JPS6135441B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ガスタービン装置と該ガスタービン
排ガスの熱を利用して蒸気を発生させる排熱回収
ボイラと該ボイラから出た蒸気で駆動される蒸気
タービン装置とで構成される複合サイクルプラン
トにおける排熱回収ボイラのドラム水位制御に係
るものである。

まず複合サイクルプラントの一般的な構成を第
１図にて説明する。

複合サイクルプラントは一般に１台あるいは複
数台のガスタービン装置１と、このガスタービン
装置と同数の排熱回収ボイラ１１と、１台の蒸気
タービン装置４０とにより構成されている。ガス
タービン装置１は、コンプレツサ２と該コンプレ
ツサ２で加圧された空気により燃料配管４から送
られて来る燃料を燃焼して高温高圧の燃焼ガスを
発生する燃焼器３と、燃焼ガスを発生する燃焼器
３と、燃焼ガスにて駆動されガスタービン発電機
６を回転させるガスタービン５とから構成されて
いる。このガスタービン装置１から排出される燃
焼ガスは排ガスダクト７を通じて排熱回収ボイラ
１１に導かれる。またこの排ガスダクト７には排
熱回収ボイラ１１をバイパスするバイパスダクト
１０が設けられており、排ガスダクト７及びバイ
パスダクト１０にはそれぞれ排ガスの流通を調節
するボイラ入口ダンパ８及びボイラバイパスダン
パ９が設けられている。排熱回収ボイラ１１は、
ドラム式ボイラであつて、給水配管１４を通して
導入される給水を加熱するエコノマイザ１５と、
蒸気発生用のドラム１６及び蒸発器１７と、過熱
器１８とから構成され、過熱器１８から出る蒸気
は、蒸気管１９、ボイラ弁２０を通つて蒸気ヘツ
ダ２１へ集められ、該蒸気ヘツダ２１から加減弁
２２を通じて蒸気タービン２３内に送給されて発
電機２４を駆動し、復水器３２で復水される。復
〓〓〓
水された給水は給水ポンプ１２により、給水調整
弁１３を備えた給水配管１４を通じて排熱回収ボ
イラ１１に戻される。また、蒸気管１９にはボイ
ラ出口弁２０の上流側にタービンバイパス弁２５
を備えたバイパス蒸気管２６が分岐して設けられ
ており、減温器２７を介して復水器３２に連通し
ているが、排熱回収ボイラ起動時などに蒸気ヘツ
ダ２１内の蒸気圧力と排熱回収ボイラ１１の発生
蒸気圧力とのマツチングを図る場合に蒸気を復水
器３２に導入するものであり、通常運転時には使
用されない。２８は前記給水ポンプ１２の下流の
給水配管より分岐し、前記減温器２７に接続して
設けられたスプレー配管、２９はスプレー調整弁
である。

従来の給水系の制御装置は、排熱回収ボイラ１
１に備えたドラム１６の水位を一定に保持するよ
うにドラム水位の信号を検出し伝送するドラム水
位検出器５１と、ドラム発生蒸気量の信号を伝送
する蒸気流量計５２と、給水流量の信号を伝送す
る給水流量計５３の３つの測定器からの信号に従
つてドラム水位を一定に制御するために給水調整
弁１３を調節する、いわゆる３要素制御による給
水制御装置５４が設置されている。

この給水制御装置５４により排熱回収ボイラへ
の熱供給量の変化などにもとづく水位の変動に対
して十分安定した制御を実現できる。

しかしながら排熱回収ボイラ１１の起動時の圧
力上昇過程に於てタービンバイパス弁２５の制御
開始により排熱回収ボイラ１１のドラム圧力が急
激に低下しドラム１６内の飽和水が自己蒸発を起
こし、この発生蒸気泡によりドラム水位が過渡的
に盛り上がる、いわゆる逆応答特性を示す。この
ようにしてドラム水位が異常上昇すると、発生蒸
気中に水滴が混入して排熱回収ボイラ１１内の過
熱器１８や蒸気タービン２３などにエロージヨン
を引き起こす原因となる。この現象を第２図によ
り説明する。第２図に於て７１は排熱回収ボイラ
１１の圧力上昇特性、７２は排熱回収ボイラ１１
により許容される蒸気温度変化率に見合つた飽和
蒸気圧力特性を示す。このカーブ７２をタービン
バイパス弁の圧力設定として蒸気圧力上昇を行な
うとＣ点に於て制御設定以上に蒸気圧力が上昇す
ることにより、タービンバイパス弁２５が開き蒸
気圧力を７２の特性になるように制御する。ター
ビンバイパス弁２５が開くことにより蒸気圧力は
Ａ→Ｂ→Ｃ→Ｄの経過をたどり変化するがＣ点以
降で強制的に７２の特性となるように制御される
ため蒸気圧力変化率が急激に減方向となる。蒸気
圧力変化率がマイナス側へ急変することによりド
ラム１６内の飽和蒸気圧力が低下し飽和水が自己
蒸発を起こすためにドラム水位が逆応答現象を起
こすものである。

