JPS6131267B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はビルの取毀し作業現場等において、コ
ンクリートを大きな破壊音を発することなしに細
かく破砕するための作業用コンクリート破砕装置
に関するものである。

従来、ビルや道路その他のコンクリート構造物
を取毀す作業においては、ブレーカーによりコン
クリートを破壊し、破壊された大きなコンクリー
ト塊をそのままの形でトラツクにより廃棄場所に
運搬するという方法によつている。しかし乍らこ
れらの大きなコンクリート塊をそのままの形で埋
立地等に廃棄することは、埋立処理の面からも問
題があり、最近ではできるだけ小さく破砕された
状態のコンクリート塊でなければ廃棄できないよ
うな基準に方向づけられるようになつている。

破壊されたコンクリートが比較的小さな塊の破
砕された状態であるならば、埋立地への廃棄とい
う点において問題がないことは勿論、破砕された
砕石をコンクリートの骨材等に再利用できるとい
う点で有利である。このため最近ではコンクリー
トの取毀し現場にクラツシヤを備えて大型のコン
クリート塊を破砕するような方法もとられている
が、いちいち取毀し現場にクラツシヤを備付ける
ということは、取毀したコンクリート塊を廃棄す
るという作業工程中にクラツシヤによる破砕とい
う余分な工程を加えることになるわけで、作業能
率の面からも問題がある。

本発明は上記のようなコンクリート取毀し作業
における問題であるブレーカーにより破壊された
比較的大きなコンクリート塊を、その場でクラツ
シヤによることなく廃棄に適するような小塊に簡
単に破砕できるような破砕装置の提供を目的とし
たものである。

上記のような目的をもつ本発明のコンクリート
破砕装置は、作業機のアーム先端に取着される基
体とこの基体の下部に固定されその下面に多数の
歯部を形成した複数の上刃とからなる上刃ユニツ
トと、上刃の一端部に枢着されかつ上刃と平行に
延在する複数の下刃とこれらの下刃の枢着部外方
に延設した腕部とからなる下刃ユニツトとを備
え、前記基体と腕部とにシリンダーの尾端とこの
シリンダーのピストンロツドとを夫々枢着し、一
方上刃ユニツトにおける刃部を上刃の枢着方向に
指向するよう形成し、さらに前記下刃の離間部に
この下刃と直交しかつ上刃の夫々の歯図間に位置
する複数の補助刃を配設することにより構成し、
破壊された大きなコンクリート塊を上下両刃の間
に挟んだ状態でピストンシリンダを操作して該両
刃を閉じることにより両刃および補助刃の間で小
さな塊に圧縮破砕しさらにこれらの小塊を下刃と
補助刃との離間部からそのまま落下させるように
したことを特徴とするものである。

次に本発明を図示の実施例について詳記すれ
ば、第１図は本発明に係る破砕装置の上下の刃を
開いた状態における側面図である。同図に示すよ
うにこの破砕装置は、図示外の作業機におけるア
ーム１の先端に取付けられる固定上刃ユニツト３
と、この上刃ユニツト３に回動可能なるように枢
着される可動上刃ユニツト４と、これらの上下両
刃ユニツト３，４の間に取付けられて両ユニツト
を開閉するための油圧シリンダー５とからなつて
いる。

上刃ユニツト３はアーム１と該アームにおける
回動杆２との取付板６を背部に有した基体７と、
この基体７の下部に固定された複数の上刃８とよ
りなつている。基体７は上端に軸受孔９を有して
いて、この軸受孔９に前記油圧シリンダー５の上
端が支軸１０を介して回転可能なるように枢着さ
れている。また上刃８は平行な２枚の板からなり
夫夫一端に軸受孔１１を有すると共に、下面には
複数の歯１２が夫々歯先が前記軸受孔１１の方向
に指向する向きで夫々間隔を置いて突設され、こ
の２枚の上刃８が前記基体７の下面両側に、基体
７の長さ方向と交叉する向きで平行に溶接固定さ
れている。

また下刃ユニツト４は複数枚の下刃１３と、こ
の下刃１３の後方に突設された腕部１４とからな
つている。前記下刃１３は平行な３枚の略Ｌ字形
の板からなり、夫々の板は前記上刃ユニツト３の
上刃８が嵌り込むような間隙を維持するように複
数枚の補助刃１５を介して相互に一体に支持され
ている。夫夫の下刃１３は第５図に示すように先
端が尖状２５となつていると共に、夫々の断面は
上縁１６が山形になつている。また夫々の下刃１
３の間隔を維持する補助刃１５は上縁１７が下刃
１３の上縁１６よりも低い位置にあるようにし
て、上刃ホルダー３における上刃８の歯１２の間
に位置するように設けられている。この上刃８の
他端上方には夫々軸受孔１８が設けられていて、
この軸受孔１８の設けられた夫夫の軸受部分１９
の間に前記上刃８における軸受孔１１の軸受部分
２０を差違いに嵌合した状態で、夫々の軸受孔１
８，１１内に支軸２１を挿通し、上刃８に対し下
刃１３が回動可能になるように支持される。

