JPS6137433B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一般的に言えばキヤビネツト等のハウ
ジング内で引出しを開放するための手段、詳しく
は、引出しを閉に保持しかつこれを開放のため運
動させる改善した引出の開放用ばね手段及び掛止
めフツク作動機構に関する。

本発明に係る現金引出しは底壁と横方向に離れ
た側壁とを形成したフレームを具備したハウジン
グ、前部及び後部壁と側壁とを有した引出し、該
引出しをハウジング内に前方への開運動及び後方
への閉運動自在に取付ける支持部材、引出しをそ
の閉位置に解放自在に保持する掛け止め手段、並
びに該掛け止め手段の作動手段を有する。細長い
通常は真直ぐの可撓性弾撥棒手段は引出しをその
閉位置に向け付勢し、ブラケツト手段は、この棒
手段の一端と引出しとを係合させる運動方向に傾
斜して棒手段を支持するようになつていて、引出
しの閉運動の際は棒手段は引出しによつて後方に
曲折されるようになつている。クランプ手段は、
棒手段をブラケツト上で長手方向調節自在とすべ
く棒手段の他端をブラケツト手段に取付けるクラ
ンプ手段を有していて、棒手段の有効曲げ長を変
更できるようになつている。

図において、全体として矩形のハウジング７
は、水平配置の底壁９と互に向き合う全体として
垂直の内壁１０とを形成したフレーム８を備え
る。底壁９には殻体１１が固定となつている。殻
体１１は、水平の頂壁１２と、内側壁１０の外部
で横方向に間隔をおいて配置の側壁１３と、後壁
１４と、矩形開口１６を形成した前壁１５とを備
えている。現金引出し１７はハウジング７内に配
置される。而して、この引出し１７は、底壁１８
と、前部及び後部壁１９及び２０と、夫々の内側
壁１０に対し内方に離れて平行配置の向き合つた
側壁２１とを有している。引出し１７は、図示は
しないが、一つの仕切られた小箱を有しており、
ここに種々の額面の紙硬貨を受けとらせるように
なつている。

引出し１７はハウジング７に対して開いたり閉
じたりするのが可能となつているが、これはフレ
ーム側壁１０に固着した摺動レール２２と引出し
１７の側壁２１に固着の摺動レール２３とを協働
させて行う。即ち、レール２２及び２３は公知の
構造となつており、一部は図に現われた転動摩擦
軸受２４を備えている。

取付けブラケツト２５がフレーム８の底壁９に
固着となつている。ブラケツト２５は、掛け止め
ホツク２６と、該ホツクの作動ソレノイド２７
と、スイツチ２８と一対の片持ばり状ばね２９と
を有す。ホツク２６はその両端間で垂直ピボツト
軸３０上に枢着される。このピボツト軸３０はブ
ラケツト２５の、持ち上つた水平部３１から上方
に延設されている。かくして、鉤状先端部３２
は、引出し１７の後壁２０にそこから下方に延び
るよう固着した後壁部３３との掛け止め位置に向
つて動いたりそこから離れるよう動いたりでき
る。ブラケツト２５の部分３１は緩衝パツド３４
を備えていて、これは掛け止め方向へのホツク２
６の揺動運動を制限すべくホツク２６の一側と接
触可能となつている。

ソレノイド２７は、ブラケツト２５に溶接ない
しは他の手段で固着したＵ字形フレーム３５内に
設けてある。さらにソレノイドはアーマチユア３
６を有しその外端部は、ピン等の結合部材３７に
よつて掛け止めホツク２６の後端部に枢着してあ
る。つる巻き圧縮ばね３８は、フレーム３５の一
側と止めワツシヤ３９間でアーマチユア３６の周
囲に位置していて後壁部３３との噛合位置にむけ
ホツク２６の鉤部３２を付勢している。

片持ばり状ばね２９は、可撓性弾撥材料棒を細
長いＵ字形にして、閉端部４１とこれに向き合う
開端部４２とを持つた細長い全体として平行な棒
部分を形成するようにして作つてある。閉端部４
１は、合成高分子材料その他等のクツシヨン性乃
至は吸音性の材料で被覆すると良い。開端部４２
の近くで、ばね２９はブラケツト２５の板状部４
３上に調節自在に取付てある。而して、この板状
部４３は、底部フレーム壁９から上方に延びると
共に第２図から明らかな如く引出し１７の開・閉
運動の方向に斜めの角度で位置している。棒部４
０は、夫々のばね２９の棒部４０に跨つたクラン
プ板４４とナツト付のクランプねじ４５とによつ
て板状部４３に固定されている。（第２，４図）。
第２図の破線で示すように、棒部分４０は通常は
真直ぐであつて板状ブラケツト部４３と平行な方
向に延びており、かくしてばね２９の閉端部４１
が引出し１７の閉運動の際、その後壁２０の部分
に接触するようになつている。第２図に実線で示
すように、引出し１７がその閉位置即ち掛け止め
位置にある際ばね２９は後方に曲げられ、又引出
し１７の後壁部３３からホツク２６を外す運動の
際はばね２９は引出し１７を開位置に付勢する。
クランプねじ４５を緩めることによつて、片持ば
り状ばね２９は板状部４３に関して長手方向に動
いてばね２９の有効長は変化し、かくして引出し
１７の開放方向における引出しに対する押圧力を
変化できる。

