JPS6145770A

JPS6145770A - 貯血槽

Info

Publication number: JPS6145770A
Application number: JP59165453A
Authority: JP
Inventors: 孝志門前
Original assignee: Terumo Corp
Current assignee: Terumo Corp
Priority date: 1984-08-07
Filing date: 1984-08-07
Publication date: 1986-03-05
Also published as: JPS6328624B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ■６発明の背景（技術分野）本発明は、開心術に伴う体外循環時に人工心肺回路にお
いて使用する貯血槽（カーディオドミーリザーバ）に関
するものである。

（先行技術およびその問題点）人工心肺回路においては、第１図に例示するように、患
者の大静脈から脱血された血液は脱血ライン１を経て、
術計かもの血液は吸引ライン２およびポンプ３から貯血
槽４およびライン５を経て、容量規制手段６に収納され
た静脈リザーバ７に入り、更にポンプ８により熱交換器
付人工肺９に送られ、ここで酸素付加された血液は送血
ラインｌＯを経て患者の体内に戻されるよう構成されて
いる。

ところで、貯血槽は、胸腔、心腔などの術計で吸引され
た血液の消泡、貯血機能に加えて、現在では術計での吸
引血液に随伴する、あるいは輸血血液中に存在する組織
、マイクロアグリゲートなどの異物を濾過するフィルタ
ーを組み込み、濾過、消泡、貯血という重要な三機能を
果たすよう構成したものが汎用きれるに至っている。と
ころが、現在使用されている貯血槽には、上記三機能等
において下記の種々の問題があることが指摘されている
。

（１）濾過機衡上の問題フィルターに組織、マイクロアグリゲートなどの異物が
多い血液を通した場合、有効的にフィルターを使用しな
いうちに早く目詰まりを生じる傾向がある。また、プリ
ーツ状フィルターの場合、フィルターを円筒状に配設す
る関係上内腔を生じ、そのため、この内腔に血液貯溜が
生じ、正確な貯血槽内血液量の把握が困難となる。従っ
て、貯血槽のハウジングに記された目盛標示と実際の貯
血量には差が生じ、必要な時に実際の鹿液量を読み取る
ことができないという問題も派生している。また、フィ
ルター性能と、フィルター内での血液とバブルの速やか
な分離機能は相反し、そのバランスはなかなか難しいと
ころがある。

（２）消泡機能−１−の問題貯血槽に入った血液は、フィルターおよび消泡剤により
濾過消泡された後、ハウジング内に貯溜されるのである
が、その際、濾過消泡部材より流出する血液（あるいは
プライミング液）が一度消泡、貯血された血液面に滴下
する構造では、再度バブルの発生が起り、好ましくない
。こうした場合、患者にもマイクロバブルを有した血液
が送られることになり、末梢血管閉塞に伴い脳障害等を
起す危険性がある。

濾過消泡部材とハウジング底部を接触させて上記現象を
回避している構造のものもあるが、この種のものでは、
ハウジング底部の血液排出ボートとこれに接続されるチ
ューブ内のエアーが排出できず、取り残されるというエ
アーブロック現象が発生し易い。これは、密閉式静脈リ
ザーバを用いた膜型肺にとっては、静脈リザーバ、人工
肺、そして患者へとエアー混入の危険性が大きい。エア
ーブロック現象とは、血液流出ポートに接続されたチュ
ーブ内血液面でクランプしているような場合、流人血液
が多量に流れ込んできた時、エアーが排出できず、一部
チューブ内に留まってしまう現象を意味する。

また、フィルター内蔵型の貯血槽では、最近高性能とな
ってきているフィルターの抵抗のため、機能上、濾過後
に消泡する構造とせざるを得す、このため、流入するエ
アー混人血液を濾過するに際しては陽圧濾過となる。陽
圧濾過では、血液流量の増大とともに消泡部材の処理能
力を越え、フィルターから陽圧空気が血液を噴出させ、
血液中にバブルを生ぜしめる結果、その後の消泡を不利
にし易い。このような場合には、フィルターにおける圧
上昇も大きく、フィルター性能を低下させる傾向となる
。これを回避するため、血液流入口にサイクロン式のエ
アー分離構造を採用しているものもあるが、多量のエア
ー混入時には対処しきれず、圧上昇を招き易く、消泡性
能が相当悪いという結果を招いている。

