JPS6132834Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は合成樹脂製モールデイングの取付構
造に関するものである。

自動車のバンパーモールデイングなどの車両用
モールデイングとして、合成樹脂製の長尺状のモ
ールデイングが使用されている。このような合成
樹脂製モールデイングをバンパー等の被取付体へ
取付けるための従来の取付構造として、第１図な
いし第３図に示すものがあつた。

第１図において、１は長尺状の合成樹脂製モー
ルデイングで、内部に金属リテーナ２が位置する
ように一体的に押出成形されており、金属リテー
ナ２に取付けられたボルト３を被取付体に設けら
れた穴（図示せず）に挿入して取付けるようにな
つている。しかしながら、このような従来のモー
ルデイングの取付構造においては、アツセンブリ
ー工数がかかるうえ、ポリプロピレンやポリウレ
タンバンパーに装着した場合、衝突時の追従性を
確保するために、リテーナ２をばね鋼にする必要
があるなど、コストがかかるという問題点があつ
た。

第２図は合成樹脂製モールデイング１の裏側に
両面粘着テープ４を貼り、これを被取付体へ貼り
つけるようにしているが、部品構成は少ない反
面、両面粘着テープ４などの部品代が高いという
問題があつた。

また第３図では、合成樹脂製モールデイング１
に形成されたチヤンネル５にクリツプ６を装着
し、これを被取付体の穴に挿入して取付けるよう
になつているが、合成樹脂製のチヤンネル５にク
リツプ６が装着されているため、高温時の引き剥
し力や衝撃等に弱く、その点を改善するために金
属製のチヤンネルを同時に押出成形すると、重量
増加およびコストアツプにつながり不利であるな
どの問題点があつた。

この考案は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、緊張により合成樹脂製モール
デイングを圧着させるワイヤーと、このワイヤー
を係止する係止部材を設けることにより、上記問
題点を解決することを目的としている。

この考案は溝およびその端部に挿入口を有する
被取付体と、前記溝に嵌合しかつ端末部が前記挿
入口から被取付体の裏側に挿入された状態で係止
される長尺状の合成樹脂製モールデイングと、こ
のモールデイングの長尺方向全長にわたつて設け
られて両側端末部から突出し、かつ両側突出部に
引張力が加わつた緊張状態で前記モールデイング
を被取付体に圧着させるワイヤーと、このワイヤ
ーの両側突出部を引張力が加わつた緊張状態で被
取付体の裏側に係止する係止部材とを備えたこと
を特徴とするモールデイングの取付構造である。

以下、この考案を図面に基いて説明する。第４
図ないし第８図はこの考案の自動車のバンパーモ
ールデイングに実施した一実施例を示し、第４図
はモールデイングの端末部を示す斜視図、第５図
はその取付状態を表側から見た斜視図、第６図は
その−断面図、第７図は取付状態を裏側から
見た斜視図、第８図はその部の矢視図である。

モールデイング１は長尺状の合成樹脂押出成形
品からなり、表面コーナー部に装飾用着色金属箔
７が、そして基部に緊張部材としての２本のワイ
ヤー８が、それぞれモールデイング１の長手方向
全長にわたつて、埋設状に一体的に押出成形され
ており、両端末部は後加工により樹脂部が切除さ
れて、ワイヤー８が突出しており、そのワイヤー
８にブラケツト９が加締めにより取付けられてい
る。

一方被取付体であるバンパー１０には、モール
デイング１が嵌合する溝１１が設けられており、
かつその端部のモールデイング１の可視範囲の端
末に当る部分には、モールデイング１の端末を挿
入できる挿入口１２が設けられており、また裏側
の挿入口１２付近にはブラケツト９取付用のボス
１３が設けられている。

