JPS6124898B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は過電流保護回路に関する。

負荷に電力を供給する電力回路においては、電
源側および負荷側回路要素の保護のため過電流保
護手段を設けるのが普通である。特に、平滑リア
クトルおよび平滑コンデンサからなる平滑フイル
タを介して負荷への電力供給を行うようになつて
いる電力回路の場合、負荷の短絡或いは平滑コン
デンサと負荷との間の回路部分または回路要素の
短絡はそのような回路で用いられる高価な回路要
素の焼損をまねくので、防止されなければならな
い。

このような電力回路に対する従来の過電流保護
回路の一例が第１図に示されている。１は制御可
能な直流電源（例えば交流電源に接続されたサイ
リスタ整流器からの出力）、２は平滑フイルタ、
３は平滑フイルタの構成要素である平滑リアクト
ル、４は同じく平滑フイルタの構成要素である平
滑コンデンサ、５はスイツチ要素、６は負荷、７
は直流用変流器、８は直流電流演算検出器、９は
比較器を示す。変流器７は高速動のもので構成さ
れ、負荷側短絡時には、変流器７が短絡電流を検
出し、その検出された信号は直流電流演算検出器
８によつて比較器９での比較を行うのに適した信
号に変換され、これが比較器９内で予め設定した
値と比較され、検出器８の出力信号がその値を越
えたときスイツチ遮断指令を発生してそれをスイ
ツチ要素５に供給し、スイツチ要素５を保護する
と共に他の回路要素の保護も行う。

しかしながら、第１図の回路は高速動の直流用
変流器および電流演算検出器を用いているので費
用がかかるという欠点を有する。

従つて、本発明の目的は負荷側短絡時における
回路要素の保護を行える安価な過電流保護回路を
提供することである。

本発明は平滑コンデンサを含む枝路に比較的に
安価な変流器である交流用変流器を挿入し、比較
手段によりこの変流器の出力信号を予め設定した
レベルの信号と比較して変流器の出力信号がその
レベルを越えたときは制御信号を発生し、平滑フ
イルタと負荷との間に設けたスイツチ手段をこの
制御信号によつてオフ状態に切換えるようにした
ものである。スイツチ手段としては、インバータ
など自らスイツチ機能を有する変換装置を用いる
こともできれば、或いは専用のスイツチ素子を用
いることもでき、比較手段としては、そのとき用
いられているスイツチ手段の種類に合わせて種々
の回路構成のものを用いることができる。

第２図は本発明による過電流保護回路の一具体
例であつてスイツチ手段にインバータを用いるも
のを示す。なお、第２図において、参照番号１、
３、４および６は第１図におけるのと同じ構成要
素を示し、１０は平滑用コンデンサを含む枝路に
挿入された交流用変流器、１１は比較手段、１６
はインバータを示し、比較手段は、変流器１０の
出力信号を電圧に変換する抵抗器１２、この抵抗
器の両端間に現われる電圧を過電流設定器１４で
予め設定される過電流設定電圧と比較して抵抗器
の電圧が過電流設定電圧を越えたときはインバー
タ遮断指令を発生する比較器１３、および、この
インバータ遮断指令を受取りインバータ１６の実
際の遮断動作を行うインバータ制御回路１５から
なる。この回路において、定常状態では、変流器
１０で検出されるコンデンサ４の電流は直流分を
含まない比較的に小さな交流であるので、変流器
１０は安価な交流用変流器で十分であり飽和する
ことはない。一方、インバータ枝路短絡もしくは
負荷短絡時の急激な電流はその殆んどがコンデン
サ４から供給されるため比較的大きな電流（変流
器１０を飽和させる程度のもの）となり、従つ
て、コンデンサ４の電流を監視することにより過
電流状態の発生を検出でき、インバータ１６を遮
断して、回路要素、なかんずくインバータ１６を
保護することができる。

第３図は本発明による過電流保護回路の他の具
体例であつてスイツチ手段にチヨツパを用いるも
のを示す。なお、第３図において参照番号１、
３、４、６、10、12、13および14は第１図および
第２図におけるのと同じ構成要素を示し、１７は
チヨツパ、１８はチヨツパ制御回路、１９はダイ
オードを示す。チヨツパ制御回路１８は通常は別
の制御信号に従つてオン・オフ指令を発するが、
比較器１３からの出力信号（チヨツパ遮断指令）
を受けとつたときは強制的にチヨツパ遮断作動信
号を発する。

第２図および第３図はスイツチ手段としてイン
バータなど自らスイツチ機能を有する変換装置を
用いる場合を示すが、本発明はこれに限定される
ものではなく、スイツチ手段に専用のスイツチ要
素を用いても構成することができ、要点は平滑用
コンデンサを含む枝路に比較的に安価な変流器で
ある交流用変流器を挿入し、この変流器の出力信
号によつて平滑フイルタおよび負荷の間のスイツ
チ手段をオフ状態にして過電流からの保護を行う
ことである。

以上の説明から知られるように、本発明は平滑
フイルタを介して負荷に電力の供給を行う電力回
路の構成要素の過電流からの保護を極めて安価な
構成をもつて達成するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術による過電流保護回路の一例
を示す図、第２図は本発明による過電流保護回路
の一具体例を示す図、第３図は本発明による過電
流保護回路の他の具体例を示す図である。 １：脈流直流電源、２：平滑フイルタ、３：平
滑リアクトル、４：平滑コンデンサ、５：スイツ
チ要素、６：負荷、７：直流用変流器、８：直流
電流演算検出器、９：比較器、１０：交流用変流
器、１１：比較手段、１２：抵抗器、１３：比較
器、１４：過電流設定器、１５：インバータ制御
回路、１６：インバータ、１７：チヨツパ、１
８：チヨツパ制御回路、１９：ダイオード。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 脈動直流電源からの出力を平滑リアクトルお
   よび平滑コンデンサからなる平滑フイルタで平滑
   し、この平滑フイルタからの出力をチヨツパやイ
   ンバータなどの如き変換装置を介して負荷に供給
   するようにした電力回路に対する過電流保護回路
   であつて、前記平滑コンデンサの枝路に挿入され
   た交流用変流器と、この交流用変流器の出力信号
   を予め設定したレベルと比較し、平滑コンデンサ
   の放電方向に対応した極性に関して交流用変流器
   の出力信号がそのレベルを越えたときは制御信号
   を発生する比較手段と、前記平滑フイルタおよび
   負荷の間に接続され、前記比較手段からの制御信
   号に応答してオフ状態に切換わり前記平滑フイル
   タの出力からの電力の供給を遮断するスイツチ手
   段とを具備することを特徴とする過電流保護回
   路。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の過電流保護回路
   において、前記スイツチ手段として平滑フイルタ
   と負荷との間に介在する変換装置を利用するよう
   にしたことを特徴とする過電流保護回路。