図示はしないがソレノイド２７はスイツチ２８
及び離れて位置する手動スイツチ（図示せず）を
有した電気回路中に含まれる。この電気回路自体
は本発明の要部を構成しない。故に、簡便を期す
べくその詳細な説明は省略した。スイツチ２８は
閉のときソレノイド２７を励磁し、一方開のとき
はソレノイドを消磁するよう働くことだけ述べれ
十分である。スイツチ２８は作動アーム４６を有
している。

掛け止めホツク２６の作動を行うと共にこの作
動制御をなす他の手段として細長い軸４７があ
る。第５，７図から明らかなようにこの細長軸４
７の後端部はブラケツト２５に軸支してあり、そ
の前端部はハウジング７内でその前壁１５の近く
に固定の他のブラケツト４８に軸支してある。軸
４７の後端部にはクランクアーム４９及び後方に
突出したクランクピン部５０が形成してある。こ
のクランクピン部５０は、ピボツト軸３０とピボ
ツトピン３７との間で掛け止めホツク２６から下
方に突設した耳部５１及び５２より構成の一対の
横方向に隔てた接触部材と選択的に係合する。ブ
ラケツト４８の前方の、軸４７の前端部は直角に
曲折してあつて半径方向に突出した駆動部５３が
形成される。この駆動部５３は、シリンダ錠５６
のスピンドル５５の内端上の駆動フオーク５４に
係合するようになつている。錠５６は通常の構成
のものであり、普通の鍵５７を備えている。

クランクアーム４９は、軸４７の中心線から垂
直上方に延びた中立位置から両方向に鍵５７によ
つて選択的に廻される。クランクアーム４９が中
立位置にあるとクランクピン部５０はスイツチア
ーム４６と係合してスイツチ２８を閉にする。第
４図を参照すると、中立位置ではクランクアーム
４９は接触部材５１とは微少間隔離れて位置し一
方接触部材５２とは比較的大きく離れて位置す
る。クランクアーム４９が垂直の中立位置にある
と掛け止めホツク２６はソレノイド２７によつて
解放方向に自由に動く。クランクアーム４９が水
平となるまで軸４７を第４図の時計方向に廻す
と、スイツチ２８は開となりクランク部は接触部
材５２と実質上係合状態となつてかくして掛け止
めホツク２６が解放されないようこれを確実に保
持し、かくして引出しは開放運動から錠止され
る。クランクアーム４９がこの位置にあると鍵５
７を錠５６から引抜くことができ、かくして引出
しの中味の安全性が確保される。

引出し１７は鍵５７によつてソレノイド２７を
励磁することなく開とできる。即ち、軸４７を第
４図の反時計方向に回動すると、クランクピン部
５０は接触部材５１と係合してこれを第２，４図
の破線で示すように引出１７が掛止め状態から外
れる方向に動かす。

ホツク２６が、ソレノイド２７又は鍵５７によ
つて掛止め状態から外れると、ばね２９は引出し
１７を開位置に向け前方に付勢する。引出し１７
が前方に小距離動くとこれはばね２９との係合か
ら外れて後はそれ自身のモーメントで前方に転動
する。第３図を参照すると摺動レール２２及び２
３は後壁１４に近いその後端から前端１５に近い
その前端まで緩く下方に傾いている。レール２２
及び２３の一方の対のみ図示したが他の対も同様
の角度で傾斜している。レールのこの傾き角度
は、ニユートンの運動の第二法則及びレール２２
と２３間の転動摩擦係数より数式的に得られる。
傾斜の角度は、引出し１７がその開方向に自由に
動く際の速度が略一定と維持されるよう選ぶ。後
壁部３３の下縁部は後方に曲がつていて水平唇部
５８を形成している。該部分５８は摩擦部材とし
ての可撓性のリーフばね５９と摺動自在に係合し
ている。而して、このばね５９はその一端でナツ
ト付ねじ６０によつて底壁９にその長手方向開口
６０′のうちの一つ内で固定されている。引出し
１７の前方運動の際唇部５８は第６図の如くばね
５９を変形せしめ、これらの間の摩擦係合によつ
て、後壁部３３がブラケツト４８のクツシヨン６
１と係合する完全開き位置に引出しが達する前に
これは停止する。好ましくは、引出しの前部がハ
ウジング７の外部に位置したときのみ引出しが停
止するようにする。こうすると、図示しないトレ
ーの前部で硬貨のみ露出させられる。紙幣をトレ
イに入れたりそこから出すときは、引出しは手動
で完全開位置に引き、トレイの後部の紙幣仕切り
を露出する。ばね５９は引出し１７の運動方向で
長さ方向に移動可能であり、この結果、引出し１
７はその前方運動の種々の所定位置で停止でき
る。

