JPS6059723B2 - 正特性サ−ミスタの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は正特性サーミスタの製造方法に関する。

正特性サーミスタとは、正の抵抗温度係数を有するチタ
ン酸バリウム系半導体磁器のことである。この正特性サ
ーミスタは、キュリー温度を適、警’６一、田に→ 呼
１１゛− ゛ 、Ａ、イ゛一４１に金↓【■ヤ身、ｊ
’口゛ ゛− ること、またキュリー温度を超えると抵
抗値が急激に増加して電流を絞る自己温度制御機能を有
し過熱の危険がないこと等の優れた特長があり、最近各
種の発熱装置の発熱体として使用されるようになつてき
た。 第１図は正特性サーミスタの一般的な構造を示す
説明図である。図に示す如く、正特性サーミスタは、薄
円板状に形成された正特性サーミスタ素体１の両面１ａ
、ｌｂにＮｉ無電解メッキ層２、２を被着し、更にこの
Ｎｉ無電解メッキ層２、２の全表面に銀電極３、４を被
着した構成である。 第１図に示す正特性サーミスタは
、第２図に示すような工程を径て製造される。すなわち
正特性サーミスタ素体１の両面１ａ、ｌｂを平面ラップ
等で研磨レた後、該正特性サーミスタ素体１に対してＮ
ｉ無電解メッキ処理を施し、その全表面をＮｉ無電解メ
ッキ層２によつて覆う。次に両面１ａ、ｌｂ上に被着さ
れているＮｉ無電解メッキ１２の全面に銀合金ペースト
スクリーン印刷等の方法により銀電極３、４を被着する
。次に熱処理工程など必要な処理を施した後、センタレ
ス研磨によつて、正特性サーミスタ素体１の外周部に被
着されたＮｉ無電解メッキ層２ａを削除する。 第３図
Ａ、Ｂは上述のセンタス研磨の詳細を示す説明図である
。図に示す如くセンタレス研磨は、電極３，４を被着し
た後の正特性サーミスタをｗ個〜ｂ個重ね、これを、砥
石５とゴムローラ６との間に接して配置すると共に、ブ
レード板７、ストッパ８および押棒９等で押圧保持し、
前記砥石５およびゴムローラ６を矢印Ａ，ｂの方向に回
転させて行なう。正特性サーミスタ群は、ゴムローラ６
の弾発力を受けて回転している砥石５の外周に圧接され
、それによつて外周部のＮｉ無電解メッキ層２ａが削除
される。しかし上述の正特性サーミスタの製造方法は、
両面１ａ，１ｂの全子面上に銀電極３，４を被着した正
特性サーミスタを１０−拓個程度一連に重ね、これを一
度にセンタレス研磨する方法であるから次のような欠点
がある。

（１）正特性サーミスタ素体１の外周部に被着されたＮ
ｉ無電解メッキ層２ａだけをセンタレス研磨しようとし
ても、銀電極３，４が正特性サーミスタ素体１の両面１
ａ，１ｂの全平面上に被着されているため、Ｎ１無電解
メッキ層２ａと一諸に銀電極３，４の外周部も研削され
てしまう。この結果、第４図に示す如く、隣接する正特
性サーミスタの銀電極３，４相互が、その外周部分で互
に絡み合い、互に連絡されたような状態になるため、隣
接する正特性サーミスタ相互を互に分離するのが非常に
面倒かつ因難になる。正特性サーミスタを一個づつセン
タレス研磨にかければ上述のような欠点はなくなるが、
それではセンタレス研磨作業能率が悪く実用に向かない
。（２）センタレス研磨中に注水された水が、隣接す．
る正特性サーミスタの銀電極間隙間に侵入し、薄い水膜
が形成されるため、正特性サーミスタ相互が一層強く密
着し、正特性サーミスタ相互の分離がさらに因難になる
。

（３）しかも正特性サーミスタ相互は、表面が非常一に
フラットな銀電極全面で互に密着しており、前記水膜に
よる密着性が非常に強く、かつ正特性サーミスタを互に
分離するための手掛りが全くなく分離作業がよソー層因
難になる。本発明は上述のような分離作業の因難性を伴
わ−ない正特性サーミスタの製造方法を提供することを
目的とするものである。

上記目的を達成するため本発明は、それぞれ両面に電極
を被着した複数個の正特性サーミスタを一連に重ね、そ
の外周部を同時に研磨する正特性サーミスタの製造方法
において、前記電極を前記面の外周部よりは内側にかつ
周囲よりは高くなる如く被着させることを特徴とする。

