JPH0776604B2 - ドラムレベル制御装置 - Google Patents

ドラムレベル制御装置

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JPH0776604B2
JPH0776604B2 JP59121969A JP12196984A JPH0776604B2 JP H0776604 B2 JPH0776604 B2 JP H0776604B2 JP 59121969 A JP59121969 A JP 59121969A JP 12196984 A JP12196984 A JP 12196984A JP H0776604 B2 JPH0776604 B2 JP H0776604B2
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drum level
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博之 長谷川
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はボイラ装置のドラムの水位を制御するドラムレ
ベル制御装置に係り、特にその水位に急激な変動が生じ
る蒸気ドラム、フラツシユタンク、気水分離器タンクを
有するボイラ装置に好適なドラムレベル制御装置に関す
る。
〔従来の技術〕
例えば、蒸気ドラムを有するボイラにおいては、空缶焚
き、キヤリオーバー(過熱器へのドラム水のオーバーフ
ロー)等を防止するために、その蒸気ドラムの水位(ド
ラムレベル)をボイラ負荷の如何にかかわらず許容限界
内に保持する必要がある。このため、給水調節弁又は給
水ポンプの回転数を適宜調節して給水を制御することに
よりドラムレベル制御が行なわれる。
このような給水制御方式には、ドラムレベルを要素とす
る1要素制御方式(小容量ボイラに使用される。)、ド
ラムレベルと蒸気流量を要素とする2要素制御方式、な
らびにドラムレベル、主蒸気流量、および給水流量を要
素とする3要素制御方式がある。このうち、3要素制御
方式は各ボイラ負荷における主蒸気流量(外部に持ち去
られる蒸気量)と給水流量を等しくすることによりドラ
ム(火炉水壁管、上昇管および下降管を含む)の保有水
を一定にしてバランスを保持するように制御するととも
に、ドラムレベルを設定値に一致するように制御する方
式である。以下、この方式を図により説明する。
第4図は従来の3要素制御方式によるドラムレベル制御
装置の系統図である。図で、1はドラムレベルを検出
し、これに応じた信号を出力するドラムレベル計、2は
ドラムからの蒸気の流量を検出し、これに応じた信号を
出力する主蒸気流量計、3はドラムに供給される給水の
流量を検出し、これに応じた信号を出力する給水流量計
である。4はドラムレベルを任意の値に設定するレベル
設定器、5はドラムレベル計1から出力される信号とレ
ベル設定器4に設定された値とを比較してその偏差を演
算する減算器である。6は主蒸気流量計2と給水流量計
3の信号を入力し、両者の偏差を演算する減算器であ
る。7は減算器5と減算器6の偏差を加算する加算器、
8は加算された偏差を比例、積分するPI調節器、9は自
動/手動切換器である。10は手動で、又はPI調節器8の
出力に応じてドラムへの給水を制御する給水流量制御弁
である。この3要素制御方式はよく知られているので、
その動作の説明は省略する。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、ドラムレベルは、急激な温度変化や伝熱量の
変化によってドラムおよび水管中の気泡量が変化し、一
時的に逆応答が発生する。以下、この逆応答について説
明する。
例えば、負荷が急に増加した場合、ボイラ側の熱エネル
ギレベルの上昇はボイラ時定数の時間だけ遅れて上昇す
る。この間、負荷(タービン)がボイラから蒸気を呑込
む蒸気呑込み量の方がボイラ発生蒸気量より多くなる。
このため、ボイラ圧力は急激に低下する。このボイラ圧
力の急低下により、火炉水壁中の飽和水が自己蒸発し、
その気泡によりドラムレベルは一時的に上昇する。この
結果、減算器5からの出力信号は、負荷が増加してボイ
ラ発生蒸気量を多くし給水量を増加しなければならない
状態にあるにもかかわらず、給水量を減少する方向の信
号となり、前記制御装置は逆の動作を行なうことにな
る。即ち、ボイラ負荷と給水量とはほぼ1対1の比例関
係にあるから、負荷増加時に給水量を減少させようとす