本発明の目的は、上記したドラム水位の異常上
昇を先行如に防止できる安定したドラム水位制御
装置を提供することにある。

本発明の特徴とするところは、蒸気圧力変化率
が許容蒸気温度変化率に相当する蒸気圧力変化率
以上になつたことによりドラム水位設定値を予想
される水位上昇分だけ下げ、また蒸気圧力変化率
が規定値に戻るまで缶水低減弁を開くことにより
ドラム水位の異常上昇を防止することにある。

以下本発明の一実施例を第３図により説明す
る。ドラム水位検出器５１の信号は減算器４２で
信号発生器４１により設定されたドラム水位設定
値と比較されその偏差に応じて比例・積分動作コ
ントローラ４５により給水調整弁１３に対する流
量指令をだす。加算器４６により蒸気流量計５２
の信号と比例・積分コントローラ４５の出力信号
との加算演算を行ない、その信号を給水流量設定
値として減算器４７に与え、給水流量計５３の信
号と比較しその偏差に応じて比例・積分コントロ
ーラ４８より給水調整弁１３に対する開度指令を
だし、ドラム水位が設定値と等しくなるように制
御を行なう。蒸気圧力検出器５６の信号は微分演
算器８２により蒸気圧力率として演算される。第
２図に於てタービンバイパス弁２５の圧力設定値
７２と排熱回収ボイラ１１の蒸気圧力上昇特性７
１との交点Ｃでタービンバイパス弁２５は開制御
を始めるが前記したように蒸気圧力上昇率が減少
することによりドラム水位の逆応答現象が発生す
るので、第２図Ｂ点に於てカーブ７１の変化率が
カーブ７２より大きくなつたことを減算器８３で
信号発生器８２により設定された許容圧力変化率
と微分演算器８２により演算した蒸気圧力変化率
を比較することにより検出しその変化率の偏差に
応じて掛け算器４４のゲインをかえ、信号発生器
４３で設定されるドラム水位設定値のバイアス量
を可変し実質的にドラム水位が上昇した如く設定
〓〓〓
値をかえ先行的に給水調整弁１３を絞る。一方減
算器８３の信号はドラム水位が規定値以上である
ことを演算する比較警報器４９の出力とタービン
バイパス弁２５が開したという条件との論理和８
６により缶水位低減弁制御装置５７により缶水位
低減弁３１を開きドラム水位の異常上昇を防止す
る。缶水位低減弁３１はドラム水位が規定値に下
がるまで開制御を行う。規定値まで下がると比較
警報器４９の出力がオフし論理和８６の条件がく
ずれ、缶水位低減弁３１は閉する。

以上によりボイラ圧力変化率の上昇に伴ない先
行的にドラム水位設定値を下げ早く給水流量を絞
り、更に第２図Ａ点に於てタービンバイパス弁２
５が開いて蒸気圧力変化率が急激に低下すると缶
水位低減弁３１を開く、この２つの制御によりド
ラム水位の異常上昇を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は複合サイクルプラントの系統図、第２
図は蒸気圧力上昇特性、第３図は本発明によるド
ラム水位制御装置を示す図面である。 １……ガスタービン、１１……排熱回収ボイ
ラ、１７……ドラム、２３……蒸気タービン装
置、３１……缶水位低減弁、５１……ドラム水位
検出器、５２……蒸気流量計、５３……給水流量
計、５４……ドラム水位制御装置、５６……蒸気
圧力検出器、５７……缶水位低減弁制御装置、４
１……信号発生器、４２……減算器、４３……信
号発生器、４４……掛け算器、４５……比例・積
分コントローラ、４６……加算器、４７……減算
器、４８……比例・積分コントローラ、４９……
比較警報器、８２……微分演算器、８３……減算
器、８４……信号発生器、８６……論理和、１３
……給水調整弁、３１……缶水位低減弁。 〓〓〓

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ １台あるいは複数台のガスタービン装置と、
   該ガスタービン装置の排ガスを熱源として蒸気を
   発生する排熱回収ボイラ装置と、該排熱回収ボイ
   ラで発生した蒸気により仕事を行なう蒸気タービ
   ン装置とを含み、主蒸気圧力が上昇したとき発生
   蒸気をバイパスするタービンバイパス弁を備えた
   複合サイクルプラントにおいて、前記排熱回収ボ
   イラのドラム水を逃す缶水低減弁を設け、かつド
   ラム水位が規定値をこえ、かつ蒸気圧力信号の変
   化率が設定値を越え、更に前記タービンバイパス
   弁が開いた時に前記缶水位低減弁を開く第１の制
   御系と、排熱回収ボイラから流出する蒸気流量、
   流入給水量及びドラム水位にもとづいて給水流量
   を制御するとともに蒸気圧力変化率が所定の値を
   越えたとき該給水流量の制御におけるドラム水位
   の設定値を該蒸気圧力変化率の大きさに見合つた
   値だけ下げる第２の制御系とを設けたことを特徴
   とするドラム水位制御装置。