JPS6211298Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、分離給油方式を有する２サイクルエ
ンジンを備える車両に於て、エンジンオイルの減
少の度合を少なくとも２段階で警告させるように
し、オイルが減少するに伴つてより視認性の高い
方法で表示を行わせるようにしたオイルレベル警
告装置に関する。

（従来の技術） 従来自動二輪車等に使用される２サイクルエン
ジンでは一般に分離給油方式が採用されている
が、斯かる方式のエンジンではオイル消費の度合
が４サイクルのものに比し大きいために常にオイ
ルタンク内のオイル量に注意を払わなければなな
らい。運転者にオイル量について注意を払わせる
ために、従来は、１つの液位を設定し、この設定
液位を検出することによつて警告灯を点灯させる
手段が一段に講じられていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、斯かる手段はオイル補給の警告
表示が１回だけであるので、何かの拍子に運転者
が見落す虞れがあり、又見落したりしないよう運
転者は絶えず注意していなければならず、運転者
に余分な負担がかかる虞れがあつた。

本考案は上記の問題点を解決するためになされ
たもので、本考案の目的とする処は、運転者にオ
イルの補給時期を更に知らしめるために、複数の
段階で警告のための表示を行うようにし、且つオ
イルが減少するにつれてその表示方法をより一層
視認性の高い方法に移行させるようにし、更に警
告回路の異常による警告の無表示を防止して警告
効果を向上させたオイルレベル警告装置を提供す
るにある。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するため本考案は、オイルタ
ンク内に高さを違えて複数の液位検出素子を設
け、最も下位の液位検出素子を除く各液位検出素
子の検出動作に伴つて当該各々の液位検出素子に
対応する警告手段を駆動する警告回路および、最
も下位の液位検出素子の検出動作に伴つて当該液
位検出素子に対応する警告手段を前記他の警告手
段よりも強い警告効果を有するように駆動する最
下位の警告回路を設け、電源スイツチの投入時に
前記最下位の液位検出素子を除く各々の液位検出
素子をオン駆動することにより当該各々の液位検
出素子およびこれに対応する警告手段、警告回路
が異常でない事を知らせる検知回路を設けたもの
である。

（上記手段による作用） 上記手段によれば、複数段階で警告表示を行
い、且つオイルの減少レベルが最下位となる時に
は警告の度合が高くなるようにし、また、電源ス
イツチの投入時から所定時間の間警告灯が明るく
点灯することにより最下位の検出素子を除く各検
出素子およびこれに対応する警告手段、警告回路
の異常でないことが確認できるので、警告の無表
示を防止でき、警告効果を高めることができる。

（実施例） 以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。

第１図は本考案に係るオイルレベル警告装置の
回路図であつて、図中１の回路部分が本考案に係
る警告を行わせる回路要部であるオイルレベルス
イツチ回路である。第１図に於て、２は電源であ
る処の車両用バツテリであり、３はそのオン動作
によつて車両の全電気系に電気を投入し得るメイ
ンスイツチである。４は車両のメータ類に近接さ
せて配設される警告灯であつて第１のオイルレベ
ルのときに点灯動作するものであり、他方５は同
様な警告灯であつて第２のオイルレベルのときに
リレー６の動作によつて点滅動作するものであ
る。尚、このリレー６は、例えばコンデンサ又は
バイメルタイプが用いられており、その接点が所
定の周期で断続する。警告灯４，５の配設状態の
一例を具体的に第４図に示し、警告灯４，５は自
動二輪車のメータ類７が備わる計器盤８に並べて
設けられる。

回路１の内部に於ては、２つのリードスイツチ
９，１０が回路要素として含まれており、リード
スイツチ９は第１のオイルレベル（液位）を検知
するセンサとして機能する。このリードスイツチ
９は上記警告灯４の出力端子ａと接地端子ｂとの
間に保護用の抵抗１１と直列接続で設けられ、バ
ツテリ２、メインスイツチ３、警告灯４、リード
スイツチ９および抵抗１１により警告灯４の警告
回路が構成されている。また、両端子ａとｂとの
間には抵抗２１が並列接続され、この抵抗２１の
抵抗値を警告灯４が薄明るく点灯できる程度の大
きさに予め設定することにより、警告灯４が正常
であることを常時視認することができる。他方リ
ードスイツチ１０は第２のオイルレベル（液位）
を検知するセンサとして機能し、メインスイツチ
３の出力側端子ｃと接地端子ｂとの間に分圧抵抗
１２，１３と直列に接続され、これらの抵抗１
２，１３の中点にサイリスタ２５のゲートが接続
されている。サイリスタ２５は、アノードが端子
ｄに、カソードが接地端子ｂに接続され、端子ｄ
には上記リレー６の制御端子が接続されている。
そして、リードスイツチ１０により最下位の液位
検出素子が検出され、バツテリ２、メインスイツ
チ３、リレー６、警告灯５、リードスイツチ１
０、抵抗１２，１３およびサイリスタ２５により
最下位の警告回路が構成されており、リードスイ
ツチ１０のオン動作に伴つてサイリスタ２５がリ
レ６を駆動し、警告灯５が点滅動作を行う。

