JPS6132588Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコーヒー沸し器の改良に係り、美味し
いコーヒ液を供給できるようにするものである。

従来のドリツプ式のコーヒー沸し器は、導出パ
イプ内には水タンク内に収容されている水面と同
一高さの水が貯溜されているため（所謂、サイフ
オン原理にて）、この状態からヒータに通電して
導出パイプの一部を加熱すると、発生する泡にて
導出パイプの上端部に存する水は加熱されずにそ
のままフイルター上面にあるコーヒー粉末に直接
落下してしまい、味のまずいコーヒー液ができる
原因となつていた。

本考案は斯る点に鑑みてなされたもので、以下
にその実施例を説明する。

１は一側上面に保温板２を有し、他側上面に水
タンク３を立設した基台である。前記水タンク３
の底部には吐出孔４と吸入孔５を形成し、且つ上
面開口部にはパツキン６を有した蓋体７を配設し
て、内部を略密閉状態に維持するものである。８
は一端を前記吐出孔４に接続し、他端を前記吸入
孔５に接続した略Ｕ字形状の加熱パイプで、前記
基台１の内部を巻装し前記保温板２の下面に近接
している。１０は前記加熱パイプ８の外周壁を巻
装したヒータで、前記保温板２の下面に近接して
いる。１１は前記吐出孔４に配置される逆止弁
で、前記加熱パイプ８内に配置してもよい。１２
は前記水タンク３の上部に突設した保護枠体で、
その下面に多数の蒸気抜穴１３を形成している。
１４は前記水タンク３内部と前記保護枠体１２内
部とを連通する径の小さい透孔で、発生蒸気を外
部へ排出するものである。１５は下端部を前記水
タンク３の内底部に臨み、途中部を前記水タンク
３を貫通して、他端部を外部に臨む導出パイプ
で、前述の貫通部にはシール材１６を嵌合してい
る。１７はデカンター１８とチヤンバー１９とで
形成されるコーヒー容器で、前記保温板２上に載
置されるとともにチヤンバー１９と導出パイプ１
５の開口部とは対向するようになつている。２０
はフイルター、２１は拡散板である。Ａは前記フ
イルター２０上に収容されるコーヒー粉末であ
る。

斯る構成による作用を説明すると、ヒータ１０
へ通電し加熱パイプ８内の水を加熱すると、逆止
弁１１を介して水タンク３と加熱パイプ８とを循
環し徐々に水は加熱されてゆく。最初は水が沸点
に達するまでは緩慢に蒸気が発生するため、この
発生蒸気は透孔１４を介して蒸気抜穴１３から外
部へ排出され、水タンク３内の水が加圧されるこ
とがない。

そして、水が加熱されて沸騰状態に達すると、
多量の蒸気が発生し前記透孔１４から流出するの
に比べて、加熱された水の上面を加圧する蒸気の
量が増えるため、この加圧された加熱水、すなわ
ち熱湯は導出パイプ１５を通じてチヤンバー１９
内に注出されるものである。すなわちチヤンバー
１９内には直ちに熱湯が供給される。注出が続
き、前記導出パイプ１５の最下端部にまで存する
加熱水が供給されるもので、それ以下の加熱水は
残つたままとなり、その後の保温動作時に蒸発さ
れてしまう。

本考案は以上の如く構成したものであるから、
従来のように給湯初期に低温水が供給されること
なく、最初から熱湯が供給されるため、コーヒー
の風味を逃がすことなく美味しいコーヒー液を得
ることができる。

また、熱湯の注出後も加熱パイプ内には熱湯が
残留しているため保温板を効率よく加熱保温する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案コーヒー沸し器の概略断面図。 ２……保温板、３……水タンク、８……加熱パ
イプ、１０……ヒーター、１５……導出パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略密閉状態を保持する水タンクと、両端を前記
   水タンクに連通し且つ内部に逆止弁を有する略Ｕ
   字形状の加熱パイプと、前記加熱パイプを加熱す
   るとともに保温板を保温するヒータと、下端を前
   記水タンクの内底部に臨み上端を前記水タンクか
   ら貫通して前記保温板上に載置されるコーヒー容
   器上方に臨むようにした導出パイプとから構成し
   たことを特徴とするコーヒ沸し器。