また、濾過消泡部と貯血部を分離して」；記メリットを
得た構造としても、濾過消泡部で一旦消泡された血液が
濾過消泡部から貯血部にその間の案内部を経て移行する
際、濾過消泡部と案内部との間あるいは案内部とハウジ
ング底部との間で再び発泡するという問題が残っていた
。

（３）貯血機能」二の問題また、貯血機能上、ハウジングの形状構造にも問題があ
る。ハウジングは、金型製作上、フランジ付半部を製作
して中間部で接着する方法が簡便である。しかし、この
ような構造では、接着部分で血液リークの可能性がある
と同時にラベルによる液量目盛表示が面倒で、フランジ
部での貯血液量表示は不正確になり易い。さらに、開心
術症例に応じ、ベントラインを通して循環異常、弁不全
の状態を把握するために血液量を測定することがよくあ
る。つまり、心臓は虚血状態にあるわけであるが、肺静
脈還流異常があると左心室に貯血され、その量により異
常程度が理解される。また、大静脈弁不全であれば、こ
れも同様左心室に貯血される量で判断される。すなわち
、これらの量をベントラインを通して測定するため、細
かな目盛表示が要求される。そのため、ハウジング底部
および血液流出ポートの形状も血液量が読み取り易いも
のが要求される。

また、フィルターの面積は同一であっても、フィルター
の前述の血液とバブルとの分離機能に影響するところが
大であり、長い方が分離機能は優れている。このため、
長目のフィルターを使用し、ハウジング底部付近まで至
っているものが多い。ところが、こうしたタイプの貯血
槽では、その構成部材と血液との接触時間が長時間に至
り、現在注目されている補体活性化、シリ」−ン脱離が
大きく好ましくない。フィルターがハウジング底部付近
まで至っているものの代表例としては、ＵＳＰ　４，１
６４，４６８、同４，２０９，１９３などがある。

ＩＩ　、発明の目的本発明は上述した現状に鑑みなされたもので、その目的
とする処は、濾過消泡部と貯血部とを分離し、血液が貯
血槽の濾過消泡部の異物と接触する時間を短時間に、す
なわち通過時間にのみ抑え、かつ濾過消泡部で一旦消泡
された血液が濾過消泡部と案内部との間あるいは案内部
と貯血槽との間で再発泡することがないよう構成した貯
血槽を提供しようとするにある。

■９発明の構成すなわち、本発明は、頂部に血液流入口を有し、底部に
血液流出口を有する中空体を具え、該中空体内の上方に
濾過消泡部を設け、さらに前記濾過消泡部から流１１ｊ
する血液を前記中空体底部へ案内する案内部を前記濾過
消泡部から前記中空体底部へ向けて収斂する形状として
設け、前記濾過消泡部の血液流出部と前記案内部の血液
受部との間の距離は血液の液滴の長さに等しいかこれよ
り小さくし、案内部の末端においては前記案内部の収斂
内表面を流れてくる血液流を細流に分割するよう構成し
たことを特徴とする貯血槽を提供するものである。

以下、本発明の貯血槽を添付図面に示す好適実施例につ
き詳細に説明する。

第２図は本発明の貯血槽２０の一部破断除去して内部を
見えるようにした部分断面側面図であり、はぼ円筒状の
ノ＼ウジング２１内に濾過消泡部■が上方に偏って設け
られ、そこから血液がハウジング底部あるいは貯血部■
に向けて案内されるよう構成されているのがよくわかる
。ｌ＼ウジング２１は硬質の透明体で、ポリカーボネー
ト、アクリル−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリ塩化ビニル、アクリル−ブタジェン−スチ
レン共重合体などの硬質プラスチック材料で、好ましく
は一体成形して製作される。

ハウジング２１は、その頂部は上蓋２２およびハウジン
グ延長部２３により閉塞され、にＭ２２」二には吸人血
液入ロボート２４．フィルタ通過式の輸液、輸血ポート
２５、急速輸液ポート２６が設けられ、ハウジング延長
部２３上にはエアへントポート２７が設けられている。

ハウジング２１の胴部はほぼ円筒状で中空である。ハウ
ジング２１の底部は、偏心して形成された血液流出口２
９に向けて傾斜する斜面をなし、その中央部には濾過消
泡部材３０およびデフレクタ３１を支持するための中高
支持部３２が形成されている。

