JPS6123382B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 内部に並列に形成された複数のシリンダを有
し互いに隣接する分離目地３面上で直接接続され
ている少なくとも２つのハウジング部分ブロツク
１と、 前記複数のシリンダ内の複数のピストンと、 前記各ハウジング部分ブロツクを貫通して伸び
ており連結棒を介して各ピストンと連結されてい
るクランクシヤフト５と、 前記複数のハウジング部分ブロツクの共通の支
持要素である油槽４とを備えており、 前記クランクシヤフトが各ハウジング部分ブロ
ツクの軸受ブツシユ１４′，１４″と共に軸受ブロ
ツク２により形成される軸受個所１４で軸支され
ており前記軸受ブツシユがハウジング部分ブロツ
クの分離目地面で分割されていることを特徴とす
るピストン機関。

技術分野 本発明は、相互に結合した（例えば、ネジ止め
した）２つ以上のハウジング部分ブロツク内に配
設しあつて、少なくとも一連のピストンを受容す
る複数個のシリンダと、連結棒等でピストンを枢
着した貫通するクランクシヤフトと、油槽とを備
えたピストン機関に関する。

背景技術 ピストン機関は、原動機、圧縮機およびポンプ
として公知であり、ハウジング内にクランクシヤ
フト、連結棒、ピストン等からなる駆動機構を備
えている。

ハウジングは、一般に、単一体として構成して
ある。しかしながら、クランクシヤフト軸線に対
して垂直方向の分離目地を有する部分ブロツクの
結合構造のハウジングも知られている。

この場合、先行技術においては、クランクシヤ
フトは、ハウジングに適切に懸架軸支されるので
はなく、クランクケースである基板に軸支され
る。

この基板は、基板に固定したハウジング部分ブ
ロツクの支持体でもあり、基板の下方に油槽が固
定されている。即ち複数のハウジング部分ブロツ
ク、基板としてのクランクケース、及び油槽の３
層構造である。

この部分ブロツク構造の利点は、シリンダ数の
異なる原動機を個々のハウジング部分ブロツクと
して作製でき、例えば、圧縮シリンダ等を補助シ
リンダとして作製しピストンが共通のクランクシ
ヤフトで駆動されるように、同一の基板上に取付
けることができると云う点にある。

しかしこの構造形式には、コンロツドの短い高
速回転機構の場合には使用することができず、製
造費および材料費が高く、かつ結合個所が多く煩
雑であると云う欠点がある。従つて、この構造形
式は、主として、低速回転の内燃機関・圧縮機機
構に採用される。

この構造形式は、単一体のシリンダブロツクを
使用しクランクシヤフトを軸受にて懸架軸支して
いる従来の構造形式に比しても多くの場合非経済
的である。

発明の目的 本発明の目的は、一方では、シリンダ数の異な
る原動機の部分ブロツクを組み合わせて作製する
際製造・組立てが容易になると同時に高速回転の
内燃機関・圧縮機構に使用できると云う利点を有
し、他方では、単一体シリンダブロツクの利点を
失うことのない、部分ブロツク構造のピストン機
関を提供することにある。

発明の開示 上記の目的は、本発明によれば、ハウジング部
分ブロツクにクランクシヤフトを懸架軸支できる
よう、クランクシヤフトの軸受ブロツクを各ハウ
ジング部分ブロツクに設けることによつて、達成
される。

このことにより、多数の種類のピストン機関
を、ほぼ同一の構成要素を使用して、かつ少ない
異なる構成要素の数で作製することが可能とな
る。

本発明の実施例に於ては、構成要素（例えば、
クランクシヤフト、カムシヤフト、吸気部、排気
マニホルド、etc.）をあらかじめ単体として作製
し、組立前に相互にネジ止めすることもできる。

本発明に係るピストン機関は、公知の各部分ブ
ロツク構造においてピストン機関全体の支持部材
として且つまたピストン機関の基準静的要素とし
て使用される、クランクケースを不要としたとい
う大きな利点を有する。

本発明の有利な実施例では、ハウジング部分ブ
ロツクを、直接フランジ止め等により油槽に結合
し、油槽を支持部材として構成する。かくして、
既存の構成部材に補助機能を与えることにより従
来より構成要素を減少させることができる。

