JPS6215387Y2

JPS6215387Y2 -

Info

Publication number: JPS6215387Y2
Application number: JP1983145143U
Authority: JP
Priority date: 1983-09-19
Filing date: 1983-09-19
Publication date: 1987-04-18
Also published as: JPS6053932U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、太陽熱集熱屋根に関する。

太陽熱集熱屋根は複数の太陽熱集熱器によつて
構成されるが、集熱器を屋根全体に設置すると屋
内への採光が不足することがある。このため、従
来は、屋根の一部に集熱器を設置し、他の部分に
これとは別に採光窓を設けている。したがつて、
集熱器の部分と採光窓の部分とに一体観がなく、
屋根の美観を損なうおそれがあり、集熱器と採光
窓が連続して設けられた場合でも、これらの連結
部の雨仕舞や外観などに問題がある。また、採光
窓は透明ガラス板などを現地において屋根のたる
木などに取付けることによつて構成されており、
施工が困難で、品質が不安定になる。

この考案の目的は、採光が可能である上、施工
が容易で、品質が安定し、しかも美観を損なうお
それのない太陽熱集熱屋根を提供することにあ
る。

この考案による太陽熱集熱屋根は、取付部付枠
を備えた太陽熱集熱器および太陽熱集熱器の枠と
同一の取付部付枠の内側に透光板が設けられた採
光器がたる木の間に落し込まれて、太陽熱集熱器
の枠および採光器の枠の取付部がたる木の上面に
保持されており、太陽熱集熱器の枠と採光器の枠
に跨がるカバーが取付けられているものである。

この考案の太陽熱集熱屋根によれば、太陽熱集
熱器と採光器がともに取付部付枠を備えたもので
あり、しかもこれらの枠が同一のものであるか
ら、太陽熱集熱器の間の任意の位置に採光器を一
体状に組込んで採光することができ、しかも工場
などで生産した太陽熱集熱器と採光器をたる木に
取付けるだけでよく、施工が非常に容易で、品質
の安定化を図ることができる。また、太陽熱集熱
器と採光器がたる木の間に落し込まれて、これら
の枠の取付部がたる木の上面に保持されており、
太陽熱集熱器の枠と採光器の枠に跨がるカバーが
取付けられているから、屋根の美観を損なうおそ
れがなく、太陽熱集熱器と採光器の間の雨仕舞が
容易で確実である。

以下図面を参照してこの考案の実施例を説明す
る。

第１図は少なくとも一部が複数の太陽熱集熱器
１，１３と採光器２によつて構成された建物の太
陽熱集熱屋根の一部を示している。

採光器２は、第２図〜第４図に詳細に示すよう
に、略直方体をなし、その外枠３は山形材４とタ
ツピンねじ５で連結された４つの枠材６，７より
構成されている。これら４つの枠材６，７の外側
面上部に外方に直角に突出した取付部８が一体に
形成されている。これらの取付部８はそれぞれの
両端部で互いに接触して外枠３を完全に取囲んで
おり、各取付部８の外方縁部は上方に直角に曲つ
た垂直壁９となつている。外枠３の長辺を構成す
る２つの枠材（縦枠材）６の垂直壁９は取付部８
の全長にわたり、同短辺を構成する２つの枠材
（横枠材）７の垂直壁９は取付部８の両端部にお
いて排水のために切欠かれている。各取付部８下
面の上部垂直壁９より若干内方の部分に、上部垂
直壁９と平行な垂直壁１０が一体に形成されてい
る。また、一方の横枠材７の下部には、排水孔１
１が設けられている。

外枠３の両側の縦枠材６の中央上部同志が中桟
１２によつて連結されている。各枠材６，７の内
側上部および中桟１２の両側縁上部にはそれぞれ
横断面略Ｕ形のみぞ１４，１５が形成され、これ
らのみぞ１４，１５にパツキン１６の下部がはめ
止められている。そして、外枠３の中桟１２の両
側に配置された２枚の透明ガラス板（透光板）１
７の周縁部が、これらのパツキン１６の上にのせ
られ、各枠材６，７および中桟１２の上にタツピ
ンねじ１８で取付けられたガラス押え１９，２０
によつて固定されている。なお、ガラス板１７と
ガラス押え１９，２０との間にもパツキン２１が
挾み止められている。

