JPS602741Y2 - コンバインの穀稈搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は刈刃で刈取られた殻稈を脱穀機へ向って搬送す
る殻稈搬送装置に関するものである。

コンバインによる刈取作業は、圃場の殻稈を分草体で掻
き分けたのちこれを引起し装置で垂直状に起立させ、そ
の根元部を刈刃で刈取るものであって、刈取後の殻稈は
根元部と穂先部とを根元搬送装置と穂先搬送装置とでそ
れぞれ保持されて搬送される。

この搬送中において、殻稈は垂直状態から水平状態へと
姿勢変向されたのち、脱穀機へ引継がれて脱穀される。

そして一般に前記両搬送装置はその本体を車台側に設け
た支持部材で支持されており、さらに根元搬送装置本体
の一部と両搬送装置の一部とは、これらに両脚端を固定
された逆Ｕ字状のＵ字稈によって連結されている。

そして、殻稈は穂先を穂先搬送装置から上方へ突出させ
て搬送され、またこの突出穂先部は前記Ｕ竿杆の両脚間
をくぐりながら搬送される。

しかしながら、従来の殻稈搬送装置においては、殻稈の
穂先部がＵ竿杆の両脚間を通過するときに脚に摺接しな
がら移動することが多いので、脱粒や穂切れが発生した
り、搬送が阻止されたりするばかりでなく、Ｕ竿杆が機
台の側方へ突出しているために邪魔になるという欠点が
あった。

本考案は以上のような点に鑑みなされたもので、逆Ｕ字
状をなして根元搬送装置の無端帯張架用フレームと挟扼
杆用ホルダとを両脚端で支持するＵ竿杆を上端へ向うに
したがって車台中央側と脱穀機側とに寄るよう２方向へ
傾斜させて設けることにより、殻稈の穂先部がＵ竿杆の
脚に触れるときの摺接抵抗を可及的少なくすると共に穂
首から穂先へと順次Ｕ竿杆へ進入させて通過させること
を可能にし、脱粒等の防止と搬送の円滑化とを計ったコ
ンバインの殻稈搬送装置を提供するものである。

以下本考案の実施例を図面に基いて詳細に説明する。

第１図ないし第４図は本考案に係る穀程搬送装置の実施
例を示し、第１図はこれを実施したコンバインの正面図
、第２図は同じく側面図、第３図は同じく平面図、第４
図はＵ竿杆近傍の側面図である。

図において、コンバインの前端部には、機台の進行とと
もに圃場の殻稈を掻き分ける複数個の分草体１が分草杆
に支持されて配設されており、その後方には、倒伏した
殻稈を起立させる一対の引起し装置２がや）傾斜して立
設されている。

３は分草杆の中央部に支架されて機幅方向に延び起立し
た殻稈の根元部を刈取るバリカン状の刈刃、４は刈取殻
稈を搬送径路へ掻込む回転掻込体、５は起立した殻稈の
根元部を刈取位置へ掻込む掻込みベルトである。

そして回転掻込体４の上方には、全体を符号６で示す根
元搬送装置と、全体を符号７で示す穂先搬送装置とが上
下に配設されている。

このうちの根元搬送装置６の本体は、車台側から突出す
る支持杆６ａによって上端部を支持されて斜め下方へ延
びるフレーム６ｂと、山形状に形成された多数のリンク
８ａを無端状に連結して形成されフレーム６ｂ両端部の
スプロケット間に張架された無端帯８とで形成されてお
り、この搬送装置６の本体には、後述するＵ竿杆１５に
よってフレーム６ｂとの間を連結された挟扼杆用ホルダ
９と、このホルダ９に脚部を支持されてホルダ９内の圧
縮コイルばね１０で無端帯８側に付勢され無端帯８の走
行端に沿って架設された断面コ字状の挟扼杆１１とが付
設されている。

また、穂先搬送装置７の本体は、前記フレーム６ｂから
突出する支持杆７ａによって上端部を支持されて斜め下
方へ延びる無端帯ケース１２と、一定間隔で並列する起
立倒伏自在な多数のラグ１３を備え無端帯ケース１２内
に張架された無端帯（図示せず）とで形成されており、
この搬送装置７の本体には、後述するＵ竿杆１５に支持
されてラグ１３の先端走行軌跡に沿って支架された穂先
ガイド１４が付設されている。

符号１５で示すものは、パイプ材によりは＞’Ｕ字状に
形成されたＵ竿杆であって逆Ｕ字状となるように湾曲部
１５ａを上側に位置させて配設されており、その一方の
脚１５ｂの脚端は、根元搬送装置６本体の無端帯張架用
フレーム６ｂに固定され、また他方の脚１５ｃの脚端に
は、根元搬送装置６の挟扼杆用ホルダ９が固定支持され
ている。

さらに脚１５ｃに支持された挟扼杆用ホルダ９には、前
記穂先ガイド１４の脚部が固定されている。

そして、第４図に示す殻稈２５は根元搬送装置６の無端
帯８と挟扼杆１１とで根元部を挟持され、穂先搬送装置
７のラグ１３と穂先ガイド１４とで穂先部を保持されて
搬送されるとともに、搬送中、穂先部がＵ竿杆１５の両
脚１５ｂ、１５ｃ間をくぐって通過する。

このようにして穂先部が通過するＵ竿杆１５は、上端へ
向うにしたがって図に鎖線りで示す車台中心寄りとなる
ように殻稈２５の稈身方向に沿って傾斜されており、ま
た、Ｕ竿杆１５は上端へ向うにしたがって脱穀機１６寄
りとなるように傾斜されている。

