JPS6214054Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエレベータの地震時管制装置に関す
るものである。

エレベータ装置又はこれが設けられた建物に地
震感知器を設置して、この地震感知器の動作を介
してエレベータを地震時管制することが提案され
ている。そして地震時管制によりエレベータのか
ご内に地震発生を表示して乗客に避難態勢をとる
ように促することが考えられている。

一方、地震を早期に検出するため比較的に小さ
い振動で動作する地震感知器が設けられるのが普
通である。このような地震感知器は、建物近くの
建設工事、大形車輌の通過による振動によつて動
作するので、地震以外の振動によつてエレベータ
が地震時管制されかご内に地震発生が報知されか
ご昇降中であるとき、すなわちかごが密室状態の
ときには乗客に余計な不安感を与える不具合があ
る。

この考案は上記の欠点を解消するもので、地震
感知器が動作してもかごが昇降中であるときには
地震発生が報知されないエレベータの地震時管制
装置を提供しようとするものである。

以下、図によつてこの考案の一実施例を説明す
る。

図中、１は限時復帰接点からなり所定の振動に
より動作し、かつこの振動が続く間は動作を継続
する地震感知器、２はエレベータのかご（図示し
ない）を最寄階に停止させる停止指令装置、３は
かごが停止したときに動作するスイツチ、４は
ANDゲート、５はかごの戸（図示しない）を戸
開する指令を発する戸開指令装置、６はかごの戸
が戸開したときに動作するスイツチ、７はAND
ゲート、８は報知装置でかご内に設けられて付勢
されたときに「地震です。避難して下さい」等の
少なくとも地震発生を文字、音声等により報知す
る。９はかごを、照明が点灯し、かごの戸を戸開
し、エレベータの呼びを登録したままの状態で待
機させる待機制御装置、１０は時限装置、１１は
ANDゲート、１２はかごを、照明を消灯、かご
の戸を戸閉、エレベータの登録された呼びを打消
して休止させる休止装置、１３はANDゲート、
１４はNOTゲート、１５は待機制御装置９を消
勢しエレベータを平常状態に復帰させる復帰制御
装置である。

今、かごが昇降中であつて地震が発生したとす
ると、地震感知器１が閉成され停止指令装置２が
付勢されて出力を発する。これによつてかごが停
止するとスイツチ３が閉成されるのでANDゲー
ト４が出力を発する。これによつて戸開指令装置
５が付勢されてかごの戸が戸開する。これに伴つ
てスイツチ６が閉成されてANDゲート７が出力
を発する。これにより報知装置８が付勢されてか
ご内に地震発生、避難指示が報知される。このよ
うに地震感知器１が動作したときにはかごの停
止、戸開後に地震が報知されるので、密室状態の
かご内に地震報知されることがなく乗客に余計な
不安感を与えることがない。特に地震感知器１の
動作振動を小さい値に設定したときには誤動作、
過剰動作の頻度が高くなるがこのような場合に乗
客に与える不安感を少なくすることができる。

またANDゲート７の出力により待機制御装置
９が付勢されてかごの照明を点灯したまま、かご
の戸開した状態で、しかも既に登録されている呼
びをそのままの状態でかごを待機させる。同時に
ANDゲート７の出力により時限装置１０が付勢
されて、これの所定時限が経過すると出力を発
し、このときに地震感知器１がなお閉成されてい
れば、すなわち地震による振動が継続中は又は振
動が終息していても地震感知器１の復帰限時内で
あればANDゲート１１が出力を発し休止装置１
２が付勢されてかごの照明を消灯し、かごの戸を
戸閉し、かつ登録されたエレベータ呼びを打消し
た状態でエレベータが休止される。なお付勢され
た休止装置１２は人為的に操作されて消勢され
る。また、時限装置１０が出力を発したときに地
震感知器１が開放されていればNOTゲート１４
が出力を発し、ANDゲート１３が出力を発して
復帰制御装置１５が付勢されてエレベータが平常
状態に復帰される。このときにはエレベータが待
機制御装置９による待期状態にあるので早急に余
計な手数を要することなく運転再開することがで
き、特に地震感知器１の過剰動作等の場合に便利
である。

以上説明したとおりこの考案は、地震感知器の
動作によりかごを最寄り階に停止させて戸開にす
るようにし、その戸開動作開始後はじめてかご内
に地震発生を報知するようにしたので、かごの昇
降中のかご内に早期に地震発生が報知されてしま
つて乗客に余計な不安感を与えるようなことがな
く、特に動作振動を小さく設定した地震感知器を
設けたときのこれの過剰動作によつて乗客に与え
る不安感を少なくすることができるエレベータの
地震時管制装置を実現するものである。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案によるエレベータの地震時管制装
置の一実施例を示す要部論理回路図である。 １……地震感知器、２……停止指令装置、４…
…ANDゲート、５……戸開指令装置、７……
ANDゲート、８……報知装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 地震感知器が所定の振動を感知するとエレベー
   タのかごを最寄階に停止させて戸を開くととも
   に、上記かご内に地震を報知する報知装置を設置
   したものにおいて、 上記地震感知器の動作によりかごが停止したこ
   とを検出する手段と、 このかご停止検出手段の出力信号と上記かごの
   戸の戸開信号とに応答し、これら信号の双方が入
   力されるとはじめて上記報知装置を動作させる信
   号を出力する手段と、 を備えてなるエレベータの地震時管制装置。