JPS6030141Y2 - 動力舵取装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は動力舵取装置に関し、特にトラック等の大型車
両に用いて好適な動力舵取装置に関する。

従来、トラック等の大型車両では、舵取バンドルのメイ
ンシャフトが垂直に近い方向に配設されることや、シャ
シフレームに対するエンジンや操向車輪の取付位置の関
係から、通常、ボールネジ式動力舵取装置が用いられ、
その軸方向を略垂直方向に配設してシャシフレームに取
付けていた。

しかしながら、軸方向を垂直方向としたときには、その
軸方向長さ関係から運転席を高位置に設けなければなら
ず、またボールネジ式動力舵取装置はそれ自体の樹皮が
複雑で高価であるばかりでなく、多数の構成部品間の遊
びや各部品の弾性変形等によりステアリング剛性が小さ
いという問題点があった。

ところで、小型車両ではラックピニオン式動力舵取装置
を用いたものが知られている。

このラックピニオン式動力舵取装置は上記ボールネジ式
動力舵取装置に比較して部品点数が少ないため安価に製
造でき、またステアリング剛性を高めることができると
いう利点があるが、その構造上、車両の進行方向に対し
て直交する方向に配設されることから、従来、大型車両
にはその取付スペースを確保することが困難と考えられ
ていた。

本考案は上述の点に鑑み、ラックピニオン式動力舵取装
置を従来型舵取装置のドラッグリンク部に置換えて車両
の前後方向に配設することにより、トラック等の大型車
両にも上記ラックピニオン式動力舵取装置を極めて容易
に搭載することができるようにしたものである。

以下図示実施例について本考案に説明すると、図におい
て、１はトラック等の大型車両のシャシフレーム、２は
運転席、３は操向車輪である。

従来公知のラックピニオン式動力舵取装置（以下、ＲＰ
ＰＳと記す。

）４は、その軸方向すなわちラック軸５の軸方向をほぼ
車両の後方向に沿うように配設してあり、その本体６の
前方側末端部を上記シャシフレーム１に枢支している。

本体６の後方側末端部から摺動自在に突出している上記
ラック軸５は、図示しないポールスタッドおよびナック
ルアーム７を介して上記操向車輪３に連動している。

また、上記本体６内において、上記ラック軸５に刻設し
たラック歯に噛合うピニオン（図示せず）を介してその
ラック軸５に連動する入力軸８は、一対の自在継手９お
よび両自在継手間のスプライン嵌合部１０を介して舵取
ハンドル１１に連結したメインシャフト１２に連動して
いる。

上記一対の自在継手９とスプライン嵌合部１０とから成
る連結手段１３は従来周知のものであり、特に大型車両
において運転席２回りがいわゆるチルトキャビン式とな
っているものにおいては一般に採用されている連結手段
なので、その連結手段をそのまま利用することができる
。

なお、この連結手段１３としては他の構威のものでもよ
く、また図示しないが左右の操向車輪３間はタイロッド
アーム及びタイロッドにより相互に連動されていること
は勿論である。

さらに、ＲＰＰＳ ４には油圧回路が接続されているこ
とも勿論である。

以上の構成を有するため、舵取ハンドル１１を操舵すれ
ばその回転はメインシャフト１２および連結手段１３を
介して入力軸８に伝達され、従来公知のＲＰＰＳ４の作
動から明らかなように、入力軸８の回転方向に応じて油
圧回路が切換わり、本体６内の図示しないパワーシリン
ダ内に高圧油が導入される。

するとラック軸５は上記入力軸８のピニオンからの作用
力および油圧により本体６に対して軸方向に変位され、
このラック軸５の作動はポールスタッド、ナックルアー
ム７を介して操向車輪３に伝達されこれを偏向させる。

そして、操向車輪３の偏向や車両走行時の操向車輪３と
シャシフレーム１間の相対変位によって生じるＲＰＰＳ
４本体６のシャシフレーム１に対する変位は、その本
体６とシャシフレーム１との枢支部および上記連結手段
１３によって吸収され、舵取ハンドル１１に伝達される
ことはない。

以上のように、本考案においてはラックピニオン式動力
舵取装置を車両のほぼ車両の前後方向に配設しているの
で、特にトラック等の大型車両においてこれを直交方向
に配設する場合に比して極めて容易に取付はスペースを
確保することが可能になり、しかもそのように配設する
ことにより従来に比して運転席を低位置に設けることが
可能となるという優れた効果が得られる。

そしてまた、ラックピニオン式動力舵取装置を用いるこ
とにより舵取装置を安価に製造できるとともにステアリ
ング剛性を高めることができるという利点がある。

特に本考案によれば、従来多用されているポールナツト
式動力舵取装置を用いているものにおいて、そのドラッ
クリンク部に代え、車両ばね下荷重構成するラックピニ
オン式動力舵取装置を適用することにより、容易に低床
型の舵取機構を構威し得るという汎用性に優れた利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す概略の側面図である。 １・・・・・・シャシフレーム、４・・・・・・ラック
ピニオン式動力舵取装置、５・・・・・・ラック軸、６
・・・・・・本体、８・・・・・・入力軸、１１・・・
・・・舵取ハンドル、１３・曲・連結手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ラックピニオン式動力舵取装置を車両のほぼ前後方向に
   配設し、その本体を車両のシャシフレームに車両ばね下
   荷重として枢支するとともにラック軸を操向車輪に連動
   させ、かつラックピニオン式動力舵取装置の入力軸と舵
   取バンドルとを、上記本体のシャシフレームに対する変
   位を吸収可能な連結手段を介して連動させたことを特徴
   とする動力舵取装置。