高強度の材料、例えば、球状黒鉛鋳鉄、から油
槽を作製すれば有利である。

別の実施例では、シリンダは、ハウジング部分
ブロツク内にＶ字形に配置されており、油槽であ
る支持要素とで抵抗モーメントに対して最良の結
果が得られる星形形状となつている。

別の有利な実施例では、シリンダ列または部分
ブロツクの１つまたは複数のシリンダを圧縮機シ
リンダまたはポンプシリンダとして構成するか、
１つのハウジング部分ブロツクを圧縮機ブロツク
として構成する。

駆動機および従動機（例えば、圧縮機及びポン
プ）を組合せた本発明の別の実施例では、特に、
駆動機について、適切な重量バランスを得るため
に、互に逆方向に作動する２つ以上のシリンダを
ハウジング部分ブロツクとしてピストン機関を構
成する。この場合、シリンダは、クランクシヤフ
トの位置で、フランジ止めすると好適である。か
くして、往復運動質量の力が完全にバランスされ
る。従動機のシリンダに関連するクランクシヤフ
ト屈曲部の交互移動にもとづく残存モーメントが
存在するが、このモーメントは、実際上、問題と
はならず、更に、従動機に別のシリンダを対称に
配置すれば、完全に排除できる。従動機のこれら
のシリンダは、駆動機のシリンダ部分ブロツクと
して同一規格で構成することも、又は付加シリン
ダ部分ブロツクとして作製することもできる。

圧縮機または原動機付圧縮機として構成した少
くとも１つのハウジング部分ブロツクを有する本
発明に係る部分ブロツク構造ピストン機関を構成
する場合、規格化された部材、特に、消耗部材
（例えば、主軸受）を規格化された部材とするこ
とにより簡単化がなされる。すなわち原動機のシ
ヤフト寸法と圧縮機のそれとを同一寸法とし、ハ
ウジング部分ブロツクの基本構造を共通とするこ
とができる。更に、原動機の連結棒、シリンダラ
イナー等の部材の寸法を従動機のそれと同一とす
ることができる。

本発明にもとづき、隣接ハウジング部分ブロツ
クの相互に隣接する軸受ブロツクがクランクシヤ
フトの共通の主軸受を構成し、軸受ブツシユがハ
ウジング部分ブロツクの分離目地の面内で分離さ
れると云う利点が得られる。

本発明によれば、分離目地において隣接する２
つの軸受ブツシユの作製法は、寸法公差を保持す
るために、軸受ブツシユはまず２つの軸受ブロツ
クの巾に対応する巾に作製し、隣接ハウジング部
分ブロツクの分離目地の面に沿つて切断する。

本発明によれば、上記軸受ブツシユを、２つの
部材、即ち、上部ブツシユおよび下部ブツシユと
して構成することもできる。各下部ブツシユは、
同じく公知の態様で、各軸受ブラケツトで保持す
る。

更に、クランクシヤフトの軸長手方向に垂直な
負荷に応じて、１対の軸受シエルのみを分離面に
組込む。この場合、この軸受シエル対は、１つの
ハウジング部分ブロツクの軸受ブロツクにのみピ
ストン機関を比較的小さいピストン力で運転する
場合、例えば、ガスエンジンの場合上記の方法を
採用すると好適である。

本発明に係るピストン機関の軸受ブロツクの加
工法では、ピストン機関の少くとも２つのハウジ
ング部分ブロツクを相互に結合し（好ましくは、
運転可能な状態に相互にフランジ止めし）、次い
で、クランクシヤフトの主軸受の軸受ブロツク
を、ハメアイ形状に切削加工する。

又、各部分面のみを作製し、組立時、例えば、
治具シヤフトを使用して、主軸受のボアが合致す
るよう、各部材を載置することもできる。

本発明に係るピストン機関の別の実施例では、
２つの隣接ハウジング部分ブロツクの間に隔壁を
設け、有利には、隔壁を油槽の油溜めまで延ばし
て、隔壁によつて油溜めを分割するか、隔壁を、
油槽内の既設の隔壁に接続する。

駆動側ハウジング部分ブロツクの駆動機構を、
例えば、油槽の横壁に接続した中間壁によつて、
従動側ハウジング部分ブロツクの駆動機構から分
離すれば、駆動機と従動機について完全に分離さ
れた油槽が得られる。この場合、クランクシヤフ
トが貫通する個所の隔壁には、公知のクランクシ
ヤフトパツキンを設ければよい。この場合、部分
ブロツク内の油みぞを分離するとよい。