ハウジング２１は、金型製作上は半部で構成するのが良
いが、血液リーク、目盛付、ラベル付等の観点からは、
頂部を除いては一体物として継目なく成形するのが好ま
しい。特に底部は血液が滞留しないようにする必要があ
り、接着部等がないほうが良い、ハウジング２１の底部
に設けられる血液流出口２９は、ハウジング２１の底部
中央に設けると目盛、血量などの見通しが悪くなるから
、ハウジング２１の底部の外周縁近くに偏心させて設け
るのが好ましい。さらに、開心術症例に応じては、少醗
ではあっても■確な血液量を知る必要がある場合がある
から、血液流出口２９の形状は円滑な曲面より成る漏斗
状にするのが好ましく、特に半球形の如くふくらみを持
つ形状にすると目盛はその読取も容易である。

このように、円滑な曲面より成る漏斗状の血液流出口は
、これに接続されるチューブを経て静脈リザーバに血液
が流れる時、血液は血液流出口２９およびチューブの壁
面を伝って流れるために、−上述した問題であるエアー
ブロック現象は起らない。これは、常時監視されている
体内血液量の適正化のための調節操作時の貯血槽の上下
動あるいは術計からの血液流入の変動などにより、血液
レベルが血液流出口を上下した場合にも、同様にエアー
ブロック現象は防止される。

上述したハウジング２１の上方部分に配設される濾過消
泡部材３０は、その下方の案内部材２８とともに上蓋２
２から延長する上方支持体３３と中高支持部３２との間
に支持される。濾過消泡部材３０は、中心部より外方に
向けて種々の機能素子が同心的に配置され、中心部に導
入されたエアー混人血液を順次に血液の均等分配、血液
とバブルの分離、濾過、消泡を行い、消泡された血液を
、再びバブルの発生なく、ハウジング下部の案内部材２
８を経て貯血部■あるいはハウジング底部に貯血させる
ようにするものである。

濾過消泡部材３０は内腔３４を有するフィルター３５お
よびその外周の消泡部材３６を有し、フィルター３５は
上方支持体３３と７下方支持体３７との間に接着剤３８
により固着され、消泡部材３６はフィルター３５に嵌着
し、下方支持体３７で支持される。上方支持体３３は、
フィルター３５で構成される内腔３４内に、下方にフィ
ルター長より短い長さ垂下する円筒体４０を有し、フィ
ルター３５とこの円筒体４０との間に環状空隙４１を限
定する。この空隙には円筒体が存在するため、直接血液
が入ってこす、このため空隙４１に対応するフィルタ一
部分は濡れず、この部分から、血液と分離したバブルの
エアーがフィルター３５、消泡部材３６およびベントボ
ート２７を経て排出される。

下方支持体３７は、フィルター３５で構成される内腔３
４内に−１一方に立上る中空部材４２を有し、中空部材
４２の下部４４はフィルター３５に密着するが、上方４
３は縮径して円筒体４０内を上方にほぼ上方支持体３３
の位置まで延長する。

中空部材４２、円筒体４０は濾過消泡部材３ｏと同心的
に配置するのが好ましく、中空部材４２と円筒体４０と
の間の空隙４５は血液流路を限定する。中空部材４２の
上部４４のヘッドは丸くして血液の均等分配を行えるよ
うにするのが良い。

従来は、この血液分配中空部材４２がフィルター３５の
内側に配設されずに内腔を形成し、この内腔に量の測定
が不能な血液が貯溜して問題であったが、本発明では、
血液分配中空部材４２のフィルター３５の内腔３４への
相当な高さ位置までの配置により、不要の内腔がなくな
り、フィルター３５への血液の均等分配および円筒体４
０とフィルター３５との間の血液とバブルの分離空隙４
１の形成により、濾過面の有効利用が図られ、従来のよ
うなチャネリングを生じないようになった。なお、血液
分配中空部材４２の構成材料は、フィルター３５の内腔
３４の径を規定できるポリカーボネイト、アクリル−ス
チレン共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化
ビニル、アクリル−ブタジェン−スチレン共重合体、ポ
リプロポピレン等、硬質プラスチックが好ましい。

