JPH0541512Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は高周波機器の高周波信号入出力端子と
して利用されるコネクタ取付け構体に関する。

〔従来の技術〕

高周波機器の枠形シヤーシベースに貫通させて
電気的機械的に固定される高周波信号入出力端子
として、特に高い信頼性が要求される場合には、
Ｆ型コネクタが使用される。またＦ型コネクタを
装着された枠型シヤーシベースの美観を向上させ
る目的で、Ｆ型コネクタの外方接続用円筒部が突
出している枠型シヤーシベースの表面に黒色等の
所望の色調に着色された化粧ケースを被着形成す
ることが行われている。このようなＦ型コネクタ
と化粧ケースを具えた高周波機器の具体例を第２
図乃第５図に基いて説明する。これらの図面に於
いて、１は枠状のシヤーシベース、２はシヤーシ
ベース１内に収納されたプリント配線体で、プリ
ント基板３に各種の高周波回路部品４，４……を
組付け、プリント基板３の上下空間を複数枚のシ
ールド仕切板５……で単位回路毎にシールド区画
したものである。６はシヤーシベース１の一部を
貫通して固定されたＦ型コネクタ、７，８はシヤ
ーシベース１の開口面を塞ぐシールドカバー、１
０はシヤーシベース１及びシールドカバー７，８
の被覆部材として配設された化粧ケースである。

Ｆ型コネクタ６は、内方接続用円筒部６ａと、
外周に雄ネジを形成した外方接続用円筒部６ｂ
と、この両者の間に形成されたフランジ部６ｃか
ら形成され、内部に樹脂等の誘電体や導体等が収
納されている。Ｆ型コネクタ６をシヤーシベース
１に固着する際には、第２図または第５図に示す
ように、シヤーシベース１に形成した取付穴９に
かしめ手段１１を利用して電気的機械的に固定す
る。詳しくは、シヤーシベース１の取付孔９内に
Ｆ型コネクタ６の内方接続用円筒部６ａを、シヤ
ーシベース１の上方からフランジ部６ｃがシヤー
シベース１の外面に当接する位置まで挿入し、こ
の後、シヤーシベース１内に挿入されたかしめ用
治具（図示省略）で内方接続用円筒部６ａを参照
番号１１で示すように部分的に拡径変形させるこ
とによつて取付孔９にＦ型コネクタ６をかしめ固
定する。

上記かしめ固定法以外のＦ型コネクタ６の取付
手段としては、第３図及び第４図に示す締着固定
用ナツト１３ａ，１３ｂを利用する方法がある。
より具体的に説明すると、第３図に示すようにシ
ヤーシベース１の下側から下端に位置決め用フラ
ンジ１２を形成してなるＦ型コネクタ６の本体を
取付孔９内に挿入し、化粧ケース１０の外側に突
出した外方接続用円筒部６ｂの雄ネジに締着固定
用ナツト１３ａを螺合させ、シヤーシベース１と
化粧ケース１０を、位置決め用フランジ１２と前
記締着固定用ナツト１３ａの間に締付けることに
よつてＦ型コネクタ６を位置決め固定する方法、
或いはその変形例として第４図に示すように第３
図と同様の位置決め用フランジ１２を具えたＦ型
コネクタ６の本体をシヤーシベース１の下側から
取付穴９ａ内に挿入し、外方接続用円筒部６ｂの
雄ネジに第１の締着固定用ナツト１３ａを螺合さ
せてシヤーシベース１を位置決め用フランジ１２
と第１の締着固定用ナツト１３ａで締着した後、
化粧ケース１０を被せ、化粧ケース１０の外側に
突出した外方接続用円筒部６ｂの雄ネジに第２の
締着固定用ナツト１３ｂを螺合させてシヤーシベ
ース１に対して離間配置された化粧ケース１０を
第１及び第２の締着固定用ナツト１３ａ，１３ｂ
間に締着し、これによつてＦ型コネクタ６を位置
決め固定する方法が知られている。尚、１５はワ
ツシヤである。

〔考案が解決しようとする課題〕

第２図及び第５図に示すかしめ固定によるＦ型
コネクタ６の取付け構体に於いては、シヤーシベ
ース１の内側でかしめ用治具を使用しているた
め、作業性が悪く、またかしめ固定域１１の大き
さが制約されているため、シヤーシベース１に対
するＦ型コネクタ６の接合強度が弱くなるという
欠点が認められる。この結果、高周波漏れが発生
し易くなり、最終製品たる高周波機器の信頼性が
低下する。

一方、第３図及び第４図に示す締着固定用ナツ
ト１３ａ，１３ｂとＦ型コネクタ６の外方接続用
円筒部６ｂに形成された雄ネジとの螺合を利用す
る取付け構体に於いては、シヤーシベース１にＦ
型コネクタ６を強固に接合することができるもの
の、締着固定用ナツト１３ａ，１３ｂを締付ける
ときに、ワツシヤ１５の介在下に塗装された化粧
ケース１０の表面を第２の締着固定用ナツト１３
ｂが摺動し、美麗に仕上げられた化粧ケース１０
の塗装被膜に傷が付くという問題点が見受けられ
る。また、第４図に示すように２個の締着固定用
ナツト１３ａ，１３ｂを併用する方式では、化粧
ケース１０の表面の塗装被膜に傷が付くだけでな
く、第１の締着固定用ナツト１３ａの介在による
浮上支持構造を採用していることに起因して化粧
ケース１０とシヤーシベース１との対向間隔が狂
い易いという形態安定性保持上の問題点も認めら
れる。