る上記の動作は明らかに逆の動作である。そして、この
ような逆動作は、負荷変化中のドラムレベルの安定性を
著しく損なうことになる。
一方、負荷が急に減少した場合には、前述のように負荷
側(タービン側)の応答がボイラ側より先行する(事業
用火力の場合、給電指令に対し発電量を優先させるので
タービン側の応答が先行する)ため、主蒸気流量の減少
が給水流量の減少より早くなり、相対的に給水量が増加
する。ところで、ボイラ燃料は先行制御によりすでに充
分減少しているため、上記のように給水量が相対的に急
増すると蒸発部の流体が冷却されて水管中の気泡が減少
し、一時的なドラムレベルの低下を生じる。又、このド
ラムレベルの低下は他の原因によっても生じる。即ち、
負荷が急に降下して蒸気呑込み量が減少するとドラム圧
力が増大し、蒸気圧が上昇してドラムレベルを低下させ
るのである。この結果、減算器5からの出力信号は、負
荷が減少してボイラ発生蒸気量を抑え給水量を減少しな
ければならない状態にあるにもかかわらず、給水量を増
加する方向の信号となり、前記制御装置は逆の動作を行
なうことになる。そして、このような逆動作が負荷変化
中のドラムレベルの安定性を著しく損なうことになるの
は、さきに述べた負荷増加の場合と同じである。
さらに、負荷変化中のドラムレベルの安定性を得ようと
してドラムレベル逆応答による外乱を少なくすべく、ド
ラムレベル偏差による給水量調節ゲインを小さくする
と、負荷変化後ドラムレベルが所定のレベルに到達する
時間が長くなったり、又、外乱によるドラムレベルの安
定性が低下するという好ましくない結果を生じることに
なる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、上記従来の問題点を解決し、負荷の急
な変化やボイラ装置を構成する機器の故障により発生す
る逆応答による外乱を防止することができ、ドラムレベ
ルを安定に保持することができるドラムレベル制御装置
を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、本発明は、少なくともドラ
ムレベル検出値とドラムレベル設定値とのレベル偏差に
基づいてドラムヘの給水を制御するドラムレベル制御装
置において、ドラム発生蒸気に関連する圧力を入力しこ
の入力した値の変化分を緩和する一次遅れ要素と、この
一次遅れ要素の入力値と出力値との差を算出する減算器
と、この減算器の出力を所要のレベル変化分に換算する
関数発生器とで構成されるドラムレベル逆応答補正回
路、および、給水量と主蒸気流量との差の値を入力しこ
の入力した値の変化分を緩和する一次遅れ要素と、この
一次遅れ要素の入力値と出力値との差を算出する減算器
と、この減算器の出力を所要のレベル変化分に換算する
関数発生器とで構成されるドラムレベル逆応答補正回路
のうちの少なくとも一方のドラムレベル逆応答補正回路
を設けるとともに、当該ドラムレベル逆応答補正回路に
より得られた値に基づいて前記レベル偏差を補正する補
正手段を設けたことを特徴とする。
〔作用〕
ドラム圧力又は主蒸気圧力は、一次遅れ要素に入力され
てその変化分が緩和される。そして、一次遅れ要素に入
力される前のドラム圧力又は主蒸気圧力と、一次遅れ要
素から出力された値との差が減算器で演算される。この
演算された値を関数発生器で所要のレベル変化分に換算
し、換算された値でドラムレベル検出値とドラムレベル
設定値との偏差を補正する。又、給水流量と主蒸気流量
との差の値は一次遅れ要素に入力されてその変化分が緩
和される。そして、一次遅れ要素に入力される前の給水
流量と主蒸気流量との差の値と、一次遅れ要素から出力
された値との差が減算器で演算される。この演算された
値を関数発生器で所要のレベル変化分に換算し、換算さ
れた値でドラムレベル検出値とドラムレベル設定値との
偏差を補正する。これら2つの補正は、いずれか一方の
みを用いてもよいし、両方用いてもよい。
〔実施例〕
以下、本発明を第1図に示す実施例に基づいて説明す
る。
第1図は本発明の実施例に係るドラムレベル制御装置の
系統図である。図で、第4図に示す部分と同一部分には
同一符号を付して説明を省略する。11はドラムの圧力又
は主蒸気圧力を検出し、これに応じた信号を出力するド
ラム圧力計である。12はドラムレベル計1の出力信号を
ドラム圧力により補正するための関数発生器、13はドラ
ムレベル計1の出力信号に関数発生器12の出力信号を乗
じる乗算器である。上記関数発生器12と乗算器13により