以上のように構成されたモールデイングの取付
構造においては、モールデイング１の基部をバン
パー１０に設けられた溝１１に挿入し、その両端
末をそれぞれ挿入口１２へ、バンパー１０の表側
から裏側に向けて挿入し、モールデイング１の一
端から突出するワイヤー８に取付けられたブラケ
ツト９をボス１３にタツピングスクリユー１４に
より固定する。そしてモールデイング１の他端か
り突出するワイヤー８を長手方向に引張つて緊張
状態とし、ブラケツト９を他端のボス１３に位置
合せしてタツピングスクリユー１４で固定する。
これにより引張力が加わつて緊張したワイヤー８
は最短距離を保とうしてモールデイング１を被取
付体であるバンパー１０に圧着させる。この場
合、ボス１３の位置はブラケツト９をタツピング
スクリユー１４で固定したときに、ワイヤー８に
若干のテンシヨンがかかる位置にしておき、これ
により取付けられたモールデイング１はワイヤー
８により溝１１の底部に押しつけられ、バンパー
１０の所定位置に取付けられる。

第９図は別の実施例を示し、ａはモールデイン
グ端末部の斜視図、ｂはバンパーの溝部の横断面
図である。第９図の実施例では、モールデイング
１の底部がないものを示し、溝１１もこれに対応
した形状となつている。以上のように構成された
モールデイングの取付構造はいずれも第４図ない
し第８図の場合と同様に取付けられる。

なお、係止部材の材質、形状、構造、位置等は
前記実施例のものに限定されず、またタツピング
スクリユーの代りに樹脂クリツプまたはリベツト
等で固定してもよい。本考案において合成樹脂は
ゴムを含む。また本考案はバンパーモールデイン
グに限らず、他の車両用モールデイングならびに
車両用以外の用途のモールデイングにも適用可能
である。

以上説明してきたように、この考案によれば、
モールデイングを被取付体の溝に嵌合させ、端末
部を挿入口から被取付体の裏側に挿入し、ワイヤ
ーおよび係止部材で緊張状態で取付けるようにし
たため、モールデイングを全長にわたつて溝に圧
着状に固着でき、被取付体との間にすき間等が発
生することなく、均一かつ確実に取付けることが
でき、脱落のおそれが少なく、外観も優れてい
る。そしてモールデイングを端末部で係止するだ
けでよく、中間部における取付の手数が省略で
き、部品点数が少なくて、アツセンブリーが簡単
になり、かつ軽衝突時のモールデイングの追従性
も得られる。またモールデイングは押出成形によ
り製造できるため、射出成形では困難である着色
金属箔等の装飾部材を入れることができるととも
に押出成形に際してワイヤーを埋設状に一体成形
できるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は従来のモールデイングを
示す斜視図、第４図ないし第８図はこの考案の一
実施例を示し、第４図はモールデイングの端末部
を示す斜視図、第５図はその取付状態を表側から
見た斜視図、第６図はその−断面図、第７図
は取付状態を裏側から見た斜視図、第８図はその
部の矢視図、第９図は別の実施例を示し、ａは
モールデイング端末部の斜視図、ｂはバンパーの
溝部の横断面図である。 各図中、同一符号は同一または相当部分を示
し、１はモールデイング、８はワイヤー、９はブ
ラケツト、１０はバンパー、１１は溝、１２は挿
入口、１３はボス、１４はタツピングスクリユー
である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 溝およびその端部に挿入口を有する被取付体
   と、前記溝に嵌合しかつ端末部が前記挿入口か
   ら被取付体の裏側に挿入された状態で係止され
   る長尺状の合成樹脂製モールデイングと、この
   モールデイングの長手方向全長にわたつて設け
   られて両側端未部から突出し、かつ両側端突出
   部に引張力が加わつた緊張状態で前記モールデ
   イングを被取付体に圧着させるワイヤーと、こ
   のワイヤーの両側突出部を引張力が加わつた緊
   張状態で被取付体の裏側に係止する係止部材と
   を備えたことを特徴とするモールデイングの取
   付構造。 (2) 係止部材はタツピングスクリユー、樹脂クリ
   ツプまたはリベツトによつて固定されるブラケ
   ツトである実用新案登録請求の範囲第１項記載
   のモールデイングの取付構造。