血液分配中空部材４２の周囲に配設するフィルター３５
は種々のものがあるが、孔径２０終程度のメツシュを設
けたスクリーンタイプ、吸着効果によるデプスタイプな
どを用いるとしても、コンパクト軽量化のためにはプリ
ーツ状のフィルターが好ましい。フィルター３５はプリ
ーツ状のものに限らず、血液分配中空部材４２と等間隔
で接触し、これらの間にはある程度の空間を形成してお
くのが好ましい。フィルター３５と血液分配中空部材４
２とを等間隔で接触させることは、フィルターの実効面
積を増大させることができるからである。また、フィル
ター３５と血液分配中空部材４２との間に空間を形成す
るのは、組織、マイクロアグリゲートなどの異物による
目詰まり、チャネリングなど、フィルターの有効利用を
妨げる物質の収納空間を設けておくためである。

フィルター内蔵型貯血槽では、血液は陽圧濾過されるが
、その時、血液流量の増大につれて処理能力が減退して
、血液が陽圧によりフィルターより噴出させられてバブ
ルを発生し、後の消泡を不利にする場合があることは前
述の通りである。これを防止するには、フィルターを予
め消泡剤で処理しておくのが良い。消泡剤としてｔよ、
−ａｔに消泡部シリコーン（シリカを混合したコンノ々
ウンド型、オイル型）などが、また、フィルター構成材
料はナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどが好
ましい。そして、フィルターはこれらのメツシュまたは
不織布が好ましい。フィルターに消泡剤を付着させるこ
とにより、フィルターに血液が接触する時にバブルは消
泡されて血液とエアーに分離され、このため、フィルタ
ーによる圧」二昇も抑止されると同時にフィルターの瀘
過性詣が維持される。

フィルター３５の外周の消泡部材３６は、その」二流側
のフィルター３５により濾過または濾過消泡された血液
を消泡するためのものであり１発泡ウレタン、ステンレ
スリボン、ポリプロピレンメツシュなどの材料に、上述
した消泡剤をコートしたものである。消泡部材３６はト
リコットのような袋４６で包まれている。

また、本発明の貯血槽は、濾過消泡部Ｉが中空のハウジ
ング上部に偏って設けられている。これは、前述したよ
うに、貯血されてＩ／Ｘる血液力（従来のようにフィル
ター３５や消泡部材３６に浸漬せず、極力異物接触を回
避するためである。これは、現在注目されている部材に
よる補体活性イＬ（動物の血清中にあって、生体内で抗
原抗体反応が起る際に酵素的な重要な役割を持つタンノ
くり質の一種の補体が活性化され、細胞膜障害、感染に
対する生体の防御機構、炎症反応に障害が生じる。また
、活性化により補体が消費されて一時的に生体の免疫能
が低下し、感染等の危険も高い）、シリコーンの脱離な
どを抑制し、また、フィルター３５および消泡部材３６
での血液のデッドポリウムを節減し、返血時の血液量が
正確に把握できる目盛を提供する。

このような機能を果たすために、本発明におｌ、Ｎては
、濾過消泡部Ｉで濾過消泡された血液を／＼ウジング２
１の底部の血液流出口２９に再び／（プルの発生なく導
くことができるよう、濾過消泡部材３０の下部に案内部
材２８を設ける。案内部材２８は漏斗状のデフレクタ３
１で構成するのが好ましい。

デフレクタ３１はハウジング２１の底部中央の中高支持
部３２上のリプ３９上に支持されるよう収斂する。デフ
レクタ３１の詳細については第３図および第４図につき
後に詳述する。このデフレクタ３１は、ハウジング２１
の胴部および胴部に隣接する底部に接触して流路を開く
ことがないようにするのが良い。デフレクタ３１とハウ
ジングとが上記の如く接触すると、接触部以下の血液レ
ベルの時、接触部が血液レベルと見間違えやすいので手
術者が誤認を起す恐れがあるからである。

また、デフレクタ上には血液が常時流れているから・透
明体でデフレクタを構成すると、やはり血液レベルを判
読しにくい傾向があるので、デフレクタは血液色を感じ
させないものあるいは不透明体あるいは着色体で構成す
るのが好ましい。

第３図および第４図には、濾過消泡部Ｉで濾過消泡され
た血液を濾過消泡部材３０とデフレクタ３１との間およ
びデフレクタ３１とハウジング２１の底部の中高支持部
３２との間で再発泡させることのないようにしたデフレ
クタ３１の好適構成例を示す。