外枠３の内側に所定の間隔をおいて内枠２３が
配置され、外枠３と内枠２３の上部同志および下
部同志がそれぞれタツピンねじ２４によつて水密
状に連結されている。内枠２３は、外枠３と同
様、山形材２５とタツピンねじ２６で連結された
４つの枠材２７，２８より構成されており、両側
の縦枠材２７の中央下部同志が枠補強材２９によ
つて連結されている。内枠２３の各枠材２７，２
８の外側上部に横断面略Ｕ形の結露水受け部３０
が一体に形成され、これらの受け部３０はそれぞ
れの両端部で互いに接触して内枠２３を完全に取
囲んでいる。そして、排水孔１１のある外枠横枠
材７の内側にある内枠横枠材２８の結露水受け部
３０には排水孔３１があけられている。また、中
桟１２の下面には、排水孔３１と反対の方向に張
出したのち上方に直角に曲つた結露水受け３２が
固定されている。この結露水受け３２は、結露水
を受けて両側の縦枠材２７の結露水受け部３０に
導くためのものである。

採光器２には、外枠３および内枠２３の両端の
横枠材７，２８を貫通して両端部が若干外方に突
出した太陽熱集熱器用の通水管３３が固定されて
いる。通水管３３の内枠２３の内側にある部分
は、断熱材３４で覆われている。

第１の集熱器１の外枠３５は、採光器２の外枠
３と同一であり、同一のものには同一の符号を付
している。また、第２の集熱器１３は、外枠の縦
枠材の長さが第１の集熱器１に比べて長い点を除
いて、これと同一である。なお、集熱器１，１３
の内部の構成は従来のものと同様であるから、説
明を省略する。

太陽熱集熱屋根の部分には、複数のもや材３６
がわたされ、これらのもや材３６の上に複数のた
る木３７が支持されている。たる木３７には、そ
の上面および両側面を覆う縦樋部材３８が取付け
られており、樋部材３８の下部両側はたる木３７
から両側に張出した横断面略Ｕ形の水受け部３９
となつている。また、たる木３７の両側面には、
長さ方向に所定の間隔をおいて、短いみぞ形材よ
りなるストツパ４０がボルト４１とナツト４２に
より固定されている。そして、隣り合うたる木３
７の間に、採光器２と第２の集熱器１３または第
１の集熱器１と第２の集熱器１３が落し込まれ
て、排水孔１１のある外枠横枠材７を下側にして
上下に配置され、これらの外枠縦枠材６の取付部
８が、次のように、たる木３７の上面に取付けら
れている。

たる木３７の上面に、採光器２の外枠縦枠材６
の取付部８とほぼ同じ長さかこれより少し長い集
熱器受け部材４３がのせられ、受け部材４３の両
側上部に形成された横断面略Ｕ形のみぞ４４にそ
れぞれ緩衝ゴムパツキン４５の下部がはめ止めら
れている。たる木３７の両側に配置された採光器
２と第１の集熱器１の縦枠材６の取付部８が受け
部材４３のパツキン４５の上にのせられ、このパ
ツキン４５は縦枠材６と取付部８の下部垂直壁１
０との間に位置している。採光器２および集熱器
１の反対側の縦枠材６についても同様である。ま
た、採光器２および集熱器１の下側の外枠横枠材
７がたる木３７の側面に固定されたストツパ４０
にライナなどを介して接しており、これによつて
採光器２および集熱器１の位置決めがなされてい
る。受け部材４３とほぼ同じ長さを有する横断面
略Ｈ形の集熱器押え部材４６が、採光器２および
集熱器１の取付部８の上部垂直壁９の上面にのせ
られ、受け部材４３を貫通する複数の木ねじ４７
によつてたる木３７に固定されている。そして、
縦枠材６の取付部８が、たる木３７と押え部材４
６の間に受け部材４３およびパツキン４５を介し
て挾み止められている。押え部材４６の上部両側
壁４８の内面にはそれぞれ小さい突条４９が形成
されており、押え部材４６と両側の採光器２およ
び集熱器１のガラス押え１９，５０の上方を覆う
カバー５１の下面に直角に形成された２つの垂直
壁５２が、押え部材４６の上部両側壁４８の間に
はめ込まれ、２つの垂直壁５２の下端部外面に形
成された小さい突条５３が押え部材４６の突条４
９の下側にはまり込むことによつて取付けられて
いる。また、カバー５１の両側縁部と採光器２お
よび集熱器１のガラス押え１９，５０との間に
は、パツキン５４が挾み止められている。下側の
第２の集熱器１３の取付も上記と同様であり、カ
バー５１は、たる木３７の長さ方向に配置された
採光器２または第１の集熱器１と第２の集熱器１
３の２つの押え部材４６の間においても連続した
長いものである。

