JPS6026030B2 - 複合フィルム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、酸素ガスバリャー性の優れた、いわゆるスキ
ンパック包装に最適な包装用複合フィルムに関するもの
である。

スキンパック包装体及びスキンパック包装用フィルムに
関する検討は種々に行われ実用化されているが、従来の
スキンパック包装用フィルムは成形性においては優れて
いても酸素ガスバリャー性が劣っており、例えばハム、
ソーセ−ジ等の加工食肉等を包装した場合、酸素ガス透
過の為変質する危険性が大きかった。

本発明者らはかかる現状に鑑み、酸素ガスバリャー性に
優れると共に成形性、柔軟性にも優れたフィルムを開発
するべく種々検討を行い本発明を完成した。以下実施例
を含めて本発明を詳細に説明する。

スキンパック包装に適するフィルムとは、柔軟性があり
、抗張力試験による降伏点応力が比較的小さい事が必要
であり、酸素ガスバＩＪャー性は一般的に酸素ガス透過
率として２０ｃｃ／Ｍ・２必ｒ・ａｔｍ以下が要求され
る。柔軟性フィルムとしては低密度ポリエチレン（以下
、ＬＤＰＥを略記する）、アィオノマ一樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体（以下ＥＶＡと略記する）等が知
られており、又酸素ガスバリャー性の優れたフィルムと
してはポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、硬質塩化ビ
ニル、エチレン−酢酸ピニル共重合体ケン化物（以下、
ＥＶＡケン化物と略記する）等が知られている。

しかしながらＬＤＰＥ、アィオノマー樹脂、ＥＶＡ等は
酸素ガスバリャー性が劣り、ポリアミド樹脂、ポリエス
テル樹脂、硬質塩化ビニル、ＥＶＡケン化物等は柔軟性
が劣っている。そこでこれらのフィルムを絹合せる事に
より、柔軟でかつ酸素ガスバリャー性の優れたスキンパ
ック包装に最適な構成の複合フィルムを得る事ができた
。まずフィルムの柔軟性であるが、複合フィルムとして
ＡＳＴＭ Ｄ−６８３法の抗張力試験による降伏点応力
が１．５ｋｇ／協以下、望ましくは１．２ｋｇ／の以下
である事が必要である。酸素ガスバリャー性を２０ｃｃ
／Ｍ・２小ｒ・ａｔｍ以下にする為にはポリアミド樹脂
を使用した場合、ボリアミド樹脂層を約４０ム、ポリエ
ステル樹脂の場合には約３０仏、硬質塩化ビニルの場合
には約７０仏の厚みが必要となり、得られた複合フィル
ムは柔軟性に欠け、降伏点応力は約２．０ｋ９／柵以上
となる。しかしながらＥＶＡケン化物を酸素ガスバリャ
ー樹脂層とした場合２ム以上あればよいが、複合フィル
ムとして用いる場合は柔軟性即ち降伏点応力も考慮して
２０仏以下が好ましい。柔軟性フィルム層としてはＬＤ
ＰＥ、アィオノマー樹脂、ＥＶＡ等があるが、成形時の
伸びが良く、かつ種々のフィルムないしシート、例えば
ポリエチレン、アィオノマー樹脂、ポリスチレン、塩化
ビニル等とのシール性に優れている事が必要である。

ＬＤＰＥは成形時の伸びが悪く柔軟性フィルム層として
は不適であるが、ナトリウムタイプのァィオノマ樹脂は
シール可能な材質が限定されるが、柔軟性フィルム層と
しては十分使用可能であった。さらには、ＥＶＡを柔軟
性フィルム層として使用した場合、成形時の伸びも良く
、又酢酸ビニルの含有量を８重量％以上としたＥＶＡは
多くの材質とシールが可能で、柔軟性フィルム層として
最適であった。