以下実施例たる添付図面を参照し本発明の内容を詳説す
る。第５図は本発明に係る正特性サーミスタの製造方法
の説明図である。この実施例では正特性サーミスタ素体
１の全表面にＮｉ無電解メッキ層２を被着した後、正特
性サーミスタ素体１の両面１ａ，１ｂ上のＮｉ無電解メ
ッキ層２上に、該Ｎｉ無電解メッキ層２を含む正特性サ
ーミスタ素体１の外周径よりは小径の銀電極３″，４″
を被着してある。上述のような構成の正特性サーミスタ
を、第３図に示す如く、１０〜ｂ個程度一連に重ねた場
合、各正特性サーミスタの間には、銀電極３″と銀電極
４″の厚みの和だけの間隙ｄが形成されることになる。
この結果第３図に示したセンタレス研磨を行なつた場合
、銀電極３″，４″が研磨されることがないから、銀電
極３″，４″の絡み、展延を生じることがない。しかも
間隙ｄが存在することで水の薄膜による密着性も極めて
弱くなるし、更に正特性サーミスタを互に分離する際の
手掛を与えることにもなる。したがつて、センタレス研
磨後の正特性サーミスタの相互分離が非常に容易になり
、作業能率が著しく向上する。本発明者の実験によると
、前述の間隔ｄは０．０１〜０．１順程度であればよく
、銀電極３″，４″の厚みも通常の値で充分であること
が解つた。

第６図は本発明に係る正特性サーミスタの製造方法の別
の実施例における説明図を示している。

この実施例の特徴は、正特性サーミスタ素体１の中央部
１ａをその周囲より高くし、この中央部１ａ上に被着さ
れたＮｉ無電解メッキ層２上に、銀電極３″，４″を被
着したことである。このような構成にしても第３図に示
すセンタレス研磨を行なつた場合も、正特性サーミスタ
間に間隔ｄが形成され、かつ銀電極３″，４″の研磨を
避けることができるから同様の効果を得ることができる
。しかもこの実施例の場合は中央部１ａの高さを自由に
変えることができから、間隔ｄを任意の値に選定し得る
利点がある。以上詳説する如く、本発明はそれぞれ両面
に電極を被着した複数個の正特性サーミスタを一連に重
ね、その外周部を同時に研磨する正特性サーミスタの製
造方法において、前記電極を前記面の外周部よりは内側
にかつ周囲よりは高くなる如く被着し、前記電極より外
側の外周部を研磨することを特徴とするから、次のよう
な効果がある。

（１）センタレス研磨時に電極が研磨されるのを避け、
電極相互の絡みをなくして正特性サーミスタ相互を簡単
に分離することができる。（２）正特性サーミスタ相互
間に間隔を形成し、センタレス研磨時の注水に基づく密
着性を弱め、正特性サーミスタの分離性を良好にするこ
とができる。

（３）同時に間隔ｄの存在により、分離の際の手掛りが
得られ、正特性サーミスタを容易に分離することができ
るようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は正特性サーミスタの断面図、第２図は正特性サ
ーミスタの製造工程のフローチヤ丁卜、第３図はセンタ
レス研磨の説明図、第４図はセンタレス研磨の電極の絡
みを説明する説明図、第５図は本発明に係る正特性サー
ミスタの製造方法を示す説明図、第６図は同じく他の実
施例における説明図をそれぞれ示している。 １・・・・・・正特性サーミスタ素体。 １ａ，１ｂ・・面、２・・・・・・Ｎｉ無電解メッキ層
、３，３″，４，４″・・・・・・銀電極、５・・・・
・・砥石、６・・・・・ゴムローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ それぞれ両面に電極を被着した複数個の正特性サー
   ミスタを一連に重ね、その外周部を同時に研磨する正特
   性サーミスタの製造方法において、前記電極を面の外周
   部よりは内側にかつ周囲よりは高くなる如く被着し、前
   記電極より外側の外周部を研磨することを特徴とする正
   特性サーミスタの製造方法。 ２ 平面状の両面を有する正特性サーミスタ素体の全表
   面にＮｉ無電解メッキ層を形成した後、前記両面上に位
   置するＮｉ無電解メッキ層上に前記正特性サーミスタ素
   体の前面両面の径よりは小径の銀電極を被着することを
   特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の製造方法。 ３ 中央部を突出させた両面を有する正特性サーミスタ
   素体の全表面にＮｉ無電解メッキ層を形成した後、前記
   中央部上に位置するＮｉ無電解メッキ層上に銀電極を被
   着することを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の
   製造方法。