デフレクタ３１は漏斗状に収斂する形状をなし、この内
面に濾過消泡された血液を再発泡なく流下させるもので
ある。

第４図に示されるように、デフレクタ３１はほぼ截頭円
錐状の胴部５０を有し、その頂部は張出部５１とほぼ水
平な段＠５２により血液受部を構成する。この血液受部
は濾過消泡部工のトリコット袋４６により包まれた消泡
部材３６から流出する血液を直接受ける部分である。こ
の部分に消泡部材３６からの血液が滴下すると、その衝
撃により再発泡してしまう。

そこで、本発明においては、この消泡部材３６の外周端
と上記水平段部５２との距離は、消泡部材３６を包むト
リコット袋４６からの血液の液滴の垂直方向の大きさよ
りも小さくして、消泡部材３６から血液が液滴なつくり
、これが滴下するような現象が起きないようにする。し
かし、消泡部材３６とデフレクタ３１の水平段部５２と
の間の距離をあまり小さくしすぎると、血液の流出量が
多い時に血液の波路が狭いため、発泡することがある。

したがって、消泡部材３６を包むトリコット袋４６の外
周縁とデフレクタ３１の水平段部との間の距離は血液の
液滴の垂直方向長さに等しいかこれより僅かに小さなも
のとするのが良い。さらには、血液を水平段部５２に滴
下なく導く、案内部としてのリブ５３を複数個形成する
のが良い。その構成例を第５図に示す。

また、消泡部材３６で消泡された血液はなるべくこれを
包むトリコット袋４６の外周端から流出するように構成
するのが良い。このためには、消泡部材３６を包むトリ
コット袋４６の中央部は押し上げ、外周縁に向けて傾斜
するような構造にするのが良い。

本発明においては、この目的を達成するために、水平段
部５２上に好ましくは角度的に等間隔でリブ５６を３ヶ
以上形成する。

このようにして消泡部材３６を包むトリコツＩ・袋４６
の外周縁からデフレクタ３１の水平段部５２」−に発泡
することなく流出した血液は、デフレクタ３１の傾斜胴
部５０の内面をその壁なったって流れ下り、最終的にデ
フレクタ３１の胴部５０の末端より中高支持部３２上に
上記と同様に滴下することなく流出する。

デフレクタ３１の胴部５０に至る間には複数個のガイド
板５４を設けて複数個の血液流路を形成し、血液を多く
の流れに分散させて発泡の機会を極力少なくするのが良
い。さらに、胴部５０の末端部にはガイド板５４以外に
もリブ５５を好ましくは角度的に均等に配設し、血液流
をさらに細かい流れに分散させて胴部５０からの流出圧
あるいは流出時に形成されることのある膜により発泡し
ないようにする。リブ５５の好適例を第６図に示す。

胴部５０の末端に形成するリブ５５は等間隔がよく、そ
の場合、デフレクタ−末端の流出口が海流量５見に対し
ても速やかな流れを確保する面積になるように構成され
たリブ形状、大きさであり、かつ、血液の泡膜を作成し
ない間隔をもつように構成されたリブ個数が必要である
。そしてリブ５５の数は少なくとも３個以上が良い。種
々の試験の結果、リブ５５が８個以下では流れが不均一
となったり、あるいは血液の泡膜の破泡したりしてマイ
クロバブルが発生することが確認されている。

濾過消泡部材３０を出た消泡血液はデフレクタ３１の樋
状通路４７を伝わって緩やかな流れを形成し、血液への
侵襲が小さく、再度バブルを発生することがない。

さて、この瀘過消泡部工に接触しないハウジング底部の
貯血量は、密閉システムにおいて、常時３００〜５００
１位の貯血が強いられるため、下限として少なくとも５
００ｍ１位必要であり、また大動脈遮断時に行う心筋保
護法として、冷却液を還流するため、多い時は２０００
ｍ１以上の冷却液を要するので、上限として２５００■
１位は必要である。

デフレクタ３１は、濾過消泡された血液を中空ハウジン
グ２１の底部まで再発泡することなく案内するためのも
のである。従来のデフレクタではハウジング下部にに貯
留した血液の上面に血流を流すよう構成したものが多く
、このデフレクタ上の血液と貯血された血液のレベルは
見間違え易かったのは前述の通りである。

