JPS602748Y2 - 収穫機の穀稈分草装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自走式の収穫機において、圃場に植立する殻
稈を、その穂先部のもつれを捌きながら分草して殻稈引
起機構を経て刈取搬送部に送り込むための殻稈分草装置
に関するものであり、詳しくは、刈取搬送部の前方に位
置する殻稈引起機構の前方に、エンドレスチェンの複数
個のタインが収穫機の前身方向に沿って下から上向きに
移動する分草チェノ機構を設けて、殻稈を引起しつつ前
記引起機構に入る刈取殻稈と、入らない非刈取殻稈とに
捌きながら分草するようにした殻稈分草装置に関するも
のである。

このように刈取搬送部の前方に位置する殻稈引起機構の
前方に、エンドレスチェンの複数個のタインが収穫機の
前身方向に沿って下から上向きに移動する分草チェノ機
構を設けて、殻稈を引起しつつ前記引起機構に入る刈取
殻稈と、入らない非刈取殻稈とに捌きながら分草するよ
うにすることは先行技術としての実開昭５１−１６１３
２６号公報に開示されている。

この場合、圃場に植立する殻稈には、その長さが短いも
のと長いものとが存在するから、この種の殻稈分草装置
の分草チェノ機構は、当該分草チェノ機構におけるタイ
ンがそのケースから突出した状態で移動する分草作用区
間長さは、当然のことながら長い殻稈に合せて長く設定
しなければならない。

しかし、分草チェノ機構におけるタインの分草作用区間
を長くしたもので短い殻稈を刈取・脱穀する場合に、当
該短い殻稈の穂先部は、長い区間わたって分草チェノ機
構におけるタインに擦れ接当することになるから、稈切
れ・穂切れが多くなり、穀物のロスが増加するのであり
、さりとて、分草チェノ機構におけるタインの分草作用
区間の長さを短くすることは、長い殻稈の場合に穂先部
のもつれを捌き分草することができず、これまた、稈切
れ・穂切れが多発して穀物のロスが多くなるのであった
。

本考案は、分草チェノ機構におけるタインの分草作用区
間の長さを調節自在に構成することによって、前記の問
題を解消したものである。

次に本考案の一例をコンバインに関する実施例の図面に
ついて説明するに、図において１は走行うローラ２を有
するコンバイン機体を示し、該機体１の上面にはフィー
トチエン３を備えた脱穀部４が設けられ、且つその前方
には、機体１の上下から突出したフレーム５，６を介し
て殻稈前処理部７が設けられている。

この前処理部７は、前記両フレーム５，６の前端部に上
部を後方に傾斜して取付けた複数個（本実施例では４個
）の殻稈引起機構８、下部フレーム６に取付く刈取機構
９、その上部に位置する株元搬送機構１０及び上下２列
の穂先搬送機構１１．１２とからなり、刈取機構９、株
元搬送機構１０及び両穂先搬送機構１１．１２はその先
端部を結ぶ線１３が圃場面１４に対して適宜角度θ前方
に傾斜する位置に配設され、これらの後端と前記フィー
トチエン３との間には、刈取った殻稈の株元部を挟持し
てフィートチエン３に送り込むための縦搬送機構１５及
び上下２列の穂先搬送機構１６．１７が装架されている
。

前記複数の引起機構８は、２個一対としてその間に殻稈
通路１８．１８を形成する一方、そのケース内に装備し
たエンドレスチェンに多数個のタイン１９を起伏自在に
設け、該タイン１９がコンバインの進行方向と直角方向
に前記殻稈通路１８．１８内を下から上向きに移動する
ように配設され、且つ、各引起機構８のタイン１９は、
一対の引起機構間に形成した殻稈通路１８．１８を移動
するとき起立するように構成されており、コンバインの
左右両側に位置する引起機構８，８の前方下部及び両数
稈通路１８．１８間においてその相隣接する引起機構８
，８の中間前方下部には、前記下部のフレーム６に取付
く分草体２０，２０．２０が各々設けられている。

