JPS6031137Y2 - 小型電子機器におけるスライドスイツチ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は小型電子機器に設けられるスライドスイッチ構
造の改良に関する。

小型電子式計算機などの小型電子機器において例えば電
源スィッチ、切換スイッチとして設けられるスライドス
イッチは、操作用スライド摘みを機器ケースの上部に設
ける形式のものと、スライド摘みを機器ケースの側部に
設ける形式のものとがあるが、前者のものは機器ケース
上部のスライド摘みを操作することによりスライド摘み
に設けられた可動接点を回路基板上面に設けた固定接点
に接触させるものであるために、機器ケースとスライド
摘みの厚みが重層して機器全体が厚くなってしまうとい
う問題をもっていた。

これに対して後者のものはスライド摘みが小型電子機器
の側部にあるために薄形化を図れるが、従来はスイッチ
ボックス内に可動接点と固定接点を組込んだ市販のスイ
ッチユニットを用いて回路基板上の端子とリード線等に
より接続しているために、部品点数が多く且つ大型化し
てしまう等の欠点があった。

本考案は前記事情に基づいてなされたもので、スライド
摘みを機器ケース側部に設けたものでありながら、回路
基板冗面固定接点を設けてこれに可動接点を接触させる
こととができるようにした、スイッチユニットを用いる
ものに比べて部品点数を少なくすることができる小型電
子機器におけるスライドスイッチ構造を提供することを
目的とするものである。

本考案の要旨とするところはケース側部に前記開口に対
して該側部より没入する段部を設けるとともに、前記ケ
ースに少なくとも前記段部と平行に対向する側壁を一体
成形し、かつ前記側壁下面に前記固定接点を有する回路
基板を配置して前記ケース内部にスイッチ空間部を形威
し、このスイツチ空間部に前記可動接点を前記回路基板
と平行な面で保持するスライドボードを設け、前記スラ
イド摘みの摘み部を前記ケースの段部に嵌合するととも
に、該スライド摘みの摘み部を前記ケースの開口からケ
ース内方に延出して、前記スライド摘みと前記スライド
ボードを連結したことを特徴とする、小型電子機器にお
けるスライドスイッチ構造にある。

以下、本考案を図面で示す一実施例について説明する。

第１図は本考案を実施した小型電子式計算機を示し、図
中１は上部ケース、２は下部ケース、３は上部ケース１
に設けた操作用押釦遊嵌孔、４は上部ケースに設けた表
示部、５は化粧板であり、スライドスイッチは上部ケー
ス１の側部に設けである。

スライドスイッチの構造を第２図ないし第４図について
述べる。

上部ケース１の側部のコーナ部付近所定個所即ち、その
側面と上面にかけて直角に開口した案内部６が設けてあ
り、この案内部６はスライド摘みのスライドストローク
に対応した長さをもってケース側部方向に沿って形成さ
れる。

案内部６の内側両端部にはケース側部より没入する段部
６ａｔ６ａが形威され、これら段部６ａ、６ａで挾まれ
た中央部には内外側を連通ずる中央口６ｂが開口してい
る。

上部ケース１の内部には案内部６を囲むようにスイッチ
空間部７が形威してあり、この空間部７の周壁のうち案
内部６と平行な側壁７ａには案内部６の中央口６ｂと対
向して位置決め用突起７ｂが形威しである。

なお、上部ケース１に被せる化粧板５には上部ケース１
の案内部６と対応して切欠部８が形威しである。

また図中９はスライド摘みであり、これは上部ケース１
の段部６ａ、６ｂにスライド可能に支持される断面り字
状の摘み部９ａと、この摘み部９ａの側部から直角に突
出した係合腕９ｂとを有し、この係合腕９ｂの先端から
下方に延出した幅広部が係合部９ｃを形成している。

図中１０は短形板をなすスライドボードで、その上面中
央には係合腕９ｂより広幅な係合部ｌｅａが形威され、
下面中央には突起１０ｂが形威されており、且つ空間部
７の側壁７ａに面した側部中央には空所１０ｃを介して
弾性力を有する位置決め用突起１０ｄが形威してあり、
側部両端には抜出防止用の突起ｌｅｅ、１０ｅが形威し
である。

図中１１は弾性力を有する山形の可動接点で、中央部が
スライドボード１０下面に突起１０ｂを介して取付けら
れ、両端部１１ａ、ｌｌｂが回路基板上に接触する。

図中１２は上部ケース１内部に層構造的に設けられる回
路基板で、その側部上面にはスライドスイッチのストロ
ークに対応した間隔を存して銅箔からなる固定接点１３
．１３’が形威しである。