本考案の主要な目的は、従来の化粧ケース付Ｆ
型コネクタ取付け構体で問題とされて来た接続強
度の不足や化粧ケース表面の傷付き等を解消し得
るＦ型コネクタの接続固定手段を提供することに
ある。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題の解決手段として本考案は、化粧ケー
スで被覆されたシヤーシベースと、このシヤーシ
ベース及び化粧ケースを貫通して化粧ケースの外
側に突出した外側接続用円筒部を具えたコネクタ
からなるコネクタ取付け構体に於いて、前記化粧
ケースにコネクタ本体の締着固定用ナツトの外径
よりも大径のナツト挿通孔を穿設すると共に、シ
ヤーシベースの裏側からコネクタを挿入してその
コネクタ基端の位置決め用フランジをシヤーシベ
ースの裏面に当接させ、化粧ケースの表面から突
出した外方接続用円筒部の雄ネジに締着固定用ナ
ツトを螺合させて化粧ケースのナツト挿通孔内に
収納配置し、シヤーシベース上に座着した締着固
定用ナツトでコネクタをシヤーシベース上に締付
固定したことを特徴とするコネクタ取付け構体を
提供するものである。

〔作用〕

前記化粧ケースにコネクタ本体の締着固定用ナ
ツトの外径よりも大径のナツト挿通孔を穿設する
と共に、シヤーシベースの裏側からコネクタを挿
入してそのコネクタ基端の位置決め用フランジを
シヤーシベースの裏面に当接させ、化粧ケースの
表面から突出した外方接続用円筒部の雄ネジに締
着固定用ナツトを螺合させて化粧ケースのナツト
挿通孔内に収納配置し、シヤーシベース上に座着
した締着固定用ナツトでコネクタをシヤーシベー
ス上に締付固定したことによつて、接続強度の大
きな、かつ、化粧ケースの表面が傷付かないコネ
クタ取付け構体を取得する。

〔実施例〕

第１図は本考案の一具体例を示すＦ型コネクタ
取付け構体の略示縦断面図である。尚、以下の記
述に於いて従来技術を説明する第２図乃至第５図
と同一の構成部材は同一の参照番号で表示し、重
複する事項に関しては説明を省略する。

第１図に示すように、Ｆ型コネクタ６の取付け
に先立つて化粧ケース１０に、Ｆ型コネクタ６の
外方接続用円筒部６ｂと螺合する締着固定用ナツ
ト１３ａの最大外径よりも大径のナツト挿通孔９
ｃを穿設する。また、シヤーシベース１の裏側に
突出するＦ型コネクタ６の本体基端には、前以つ
て取付孔９ａよりも大径の位置決め用フランジ１
２を形成しておく。また、締着固定用ナツト１３
ａを締込むときに、Ｆ型コネクタ６が共回りする
ことを防止するため、位置決め用フランジ１２の
直上に外方接続用円筒部６ｂよりも稍大径の段部
１７を形成し、この段部１７の周縁部を平坦に切
欠き、これに対応して段部１７が嵌まり込む取付
孔９ａに上記切欠きと同形の回り止め係合面を形
成してもよい。

Ｆ型コネクタ６の取付けに際しては、シヤーシ
ベース１の裏側から取付孔９ａ内にＦ型コネクタ
６の外方接続用円筒部６ｂを挿入し、位置決め用
フランジ１２とシヤーシベース１の裏面とを面接
触状に当接させることによつて、化粧ケース１０
の表面からの外方接続用円筒部６ｂの突出長さを
規制し、この状態で外方接続用円筒部６ｂの外周
面に形成された雄ネジにワツシヤ１５と締着固定
用ナツト１３ａを装着する。この締着固定用ナツ
ト１３ａを図示しないスパナで締込むことによつ
て、Ｆ型コネクタ６の本体は、シヤーシベース１
上に締着固定される。この後、外方接続用円筒部
６ｂを案内部材としてシヤーシベース１上に化粧
ケース１０を被せ、シヤーシベース１とと化粧ケ
ース１０とを、ビス１４，１４……によつて一体
に接合することによつて、Ｆ型コネクタ取付け構
体１６が形成される。

〔考案の効果〕

本考案によれば、高周波機器の枠型に締着固定
用ナツトと化粧ケースとを無接触状態に保持する
ことができるため、締着固定用ナツトの締込みに
よる化粧ケース表面の擦過損傷が完全に回避され
る。また、位置決め用フランジと締着固定用ナツ
トとの挾持によつてコネクタがシヤーシベースに
固着されるため、かしめによる固定で問題とされ
ていた接合強度の不足も効果的に回避される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一具体例を示すＦ型コネクタ
取付け構体の略示縦断面図である。第２図乃至第
５図は従来のＦ型コネクタ取付け構体を例示する
部分縦断面図である。 １……シヤーシベース、６……Ｆ型コネクタ、
６ｂ……外方接続用円筒部、９ｃ……ナツト挿通
孔、１０……化粧ケース、１２……位置決め用フ
ランジ、１３……締着固定用ナツト、１６……コ
ネクタ取付け構体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 高周波機器の枠形シヤーシベースとこのシヤー
   シベースをカバーする化粧ケースを貫通して外側
   に突出するコネクタ取付け構体に於いて、 前記化粧ケースにコネクタ本体の締着固定用ナ
   ツトの外径よりも大径のナツト挿通孔を穿設する
   と共に、前記シヤーシベースの裏面からコネクタ
   を挿入してそのコネクタ基端の位置決め用フラン
   ジをシヤーシベースの裏面に当接させ、化粧ケー
   スの裏面から突出する外方接続用円筒部の雄ネジ
   に締着固定用ナツトを螺合させて化粧ケースのナ
   ツト挿通孔に収納配置し、シヤーシベース上に化
   粧ケース側から座着した締着固定用ナツトでコネ
   クタをシヤーシベース上に締付固定したことを特
   徴とするコネクタ取付け構体。