この構造によつて、駆動機と従動機について異
種の潤滑剤を使用できる。かくして、本発明に係
るハウジング部分ブロツク構造のピストン機関は
この点に関して実際上無制約で採用できる。

これは、各種内燃機関と空気圧縮機、ガス圧縮
機、油圧ポンプ等との組合せについて好適である
と云える。即ち、この場合、温和しない異種の潤
滑剤をそれぞれに対して使用できる。

【図面の簡単な説明】

本発明の各種実施例を、添付の図面を参照して
以下に説明する。但し、これらの実施例は、何等
の限定的意味を有するものではない。以下の特許
請求の範囲に記載の参照数字も、同じく、限定を
意味するものではなく、図面内の関連部材を見出
し易くするためのものである。

第１図は、３つのハウジング部分ブロツクから
成るピストン機関の部分切欠図、第１ａ図は、２
つのハウジング部分ブロツクの間の部分の拡大
図、第２図は、部分ブロツクのフランジ部分の図
面で、ハウジング部分ブロツクにクランクシヤフ
トを軸支する状態を詳細に示すもの、第３図は、
２つのハウジング部分ブロツクの結合状態を示す
図面、第４〜８図は、本発明に係るピストン機関
の変更例の略図、第９図は、作動シリンダおよび
圧縮シリンダを有するハウジング部分ブロツクの
略側面図、第１０図は、第９図のハウジング部分
ブロツクの部分切欠正面図、第１１図は第９，１
０図のハウジング部分ブロツクの配置例を示す図
面である。

発明を実施するための最良の形態 第１図に、Ｖ字形に配置した６つのシリンダを
それぞれ有する３つのハウジング部分ブロツクを
組合せて18気筒ピストン機関を構成した本発明の
実施例を示した。各ハウジング部分ブロツク１に
クランクシヤフトの各軸受個所が設けられてお
り、クランクシヤフトは軸受キヤツプ１５を介し
て軸受ブロツク２に支持されている。各ハウジン
グ部分ブロツク１は、クランクシヤフト軸線に対
して垂直方向に延びる分離目地で相互に結合され
ており、これらの各ブロツクは支持要素として連
続して構成した油槽４にフランジ止めしてある。
ハウジング部分ブロツク１の端面は、ピストン機
関が閉鎖されるよう、対応する開口を閉塞する壁
として構成してある。ピストン機関の駆動側に
は、例えば、２サイクル機関の排気フアン、カム
シヤフト駆動機構等のギヤ・ボツクス６が公知の
態様で設けてある。ピストン機関のフライホイー
ル１２とは逆の側には、例えば、オイルポンプ等
を設置できる蓋７が設けてある。

ハウジング部分ブロツク１の端面のボアの配置
が同一であれば、もちろん、ギヤ・ボツクス６お
よび蓋は、逆の端面側に位置することができ、作
製が特に簡単となる。

第１ａ図に、第１図のＡの拡大図として、分離
目地３内にあるクランクシヤフト５の軸受個所１
４の構造を示した。この場合、隣接ハウジング１
の軸受ブロツク２は、相互に隣接しており、軸受
ブラケツト１５を介して軸受ブツシユを保持して
いる。この軸受ブツシユは、公知の態様で、上部
ブツシユ１４′と下部ブツシユ１４″とから成る。
この軸受ブツシユは、まず、双方の軸受ブロツク
２の巾に対応する巾に加工され、次いで、組立状
態において隣接ハウジング部分ブロツク１の分離
目地３の面内にある面に沿つて切断して作製する
のが好ましい。

軸受ブロツクのハメアイ精度を得るため、更
に、軸受個所１４の軸受座をハメアイ形状に切削
加工する前に、ピストン機関のハウジング部分ブ
ロツク１を相互に結合すれば好ましい。ハウジン
グ部分ブロツクの分離目地３を密封するには、剪
断力を伝達できるパツキンを使用するのが有利で
ある。