本発明に係る現金引出しをその市販品の具体例
で説明したが本発明の趣旨、範囲を離れることな
く種々の変形が可能なことはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る引出し組立体の斜視図、
第２図は、一部を破断し一部を断面で示す上面拡
大図、第３図は第２図の３−３線に沿う部分断面
図、第４図、第５図、第６図及び第７図は、第２
図の夫々、４−４線、５−５線、６−６線及び７
−７線に沿つて示す部分断面図、 ７……ハウジング、８……フレーム、１７……
引出し、２２，２３……摺動レール、２６……ブ
ラケツト、２６……掛け止めホツク、２９……片
持ばり状ばね、３２……鉤部、４４，４５……ク
ランク板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 底壁と横方向に離れた側壁とを形成したフレ
   ームを具備したハウジング、前部及び後部壁と側
   壁とを有した引出し、該引出しをハウジング内に
   前方への開運動及び後方への閉運動自在に取付け
   る支持手段、引出しをその閉位置に解放自在に保
   持する掛け止め手段、該掛け止め手段の作動手
   段、引出しをその開位置に向け付勢する細長い通
   常は真直ぐの可撓性弾撥棒手段、並びに該棒手段
   をハウジング内に支持するブラケツト手段を有
   し、該ブラケツト手段は、棒手段の一端と引出し
   とを係合させる運動方向に傾斜して棒手段を支持
   するようになつていて、引出しの閉運動の際は棒
   手段は引出しによつて後方に曲折されるようにな
   つており、更に、棒手段をブラケツト上で長手方
   向調節自在とすべく棒手段の他端をブラケツト手
   段に取付けるクランプ手段を有していて、これに
   より棒手段の有効曲げ長は変更できるようになつ
   ている現金引出し組立体。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の発明におい
   て、前記棒手段は細長棒をＵ字形として細長い全
   体として平行な棒部と開端部及び閉端部とを形成
   して構成し、該閉端部を引出しに係合させるよう
   にした現金引出し組立体。 ３ 特許請求の範囲第２項に記載の発明におい
   て、上記ブラケツト手段は引出しの運動方向に斜
   めの角度で配置の板状部を有し、上記クランプ手
   段は上記棒部分の長手方向に間隔をおいて位置す
   る一対のクランプ部材より成り、このクランプ部
   材により棒部は板状部に対し緩めることが可能に
   クランプされる現金引出し組立体。 ４ 特許請求の範囲第２項記載の発明において、
   上記棒手段は一対の離れた全体として平行な棒よ
   り構成し、その各々はＵ字形として一対の細長い
   平行な棒部と開放した及び閉じた端部とを形成
   し、該端部は引出しの隔てた部分に係合した現金
   引出し組立体。 ５ 特許請求の範囲第４項に記載の発明におい
   て、上記ブラケツト手段は引出しの進行方向に斜
   めの角度で配置の板状部を有し、上記クランク手
   段は夫々の棒の長手方向に離れた一対のクランプ
   要素より構成し、各対の該クランプ要素により対
   応の棒は他の棒とは無関係に板状部を緩めること
   が可能にクランプされる現金引出し組立体。 ６ 底壁と横方向に離れた側壁とを形成したフレ
   ームを具備したハウジング、前部及び後部壁と側
   壁とを有した引出し、該引出しをハウジング内に
   前方への開運動及び後方への閉運動自在に取付け
   る支持手段、引出しをその閉位置に解放自在に保
   持する掛け止め手段、該掛け止め手段の作動手
   段、引出しをその開位置に向け付勢する細長い通
   常は真直ぐの可撓性弾撥棒手段、並びに該棒手段
   をハウジング内に支持するブラケツト手段を有
   し、該ブラケツト手段は、棒手段の一端と引出し
   とを係合させる運動方向に傾斜して棒手段を支持
   するようになつていて、引出しの閉運動の際は棒
   手段は引出しによつて後方に曲折されるようにな
   つており、更に、棒手段をブラケツト上で長手方
   向調節自在とすべく棒手段の他端をブラケツト手
   段に取付けるクランプ手段を有していて、これに
   より棒手段の有効曲げ長は変更できるようになつ
   ており、更にハウジング及び引出しの近接した部
