JPS6113304Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は内部に発泡部分を形成させたクツシ
ヨン性を有する合成樹脂製モールに関する。

ここでは、合成樹脂製モールとして自動車用サ
イドモールを例にとり説明するがこれに限定され
るものではない。

近年、自動車に用いられるサイドモールは大型
化の傾向があり、大型化による重量増加を避ける
ため内部を中空にしたり、内部を発泡部材（発泡
率２倍以下）で形成していた。しかし、内部を中
空にしてもある程度のかたさや強度が必要であ
り、材質、形状に制限があるため重量の増加は避
けられず、また、内部を発泡部材で形成しても非
発泡部材と発泡部材とを同時押出しするため発泡
倍率が２倍以下のものしかできず、重量増加とな
つていた。

さらに従来のモールとしては、特開昭54−
26025公報に記載されているように、軟質合成樹
脂製の表皮と、発泡部材からなるクツシヨン体
と、装着箇所に応じて所定角度に折曲された表皮
よりも硬質なベースからなり、表皮の両側端部が
該部で圧縮されたクツシヨン体を介してベースの
両側端部に溶着されて、クツシヨン体が表皮とベ
ースとの間に包まれた構成のものがある。

しかしながら、このようなモールを大型モール
に適用した場合、圧縮されたクツシヨン体の復元
作用によりモール表面が波打つ問題が懸念される
とともに、モールの巾方向両側に溶着部分が残る
ため意匠性が劣るという問題があつた。

この考案は上記にかんがみ、重量が軽減され、
フイーリングの良い意匠性に優れた合成樹脂製モ
ールを提供するものである。

この考案の要旨は、５倍以上の発泡倍率を有す
る合成樹脂発泡体からなる帯体を加熱圧縮により
所定形状に塑性変形し、その外周を非発泡性の合
成樹脂で被覆一体化したクツシヨン性を有する合
成樹脂製モールにある。

以下、この考案の一実施例について図面に基づ
き説明する。

自動車用サイドモール（合成樹脂製モール）１
は第１図の断面図に示すように、５倍以上の発泡
倍率を有するポリエチレン、ポリプロピレン、変
形ポリプロピレン等の合成樹脂発泡体からなる帯
体２を予備成形するため加熱し所定の形状に圧縮
し塑性変形した後、帯体２の外表面を軟質塩化ビ
ニル等の非発泡性の合成樹脂によつて被覆層３を
形成した構成のものである。なお、帯体２の発泡
倍率は自動車用サイドモール１の大型化による重
量増加を減少するため５倍以上を必要とするが成
形性等を考慮すると５〜15倍の発泡倍率とするこ
とが好ましい。また、被覆層３は１〜２mm位が好
ましい。そして、このクツシヨン性を有するサイ
ドモール１は底部に両面接着テープ（図示せず）
等を貼着し被取付け体に接着される。

この考案のクツシヨン性を有するサイドモール
１の製法は、第２図に示すように、まず帯体２を
予備成形するため、公知の製法にて作成した５倍
以上の発泡倍率を有するポリエチレン等の合成樹
脂発泡体からなる帯体２を加熱装置４で加熱後、
型付ロール５により圧縮し所定形状に塑性変形す
る。次に、この帯体２を押出機６を通し、ダイ７
にて帯体２の表面に塩化ビニル等の合成樹脂被覆
層８を形成した状態で押出し、冷却後、引取り機
で移送してカツタで所定寸法に切断しサイドモー
ル１を得るものである。なお、帯体２と被覆層３
を強固に接着させる場合は、予備成形した帯体２
の表面に接着剤を塗布した後、その表面に被覆層
３を押出すようにすればよい。

この考案は上記のような構成としたので、合成
樹脂製モールの比重が従来の内部中空形状や内部
発泡の合成樹脂製モールの半分以下となり比重が
軽減される。また、帯体が５倍以上の発泡倍率を
有するため接触時等ソフト感があり、フイーリン
グに優れるとともに、帯体に塑性変形した合成樹
脂発泡体を用いているため、発泡体の復元作用は
ほとんどなく、大型モールに適用してもモール表
面に波打ち現象は現われず、美観にすぐれた合成
樹脂製モールを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のクツシヨン性を有する合成
樹脂製モールの一実施例を示す断面図。第２図は
合成樹脂製モールの製造工程説明図である。 １……サイドモール（合成樹脂製モール）、２
……帯体、３……被覆層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ５倍以上の発泡倍率を有する合成樹脂発泡体か
   らなる帯体を加熱圧縮により所定形状に塑性変形
   し、その外周を非発泡性の合成樹脂で被覆一体化
   した構成のクツシヨン性を有する合成樹脂製モー
   ル。