第２図および第３図に、分離目地領域における
２つのハウジング部分ブロツク１の構造、即ち、
結合状態を示した。第２図から明らかな如く、ク
ランクシヤフト５は、軸受キヤツプ１５によつて
軸受ブロツク２にその軸線方向に対して垂直に保
持されている隣接ハウジング部分ブロツク１を結
合するには、軸受ブロツク２に一連のネジ１３を
通す。ネジ１３′は、タツピングネジとして構成
してあるネジ１３は、第３図から明らかな如く、
交互に配列してあるので、各部分ブロツクは同一
に構成できる。この場合、隣接ハウジング部分ブ
ロツク１の結合は、ネジ１３によつて強固に構成
されているので、その負荷担持力は、公知のハウ
ジングブロツクの結合部のそれよりも大きい。ハ
ウジング部分ブロツク１と油槽４との結合部の負
荷担持力は、部分ブロツク相互の結合部のそれと
少くとも同一である。

６つのシリンダを有するハウジング部分ブロツ
ク１と４つのシリンダを有するハウジング部分ブ
ロツク１とから成るピストン機関の側面図を第４
図に示し、同じく正面図を第５図に示した。ハウ
ジング部分ブロツク１は、フライホイール１２を
有するクランクシヤフト駆動側には、蓋７を備え
ており、対向端には、ギヤ・ボツクス６を備えて
いる。球状黒鉛鋳鉄または高強度の別の材料から
作製した油槽４の両側には、基礎にピストン機関
を固定するための貫通孔を備えた載置板が設けて
ある。

第６図に、第１図の18気筒ピストン機関を示し
た。同図から明らかな如く、第４図の実施例とは
異なり、ギヤ・ボツクス６は駆動側に設けてあ
り、蓋７は対向端に設けてある。

第７図に、それぞれ６つのシリンダを有する２
つのハウジング部分ブロツク１から成る駆動部
と、ピストンを駆動部の対応して延長したクラン
クシヤフトで駆動するようにした圧縮機部分ブロ
ツク１′とを有する本発明に係るピストン機関を
概略的に示した。圧縮機部分ブロツク１′とハウ
ジング部分ブロツク１との間には、油槽４の横壁
１０に密着した中間壁９が設けてある。この横壁
１０は閉じているので、駆動機と従動機について
完全に分離された２つの油槽が得られる。クラン
クシヤフト５の引込個所には、公知のシヤフト密
封材が設けてある。

第８図に、それぞれ６つのシリンダを有する本
発明に係る２つのハウジング部分ブロツク１から
成るピストン機関の略図を示した。この場合、１
つのハウジング部分ブロツクには、クランクシヤ
フト５である１次シヤフトまたは上記クランクシ
ヤフトに枢着した１次シヤフトを有するギヤ・ボ
ツクス１１がフランジ止めしてある。この場合に
も、ギヤ・ボツクス１１と隣接のハウジング部分
ブロツク１とは、中間壁９および油槽４の横壁１
０によつて完全に分離されている。この場合、ハ
ズミ車１２を歯車で置換え得るよう、あるいは、
ハズミ車１２をギヤ・ボツクス１１内に配置でき
るよう、歯車の慣性モーメントを選択できる。

第９，１０図に、Ｖ字形に配置した６つの駆動
シリンダ以外に、更に、クランクシヤフトの高さ
に相互にずらして設けた２つの圧縮機シリンダ１
８を有する本発明に係るハウジング部分ブロツク
１を示した。上記の圧縮機シリンダは、同じく連
結棒を介してクランクシヤフト５によつて駆動さ
れる。上記連結棒は、それぞれ、十字ヘツドガイ
ド１９内を変位できる十字ヘツド２１を介して、
ピストンロツド２３に結合してある。ピストンロ
ツド２３は、ブシユ２４の十字ヘツドガイド１９
に貫入している。第１０図では、簡略化して、圧
縮機シリンダを半分だけ示した。

第１１図に、この種の２つのハウジング部分ブ
ロツクの配置例を示した。この場合、４つの十字
ヘツドガイド１９，１９′，１９″，１９が設け
てある。

本発明は、もちろん、原動機シリースまたは別
の構造形式の原動機にも適用できる。更に、任意
のシリンダ数のシリンダ部分ブロツク（例えば、
８気筒部分ブロツク）を相互に結合することがで
きる。ピストン機関を６気筒ハウジング部分ブロ
ツクと８気筒ハウジング部分ブロツクとから構成
すれば有利である。かくして、４の倍数の気筒数
のピストン機関を構成できる。