ドラムレベルの圧力補正回路が構成される。即ち、ドラ
ムレベルの検出値はドラム圧力により変化するので、上
記圧力補正回路によりドラム内レベルを正しく指示する
ように補正する。14はドラム圧力計11の出力信号を入力
するドラムレベル逆応答補正回路であり、一次遅れ要素
15、減算器16および関数発生器17で構成されている。18
は演算器6の出力信号を入力するドラムレベル逆応答補
正回路であり、前記のドラムレベル逆応答補正回路14と
同じく、一次遅れ要素19、減算器20および関数発生器21
で構成されている。23は減算器5の偏差信号および各ド
ラムレベル逆応答補正回路14、18の出力信号を加算する
加算器である。24は3要素制御を行なう場合と単要素制
御を行なう場合の信号切換器、25は信号発生器である。
即ち、信号発生器25を±0%に設定すると、給水流量と
主蒸気流量の偏差を0にすることとなり、この場合には
ドラムレベル偏差のみによる制御となる。26は加算器23
の信号と信号切換器24からの信号を加算する加算器であ
る。
次に、本実施例の動作を第2図(a)乃至(g)に示す
タイムチヤートを参照しながら説明する。まず、負荷の
急な増加がはじまると、従来の制御装置では主蒸気流量
が増加し、この増加は主蒸気流量計2で検出され、減算
器6からは、そのときの給水流量計3の検出信号との偏
差が出力され、この偏差はPI調節器8を経て給水流量制
御弁10を開き、給水流量を主蒸気流量の増加に見合うだ
け増加しようとする。しかしながら、前述のように、負
荷の増加に見合った燃料量の効果が現われるまでには遅
れがあるので、前述のようにドラム圧力が低下して水管
中の飽和水が自己蒸発し、ドラムレベルが上昇する。し
たがって、減算器5からの偏差信号は給水流量制御弁10
を閉じる動作を行なわせる信号となり、この信号により
前記減算器6の偏差信号が打消される。この結果、第2
図(a)のようにある時点で負荷が増加したにもかかわ
らず、給水流量の増加がはじまるのは、ドラムレベルの
逆応答が飽和した以降の時点になり、負荷変化に対応し
た給水流量の追従が遅れ、ドラムレベルの著しい低下と
レベル不安定を招く。
しかしながら、本実施例ではドラムレベル逆応答補正回
路14が設けられ、上述のドラムレベル逆応答の発生を防
止するものである。即ち、負荷が増加すると前述の如
く、第2図(b)に示すようにドラム圧力が低下し、こ
のとき、前述の逆応答によりドラムレベルが変化する。
この逆応答による変化分は減算器5の出力信号に含まれ
ており、この変化分のみの信号が第2図(f)に示され
ている。なお、この信号の波形は実験的に求められ、制
御対象ドラムにより異なる。
一方、ドラム圧力計11からの出力は減算器16に入力され
るとともに一次遅れ要素15に入力され、一次遅れ要素か
らの出力は第2図(c)に示すように、第2図(b)に
示すドラム圧力計11からの出力の変化分を緩和した信号
となる。減算器16では、第2図(b)に示すドラム圧力
信号と第2図(c)に示す遅延信号との偏差が演算され
る。この偏差信号はドラム圧力計11により検出されるド
ラム圧力の変化部に応じた信号であり、第2図(d)に
示される。この偏差信号は関数発生器17に入力される。
ところで、圧力変化が大きいほどドラムレベルの逆応答
は大きくなるが、その相関関係は、ドラム流体保有量や
圧力による比容積変化によって一率ではなく、したがっ
て、制御対象のドラムによってレベル変動への影響が異
なるので、ドラム容量や運転圧力に応じたレベル変化へ
の換算が必要となる。上記関数発生器17は、このような
換算を行うものであり、この換算は制御対象となるドラ
ム毎に定められる。この関数発生器17により換算された
レベル変化分が第2図(e)に示すレベル逆応答補正信
号となる。この場合、関数発生器17から出力されるレベ
ル逆応答補正信号は給水流量制御弁10を開き給水流量を
増加させる方向の信号である。このレベル逆応答補正回
路は加算器23に入力され、減算器5から出力された第2
図(f)に示す偏差信号、即ち、逆応答によりドラムレ
ベルが上昇した状態での設定値との偏差で、給水流量制
御弁10を閉じて給水流量を減少する方向の信号と加算さ
れる。この結果、加算器23ではドラム圧力低下に起因す
るドラムレベル上昇分が打ち消される。第2図(g)は
ドラム圧力の変化分に対してなされるべき制御偏差を示
す図であり、この場合、第2図(e)に示す信号で第2
図(f)に示すレベル偏差が打ち消されるので、圧力変
化分に対する制御は変化しない。