そして、このスライドスイッチを組立てる場合には、ス
ライド摘み９を上部ケース１の案内部に嵌合し、スライ
ド摘み９の係合部９ｃを空間部７の側壁７ａに係合させ
スライドボード１０を上部ケース１の空間部７内部に設
けてスライド摘み９と連結する。

すなわち、スライド摘み９は摘み部９ａを案内部６に嵌
合して段部６ａ、６ａとスライド可能に組合わせ、係合
部９ｃを側壁７ａに係合させ、係合腕９ｂを中央口６ｂ
を介して空間部７内部に挿入する。

スライドボード１０は空間部７に設けて上面係合部１０
ａをスライド摘み９の係合腕９ｂと係合させ側部の突起
１０ｄを側壁７ａのの突起７ｂと弾性的に係合当接させ
る。

なお、係合腕９ｂはスライドボード１０上面において係
合部１０ａとある程度の隙間を有して遊合し、係合腕９
ｂの先端の係合部９ｃを側壁７ａとその長手方向（スラ
イド方向）に沿って係合することにより、スライドボー
ド１０はスライド方向に対して遊びを有するが水平面上
で回動しないようにしてスライド摘み９と係合する。

また、スライドボード１０下面に取付けた可動接点１１
は両端部１１ａ、ｌｌｂを回路基板１２上面の固定接点
１３．１３’に接触させる。

なお、可動接点１１の一端部１１ａはスライド動作に拘
わらず常時一方の固定接点１３と接触し、他端部１１ｂ
はスライド動作に応じて他方の固定接点１３′と接離す
る如く設定する。

しかして、このスライドスイッチを操作する場合には、
手で摘み部９ａを押してスライド摘み全体を案内部６に
案内されて図示Ａ方向およびＢ方向にスライドする。

例えば第３図で示すようにスライド摘み９がＡ方向にス
ライドすると、その動作力は係合腕９ｂを介してスライ
ドボート１０に伝達され、スライドボード１０は一諸に
へ方向へ移動する。

係合腕９ｂが案内部６の中央口６ｂの一端に当って停止
する直前にスライドボード１０の突起１０ｄが側壁７ａ
の突起７ｂを乗り越えてスイッチ操作にクリック感を与
えるとともに、スライド摘み９とスライドボード１０の
Ａ方向位置を保持する。

スライドボード１０と一諸に可動接点１１がスライドし
、その他端部１１ｂが回路基板１２の固定接点１３′と
接触する。

このため、可動接点１１を介して両方の固定接点１３，
１３′が接続され回路が開成される。

また、第４図で示すようにスライド摘み９をＢ方向に移
動すると、スライドボード１０も一諸にＢ方向に移動す
る。

可動接点１１もスライドボード１０と一諸に移動し、他
端部１１ｂが回路基板１２上の固定接点１３′から離れ
るため、固定接点１３と固定接点１３′は接続されず回
路は開放される。

なお、このときも、保合腕９ｂが中央口６ｂの端部に停
止し、突起１０ｄと突起７ｂとの作用でクリック感が与
えられる。

このようにスライドスイッチにおいてスライド動作を行
なう場合に、上部ケース１の側部をスライドするスライ
ド摘み９の動作力は、係合腕９と係合部１０ａとの保合
部で方向転換して、回路基板１２をスライドするスライ
ドボード１０に伝達される。

このため、スライド摘み９は上部ケース１側部方向の動
作力で動作し、スライドボード１０は上部ケース１の上
面方向（すなわち、上部のスライド摘みを設けてスライ
ドさせる場合に相当する）の動作力で動作する。

なお、スライドスイッチではスライド摘み９とスライド
ボード１０とを分離して、スライド摘み９の係合腕９ｂ
をスライドボード１０の係合部１０ａに遊合状態で係合
しであるので、スライド摘み９の動作力を間接的に伝達
して無理なく方向転換腰スライドボード１０と可動接点
１１の変位や回動を防止して安定して確実なスイッチ動
作を行なえる。

また、スライド摘み９はスライドストロークに対応した
長さに形成された中央口６ｂの両側の段部６ａ、６ａに
より往復動作を制限されるよう構成されているので、ス
ライドボード１０のストロークを定める規制部材が不要
となり構造を簡単にし得る。

