JPS6158935B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、消弧用ガスを引外し動作中にピスト
ンおよびシリンダー装置によつて圧縮するパツフ
ア形ガスしや断器に係り、特に絶縁ノズル部を改
良してしや断後の耐電圧特性を向上させたパツフ
ア形ガスしや断器に関するものである。

近年の系統における高電圧、大容量化にともな
いしや断器が通電すべき定格電流およびしや断す
べき短絡電流は急激に増大し、かつ１点あたりの
電圧もますます増大の傾向にある。従つてこれら
の要求を満たすべく、ガスしや断器に課せられる
アークエネルギーの処理能力と絶縁回復力も飛躍
的な増大が望まれている。

一方パツフア形ガスしや断器において、定格電
流を増大する手段として従来から第１図に示すよ
うな構成が採用されている。即ち固定側アーク接
触子３および可動側アーク接触子６と通電用固定
側主接触子１および通電用可動側主接触子５を備
えたしや断器が開発されてきた。第１図の上半部
は投入状態を又下半部はしや断状態を示してい
る。しかるにこのようなパツフア形しや断器にお
いてはしや断動作中および電流しや断後アークに
さらされた高温のガスが第１図の矢印に示すよう
に絶縁ノズル４によつて通電用固定側接触子１お
よび可動側主接触子５の周辺に運ばれることにな
り、ガスの高温性ないし密度の低下によつて通電
用接触子周辺部の絶縁耐力の低下が引起される。
尚７は可動シリンダ、８は固定側ピストンであ
る。

本発明の目的は、アークにさらされた高温ガス
が直接通電用接触子周辺部に運ばれるのを防ぐた
めの絶縁ガイドを可動側部材と固定側部材に設け
ることにより、しや断後の耐電圧特性を向上させ
たパツフア形ガスしや断器を提供することにあ
る。

本発明の実施例を第２図および第３図に示す。
第２図は投入状態を、又第３図はしや断状態を示
している。１はしや断器の投入時における通電用
固定側主接触子で、通電用可動側主接触子５と共
に主接触部を構成する。３は固定側アーク接触子
で可動側アーク接触子６と共にアーク接触部を構
成する。これら接触子は、しや断動作においては
通電用主接触子１と５がアーク接触子３と６より
早く開極を行ない、投入動作においてはアーク接
触子３と６が通電用接触子１と５より早く投入を
行なう。７は可動シリンダであり、前記主接触子
５及びアーク接触子６を固定してある。この可動
シリンダ内にはガス室を形成するように固定ピス
トン８を設けてある。更に可動シリンダ７にはア
ーク接触子３，６を包囲するように絶縁ノズル４
を固定してある。可動シリンダ７はしや断動作中
に、自身のシリンダー室内の消弧用ガスを圧縮し
てシリンダの穴７０より絶縁ノズル４を通して、
アーク接触子３と６の間に発生するアークへとガ
スを吹付けて消弧を行なう。２は通電用固定側主
接触子１の中間部内面に設けられた絶縁ガイド
で、前記絶縁ノズル４の外側に配置されており可
動側絶縁ノズル４とともに、そのしや断動作中お
よび電流しや断後にアークにさらされた高温ガス
が、通電用主接触子１と５の周辺部に運ばれるこ
とを防ぐためのものである。従つて絶縁ノズル４
のガス下流側先端部ａと絶縁ガイド２の自由端ｂ
とは、しや断動作終了時において第３図に示すよ
うに中心軸方向にｌだけ重なり合うように配置さ
せる。

