JPS6128839Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はビルの取毀し作業現場等において、コ
ンクリートを大きな破壊音を発することなしに細
かく破砕するための作業用コンクリート破砕装置
に関するものである。

従来、ビルや道路その他のコンクリート構造物
を取毀し作業においては、ブレーカーによりコン
クリートを破壊し、破壊された大きなコンクリー
ト塊をそのままの形でトラツクにより廃棄場所に
運搬するという方法によつている。しかし乍らこ
れらの大きなコンクリート塊をそのままの形で埋
立地等に廃棄することは、埋立処理の面からも問
題があり、最近ではできるだけ小さく破砕された
状態のコンクリート塊でなければ廃棄できないよ
うな基準に方向づけられるようになつている。

破壊されたコンクリートが比較的小さな塊の破
砕された状態であるならば、埋立地への廃棄とい
う点において問題がないことは勿論、破砕された
破石をコンクリートの骨材等に再利用できるとい
う点で有利である。このため最近ではコンクリー
トの取毀し現場にクラツシヤを備えて大型のコン
クリート塊を破砕するような方法もとられている
が、いちいち取毀し現場にクラツシヤを備付ける
ということは、取毀したコンクリート塊を廃棄す
という作業工程中にクラツシヤによる破砕という
余分な工程を加えることになるわけで、作業能力
の面からも問題がある。

本考案は上記のようなコンクリート取毀し作業
における問題である比較的大きなコンクリート塊
を、その場でクラツシヤによることなく廃棄に適
するような小塊に簡単に破砕できるような破砕装
置の提供を目的としたものである。

上記の目的をもつ本案のコンクリート破砕装置
は、作業機のアーム先端に取付けられるボデーの
前面下端に固定下刃を突設し、この固定下刃の基
部には可動上刃を軸着して、この可動上刃をボデ
ーに設けたシリンダにより固定下刃に対して開閉
するように構成し、大きなコンクリート塊を上下
両刃の間に挾むことにより小さな塊に圧縮破砕す
るようにしたことを特徴とするものである。

次に本案を図示の実施例について詳記すれば、
第１図は本案に係る装置の上下の刃を開いた状態
における側面図、第２図は上下の刃を閉じた状態
における断面図である。図示のようにこの装置
は、図示外の作業機におけるアーム１の先端にブ
ラケツト２を介して取付けられるボデー３と、こ
のボデー３に突設された固定下刃４と、この固定
下刃４の基部に軸着された可動上刃５と、この可
動上刃５とボデー３との間に連結された油圧シリ
ンダ６とからなつている。

ボデー３は側面が略三角形をなし、上面と外側
傾面とに夫々ブラケツト２が取付けられるための
連結部７，８を有し、通常の使用後に従う場合に
はブラケツト２が上面の連結部７に取付けられて
いる。また内部の上方奥部には油圧シリンダ６の
尾端が軸１０を介して回転自在に軸着されてい
る。

固定下刃４は前記ボデー３の前面下端部に前方
に向けて突設されている。この固定下刃４はいず
れも先端が尖状部９となつた３枚の略Ｌ字形の板
からなつており、夫々上面に刃１１が形成されて
いると共に、これら刃１１の間には複数個の横形
補助刃１２が交叉状に設けられることにより、
夫々の刃１１，１２の間に複数個の穴１３が形成
されるようになつている。

可動上刃５は後端部が前記固定下刃４の基部に
軸１４を介して回転可能になるように軸着されて
いる。この可動上刃５は下面における前記固定下
刃４の穴１３に対応する位置に夫々長い歯１５と
短い歯１６とが複数個突設されている。これらの
歯は、第３図に示すように両側部の先端から１番
目が短歯１６、２番目が長歯１５、３番目が短歯
１６、４番目が長歯１５となるように配列され、
中間部はいずれも短歯１６が配列されるようにな
つている。またこの可動上刃５の先端上部には、
前記ボデー３に軸着された油圧シリンダ６のピス
トンロツド１７の先端が軸着連結され、該油圧シ
リンダ６の作動により可動上刃５が固定下刃４に
対し開閉するような回動を行うように構成されて
いる。

