JPS6215976Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はリード線の接続装置に係り、特に、電
子機器に於ける諸々の端子に対するリード線の接
続を、簡単且つ確実に行わんとするものに関す
る。

従来から、アンテナ線やスピーカ線等の外部リ
ード線を、電子機器に設けられた外部端子に接続
するものとして、第１図に示す如きリード線の接
続装置が広く知られている。これについて簡単に
説明すると、１は電子機器の基体をなすシヤーシ
に取り付けられたプリント配線基板であり、この
配線基板１の右側には所定のプリントパターンが
形成されているとともに、左側には各パターンに
対応する電子回路部品が半田デイツプ等の方法に
依り取り付けられている。２はキヤビネツトなど
の外筐であり、この外筐２に穿設された透孔３に
は、絶縁板４が嵌合またはねじ止め等の方法に依
り取り付けられている。この絶縁板４の中央部に
は後述する飾りビスを挿通する透孔５が穿設され
ている。また、この絶縁板４には２つの長孔６が
穿設され、この長孔６にコ字状に屈曲した金属製
のステー７の脚部７ａが挿入され、その脚部７ａ
の先端が上記プリント配線基板１のプリントパタ
ーン面に臨む如くなつている。一方、上記ステー
７の上記絶縁板４の一部を被う取付板部７ｂに
は、中心部にねじ孔８が穿設され、このねじ孔８
に、頭部周面にローレツトを形成した飾りビス９
が螺合されている。また、この飾りビス９の先端
部は押しつぶされて抜け止め部９ａが形成され、
この飾りビス９が上記ねじ孔８から容易に脱抜さ
れない様になつている。そして上記外筐２に対す
るシヤーシの取り付けの際、上記脚部７ａの先端
が上記プリント配線基板１の所定のプリントパタ
ーンに半田付け１０に依つて固着される如くなつ
ている。１１は上記取付板部７ｂと飾りビス９と
の間に介在されたワツシヤである。斯かる接続装
置に依れば、アンテナのフイーダやスピーカの接
続リードは、上記飾りビス９の螺合を緩めて、そ
のねじ棒部９ｂに巻き付けるとともに、再び飾り
ビス９をステー７にねじ込むことに依り、この接
続リード等をワツシヤ１１と飾りビス９との間に
挾持せしめ、機械的保持並びに電気的接続が図ら
れる。

ところで、斯かる従来の接続装置に依れば、そ
の構成部品は絶縁板４、ステー７、飾りビス９お
よびワツシヤ１１であり、これらが屈曲、かしめ
などの押しつぶし工作、組み付けなどの２次、３
次加工が諸々施されて初めて完成され、その組み
付け作業の能率が極めて悪い。また、上記外筐２
に対するシヤーシの組み付け時に、ステー７の脚
部７ａをプリント配線基板１に半田付けするとい
う面倒な作業を要する。更に、上記リード線を上
記接続装置に接続する作業が、いちいち上記飾り
ビス９を回すという面倒な作業があるため、使用
上不都合である。尤も、これらの幾つかの欠点を
改善すべく、板ばねの重畳部または対向片部に各
１の透孔を設けて、この板ばねを押したり緩めた
りすることに依り、上記両透孔間にリード線を介
在かつ挾持せしめる如くした、構成簡単な接続装
置などが提供されているが、これらはいずれも上
記透孔にリード線を挿入する作業がわずらわし
く、その形成のための板ばねの型代、部品単価が
比較的高いという欠点があつた。

本考案は、上述したような従来のものが有して
いる欠点を全て解決し、構成が簡素化され、リー
ド線の接続操作が容易で且つ確実な接続を行ない
得るようにしたリード線の接続装置を提供するこ
とを目的に提案されたものである。

以下、本考案を図面に示す一実施例を参照して
説明する。

本考案は、合成樹脂により形成された一対のキ
ヤビネツト半体１２，１３を互いに突き合せ一体
化して構成されるキヤビネツト３２を有する。こ
のキヤビネツト３２は、その内部に所定の電気回
路部品等が配設されラジオ受信機等の電気機器本
体を構成するものである。このキヤビネツト３２
の背面側を構成する一方のキヤビネツト半体１２
の外周面には凹部１４が形成され、この凹部１４
内において１又は２以上の筒状体１６が外方に突
出するようにして設けられている。この筒状体１
６は、第３図に示すように基端側が上記キヤビネ
ツト３２内に開口する開口部１６ａとなされ、キ
ヤビネツト半体１２の外方に突出した先端側には
底部１６ｂを有し、上記キヤビネツト３２外方に
位置する一側面には開口窓１５が穿設されて構成
されている。上記筒状体１６の開口部１６ａ側に
は、キヤビネツト２の内方へ突出して上記開口部
１６ａの径より大径となし該開口部１６ａとの連
設部に段状部１７ａを形成するように環状突起１
７が設けられている。

また、一方のキヤビネツト半体１２には取付凹
部１９が設けられこの取付凹部１９の中心部は更
に深く内部に突出せしめられ、環状突起２０とな
つている。一方、上記一方のキヤビネツト半体１
２と一体的に結合される他方のキヤビネツト半体
１３の上記取付凹部１９に対応する部位には、取
付ボス２１が突設され、その先端面の中心部に
は、上記環状突起２０を受け入れる環状凹部２２
が設けられている。