２１．２１．２１は前記各分草体２０，２０．。

２０の後部位置において引起機構８との間に設けた分草
チェノ機構を示し、該各分草チェン機構２１は断面箱型
のケース２２と、該ケース２２内上下のスプロケット２
３．２４貫に巻掛けしたエンドレスチェン２５とからな
り、ケース２２は、ソツのチェノ２５が前記引起機構８
におけるタイン１９と直角方向、つまりコンバインの進
行方向と平行になるように、前記引起機構８の上部前方
において上部フレーム５から突出のチェノケース２６及
びアーム２７間に装架した管状体２８に上部が後方に傾
斜するように取付けられ、チェノの下端は分草体２０の
後面に臨んでおり、各ケース２２内のチェノ２５は前記
管状体２８内に挿入した軸２９に上部フレーム５内の伝
動軸３０から傘歯車対３１及びチェノケース２６内のチ
ェノ３２を介して動力伝達することにより、図に矢印Ａ
で示すように下から上向きに回転駆動され、このエンド
レスチェン２５には、適宜間隔で多数個のタイン３３を
備え、該タイン３３はケース２２のコンバイン前面部上
側面においてケース２２から突出した状態で移動するよ
うに構成されている。

そして、各分草チェノ機構２１におけるケース２２のコ
ンバイン前面部上側面には、その上部において突出状態
のタイン３３を覆い隠すようにしたカバー３４を、ケー
ス２２の長手方向に沿って移動調節可能に取付けて、こ
のカバー３４の移動調節により、タイン３３がケース２
２から突出して移動する分草作用区間りの長さを変更自
在に構成して成るものである。

この構成において、圃場に植立する殻稈はコンバインの
進行に伴って先づ分草体２０． ２０． ２０によって
引起機構８における殻稈通路１８，１８に入る刈取殻稈
と、殻稈通路１８．１８に入らない非刈取殻稈とに分草
され、次いで、各分草チェノ機構２１における移動タイ
ン３３によって刈取殻稈と非刈取殻稈とにおける穂先部
のもつれが捌かれつつ、刈取殻稈が分草チェノ機構２１
及び引起機構８にて引起されたのち、刈取機構９、株元
搬送機構１０及び穂先搬送機構１１．１２に送られるの
である。

この場合において、刈取殻稈する殻稈の長さが長い場合
には、その穂先のもつれを捌く分草チェノ機構２１にお
けるタイン３３の分草作用区間りはこれに応じて当然長
いものにしなければならないが、しかし、分草チェノ機
構２１における分草作用区間りを長い殻稈に合せて設定
することは、短かい殻稈を刈取、脱穀する場合に、その
穂先部が長い区間にわたって分草チェノ機構２１の移動
タイン３３に擦れ接当することになり、稈切れ又は穂切
れを生じて穀物のロスが多くなる。

これに対して本考案は、前記のように、分草チェノ＆Ｑ
ｔ１２１におけるケース２２のコンバイン前面部上側面
には、その上部において突出状態の夕イン３３を覆い隠
すようにしたカバー３４を、ケース２２の長手方向に沿
って移動調節可能に取付け、該カバー３４の移動調節に
より、タイン３３が突出状態で移動する分草作用区間り
を変更可能に構成したものであるから、タイン３３の分
草作用区間りは刈取、脱穀する殻稈の長さに応じて最適
の長さとすることができる。

従って、本考案によれば短かい殻稈を刈取、脱穀する場
合であっても稈切れ、又は穂切れによる穀物のロスを低
減できて、高い収穫率の下で刈取、脱穀できるのであり
、しかも、本考案は、前記分草作用区間りの変更を、カ
バーの移動調節によって行なうもので、カバーの移動調
節ひいては分草作用区間りの変更は、分草作用中におい
て、無段階的にできるから、分草チェノ機構による分草
作用状態を、実際の分草作用状態を見ながら最適に設定
することができると共に、その変更調節に際して、−々
分草作動を停止する必要がなく、至極簡単且つ迅速に変
更調節できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はコンバイン前部
の側面図、第２図はコンバインの前面図、第３図は分草
チェノ機構の拡大図、第４図は第１図のＩＶ−ＩＶ視拡
大断面図、第５図は第３図のＶ−Ｖ夜回面図である。 １・・・・・・コンバイン機体、８・・・・・・殻稈引
起機構、２１・・・・・・分草チェノ機構、２５・・・
・・・チェノ、３３・・・・・・タイン、３４・・・・
・・カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 収穫機の機体の前面に設けた殻稈引起機構の前部に、収
   穫機の進向方向と平行で上下方向に回転するチェノと該
   チェノを内臓したケースとからなる分草チェン機を設け
   、該分草チェノ機構におけるチェノには、収穫機の前面
   部をケースから突出した状態で下から上向きに移動する
   タインを適宜間隔で設けて戒る殻稈分草装置において、
   前記分草チェノ機構におけるケースの上部上面には、ケ
   ースから突出するタインを覆い隠すようにしたカバーを
   、ケースの長手方向に沿って移動調節可能に取付けて威
   る収穫機の殻稈分草装置。