本発明においては、濾過消泡部材３０から濾過消泡され
た血液を中空ハウジング２１の底部まで案内するデフレ
クタ３１として上述した例を示したが、他の構成例とし
て、ハウジング２１は必ずしも傾斜底部を有する必要は
なく、また中高支持部３２も必要ではない、ハウジング
２１の中央部に位置する血液流出口２９に向けて収斂す
るデフレクタ３１により、濾過消泡部３０で処理された
血液を案内することもできる。この場合にも、血液はデ
フレクタ３１の内面上を流れ落ちるが、従来の如く外面
を流す場合のように血液の色が見えないので、血液の液
面を正確に目視することができ、貯血量の測定が容易と
なる。さらに、デフレクタ３１を不透明体あるいは着色
体で構成すれば、より一層効果的である。

なお、中空ハウジング２１、円筒体４０、中空部材４２
は円筒状として説明してきたが、多角柱状、異形断面形
状など他の適当な形状にすることができ、また、中空部
材は中実体としても良いのは勿論のことである。

■０発明の具体的作用本発明の貯血槽の使用時における濾過、消泡、貯血機能
について説明する。

貯血槽は第１図に示すように構成して使用される。開心
術等による心胸腔などの術計から吸引されたバブル混人
血液は、血液流入口ポート２４を経て中空部材４２の上
部４３上に落下する。中空部材４２の上部４４と円筒体
４０との間の血液流路を経て、血液は直接フィルター３
５への接触を避けながら流れ下り、中空部材４２の下部
４４において初めてフィルター３５に接触する。血液は
中空部材４２の上部４３から下部４４にかけての部分を
通過し、フィルター３５に接触するまでにバブル混人血
液の部材接触面積を多くすることにより、バブルと血液
を分離させる。分離されたＡプルは、フィルター３５と
円筒体４０との間に空隙４１を設けであるため、その部
分に集まり、血液に押し流されてフィルターを通過しな
いようになる。

血液の流れを実線で、バブルの流れを点線で示すように
、バブルは血液から分離されて空隙４１の方に集まり、
消泡剤の含漬されたあるいはされていないフィルター３
５および消泡部材３６を経て消泡され、そのエアーはベ
ントポート２７を経て外部に排出され、フィルター内腔
３４内に蓄積して内圧を高め、陽圧濾過による圧力と相
俟ってバブルを血液とともにフィルター３５から噴出さ
せるようなことはなくなる。

また、従来、フィルター内腔３４に貯溜されていた血液
は、中空部材４２の存在および上記の如き血液とバブル
との迅速かつ有効な分離により貯溜される量が減り、貯
血槽の血液量を正確に把握できるようになった。

中空部材４２の外周に配設されたフィルター３５は、中
空部材４２で均等に分配され、中空部材４２と円筒体４
０との間の空隙４１により、バブルが効果的に分離され
た血液中あるいは輸血血液中に含まれている組織、マイ
クロアグリゲートなどの異物を血液から濾別する。

このように、フィルター３５により濾過あるいは濾過消
泡された血液は、消泡部材３６を通過する間に完全に消
泡され、消泡部材３６を包トリコット袋４６より浸出し
てくる。浸出してきた血液はトリコット袋４６の外周縁
よりデフレクタ３１の水平段部５２上に滴下することな
く流出し、この作用は水平段部５２上に形成されている
リブ５３によりトリコット袋４６の中央部が押し上げら
れてその外周縁にかけては傾斜させられているため促進
される。デフレクタ３１の水平段部５２上に滴下なく流
出した血液はデフレクタ３１のガイド板５４で形成され
る樋状通路を緩やかに流れ下り、胴部５０の末端に至る
。胴部５０の末端にはリブ５５が多数形成されていて血
液流はさらに再硫化されると同時に、リブの末端での泡
膜の形成が防止されるため、バブルの再発生なく貯血空
間４８に流入する。貯血空間４８内の血液は、ハウジン
グ２１の傾斜底部を中高支持部３２のまわりに旋回流を
形成して、血液流出口２９よリチューブ５を経て静脈リ
ザーバ７に至る。これは第４図に示す構成例においても
同様である。

また、血液流出「Ｊ２９はハウジング２１の底部中央に
形成せず、外周縁部近くに形成し、その形状も球形のよ
うな円滑な曲面で構成された膨らみ部で構成すれば、所
要時における例えば少量の血液であっても正確に、血液
流出口２９に付した目盛により容易に読み取ることがで
きる。このように、浸出血液に旋回流を形成させ、かつ
血液流出口２９も円滑な流れが保証されるように構成す
ることにより、血液は、ハウジング２１の底部、血液流
出口２９およびこれに接続されるチューブの壁面に沿っ
て流れるようになるから、エアーブロック現象が防ＩＦ
されるようになり、バブルが静脈リザーバを経て患者体
内に循環する恐れは全くなくなる。

