JPS6041199Y2 - 埋込式ユニツトバス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、埋込式ユニットバスの改善された新しい構造
の提供に関する。

従来のユニットバスは、洗い場（流し）となる防水パン
の上面に、浴槽本体を単に載置状に据え置く型式のため
、入浴の都度、浴槽本体の周壁をまたいで入らねばなら
ず、きわめて不都合であると共に湯の汲み出し等にも不
便である。

又浴槽本体と洗い場（流し）とを一体に成形したキュー
ビックタイプのユニットバスにおいても、この点は同様
であり、最近ではこのキュービックタイプのもので、そ
の浴槽部分と洗い場（流し）の底面レベルを高低に相違
させて底形し、その欠点を補なうようにしたものもある
が、これらキュービックタイプのものでは一体成形のた
め、例えば浴槽のみの取替え等は不可能である点におい
て問題がある。

これらに代って防水パンの浴槽設置位置に開口部を設け
、この開口部に浴槽本体を落し込み状に嵌設するタイプ
のものも開発されているが、この新型式のものでは、防
水パンと浴槽本体の取付部分の構造において、その水密
性や、更に浴槽本体の位置決め等の点で、工作施工が面
倒であって水洩れ事故等のトラブルの生じ易い欠点があ
る。

本考案はこのような防水パンに対する浴槽本体の落し込
み状設置構造を改善したものであり、その特徴とする処
は、防水パンの所定位置にその上面に水密シール構造を
具備した開口部を開設し、浴槽本体の胴部における高さ
方向中間の全周に亘って水切面を兼用すると共にレベル
出し用の係止ストッパーを張り出し状に突設し、浴槽本
体の前記係止ストッパーを前記開口部にその水密シール
構造を介して水密に係止させ、該ストッパー以下の浴槽
部分を落し込み状に設置した点にある。

以下図示の実施例について本考案を詳述すると、第１図
は本考案における防水パン要部の斜視図、第２図は同パ
ンと浴槽本体の全体斜視図、第３図はバックバンガー例
の斜面図、第４，５図は本考案による設置構造要部の各
縦断側面及び正面図を示しているが、第１図乃至第３図
において、１は洗い場（流し）兼浴槽設置体となる防水
パンであり、周知のようにプラスチックその他の防水性
の成形材料によって形成され、その一側は洗い場（流し
）ｌａとされると共にこの反対側は浴槽設置部１ｂとさ
れ、この浴槽設置部１ｂには浴槽の落し込み用開口部２
が、目的の浴槽の断面形状に合せて開設される。

この開口部２の開口周縁２ａは、第１図における拡大断
面のような折曲縁形状とされ、開口部！ｔ２ａの上面に
は全長に亘ってコンブリフォーム材のようなシール材３
が配置される。

その他図例の防水パン１において、浴槽設置部１ｂは洗
い場１ａよりも高位にあるようにされ、従ってパン１の
底部は高低２段状とされると共に、洗い場１ａと浴槽設
置部１ｂとの境界部分は第４図にも示されるように、排
水用トラップ４を具備した最も低い部分とされ、洗い場
１ａはこれに向って傾斜するような斜面形状のものとさ
れ、１ｃはパン全周に亘って形成される周側縁を示して
いる。

尚排水トラップの位置や洗い場傾斜等は勿論自由に設計
できる。

５は本考案に係る浴槽本体であり、その素材や断面形状
は勿論自由であるが、図例では折曲頂縁５ａを有する上
広下狭状の胴部５ｂの外周壁面の全周に亘り、所定高さ
の位置に水切を兼用すると共にレベル出し用の係止スト
ッパー５ｃが設けられる。

即ちストッパー５０は胴部外周壁面に接着その他によっ
て固定された添接壁部分と、この添接壁部分の下端より
外方に向い若干下向き傾斜状に張り出される帳出壁部分
とから戒る略り形の形状のものであり、その他５ｄは洗
い場１ａに向う側の周側面において折曲頂縁５ａを利用
して下向きに突設された壁状のエプロンであり、５ｅは
浴槽本体５の底部裏面における支承凸部を示している。

この浴槽本体５の取付けは、第２図及び第４．５図に示
すように、浴槽本体５の胴部５ｂを防水パン１の開口部
２内に落し込み状に装入し、その胴部５ｂにおける係止
ストッパー５０が開口部２の開口周縁２ａ上に、シール
材３を介して係止されるのを限度としてその据え込みが
完了腰浴槽本体５はその係止ストッパー５０が同本体５
の据え込みレベル出しとして働き、パン１上における胴
部５ｂの突出高さを好適な位置に決定できるのである。