なお、例えば、第2図(e)に示す補正信号が図示の信
号より小さい場合には、第2図(g)に示す制御偏差の
波形は最初右上がりに変化し、その後収束することとな
る。
以上の説明は、圧力変化における変化分のみを取り出し
た説明であるが、このような圧力変化分を含めた全体の
タイムチャートを第3図に示す。第3図(h)は第2図
(a)と同じく負荷が急変した状態を示す。第3図
(i)はドラムレベル逆応答補正回路14が用いられない
場合のレベル偏差を示す図、第3図(j)はドラムレベ
ル逆応答補正回路14が用いられない場合の給水流量を示
す図である。(i)に示すように逆応答によりドラムレ
ベルは一時的に上昇し、ドラムレベル逆応答補正回路14
が用いられていないと、これがそのまま制御信号とな
り、(j)に示すように給水流量を変化させる。
第3図(k)は第2図(e)と同じ補正信号を示す。第
3図(l)、(m)、(n)、(o)はそれぞれドラム
レベル逆応答補正回路14が用いられた本実施例における
レベル偏差、制御信号、給水流量、およびドラムレベル
を示す図である。(k)に示す補正信号により、負荷が
急変した初期の段階(期間t)で、レベル偏差信号が打
ち消され、制御偏差信号は(m)に示す信号〔(l)に
示す信号から(k)に示す信号を加算した信号〕とな
る。この制御偏差信号により、給水流量制御弁10の開度
が制御され、給水流量は(n)に示すように変化し、か
つ、ドラムレベルは(o)に示すように変化する。
第3図(l)における破線iは第3図(i)に示すレベ
ル偏差信号であり、この図から明らかなように、ドラム
レベル逆応答補正回路14が作成する補正信号により負荷
急変によるレベル偏差の逆応答分が打ち消される結果、
ドラムレベル偏差は破線iの信号に比べて変動が大幅に
減少し、速やかに安定した制御に入ることができる。
又、第3図(n)における破線jは第3図(j)に示す
給水流量であり、レベル偏差の変動減少破線iに比較し
て上下の変動が小さくなり、安定した制御が行われるこ
とが明らかである。さらに、第3図(o)における破線
iは第3図(i)に示すレベル偏差信号であり、同じく
変化が小さくなることが示されている。
次に、負荷が急に下降した場合について述べると、従来
の制御装置では、前述のように主蒸気量の減少が給水流
量の減少より早く、相対的に給水流量が大きくなり、蒸
発部の流体が冷却されて水管中の気泡が減少し、かつ、
ドラム圧力の増大と相俟ってドラムレベルが低下し、こ
の結果、減算器5からは、負荷が減少しているにもかか
わらず給水流量制御弁10を開いて給水流量を増加する方
向の信号が出力される。
しかしながら、本実施例ではドラムレベル逆応答補正回
路18が設けられ、上述のドラムレベル逆応答の発生を防
止するものである。即ち、負荷が減少すると一時的に給
水流量と主蒸気流量の偏差が増加する。この偏差は、給
水流量の相対的増加分に相当する。減算器6からの偏差
は一時遅れ要素19および減算器20によりとり出され、関
数発生器21に入力されて対応するドラムレベル変化分に
換算され、レベル逆応答補正信号として加算器23に出力
される。この補正信号は加算器23に入力され、減算器5
から出力される偏差信号、即ち給水流量制御弁10を開い
て給水流量を増加する方向の信号と加算される。この結
果、加算器23では主蒸気流量低下およびドラム圧力上昇
に起因するドラムレベル下降分が打消され、加算器23か
らは給水流量急増に起因しないドラムレベル偏差信号を
得ることができる。これにより、給水流量制御弁10はこ
のドラムレベル偏差信号と減算器6で得られた偏差信号
とを加算した偏差信号により制御され、給水量の追従が
適切となってドラムレベルの変動が小さくなり、ドラム
レベルを安定させることができる。
このように、本実施例では、ドラムレベル逆応答を補正
するため、一次遅れ要素、減算器および関数発生器によ
りドラム圧力、給水流量の変化分に応じたレベル変化分
を演算し、これをドラムレベル偏差に加算するようにし
たので、従来低目に設定せざるを得なかったドラムレベ
ル制御系のゲインを高い値とすることができ、このた
め、負荷急変時やボイラ装置を構成する機器の故障時に
発生する逆応答による外乱に対してもドラムレベルの変
化を小さくし、ドラムレベルを安定させることができ
る。又、従来、ドラムボイラでは、負荷ランバツクやFC
B等、ユニツト出力急変に対してドラムレベルが変動す
ることが問題点の一つとなっていたが、ドラムレベルを
安定させることができるので、負荷ランバックやFCBの