ハウジング底部の貯血空間４８の貯血容量は５００〜２
５００腸ｌあり、貯溜している血液はフィルター３５や
消泡部材３６を常時浸漬しないので、補体活性化、シリ
コーン溶出などの恐れが少なく、その貯血容量は緊急時
にも十分である。

■０発明の具体的効果本発明の貯血槽は、従来のものに比して以下に列挙する
ような多くの利点をもたらす。

（１）ｉ１ｉ過消泡部と貯血部とが完全に分離されてい
るため、貯血が濾過部材や消泡部材などの異物を常時浸
漬することはないから、補体活性化、シリコーン゛溶出
などの恐れが極めて少ない。

（２）フィルター内腔に円筒体および中空部材を同心的
に設け、特に円筒体とフィルターとの間に空隙を形成す
ることにより、血液とバブルとの分離を促進し、分離さ
れたバブルを円筒体により濡れかう保護されたフィルタ
一部分によりエアーとして逃がすことができるから、従
来の如くバブルが内圧を高め、陽圧濾過の圧力とともに
バブルを血液とともにフィルターより押し出すようなこ
とはなくなった。

（３）消泡部材を包むトリコット袋の外周縁とデフレク
タの水平段部との間の距離は血液の液滴の長さより小さ
くしであるから、血液がデフレクタ上に滴下して発泡す
るようなことはなくなった。

また、トリコット袋は中央部で押し上げられ、外周縁に
向けて下方に傾斜するように構成されているため、外周
縁のみから血液は流出する。

（４）デフレクタの末端部には多数のリブが設けられて
流れてくる血液をたくさんの血液細流に分流するため、
デフレクタ末端よりハウジング底部へ血液が滴下して発
泡するようなこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は人工心肺回路の一例の線図的斜視図、第２図は
本発明の貯血槽の好適実施例の部分断面側面図、第３図
は本発明の貯血槽に用いるデフレクタの平面図、第４図
は第３図の■〜■線での断面図、第５図および第６図は
それぞれデフレクタの上部および下部に形成するリブの
好適例の側面図である。符号の説明１・・・脱血ライン、２・・・サッカーライン、３．８
・・・ポンプ、４・・・貯血槽、５・・・ライン、６・
・・容量規制手段、７・・・静脈リザーバ、９・・・熱
交換器付人工肺、１０・・・送血ライン、２０・・・本
発明の貯血槽、２１・・・ハウジング、２２・・・第１
上蓋、２３・・・第２上蓋、２４・・・吸人血流人ポー
ト、２５・・・フィルター通過式輸液、輸血ボート、２
６・・・急速輸液ボート、２７・・・エアベントボート
、ｚ８・・・フィルター不通過式輸液ボート、２９・・
・血液流出口、３０・・・濾過消泡部材、３１・・・デ
フレクタ、３２・・・中高支持部、３３・・・上方支持
体、３４・・・内腔、３５・・・フィルター、３６・・
・消泡部材、３７・・・下方支持体、３８・・・接着剤
、３９・・・リブ、４０・・・円筒体、４１・・・環状
空隙、４２・・・中空部材、４３・・・上部、４４・・
・下部、４５・・・空隙、４６・・・トリコット袋、５
０・・・デフレクタ胴部、５１・・・延長部、５２・・
・水平段部、５３・・・リブ、５４・・・ガイド板、５
５・・・リブＦＩＧ、１ＦＩＧ、３ＦＩＧ、４ＦＪ（３，５

Claims

【特許請求の範囲】

（１）頂部に血液流入口を有し、底部に血液流出口を有
する中空体を具え、該中空体内の上方に濾過消泡部を設
け、さらに前記濾過消泡部から流出する血液を前記中空
体底部へ案内する案内部を前記濾過消泡部から前記中空
体底部へ向けて収斂する形状として設け、前記濾過消泡
部の血液流出部と前記案内部の血液受部との間の距離は
血液の液滴の長さに等しいかこれより小さくし、案内部
の末端においては前記案内部の収斂内表面を流れてくる
血液流を細流に分割するよう構成したことを特徴とする
貯血槽。