   分間に摩擦部材を取付け、該摩擦部材は前記部分
   の一方に固定すると共に、引出しの開放運動の際
   引出が完全開放位置に達する前にその他方に摩擦
   係合させて開放運動を停止するようにした現金引
   出し組立体。 ７ 特許請求の範囲第１項に記載の発明におい
   て、前記掛け止め手段は、引出しの部分との掛止
   め係合に向つて又はそれから外れて揺動可能にハ
   ウジング内に枢着した掛止めフツクより成り、前
   記掛止め作動部材はフツクを引出しとの係合状態
   に向け付勢するばねと、該ばね力に抗して掛止め
   を外す方向にフツクを押す動力作動手段と、該動
   力駆動手段とは独立にフツクに掛止め解放力を付
   与する手動作動部材とよりなる現金引出し組立
   体。 ８ 特許請求の範囲第７項に記載の発明におい
   て、前記掛止めフツクはその上に該フツクの運動
   方向において離れた位置する一対の接触部材を有
   し、前記手動作動手段は、ハウジング内に枢着し
   たクランクを有し、該クランクはクランクピン部
   に係合する接触部材を有し、クランクはクランク
   ピン部が双方の接触部材から離れた中立位置か
   ら、クランクピン部が接触部材の一方と係合して
   掛止めフツクが引出しを拘束する第１の位置と、
   クランクピン部が他方の接触部材と係合して掛止
   めフツクが引出しの解放を許容する第２の位置と
   の双方向に回動可能となつている現金引出し組立
   体。 ９ 特許請求の範囲第８項に記載の発明におい
   て、前記掛け止め手段は更に錠を有し、該錠は掛
   止めフツクが引出しを拘束する前記第１の位置に
   クランクを錠止する現金引出し組立体。 １０ 底壁と横方向に離れた側壁とを形成したフ
   レームを具備したハウジング、前部及び後部壁と
   側壁とを有した引出し、該引出しをハウジング内
   に前方への開運動及び後方への閉運動自在に取付
   ける支持手段、引出しをその閉位置に解放自在に
   保持する掛け止め手段、該掛け止め手段の作動手
   段、引出しをその開位置に向け付勢する細長い通
   常は真直ぐの可撓性弾撥棒手段、並びに該棒手段
   をハウジング内に支持するブラケツト手段を有
   し、該ブラケツト手段は、棒手段の一端と引出し
   とを係合させる運動方向に傾斜して棒手段を支持
   するようになつていて、引出しの閉運動の際は棒
   手段は引出しによつて後方に曲折されるようにな
   つており、更に、棒手段をブラケツト上で長手方
   向調節自在とすべく棒手段の他端をブラケツト手
   段に取付けるクランプ手段を有していて、これに
   より棒手段の有効曲げ長は変更できるようになつ
   ており、前記掛け止め手段は、引出しの部分との
   掛止め係合に向つて又はそれから外れて揺動可能
   にハウジング内に枢着した掛止めフツクより成
   り、前記掛止め作動手段はフツクを引出しとの係
   合状態に向け付勢するばねと、該ばね力に抗して
   掛止めを外す方向にフツクを押す動力作動手段
   と、該動力駆動手段とは独立にフツクに掛止め解
   放力を付与する手動作動手段とよりなり、前記掛
   止めフツクはその上に該フツクの運動方向におい
   て離れて位置する一対の接触部材を有し、前記手
   動作動手段は、ハウジング内に枢着したクランク
   を有し、該クランクピン部を有し、クランクは、
   クランクピン部が双方の接触部材から離れた中立
   位置から、クランクピン部が接触部材の一方と係
   合して掛止めフツクが引出しを拘束する第１の位
   置と、クランクピン部が他方の接触部材と係合し
   て掛止めフツクが引出しの解放を許容する第２の
   位置との双方向に回動可能となつており、前記動
   力駆動手段は掛止めフツクに作動連結したソレノ
   イドを有し、ソレノイド用の制御スイツチ及び制
   御スイツチ用の作動アームを備え、作動アームは
   クランクの中止位置でクランクピンに係合して制
   御スイツチを駆動しソレノイドを励磁するように
   なつている現金引出し組立体。 １１ 特許請求の範囲第１項に記載の発明におい
   て、上記支持手段はフレームの側壁と引出しの側
   壁に取付けた協働する摺動レールを有し、この摺
   動レールは、定速で引出しの前進運動を可能とす
   べき角度で前方下方に傾斜させた現金引出し組立
   体。