これら一対のキヤビネツト半体１２，１３は、
第３図に示す如く、上記環状突起２０および取付
ボス２１にねじ２７をねじ込むことにより一体的
に結合される。

このように構成されるキヤビネツト３２内に
は、上記一対のキヤビネツト半体１２，１３を結
合する際にこれらキヤビネツト半体１２，１３と
ともに上記ねじ２７によつて取付けられるプリン
ト配線基板２３が配設される。このプリント配線
基板２３は、当該電気機器の所定の電気回路を構
成するものであつて、一方のキヤビネツト半体１
２と対向する第３図中上方側の一側面には必要な
プリントパターン２４が施されるとともに、他側
面にはそのプリントパターン２４に接続される回
路部品２５が取り付けられている。さらに、この
プリント配線基板２３の一側面に形成されるプリ
ントパターン２４の一部には、後述するコイルス
プリング１８の一端が接触する接続パターン部２
４ａが形成され、この接続パターン部２４ａは、
上記プリント配線基板２３をキヤビネツト３２内
に配設したとき筒状体１６の開口部１６ａと対向
するような位置に設けられる。そして、上記プリ
ント配線基板２３は、周縁部に穿設した透孔２６
を一方のキヤビネツト半体１２に設けた取付凹部
１９の環状突起２０に嵌合させて配設することに
より、一対のキヤビネツト半体１２，１３ととも
に一体的に結合されるものである。

上述のようにプリント配線基板２３を配設した
キヤビネツト３２内には、第４図に示すように形
成されたコイルスプリング１８が配設される。こ
のコイルスプリング１８は、導電性を有する金属
で形成されてなり、筒状体１６に挿入される小径
コイル部１８ａと環状突起１７内の段状部１７ａ
に係止される大径コイル及び接続パターン部２４
ａに接触する小径コイルを連続して有する円錐コ
イル部１８ｂとから構成されている。そして、上
記コイルスプリング１８は、円錐コイル部１８ｂ
側の一端をプリント配線基板２３の接続パターン
部２４ａに接触させ、他端側の小径コイル部１８
ａを筒状体１６内に保持させ、この保持体１６と
上記プリント配線基板２３によつて圧縮挾持され
て配設され、上記小径コイル部１８ａが上記筒状
体１６の開口窓１５に臨まされる。

なお、上記コイルスプリング１８を取付けるに
は、一対のキヤビネツト半体１２，１３をねじ２
７により一体結合する前に、筒状体１６及び環状
突起１７内に装着しておくことにより、上記結合
の際、円錐コイル部１８ｂの先端が上記プリント
配線基板２３の接続パターン部２４上に弾接する
如くなる。

上述の如くコイルスプリング１８を取付けるこ
とにより、アンテナのフイーダ線やスピーカから
のリード線等の外部接続用のリード線３０を筒状
体１６の開口窓１５を介して上記コイルスプリン
グ１８の小径コイル部１８ａに差し入れると、コ
イルスプリング１８の弾発力によつて挾持され、
上記接続パターン部２４ａへの電気的接続が図ら
れる。なお、上記リード線３０のコイルスプリン
グ１８への取付け状態を堅固にする場合には、上
記小径コイル部１８ａ付近の筒状体１６にリード
線３０を巻き付けることにより、確実な取付けが
行なわれ、その脱抜が確実に防止されるととも
に、小径コイル部１８ａを介して接続パターン部
２４との電気的接続が確実に行われる。なお、上
記に於いて上記接続装置をアンテナのフイーダ線
やスピーカのリード線を接続するものについて述
べたが、これらに限らず教習用配線モデル盤の接
続端子などの用途にも使用しうるは言うまでもな
い。

上述したように、本考案に係るリード線の接続
装置にあつては、キヤビネツト内に配設されるプ
リント配線基板の接続パターンに電気的に接続さ
れ、さらにリード線が接続される金属製のコイル
スプリングは、上記キヤビネツト内に収納されて
このキヤビネツトに突設した筒状体に覆われとと
もに、上記筒状体の一側面に設けた開口窓を介し
て外方に臨まされリード線の接続を可能となして
配設されてなるので、上記コイルスプリングに対
しては、上記開口窓を介してリード線の接続が可
能であるとともに、手指等が不用意に接触あるい
は当接することもない。従つて、手指等の接触当
接によつて、コイルスプリングの折れ曲がりや弾
性限界を超えた伸長を確実に防止することができ
るため、上記コイルスプリングの保護を確実に達
成でき、このコイルスプリングの弾性挟持力を利
用したリード線の接続を長期間に亘り保証でき
る。

また、本考案装置にあつては、コイルスプリン
グは、圧縮挟持されてキヤビネツト内に配設され
たプリント基板に直接接触することから、上記コ
イルスプリングとプリント基板間の電気的接続に
半田付けを不用となすことができ、組立てが容易
となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のリード線の接続装置を示す断面
図、第２図は本考案に係るリード線の接続装置を
示す要部の斜視図、第３図は同じく要部の断面
図、第４図は本考案に用いられるコイルスプリン
グの斜視図である。 １２，１３……キヤビネツト半体、１５……開
口窓、１６……筒状体、１６ａ……開口部、１６
ｂ……底部、１８……コイルスプリング、２３…
…プリント配線基板、２４ａ……接続パターン
部、３０……リード線、３２……キヤビネツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂で形成してなるキヤビネツトの外周面
   に、基端側を上記キヤビネツト内に開口する開口
   部となし先端側に底部を有し上記キヤビネツト外
   方に位置する一側面に開口窓を穿設してなる筒状
   体を突設するとともに、接続パターン部を設けた
   プリント配線基板を上記接続パターン部が上記筒
   状体の開口部に対向するようにして上記キヤビネ
   ツト内に配置し、一端を上記接続パターン部に接
   触させ他端側を上記筒状体内に保持させて該筒状
   体と上記プリント配線基板間に金属性のコイルス
   プリングを圧縮挟持し、該コイルスプリングの一
   部を上記筒状体の開口窓に臨ませ、該開口窓を介
   して上記コイルスプリングにリード線を接続する
   ようにしてなるリード線の接続装置。