前記下刃１３の後方には夫々の下刃１３を一体
に結合させるような形の腕部１４が突設されてお
り、この腕部１４の先端に設けられた軸受孔２２
に前記油圧シリンダー５におけるピストンロツド
２３の先端が支軸２４を介して回転可能なるよう
に枢着されている。

本発明に係るコンクリート破砕装置は上記の如
き構造からなり、破砕作業前の状態においては、
第１図に示すように油圧シリンダー５のピストン
ロツド２３を引込めることにより、下刃１３を支
軸２１を中心にして上刃８より開放した状態とす
る。

コンクリートの破砕に際してはアーム１の作動
により下刃１３の先端尖状部２５をコンクリート
塊２６の下に差込み、コンクリート塊２６を下刃
１３上にすくい上げる。この下刃１３のコンクリ
ート塊すくい上げに際しては、第６図の如く油圧
シリンダー５のピストンロツド２３を少し延出さ
せて下刃１３を上方に回動させるようにする。

下刃１３上にコンクリート塊２６が確実に載置
されたならば、油圧シリンダー５のピストンロツ
ド２３を充分に延出させて下刃１３を上刃８の方
向に押し上げ、コンクリート塊２６を上刃８と下
刃１３との間で挾着圧縮する。上刃８の歯１２は
内側方向即ち両刃８，１３の枢着部方向に指向し
ているので、前記コンクリート塊２６の挾着状態
は確実に保持され、下刃１３の押上げが強まるに
つれてコンクリート塊２６が上下両刃８，１３の
間から外部に滑り出すことを防ぐ。下刃１３と上
刃８とは互に夫々の間隙内に位置するように構成
され、また下刃１３の間隔を支持する補助刃１５
は上刃８における歯１２の間に位置するように設
けられているので、第２図の如くシリンダーのピ
ストンロツド２３が延び切つて上下両刃８，１３
が最も接近し合つた状態においては、挾着された
コンクリート塊は最初上刃８の歯１２と下刃１３
の上縁１６で比較的大きく破砕され、次いで歯１
２と下刃１３の補助刃１５とにより更に小さく破
砕され下刃と補助刃との離間部から落下する。

以上の如く本発明に係るコンクリート破砕装置
は、上刃ユニツト３を作業機アーム１の先端に取
付けられた固定側とし、この固定上刃ユニツト３
に対し下刃ユニツト４を１個所の枢着部により回
動可能なるように枢着して、下刃ユニツト４の一
端と上刃ユニツト３の上端とに油圧シリンダー５
を介在させたので、下刃ユニツト４の下刃１３は
コンクリート塊をすくい上げて上下両刃８，１３
の間に挾着しやすい状態に回動することができ、
コンクリート塊をすくい上げて破砕する作業を能
率的に行うことができる。

また上刃８を下刃１３とは夫々複数の刃板が互
に差違い状に配置されるように構成されているの
で、両刃間に挾着したコンクリート塊の破砕が確
実に行えるという利点を有する。従つて本発明に
よる破砕装置を用いることにより、コンクリート
構造物の取毀し現場において大きな破壊音を発生
することなくコンクリート塊を迅速に破砕できる
ので、コンクリート塊廃棄基準の要請に応じた廃
棄処理を能率的に行えるという実益を有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るコンクリート破砕装置の
実施例を示す下刃を開放した状態の側面図、第２
図は下刃を閉じた状態における側面の断面図、第
３図は第２図の−線における断面図、第４図
は上刃ユニツトの構成を示す斜視図、第５図は下
刃ユニツトの構成を示す斜視図、第６図は作動状
態を示す側面である。図において １：アーム、３：上刃ユニツト、４：下刃ユニ
ツト、５：シリンダー、６：取付板、７：基体、
８：上刃、９，１１，１８：軸受孔、１０，２
１，２４：支軸、１２：歯、１３：下刃、１４：
腕部、１５：補助刃、１６：上刃上縁、１７：補
助刃上縁、２３：ピストンロツド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 作業機のアーム先端に取着される基体とこの
   基体の下部に固定されその下面に多数の歯部を形
   成した複数の上刃とからなる上刃ユニツトと、上
   刃の一端部に枢着されかつ上刃と平行に延在する
   複数の下刃とこれらの下刃の枢着部外方に延設し
   た腕部とからなる下刃ユニツトとを備え、前記基
   体と腕部とにシリンダーの尾端とこのシリンダー
   のピストンロツドとを夫々枢着し、一方上刃ユニ
   ツトにおける刃部を上刃の枢着方向に指向するよ
   うに形成し、さらに前記下刃の離間部にこの下刃
   と直交しかつ上刃の夫々の歯部間に位置する複数
   の補助刃を配設することを特徴とする作業用コン
   クリート破砕装置。