１７は前記引起し装置２のの駆動軸を軸支する引起しパ
イプであって、機台進行方向に向って右側すなわち殻稈
搬送径路の反対側に装架されており、駆動軸の回転は先
ず右側の引起し装置２に伝達され、伝導ケース１８内の
伝導軸を経て左側の引起し装置２に伝達される。

１９は脱穀機１６の扱き室２０に沿って張架され脱穀用
の殻稈を挟扼杆２１との間で挟持して搬送するフィード
チェーン、２２は扱き室２０内に軸架された脱穀用の扱
き胴、２３は脱穀済の殻稈すなわち排わらを搬送する排
わらチェーンである。

また、符号２４で示すものは、脱穀機１６を搭載する車
台に支持された走行装置としての左右一対の走行うロー
ラであって、前記車台中心りは左右の走行うローラ２４
の中心を示している。

以上のように構成されたコンバインの動作を説明する。

機台が進行すると分草体１で掻き分けられた圃場の殻稈
は、引起し装置２で穂先部を揚上搬送されて引起される
とともに、根元部を掻込みベルト５で刈取位置へ搬送さ
れる。

殻稈２５は根元部を刈刃３で刈取られると同時に穂先部
を引起し装置２から解放され、回転掻込体４によって搬
送径路へ掻込まれ両搬送装置６，７で捕捉される。

捕捉された殻稈２５は、第４図に示すように根元搬送装
置６の無端帯８と挟扼杆１１とで根元部を挟持され、ま
た穂先搬送装置７のラグ１３と穂先ガイド１４とで穂先
部を保持されて搬送される。

この殻稈２５は、搬送途中で穂先部がＵ竿杆１５の両脚
１５ｂ、１５ｃ間をくぐるが、Ｕ竿杆１５を殻稈２５の
稈身方向に沿って車台中央寄りに傾斜させたことにより
、脚１５ｂに対し従来のように深く摺接することなく搬
送される。

また、Ｕ竿杆１５を脱穀機１６寄りに傾斜させたことに
より、これをくぐる殻稈２５は、まずラグ１３近傍の穂
首部が先にＵ竿杆１５に進入し、このあとは順次進入し
て穂先がもつとも遅れてＵ竿杆１５をくぐるので、殻稈
２５の通過が容易である。

このようにしてＵ竿杆１５を通過した殻稈２５は、根元
部をフィードチェーン１９に引継がれて搬送され、穂先
部を扱き室２０へ供給されて脱穀される。

なお、本実施例では引起し装置２に対する伝動装置が搬
送装置６，７の反対側に寄せられているので、殻稈搬送
部の空間が広くなり、搬送部への雑草等の詰りかなくな
り、また畦際刈りが容易になるとともに、運転席から殻
稈搬送状態を目視し易く扱き深さ調節が容易になる。

以上の説明により明らかなように、本考案によればコン
バインの殻稈搬送装置において、逆Ｕ字状をなして根元
搬送装置６の無端帯張架用フレーム６ｂと挟扼杆用ホル
ダ９とを両脚端で支持するＵ竿杆１５を、上端へ向うに
したがって車台中央側と脱穀機１６とに寄るよう２方向
へ傾斜させて設けたことにより、搬送殻稈２５が水平状
態に姿勢変更するために傾斜しながらＵ竿杆１５を通過
しても、Ｕ竿杆１５の一方の脚１５ｂに対する摺接が少
なく、かつＵ竿杆１５へは穂首から穂先へ向って順次進
入するので、脱粒や穂切れ等がなくなって穀粒のロスが
大幅に減少するとともに、殻稈２５の搬送が円滑に行な
われ、搬送性能が向上する。

また、Ｕ竿杆１５が機台の外方へ突出することがないの
で、機台の走行が容易であり安全性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案に係るコンバインの殻稈搬
送装置の実施例を示し、第１図はこれを実施したコンバ
インの正面図、第２図は同じく側面図、第３図は同じく
平面図、第４図はＵ字杆近傍のの側面図である。 ６・・・・・・根元搬送装置、６ａ、７ａ・・・・・・
支持杆、６ｂ・・・・・・フレーム、７・・・・・・穂
先搬送装置、８・・・・・・無端帯、９・・・・・・挟
扼杆用ホルダ、１１・・・・・・挟扼杆、１４・・・・
・・穂先ガイド、１５・・・・・・Ｕ竿杆、１５ｂ、１
５ｃ・・・・・・脚、１６・・・・・・脱穀機、２４・
・曲走行うローラ、２５・・・・・・殻稈。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行装置を有する車体上に脱穀機を搭載し、その前方に
   配設した根元、穂先搬送装置の本体を前記車体側の支持
   部材で支持させたコンバインにおいて、は’ｒＵ字状に
   形成したＵ竿杆を逆Ｕ字状態にしてそお一方の脚端を前
   記根元搬送装置本体の無端帯張架用フレームに固定し、
   他方の脚端で前記根元搬送装置の挟扼杆用ホルダと前記
   穂先搬送装置の穂先ガイドとを支持させるとともに、前
   記Ｕ竿杆を上端へ向うにしたがって前記車台の中央寄り
   となるよう搬送殻稈の稈身方向に沿って傾斜させかつ上
   端へ向うにしたがって前記脱穀機へ近づくように傾斜さ
   せたことを特徴とするコンバインの殻稈搬送装置。