リードスイツチ９，１０の車両に於る実際の取
付状態を説明すると、第２図に示すようにリード
スイツチ９，１０はオイルタンク１４にてオイル
供給孔１４ａに設けられた栓部材１５に固定され
て垂下状態に配設される筒部材１６の内部の所定
位置に取り付けられる。これを第３図で具体的に
示すと、筒部材１６の内部にてリードスイツチ９
を上の位置に、リードスイツチ１０を下の位置に
して配設し、リードスイツチ９の配設位置がオイ
ルレベル１０の配設位置がオイルレベルの第２の
レベルとして設定されるものである。筒部材１６
には、これを中心部の孔１７ａで遊挿せしめる発
泡スチロール等で形成されたリング状の液面検出
用のフロート１７が設けられており、このフロー
ト１７の上記孔１７ａの内面の所定箇所に、第３
図に示される如きリング状のマグネツト１８が設
けられているためこのマグネツト１８の磁気が上
記リードスイツチ９，１０に作用することによつ
てオイル１９の液面を検出することが可能とな
る。すなわち、オイル１９の液面上に浮ぶフロー
ト１７がオイル１９の消費に伴う減少で下方に降
りてくると先ずリードスイツチ９をオンさせ、更
にオイル１９が減少して下降すると次いでリード
スイツチ１０をオンさせるように作用するのであ
る。尚、リードスイツチ９，１０の配線は上方に
延設され、栓部材１５を介して外部へ導出され
る。ちなみに２０はリード線である。

再度回路構成の説明に戻る。第１図に於て、端
子ｃ−ｂ間には、リードスイツチ９をリレー接点
として作用させる電磁石用コイル２２とコンデン
サ２３、保護用の抵抗２４の並列回路との直列回
路が設けられており、電磁石用コイル２２、コン
デンサ２３、および抵抗２４により、リードスイ
ツチ９等を含む警告回路の異常でないことを確認
する検知回路が構成されている。

以上の回路に於て、オイル量が適量である場合
にメインスイツチ９がオンすれば先ずコイル２２
に電流が流れコンデンサ２３が充電されるまでの
一定時間の間コイル２２が励磁状態にあるため、
リードスイツチ９がオン動作して警告灯４が明る
く点灯する。これにより、警告灯４およびリード
スイツチ９等を含む警告回路の異常のないことが
確認できる。また、所定時間経過後には、警告灯
４が薄明るく点灯するので、メインスイツチ３お
よび警告灯４が異常でないことが常時視認でき
る。そして、オイルタンク１４内に十分のオイル
が供給されているとにきはフロート１７はタンク
内の上方に存するからリードスイツチ９，１０が
動作することはなく、それ故にオイルレベルスイ
ツチ回路１の警告動作は生じない。

次にオイルタンク１４内のオイル１９が減少し
てくると、フロート１７も下降し、やがてマグネ
ツト１８が先ず高位のリードスイツチ９をオン動
作せしめる。これが第１段階の警告を発生するた
めのオイル液面の第１の設定レベルであり、この
設定レベルはリードスイツチ９の配設高さによつ
て定められる。リードスイツチ９がオンすれば、
抵抗１１を介して電流が流れ、この結果警告灯４
が点灯し、第１段階の警告を行う。

第１段階の警告に対してオイルを補給すること
なく車両を乗り続けると、オイル１９が更に減少
してフロート１７が下降し、マグネツト１８がリ
ードスイツチ１０をオン動作させる。これが第２
段階の警告を発生させるためのオイル液面の第２
の設定レベルであり、この設定レベルはリードス
イツチ１０の配設高さによつて定められる。リー
ドスイツチ１０がオンすれば分圧抵抗１２，１３
を通して電流が流れ、その中点よりサイリスタ２
５のゲーにトリガが入るからサイリスタ２５が導
通状態となつてリレー６に通電状態を生じさせ、
これによつて警告灯５が点滅動作することにな
る。斯くして運転者は警告灯５の点滅によりオイ
ル補給の必要性を強く感じることになる。

上記実施例に於て、オイルレベルスイツチ回路
１は栓部材１５の内部に装備することも出来る
し、又その他車両の適宜箇所に装備することが出
来る。又上記実施例では、警告の表示方法を２段
階としたがこれに限定されるものではなくそれ以
上の段階を設けて警告させることが出来、更に警
告灯の代わりに他の警告手段（ブザー等）を使用
することが出来るのは勿論である。

（考案の効果） 以上の説明で明らかなように本考案によれば、
複数段階でオイル補給の警告表示を行い得るよう
にし、且つオイルの減少の度合が高くなるにつれ
て警告の程度も高めるようにしたので運転者に対
しオイル補給の必要性をより強調的に伝えること
が出来、運転者が警告表示を見落す虞れがなくな
るとともに、運転者に余分の負担をかけることが
ない。更に異常確認のための回路を設けたので警
告回路の異常による警告の無表示を防止でき、警
告効果を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考
案に係る警告装置の回路図、第２図はオイルタン
ク内の警告装置の取付状態を示す縦断面図、第３
図は第２図中Ａ部の拡大縦断面図、第４図は警告
灯の具体的配置を示す計器盤の平面図である。 尚図面中、１はオイルレベルスイツチ回路、
４，５は警告灯、６はリレー、９，１０はリード
スイツチ、１７はフロート、１８はマグネツトで
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 分離給油方式の２サイクルエンジンに係るオイ
   ルタンク内のオイル液面位置を検出することによ
   りオイルの補給を警告するようにしたオイルレベ
   ル警告装置に於て、オイルタンク内に高さを違え
   て複数の液位検出素子を設け、最も下位の液位検
   出素子を除く各液位検出素子の検出動作に伴つて
   当該各々の液位検出素子に対応する警告手段を駆
   動する警告回路および、最も下位の液位検出素子
   の検出動作に伴つて当該液位検出素子に対応する
   警告手段を前記他の警告手段よりも強い警告効果
   を有するように駆動する最下位の警告回路を設
   け、電源スイツチの投入時に前記最下位の液位検
   出素子を除く各々の液位検出素子をオン駆動する
   ことにより当該各々の液位検出素子およびこれに
   対応する警告手段、警告回路が異常でない事を知
   らせる検知回路を設けたことを特徴とするオイル
   レベル警告装置。