JPS6028188Y2 - 刈取収穫機の穀稈分草装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自走自脱式のコンバイン等の刈取収穫機にお
いて、圃場に植立する殻稈を、その穂先部のもつれを捌
きながら分草して殻稈引起機構を経て刈取搬送部に送り
込む殻稈分草装置に係り、更に詳しくは、刈取搬送部の
前方に位置する殻稈引起機構の前方に、エンドレスチェ
ンに取付けた複数個のタインが刈取収穫機の前進方向に
沿って下から上向きに移動するようにしだ分草チェノ機
構を備えた分草装置に関するものである。

このように、刈取搬送部の前方に位置する殻稈引起機構
の前方に、エンドレスチェンに取付く複数個のタインが
刈取収穫機の前進方向に沿って下から上向きに移動する
分草チェノ機構を備えた分草装置は、先行技術としての
実開昭４９−７８４２５号公報に記載されている。

しかし、この公知の殻稈分草装置における分草チェノ機
構は、そのタイン付きエンドレスチェンを収容するケー
スを、幅狭の矩形断面に構成することによって、分草中
の殻稈タインに出来る丈多く引っかかるようにしたもの
であって、このように、該分草チェノ機構におけるケー
スの断面が幅狭の短形状であると、この分草チェノ機構
にて分。

華甲の殻稈は、幅狭短形断面のケースにおける角部によ
ってのみ支持されることになり、換言すると穀稈がケー
スに対して支持されるときの接触面積は小さいので、殻
稈はその分草中においてケースに対する接触支持部から
折れて、千切れたり或いは穀粒がしごき落ちたりする現
象が多発することに加えて、殻稈の分草に要する動力も
増大するのであった。

又、前記エンドレスチェンを収容するケースは細長いの
で、その横幅を狭くして偏平状にすると幅方向の剛性が
低下して撓み・変形が生じるという問題があり、さりと
てケースの幅を広くすると、分草中の殻稈が当該ケース
前端の角部にて折に折り曲げられる現象がひどくなって
前記殻稈の千切れ、脱粒等の弊害が大きくなると共に、
穀稈がタインの先端部で捌かれることになるからその長
さを長くせねばならず当該タインへの負荷が増大すると
いう不都合があった。

本考案は分草チェン機構におけるタイン付きチェ７を収
容したケースの断面を、前部が幅狭て後部が幅広の梯形
状に形成することにより、前記の問題を解消したもので
ある。

すなわち、このように分草チェン機構におけるケースを
、前部が幅狭の梯形状に形成すると、ケース全体として
は幅広に形成できるのでその剛性を強化できる一方、前
部は幅狭であるからもつれた穀稈はタインの根本部にお
いて捌かれ、タインを短くしてその負担を軽減できると
共に、分草作用を受ける穀稈はケースに対して広い面積
で且つ滑らかに接当するから、穀稈が急に折れ曲がるこ
とによって生じる当該穀稈の折れ・千切れや過度のしご
きによる脱粒を防止できるのである。

次に本考案の一例をコンバインに適用した場合の実施例
の図面について説明するに、図において１は走行うロー
ラ２を有するコンバイン機体を示し、該機体１の上面に
はフィートチエン３を備えた脱穀部４が設けられ、且つ
その前方には、機体１の上下から突出したフレーム５，
６を介して穀稈前処理部７が設けられている。

この前処理部７は、前記フレーム５，６の前端間に上部
を後方に傾斜して取付けた複数個（本実施例では４個）
の殻稈引起機構８、下部フレーム６に取付く刈取機構９
、その上部に位置する株元搬送機構１０及び上下２列の
穂先搬送機構１１．１２とからなり、刈取機構９、株元
搬送機構１０及び両穂先搬送機構１１．１２はその先端
部を結ぶ線１３が圃場面１４に対して適宜角度θ前方に
傾斜する位置に配置され、これらの後端と前記フィート
チエン３との間には、刈取った殻稈の株元部を挾持して
フィートチエン３に送り込むための縦搬送機構１５及び
上下２列の穂先搬送機構１６．１７が装架されている。

前記複数の引起機構８は、２個一対としてその間に殻稈
通路１８，１８を形成する一方、そのケース内に装備し
たエンドレスチェンに多数個のタイン１９を起伏自在に
設け、該タイン１９がコンバインの進行方向と直角方向
に前記殻稈通路１８．１８内を下から上向きに移動する
ように配設され、且つ、各引起機構８２タイン１９は、
一対の引起機構間に形成した殻稈通路１８，１８を起立
して移動するように構成されており、コンバインの左右
両側に位置むる引起機構８，８の前方下部及び両殻稈通
路１８．１８間においてその相隣接する引起機構８，８
の中間前方下部には、前記下部フレーム６に取付く分草
体２０，２０，２０が各々設けられている。