失敗要因の一つを解消することができる。
なお、負荷ランバックとは、ボイラ補機である給水ポン
プ、押し込みファンの故障が発生した場合、運転可能台
数から負荷の上限を決め、ボイラ給水量、燃料量、空気
量を負荷降下レートに従って追従できるように制御する
動作であり、又、FCBとは、送電系事故等により、ター
ビン発電機負荷は高負荷から低負荷まで瞬時に落ちるの
で、それに対応してボイラ負荷も急速に落す必要があ
り、このため、燃料量、空気量を急速に絞り込み、給水
流量も最低流量まで絞り込みを行い安定した制御を行う
動作である。
さらに、本実施例ではドラム圧力又は主蒸気圧力、或
は、給水量と主蒸気流量との差の変化を、一次遅れ要素
と減算器から成る演算手段で得るように構成した。とこ
ろで、上記流量を微分一次遅れ器に入力し、その出力手
段を用いてドラムレベルの逆応答を補正することが実開
昭55-46973号公報に記載されている。このような微分一
次遅れ器の出力に基づく補正には次のような問題が生じ
る。即ち、微分一次遅れ器を用いると、蒸気流量が僅か
に変動しても補正信号が出力され、安定状態にあるドラ
ムレベルの不必要な変動を引き起こしてしまう。又、こ
れを防止しようとして一次遅れ要素を強めると、負荷急
変時の蒸気流量の変化の検出が遅れ、逆応答補正のタイ
ミングを逸してしまい、ドラムレベルが回復した時点で
補正を行うこととなり、再びレベル変動を引き起こして
しまう。このように、微分一次遅れ器では、安定したド
ラムレベル制御を得るのは極めて困難である。
これに対して、本実施例では、一次遅れ要素と減算器に
より、例えばドラム圧力の絶対値の変化を捉えるように
構成したので、ドラム圧力に見合った補正な補正を安定
して行うことができ、結局、ドラム圧力がどのような場
合でも、同一の補正の効力を得ることができる。又、ド
ラム圧力が急変しても、本実施例による補正信号は、微
分一次遅れ器を用いた場合に生じる過剰なピーク状の補
正信号とはならないので、安定した補正を行うことがで
きる。主蒸気圧力を採用した場合も同様である。又、同
一給水量によるドラムレベル回復効果は主蒸気流量が大
きいときと小さいときとでは異なる。即ち、ドラムから
の蒸発量(主蒸気流量)が大きいほど同一給水量変化に
対する割合が小さくなるため、レベル変動への影響の程
度が異なる。したがって、給水量と主蒸気流量との差を
採用した場合もドラム圧力の場合と同様であり、ドラム
圧力を採用した場合と同じ効果を奏する。
なお、負荷が急増した場合、主蒸気流量と給水流量の偏
差が負の偏差となって生じるので、この偏差をとらえて
逆応答補正回路18により補正信号を得ることも可能であ
り、又逆に、負荷が急減した場合、前述のようにドラム
圧力が増大するので、この圧力変化をとらえて逆応答補
正回路14により補正信号を得ることも可能である。した
がって、いずれか一方の逆応答補正回路が備えられてお
れば必要な補正信号を得ることができる。
ところで、運転中に、主蒸気流量の変動に給水流量が追
従していても圧力変動が生じている場合と、主蒸気流量
の変動が圧力変化となって現れていて給水が追従してい
ない場合とがあり、これら両者に対応しようとする場合
には、両方の逆応答補正回路を備えておくのが有利であ
る。
両者を用いる場合、ドラムレベル逆応答補正回路14にお
ける関数発生器17のレベル変化分の換算特性と、ドラム
レベル逆応答補正回路18における関数発生器21のレベル
変化分の換算特性とは、次の観点から決定される。即
ち、主としてドラム圧力に応じて補正信号を作成する場
合には、ドラムレベル逆応答補正回路14で作成される補
正信号が大きくなるように、関数発生器17のレベル変化
分の換算を関数発生器21のレベル変化分の換算より大き
くし、逆に、主として主蒸気流量と給水流量の偏差に応
じて補正信号を作成する場合には、ドラムレベル逆応答
補正回路18で作成される補正信号が大きくなるように、
関数発生器21のレベル変化分の換算を関数発生器17のレ
ベル変化分の換算より大きく選定する。
各関数発生器17、21の換算特性を適切に選定した状態
で、ドラムレベル逆応答補正回路14では、さき述べたよ
うに、一次遅れ要素15からドラム圧力変化を緩和した信
号が出力され、減算器16はドラム圧力計11の信号から一
次遅れ要素15の信号を減算する。この減算された信号は
関数発生器17の選定された換算特性に従ってレベル変化
分に換算されて補正信号が作成され、この補正信号は負
の符号を付して加算器23へ入力される。一方、ドラムレ