しかして第２図の投入状態からしや断指令が与
えられると可動側部材は図示右方に移動し、シリ
ンダ７内のガスはピストン８で圧縮される。そし
て通電用主接触子１と５が開離したのちアーク接
触子６と３間が開離し、アークが発生する。この
アークに向つて圧縮されたガスが第３図のように
穴７０より図示矢印の如く絶縁ノズル４の流路を
通つて吹付けられアークを消すように働く。アー
クの吹消しによりガスは高温となつてアーク接触
子３の周囲に流れ込むが、絶縁ノズル４と通電用
固定側主接触子１の内面に設けた絶縁ガイド２に
よつてガスが通電用主接触子１，５の周辺部に流
れ込むのを阻止することができる。従つてアーク
にさらされて高温になり密度の低下した絶縁耐力
の低下したガスが通電用接触部周辺に流れ込むこ
とがないので、しや断後の状態にあつても十分な
絶縁耐力を保持することができる。従つて従来の
この種しや断器に比し絶縁耐力の増大をはかるこ
とができる。

以上説明したように本発明によれば通電用接触
部の内側に絶縁ノズルと絶縁ガイドとを中心軸方
向に重なり合うようにして配置してアークにさら
された高温ガスが、通電用接触部周辺に運ばれな
いようにしたので絶縁耐力の良好なパツフア形ガ
スしや断器を提供することができる。

尚上記実施例では通電用固定側主接触子の中間
部内面に絶縁ガイドを取り付けたものにつき説明
したが本発明はこれに限定されるものではなく第
４図及び第５図の如き態様を実施することができ
る。即ち第４図は絶縁ガイド２を通電用固定側主
接触子１の端部に設けて、この絶縁ガイド２と絶
縁ノズル４によつて通電用主接触部へ消弧後のガ
スが流れ込むのを防止する阻止装置を形成したも
ので、第２図と同一部品には同符号をつけてその
説明を省略してある。一方第５図の構成は、引外
し状態に於いても絶縁ノズル４が通電用固定側主
接触子１内まで延びることなく、主接触子１と５
の中間まで延びた構成であつて、絶縁ガイド２を
通電用固定側主接触子１の中間部内面からその先
端が前記絶縁ノズル４の先端を越えて重なり合う
ように延長させたものである。

これら第４図及び第５図の構成によつても第２
図と同様の効果を得ることができる。

更に第６図に示したように絶縁ノズル４の先端
に凹部４０を形成し、この凹部４０に絶縁ガイド
２の先端部２０を嵌合させるようにすることもで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のパツフア形ガスしや断器の上半
部が投入時を又下半部がしや断時を説明した断面
図、第２図及び第３図は本発明パツフア形ガスし
や断器の一実施例を示す投入時及びしや断時の断
面図、第４図乃至第６図は本発明の夫々異なる実
施例を示す投入時の断面図である。 １…通電用固定側主接触子、２…絶縁ガイド、
３…固定側アーク接触子、４…絶縁ノズル、５…
通電用可動側主接触子、６…可動側アーク接触
子、７…可動シリンダ、８…固定ピストン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 通電用接触部及びアーク接触部を備え、アー
   ク接触部の開離に先立ち前記通電用接触部の開離
   が行なわれると共に前記アーク接触部開離時に可
   動シリンダ内のガスを固定ピストンにより圧縮し
   て前記アーク接触部に吹付けるようにしたものに
   於て、前記可動シリンダに前記アーク接触部を包
   囲するように絶縁ノズルを設け、この絶縁ノズル
   の外側に前記通電用接触部を配置して成り、前記
   絶縁ノズルは、しや断完了状態においてその先端
   が絶縁ガイドと中心軸方向に重なり合うようにな
   し、この絶縁ガイドは前記通電用固定側接触子内
   面に前記通電用接触部へのアークにさらされた高
   温ガスの流れ込みを阻止するように固着配置した
   ことを特徴とするパツフア形ガスしや断器。 ２ 絶縁ガイドが通電用固定側接触子の内面先端
   部附近に取り付けてある特許請求の範囲第１項記
   載のパツフア形ガスしや断器。 ３ 絶縁ガイドを絶縁ノズルの下流側先端が互に
   嵌合い関係にあつて阻止部材を形成している特許
   請求の範囲第１項記載のパツフア形ガスしや断
   器。