２１．２１．２１は前記各分草体２０，２０゜２０の後
部位置において引起機構８との間に設けた分草チェン機
構を示腰該各分草チェン機構２１は中空上のケース２２
と、該ケース２２内上下のスプロケット２３．２４間に
巻掛けしたエンドレスチェン２５とからなり、ケース２
２は、そのチェ７２５が前記引起機構８におけるタイン
１９と直角方向、つまりコンバインの進行方向と平行に
なるように、前記引起機構８の上部前方において上部フ
レーム５から突出のチェンケース２６及びアーム２７間
に装架した管状体２８に上部が後方に傾斜するように取
付けられ、チェン下端は分草体２０の後面に臨んでおり
、各ケース２２内のチェ７２５は前記管状体２８内に挿
入した軸２９に上部フレーム５内の伝動軸３０から傘歯
車体３１及びチェノケース２６内のチェ７３２を介して
動力伝達することにより、図に矢印Ａて示すように下か
ら上向きに回転駆動され、このエンドレスチェン２５に
は、適宜間隔で多数個のタイン３３ヲ備え、該タイン３
３はケース２２のコンバイン前面部上側面においてケー
ス２２から突出した状態で移動するように構成されてい
る。

そして、各分草チェン機構２１において、そのタイン３
３が取付くエンドレスチェン３５を収容するケース２２
の横断面を、ケース２２の左右両側面前部に傾斜面３４
．３５を設ける等して、コンバインの前方側か幅狭で、
後方側が幅広の梯形状に構成して成るものである。

この構成において、圃場に植立する殻稈はコンバインの
進行に伴って先づ分草体２０． ２０． ２０によって
引起機構８における殻稈通路１８，１８に入る刈取穀稈
と、殻稈通路１８，１８に入らない非刈取穀桿とに分草
され、次いで、各分草チェン機構２１における移動タイ
ン３３によって刈取穀稈と非刈取穀桿とにおける穂先部
のもつれが捌かれつつ、刈取穀稈が分草チェン機構２１
及び引起機構８にて引起されたのち、刈取機構９、株元
搬送機構１０及び穂先搬送機構１１．１２に送られるの
である。

この場合、各分草チェノ機構２１におけるケース２２の
横断面を、前記のようにケース２２の左右両側面前部に
傾斜面３４．３５を設ける等して、コンバインの前方側
か幅狭で、後方側が幅広の梯形状に構成したもので、こ
れにより、分草チェノ機構２１のタイン３３の左右両側
における角部はなくなり、分草チェノ機構２１によって
捌き分草される刈取穀稈と非刈取穀桿とは、タイン３３
の根本部に接近して、当該根本部にまで接当することに
なるから、前記のタイン３３の長さを長くすることなく
これに穀稈を確実に引っ掛けることができる一方、分草
中の刈取穀稈と非刈取穀桿とは、梯形断面形状のケース
２２における左右両側における傾斜面３４．３５により
広い面積にわたって支持されることになるから、分草中
の穀稈の折れ曲がりを少なくすることができるのである
。

又、前記ケース２２は前部のみが幅狭で全体としてはあ
る程度の広幅にあっているから剛性が強化され、ケース
２２が略偏平状な細長い箱状であっても横幅方向に撓ん
だりすることはないのである。

以上の通り本考案によると、分草中の殻稈を分草チェノ
機構におけるタインに出来る丈多く引っ掛けることがで
きるものでありながら、分草中の殻稈が、分草チェノ機
構におけるタイン付チェンを収容するケースに対する接
触支持ひよって折れ曲がることが少なくできるから、分
草中の殻稈の折れ曲がりによる穀稈の千切れ、及び穀粒
のしごき落しを確実に低減できて、収穫率を向上できる
のであり、しかも、分草中の殻稈の折れ曲がりが少なく
なることから、分草に要する抵抗が小さくなり、所要動
力を軽減できる効果を有する。

加えて、前記分草チェノ機構におけるケースは、前部の
みを幅狭にしてケース全体としては幅広にしたものであ
るから、ケース全体としての剛性を強化させることがで
き、ケースの剛性低下をもたらすことなく前記分草中の
殻稈の千切れ防止、過度のしごき低減、分草作用に要す
る動力の軽減等の緒効果を保持することができるのであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はコンバイン前部
の側面図、第２図はコンバインの前面図、第３図は分草
チェノ機構の拡大図、第４図は第１図のＩＶ−ＩＶ視拡
大断面図、第５図は第３図のＶ−Ｖ拡大断面図である。 １・・・・・・コンバイン機体、８・・・・・・殻稈引
起機構、２１・・・・・・分草チェノ機構、２２・・・
・・・ケース、２５・・・・・・チェノ、３３・・・・
・・タイン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈取収穫機の機体の前面に設けた少なくとも一対の殻稈
   引起機構の前部に、刈取収穫機の進行方向と平行に回転
   するチェノを備えた分草チェノ機構を設け、該分草チェ
   ノ機構におけるチェノに、刈取収穫機の前面部を突出状
   態で下から上向きに移動するタインを適宜間隔で設けて
   戒る殻稈分草装置において、前記各分草チェノ機構にお
   けるタイン付きチェノを収容したケースの横断面を、刈
   取収穫機の前方側か幅狭で、後方側が幅広の梯形状に構
   成したことを特徴とする刈取収穫機の殻稈分草装置。