンロツド２０
にて、スプリング２１の弾発力に抗して下方に移
動し、ガイド溝１５ｃとの係合が解除され、チエ
ンジレバー１を回動可能状態にする。この状態
で、チエンジレバー１が回動されると、コントロ
ールレバー１７が順次係合部１５ｂの係合溝１５
ａに係合される。しかして、チエンジレバー１の
切換操作完了後には、前記プツシユノブの押圧解
除で、スプリング２１の弾発力により、ロツクピ
ン１９がロツクピンロツド２０とともに上昇し、
該ロツクピン１９が再びガイド溝１５ｃと係合
し、チエンジレバー１を回動不能とする。

上記のように構成すれば、チエンジレバー１の
回動操作による運動方向に対して変速操作用ケー
ブルＡのストローク方向を変化させることが可能
になる。すなわち、チエンジレバー１の回動操作
により、該チエンジレバー１の回動軸３の位置よ
りも後方に位置するケーブル固定部材１２が、回
動リンク８を介して、垂直板１０に前下りに傾斜
して形成されたスリツト１０ａ内を摺動せしめら
れ、それに伴い変速操作ケーブルＡが所定ストロ
ーク量を確保しつつ作動し、変速機構（図示省
略）が所定の位置に切換えられる。

本考案は、上記のように、チエンジレバーと変
速操作用ケーブルとを回動リンクを介して連結す
るようにしたため、変速操作用ケーブルの所定ス
トローク量を確保しつつチエンジレバーの回動操
作による運動方向に対して変速操作用ケーブルの
ストローク方向を前下りに傾斜した方向に変化さ
せることができる。したがつて、チエンジレバー
の挿通および変速操作用ケーブルの導出を行うた
めに車体フロアには１つの開孔を設けるだけでよ
いから、加工および製作が容易となり、また、シ
ール手段の適用も一カ所ですむから、作業性も向
上するという実用上優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示するもので、第
１図は自動変速機の変速操作装置の側面図、第２
図は一部を断面にして示す同正面図である。 １……チエンジレバー、２……車体フロア、２
ａ……開孔、３……回動軸、８……回動リンク、
８ａ……一端部、１０……垂直板、１０ａ……ス
リツト、１２……ケーブル固定部材、１２ａ……
摺動部、１５……ガイドプレート、Ａ……変速操
作用ケーブル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体フロアに開設した開孔に嵌挿され、該車体
   フロアの下側に位置する回動軸にて車両の前後方
   向に回動自在に軸支されたチエンジレバーと、車
   両の上下方向に回動自在に、一端部がチエンジレ
   バーに軸支された回動リンクと、車体フロアに車
   両の前後方向に固着された垂直板に前下りに傾斜
   して形成されたスリツトと、車両前方の車体フロ
   アの下側より前記開孔を通じて導出した変速操作
   用ケーブルの端部が固着されかつ前記スリツトに
   摺動自在に係合した摺動部を有し、前記回動リン
   クの他端部に回転自在に軸支されたケーブル固定
   部材とを具備することを特徴とする自動変速機の
   変速操作装置。