ベル逆応答補正回路14では、さき述べたように、減算器
6で演算された主蒸気流量と給水流量の偏差が一次遅れ
要素19と減算器20に入力される。一次遅れ要素19からは
減算器6からの偏差を緩和した信号が出力され、この信
号は当該偏差から減算される。この減算された信号は関
数発生器21の選定された換算特性に従ってレベル変化分
に換算されて補正信号が作成され、この補正信号は負の
符号を付して加算器23へ入力される。加算器23では、正
の符号が付されたドラムレベル偏差信号と負の符号が付
された上記2つの補正信号が加算され、この加算された
信号が加算器26で主蒸気流量と給水流量との偏差信号と
加算され、給水流量制御弁10の制御信号として出力され
る。
なお、上記実施例の説明では、負荷がステップ状に変化
する場合を例示したが、負荷がよりなだらかに変化した
場合には、圧力変化、蒸気流量偏差のいずれも、より一
層小さくなり、これに応じて補正信号も小さくなり、負
荷変化率が小さい場合には補正信号はほぼ0になる。さ
らに、上記実施例の説明では、蒸気ドラムを例示して説
明したが、フラツシユタンク、気水分離器タンク、脱気
器等のレベル制御にも適用することができる。又、3要
素制御方式に対してだけでなく、2要素制御方式および
1要素制御方式に対しても適用できるのは当然である。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明では、ドラム圧力又は主蒸気
圧力を入力しこの入力した値の変化分を緩和する一次遅
れ要素と、この一次遅れ要素の入力値と出力値との差を
算出する減算器とで構成される演算手段、および、給水
量と主蒸気流量との差の値を入力しこの入力した値の変
化分を緩和する一次遅れ要素と、この一次遅れ要素の入
力値と出力値との差を算出する減算器とで構成される演
算手段のうちの少なくとも一方の演算手段を設け、演算
により得られた値に基づいてドラムレベル検出値とドラ
ムレベル設定値との偏差を補正するようにしたので、負
荷の急変やボイラ装置を構成する機器の故障によって発
生する逆応答の外乱を防止することができる。又、本発
明は上記のような演算手段を用いたので、ドラム圧力又
は主蒸気圧力、或は、給水量と主蒸気流量との差の変化
率により補正を行う場合に比較して、ドラムレベルを常
に、適正、かつ、安定に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係るドラムレベル制御装置の
系統図、第2図(a)、(b)、(c)、(d)、
(e)、(f)、(g)及び第3図(h)、(i)、
(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)は第
1図に示すドラムレベル制御装置の動作を説明するタイ
ムチヤート、第4図は従来のドラムレベル制御装置の系
統図である。 1……ドラムレベル計、2……主蒸気流量計、3……給
水流量計、4……レベル設定器、5,6,16,20……減算
器、10……給水流量制御弁、11……ドラム圧力計、14,1
8……逆応答補正回路、15,19……一次遅れ要素、17,21
……関数発生器、23……加算器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともドラムレベル検出値とドラムレ
    ベル設定値とのレベル偏差に基づいてドラムヘの給水を
    制御するドラムレベル制御装置において、ドラム発生蒸
    気に関連する圧力を入力しこの入力した値の変化分を緩
    和する一次遅れ要素と、この一次遅れ要素の入力値と出
    力値との差を算出する減算器と、この減算器の出力を所
    要のレベル変化分に換算する関数発生器とで構成される
    ドラムレベル逆応答補正回路、および、給水量と主蒸気
    流量との差の値を入力しこの入力した値の変化分を緩和
    する一次遅れ要素と、この一次遅れ要素の入力値と出力
    値との差を算出する減算器と、この減算器の出力を所要
    のレベル変化分に換算する関数発生器とで構成されるド
    ラムレベル逆応答補正回路のうちの少なくとも一方のド
    ラムレベル逆応答補正回路を設けるとともに、当該ドラ
    ムレベル逆応答補正回路により得られた値に基づいて前
    記レベル偏差を補正する補正手段を設けたことを特徴と
    するドラムレベル制御装置。
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