また、図示は省略したが、たる木３７の長さ方
向に配置された採光器２と第２の集熱器１３の間
の空間および上下２つの集熱器１，１３の間の空
間は、これらを連結するアルミニウム板などによ
つて塞がれており、採光器２と第２の集熱器１３
の間および上下の集熱器１，１３の間には、下側
の外枠横枠材７の排水孔１１や取付部８の上部垂
直壁９の切欠き５５から排出される水を受けて両
側の縦樋部材３８の水受け部３９に導く横樋部材
が設けられている。

採光器２は上記のようにしてたる木３７の間に
取付けられているので、取付作業が簡単で能率が
良く、従来のものに比べて短期間で取付作業がで
きる。また、外枠縦枠材６の取付部８がたる木３
７上面の受け部材４３と押え部材４６との間に挾
み止められているだけであるから、採光器２とた
る木３７の間に大きな力が働いたときにこれらが
相対的にずれることができる。したがつて、熱膨
張や熱収縮によつて採光器２が変形することがな
く、また、たる木３７などが変形しても差支えな
い。また、外枠３の取付部８が上記のように樋状
に形成されているので、採光器２とカバー５１の
間から水が浸入しても、この水は取付部８の上を
流下して下側の取付部８の上部垂直壁９の切欠き
５５から排出される。集熱器１，１３についても
同様である。また、採光器２内の結露水は、中桟
１２の結露水受け３２および内枠２３の結露水受
け部３０で受けられて受け部３０の上を流下し、
受け部３０の排水孔３１から下側の外枠横枠材７
の排水孔１１を通つて排出される。

上記実施例では、たる木３７の上に集熱器受け
部材４３がのせられているが、たる木と集熱器受
け部材とを一体にしたような押出型材製の集熱器
支持部材が用いられていてもよい。また、集熱器
押え部材４６とカバー５１は、一体に形成されて
もよい。また、上記実施例のような長い集熱器押
え部材４６のかわりに、複数の短い集熱器押え部
材を木ねじ４７の部分に配置するようにしてもよ
い。また、下側の外枠横枠材７の取付部８の上部
垂直壁９にだけ排水用の切欠き５５が設けられて
もよい。

採光器２および集熱器１，１３の外枠３および
取付部８の構成ならびにこれらの取付構造は、上
記実施例のものに限らず、適宜変更可能である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は太陽
熱集熱屋根の一部を示す斜視図、第２図は第１図
−線の拡大断面図、第３図は太陽熱集熱屋根
の一部を構成する採光器の斜視図、第４図は同部
分切欠き側面図である。１……太陽熱集熱器、２……採光器、３……外
枠、８……取付部、１７……透明ガラス板（透光
板）、３５……外枠、３７……たる木、５１……
カバー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

取付部付枠３５を備えた太陽熱集熱器１および
太陽熱集熱器１の枠３５と同一の取付部付枠３の
内側に透光板１７が設けられた採光器２がたる木
３７の間に落し込まれて、太陽熱集熱器１の枠３
５および採光器２の枠３の取付部８がたる木３７
の上面に保持されており、太陽熱集熱器１の枠３
５と採光器２の枠３に跨がるカバー５１が取付け
られている太陽熱集熱屋根。