本案に係るコンクリート破砕装置は上記の如き
構造からなり、コンクリートの破砕に際しては、
油圧シリンダ６のピストンロツド１７を引込めて
可動上刃５を開放させた状態として固定下刃４の
先端尖状部９をコンクリート塊１８の下に差込
み、コンクリート塊１８を下刃４上にすくい上げ
る。下刃４上にコンクリート塊１８が乗せられた
ならば、油圧シリンダ６のピストンロツド１７を
充分に延出させて可動上刃５を固定下刃４の方向
に押し下げ、コンクリート塊１８を上下の刃４，
５の間で挾着圧縮する。上刃５の歯１５，１６は
下刃４の穴１３の位置に対応しているので、まず
長歯１５がコンクリート塊１８内に具合よく突刺
さることになり、これにより前記コンクリート塊
１８はまず大まかに破砕される。可動上刃５の圧
縮が更に進むと、大まかに破砕された塊は、該長
歯１５と下刃４の刃１１，１２との間で更に細か
く破砕されると共に、長歯１５により破砕された
塊の間の塊も短歯１６による破砕作用を受けるこ
とゝなり、同様に細かく破砕されることになる。

この考案の破砕装置は下刃４をボデー３の前面
下端に固定突設させたので、前記のようにブレー
カー等により既に比較的大きな塊とされたコンク
リート塊を細かく破砕する作用を行える外、ブレ
ーカー等による大きな破砕作業を受けない状態の
アスフアルト舗装板であるとかコンクリート床面
などを破壊しこれを細かく砕くという作用に適す
る。即ちこの装置では下刃４が固定状態で前方に
向けて延出されているので、下刃４の先端尖状部
を前記床板の下面に向けて突き刺し易く、しかも
この状態では装置全体を上方に引上げるかもしく
は押し下げることにより、固定下刃４がテコ作用
により床板の一部を大きく簡単に破壊する。勿論
そのまゝの状態で可動上刃５を圧縮することによ
り間断なく破壊されたコンクリート塊を前記の如
く細かく破砕することができるので、作業機アー
ムを介した装置自体の操作運動を簡単にして破砕
能率を大幅に向上し得るという利点を有する。ま
た噛砕くコンクリート対象物の角度によつて作業
機アームに対するボデー３の取付位置を変えるこ
とが好ましい場合があり、そのような場合にはブ
ラケツト２をボデー３の背面の連結部８に付け変
えて使用することもできる。従つてこの考案の破
砕装置を用いることにより、コンクリート構造物
の取毀し現場において大きな破壊音を発生するこ
となく破壊でき、しかもこれらの破壊されたコン
クリート塊を能率よく鉄筋を分離できる程度にま
で細かく破砕できるのでコンクリート塊廃棄処理
を有効に行えるという実益を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案に係るコンクリート破砕装置の実
施例を示す可動上刃を開いた状態の側面図、第２
図は刃を閉じた状態における側面の断面図、第３
図は可動上刃の斜視図、第４図は固定下刃の斜視
図、第５図は使用状態を示す側面図である。 図において、２：ブラケツト、３：ボデー、
４：固定下刃、５：可動上刃、６：油圧シリン
ダ、７，８：ブラケツト連結部、１３：固定下刃
穴、１５，１６：可動上刃の歯、１７：ピストン
ロツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 作業機のアーム先端にブラケツト２を介して取
   付けられる内部上方にシリンダ６の尾端を連結し
   たボデー３と、該ボデー３の前面下端に突設され
   た固定下刃４と、該固定下刃４の基部に軸着され
   て固定下刃４との間でコンクリートを噛砕く可動
   上刃５とからなり、固定下刃４は縦横の交差する
   刃により形成される複数個の穴１３を有すると共
   に、可動上刃５は下面に固定下刃４の穴１３に対
   応する複数個の段差のある歯１５，１６が突設さ
   れていて先端部にボデー３におけるシリンダ６の
   ピストンロツド１７の先端が連結されている作業
   用コンクリート破砕装置。