これら防水パン１浴槽本体５のユニットバスとしての設
置構造は自由であるが、図例では第１，２図及び第４，
５図に例示した構造を１例として示す。

即ち防水パン１はその底部を所要高さに設置したブロッ
クその他による複数の受台６上にモルタル等の接着結合
材７、支持脚部乃至脚壁８を介して支持固定させるが、
このさい特に第５図で明かなように一部の受台６による
支持固定部分ではパン１の設置高さの調整可能であるよ
うに、受台６側に下端を固定乃至植設した支持ボルト９
上に、パン１の周側縁１ｃの一部に亘って付設した支持
片１０の支持座金１０ａ等を遊嵌し、これを固定ナツト
１１等で任意位置に固定できるようにする等して、パン
全体の設置高さの調整が可能であるようにする。

勿論調整構造は図例のみに止まらない。

これに対し浴槽本体５の固定支持は、第４，５図のよう
にその落し込まれた本体５の底部における支承凸部５ｅ
を、別の同じくブロック等による受台１２上のモルタル
等の接着結合材７を介して接着固定させるのであり、又
防水パン１の４周には従来のユニットバスト同様に、壁
パネル、出入口等が設けられるが、壁パネル１３の下端
をパン１の周側、ｔｔｌｃの頂面に、適宜の水密シール
材、周側縁１ｃとパネル１３の下端を共通に固定できる
固定支持部材等を用いて固定立設することになり、パネ
ル１３の一部には出入口、扉等の設けられることも従来
のユニットバス型式と同様であって差支えない。

このさい壁パネル１３の内、前記浴槽本体５の周側に接
する一部パネルには、第３図のようにバックハンガー１
４を付設し、同ハンガー１４に浴槽本体５の折曲頂縁５
ａを第５図示のように係合させるようにしてもよい。

その他図例において、１５は防水パン１側の排水管、１
６は浴槽本体１側の排水管、１７は屋外焚口、１８は家
屋の外壁パネルを夫々示している。

本考案のユニットバスによれば、従来型式のものに比し
以下の点において優れた利点がある。

即ち本考案では、防水パン１の開口部２内に浴槽本体５
の下部を落し込み状に取付けて、浴槽本体５の洗い場１
ａ上における胴部５ｂの露出高さを好適に低くして、浴
槽出入に不都合を生じないようにするに当り、胴部５ｂ
の外周壁面全周に亘って係止ストッパー５０を張出し状
に突設し、これを開口部２の開口周縁２ａ上に係止させ
ることにより、ストッパー５０は落し込みレベルのレベ
ル出しとして、浴槽本体５を所望の高さにその上部が突
出するように正確安定に位置決めできるものであり、落
し込み据え付は施工も容易化される。

同時に第４，５図の断面図で明かなように、ストッパー
５０とシール材３を介しての開口周縁２ａ側との一体化
によって、この位置で胴部５ｂを上下に遮断し、浴槽本
体５から溢れ出る湯水はストッパー５０の外表より防水
パン１の周側縁１ｃと相まって、湯水を排水トラップ４
のある洗い場１ａ側に確実に流出させる水切面として有
効に働き、開口部２より下位のユニットバスの底部設置
側に漏水事故等を全く生じないのである。

このさい係止ストッパー５０の開口周縁２ａへの保合は
、周縁２ａ上に介設されるシール材３を緊密に圧縮加圧
することとなって、水封効果は更に確実化され、洗い場
１ａにおける湯水の使用時のはね返りが浸水するおそれ
も生じないのであり、従来の落し込みタイプのものに比
し、施工容易であると共に浴槽本体５の正確安定な位置
決め、更に開口部２における取付構造において、水密性
を著しく向上させる点において優れ、その係止ストッパ
ー５Ｃも実施例のように別体のものを取付けても、ある
いは本体５と一体に成形突出させることも容易であり、
又これによれば浴槽本体５、防水パン１のみの交換補修
も可能となるもので、埋込式ユニットバスの新しいタイ
プとして優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による防水パン要部の斜面図、第２図は
同パンと浴槽本体実施例の分解斜面図、第３図はバック
バンガー設置例図、第４図は本考案バス実施例の組立状
態における縦断側面図、第５図は同縦断正面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 防水パンの所定位置にその上面に水密シール構造を具備
   した開口部を開設し、浴槽本体の胴部における高さ方向
   中間の全周に亘って水切面を兼用すると共にレベル出し
   用の係止ストッパーを張り出し状に突設し、浴槽本体の
   前記係止ストッパーを前記開口部にその水密シール構造
   を介して水密に係止させ、該ストッパー以下の浴槽部分
   を落し込み状に設置したことを特徴とする埋込式ユニッ
   トバス。