JPS6210994Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンデンサ素子製造時における金属箔
の自動送り出し装置の改良に関する。

コンデンサ素子の製造に際し、アルミニウム等
の金属箔および絶縁紙やプラスチツクフイルム等
の薄葉絶縁物を重ねて巻取りコンデンサ素子を形
成する場合、第１図に示すように、金属箔１なら
びに例えば３枚の薄葉絶縁物２を重ねて巻取軸３
に巻取り、コンデンサ素子４を形成する。なお、
コンデンサ素子は当然のことながら、金属箔と薄
葉絶縁物とを重ねたものを２組巻き込むのである
が、同図および後述する第２図ないし第５図にお
いては簡単のため、金属箔と薄葉絶縁物との１組
のみを示す。

ここで、コンデンサ素子４に所定長の金属箔が
巻取られた場合、巻取りを一時停止して第２図に
示すように金属箔１を切断し、さらに薄葉絶縁物
２のみを所定回数取つてコンデンサ素子４の巻取
りを終了したのち、薄葉絶縁物２を切断して巻取
軸３と共にコンデンサ素子４を取外し、新しい巻
取軸３を取付ける。

次いで、薄葉絶縁物２を引出して新しい巻取軸
３に適宜回数巻付けたのち運転を再開し、同時に
タイマ（図示せず）を動作させて駆動ローラ５ａ
と従道ローラ５ｂよりなる送り出し装置５によつ
て金属箔１を送り出す。金属箔１は第３図に破線
で示すように薄葉絶縁物２に沿つて送り出され、
薄葉絶縁物２と共に巻取軸３に巻込まれる。かく
して第４図に示す状態となり、前記タイマにより
送り出し装置５による所定長の送り出しが終了す
るまで、金属箔１は送り出されながら巻取軸３に
薄葉絶縁物２と共に巻取られる。

この場合、巻取軸３の巻取り速度と、送り出し
装置５による金属箔１の送り出し速度とが異なる
と、金属箔がたるんだり、あるいは強く引張られ
過ぎて、円滑に巻取ることができない。

これは、巻取軸の径および回転速度すなわち巻
取速度に応じて金属箔の送出し速度を調整すれば
円滑な巻取りが可能であるが、巻取軸径には多数
の異なつたものがあり、かつ回転速度は作業性よ
り決められるため、巻取軸径を変えるたびに金属
箔の送り出し速度を設定し直すことが必要にぬ
り、非常に作業性が悪いことになる。

また上述したように、コンデンサ素子巻取りの
最終工程で、次のコンデンサ素子のための準備と
して、金属箔を切断したのち金属箔を所定長送り
出すようにタイマを設定してあり、金属箔の送り
出し速度を巻取軸径ごとに変えるにはタイマの設
定値をも変更しなくてはならず、そのために時間
がかかることになる。

しかし、上述したコンデンサ素子の巻始めに、
金属箔の送り出し速度と巻取り速度とが一致せず
円滑な巻取りができない場合には、金属箔が破れ
たりセンタリングがずれたりし、特に金属箔の両
側部を折り返してラウンドエツジとしてあるとき
はラウンドエツジ部が損傷する等の故障が生じ大
きな問題であつた。

本考案はこの問題を解決するためになされたも
ので、以下実施例について詳細に説明する。

第５図は本考案の実施例の構成を示す斜視図
で、前記第１図ないし第４図に示した従来の構成
とほぼ同じであるが、本考案においては、コンデ
ンサ素子の巻始めに金属箔を送り出すための送り
出し装置の駆動ローラ５ａに結合したプーリ６
に、第６図に示すようなワンウエイクラツチ７を
設ける。

すなわち、送り出し装置５は、一部を軸に平行
に切断して示した第６図に明らかなように、駆動
ローラ５ａにはプーリ６がワンウエイクラツチ７
を介して結合されており、このプーリ６は電動機
８よりベルト９を介して駆動される。

よつて、コンデンサ素子４の巻始めに金属箔１
が送り出し装置５より送り出されている場合、そ
の送り出し速度より巻取り軸３の巻取り速度の方
が大きいときは、ワンウエイクラツチ７が滑るた
め、金属箔は過大な張力が加わるおそれなく、送
り出し速度より大きな巻取り速度で巻取られる。

ただし、反対に送り出し速度が巻取り速度より
大きいときは金属箔にたるみを生じるため、送出
し速度を巻取り速度より小さく設定しておく等の
手段を講じることが望ましい。

このようにして、金属箔１が所定長だけ巻取ら
れたとき前述したタイマの時限が終了し、前記第
１図に示したように駆動ローラ５ａは従動ローラ
５ｂより離れ、金属箔１は単に従動ローラ５ｂを
径由するのみで駆動ローラとは無関係になり、薄
葉絶縁物２と共に巻取軸に巻取られ、コンデンサ
素子４を形成して行く。

なお、上記実施例では金属箔送出用駆動ローラ
のプーリ６にワンウエイクラツチ７を設けた場合
を説明したが、ワンウエイクラツチは必ずしもプ
ーリに組込むことなく、駆動ローラとその駆動用
動力源との間に設けることにより、目的を達成す
ることができる。

以上説明したように、本考案によるときは、新
しいコンデンサ素子の巻始めに金属箔を送り出す
送り出し装置の駆動ローラとその動力源との間に
ワンウエイクラツチを設けることにより、過大な
張力の加わるおそれなく、巻取りを行なうことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は金属箔と薄葉絶縁物との巻込みを行な
う状態を示す説明図、第２図はコンデンサ素子の
巻終り時に金属箔を切断した状態を示す説明図、
第３図はコンデンサ素子の巻始めに送り出し装置
より金属箔を送り出す状態を示す説明図、第４図
は送り出した金属箔が薄葉絶縁物と共に巻込まれ
た状態を示す説明図、第５図は本考案の構成の実
施例を示す斜視図、第６図は駆動ローラにワンウ
エイクラツチを介してプーリを取付けた状態を示
す一部断面正面図である。 １……金属箔、２……薄葉絶縁物、３……巻取
軸、４……コンデンサ素子、５……送り出し装
置、５ａ……駆動ローラ、５ｂ……従動ローラ、
６……プーリ、７……ワンウエイクラツチ、８…
…電動機、９……ベルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属箔と薄葉絶縁物とを重ねて巻取りコンデン
   サ素子を形成するに際し、コンデンサ素子の巻始
   めに金属箔を送り出し上記薄葉絶縁物と共に巻き
   取らせるための金属箔送り出し装置において、金
   属箔送り出し用の駆動ローラと動力源との間にワ
   ンウエイクラツチを設けたことを特徴とするアル
   ミ箔等の自動送り出し装置。