なお、上記実施例においては、ケースの側壁７ａの位置
決め用突起７ｂとスライドボード１０の弾性力を有する
位置決め用突起１０ｄとよってスイッチ操作にクリック
感を与えるようにしているが、このクリック機構は他の
構成としてもよいし、さらにクリック機構をなくしても
よい。

また、スライドストロークの規制は中央口６ｂの両側の
段部６ａ、６ｂによるものとしているが、これに限らず
スライド摘み９の摘み部９ａが案内部６の両端部に当接
する位置をスライドストロークに対応させてもよいし、
係合腕９ｂに対する摘み部９ａを非対称としたり中央口
の位置を偏位させる事等により、スライドストロークの
一方の規制を摘み部９ａと案内部６の一端部の当接によ
り、他方の規制を係合腕９ｂと中央口の一方の段部ωの
当接による如くすることも可能で、要はケース側部に設
けた開口によりスライド摘みのストローク長を規制し得
るようにすれば良い。

さらに、スライド摘み部９ａとスライドボード１０の係
合部ｌｅａとの連結は保合部ｌｅａを凹状に形成する構
成に限らず、摘み部９ａに凹部を設けて係合部１０ａを
凸状にする等のこの両者が凹凸の対で嵌合されるよう構
成されれば良い。

また、スライド摘み９の摘み部９ａの形状並びに配置個
所もケース上部のコーナ一部付近、即ちケース側面から
上面に亘るよう設ける必要はなく、ケース側面のみに設
けて良い。

この場合は、スライド摘み９の摘み部９ａを垂直板状に
形威し、ケース側の段部６ａ、６ａを垂直壁状のものと
すればよい。

さらに、スライド摘み９とスライドボード１０とは一体
に連結形成したものとしてもよい。

本考案は上述した小型電子式電算機のみに限られるもの
ではなく、他の種々の小型電子機器に対して幅広く適用
し得るものであり、更に上述した点以外の構成について
も本考案の要旨を逸脱しない範囲において種々変更でき
る。

本考案の小型電子機器におけるスライドスイッチ構造に
よれば、ケース側部に前記開口に対応して該側部より没
入する段部を設けるとともに、前記ケースに少なくとも
前記段部と平行に対向する側壁を一体成形し、かつ、前
記側壁下面に前記固定接点を有する回路基板を配置して
前記ケース内部にスイッチ空間部を形成し、このスイッ
チ空間部に前記可動接点を前記回路基板と平行な面で保
持するスライドボードを設け、前記スライド摘みの摘み
部を前記ケースの段部に嵌合するとともに、該スライド
摘みの摘み部を前記ケースの開口からケース内方に延出
して、前記スライドボードを連結しているから、スライ
ドスイッチ構造を薄型にして小型電子機器の薄型化を図
ることができるとともに、スイッチボックス内に可動接
点と固定接点を組込んだスイッチユニットを用いている
従来の小型電子機器に比べてスライドスイッチ部の部品
点数を少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のスライドスイッチを実施した小型電子
式計算機の一例を示す斜視図、第２図はスライドスイッ
チの一実施例を示す分解斜視図、第３図および第４図は
各々スライドスイッチの動作を示す断面図である。 １・・・・・・上部ケース、２・・・・・・下部ケース
、６・・・・・・案内部、７・・・・・・空間部、９・
・・・・・スライド摘み、１０・・・・・・スライドボ
ード、１１・・・・・・可動接点、１２・・・・・・回
路基板、１３，１３’・・・・・・固定接点。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケース側部の開口より表出したスライド摘みの摘み部を
   前記ケース側部と平行な面で往復動作し、この動作に応
   じてスライド動作する可動接点を前記ケース側部に対し
   直交して配置された回路基板上の固定接点と接離させる
   スライドスイッチ構造において、前記ケース側部に前記
   開口に対応して該側部より没入する段部を設けるととも
   に、前記ケースに少なくとも前記段部と平行に対向する
   側壁を一体成形し、かつ、前記側壁下面に前記固定接点
   を有する回路基板を配置して前記ケース内部にスイッチ
   空間部を形威し、このスイッチ空間部に前記可動接点を
   前記回路基板と平行な面で保持するスライドボードを設
   け、前記スライド摘みの摘み部を前記ケースの段部に嵌
   合するとともに、該スライド摘みの摘み部を前記ケース
   開口からケース内方に延出して、前記スライド摘みと前
   記スライドボードを連結したことを特徴とする、小型電
   子機器におけるスライドスイッチ構造。