以上の結果からＥＶＡケン化物とＥＶＡ又はナトリウム
タイプのアィオノマ一樹脂で構成された複合フィルムは
酸素ガスバＩＪャー性が良く、柔軟性ト成形性にも優れ
、各種フィルムないしシートとの接着が可能であった。
しかしながら、作業性の面より、ＥＶＡの酢酸ビニル含
有量は２５重量％以下が望ましい。ところがこのように
して得られた複合フィルム（ＥＶＡ／ＥＶＡケン化物、
又はナトリウムタイプのアィオノマー樹脂／ＥＶＡケン
化物）はスキンパック包装用フィルムとして最適ではあ
るが、被包装物が温水殺菌を必要とする場合には使用で
きない。

即ちＥＶＡケン化物は耐温水性が劣る為、外層にＥＶＡ
ケン化物を使用した時には被包装物の温水殺菌は不可能
である。そこで複合フィルムの柔軟性、成形性及び酸素
ガスバリャー性を保持した状態で耐温水性を向上させる
べく検討を行い、ナトリウムタイプのアィオノマー樹脂
をＥＶＡケン化物層に貼合せ、ＥＶＡケン化物を内層と
することが最適であることを見出した。ＥＶＡケン化物
層の外側に他樹脂を貼合せ、ＥＶＡケン化物の耐熱性を
向上させる事は良く知られているが、スキンパック包装
用のフィルムではその貼合せる他樹脂がスキンパック包
装に適する柔軟性をそこなわない事及び加熱時に外層フ
ィルムが熱盤に付着しない事が必要であり、このことに
よりナトリウムタイプのアィオノマー樹脂が最適である
ことを見出したのである。このようにして得た複合フィ
ルム（ナトリウムタイプのアィオノマー樹脂／ＥＶＡケ
ン化物／ＥＶＡ又はナトリウムタイプのアィオノマー樹
脂）は耐温水性にも殴れスキンパック包装用フィルムと
して最適であった。さらには作業性を向上させる為、ナ
トリウムタイプのアィオノマー樹脂にブロッキング防止
剤を配合する事ができる。

即ちＥＶＡが外層となっている複合フィルムの場合、Ｅ
ＶＡにより粘着性が増大している為、ＥＶＡと反対側の
外層であるナトリウムタイプのアィオノマー樹脂にブロ
ッキング防止剤、例えばグリセリンェステル、ポリエチ
レン又はポリプロピレングリコール、高級脂肪酸アマィ
ド、無機物粉末等のブロッキング防止剤を配合する事に
より作業性を向上させることができた。ここで配合すべ
きブロッキング防止剤の濃度はブロッキング防止剤の種
類、ロール状複合フィルムの保管条件等により変える事
ができ限定されない。又、本発明の複合フィルムは適当
な接着剤を使用したドライラミネート法、押出しラミネ
ート法の他、直接数層でＴダィ等より押出す共押出し法
、インフレーション法でも何ら問題ない。

さらには共押出し法、インフレーション法の場合、複合
フィルムの各層の接着力を満足させる為に各層間に接着
層樹脂を押出しても良く。接着層樹脂としては各層の接
着力を満足させるものであれば良い。本発明の複合フィ
ルムはスキンパック包装用に特に適しているが、一般の
深絞り成形を行う事もでき、しなやかな包装体を得るこ
とができる。なお、深絞り成形とは深絞り用成形機例え
ば大森機械工業■のＦＶ−６００シリーズ等の機械によ
って複合フィルムを一定の深さを持った所定形状に成形
した後スライスハム等の内容物を充てんした後蓋材用複
合フィルムとシールし包装体を得るために底材用複合フ
ィルムを前述のような機械により成形することをいう。
実施例１及び比較例 後塩素化ポリ塩化ビニルシート、又は後塩素化ポリ塩化
ビニルシートにナトリウムタイプのアイオノマー樹脂の
薄膜をラミネートした台紙上に、高さ約３比吻の不定形
なブロック状の市販の暁豚をのせ、種々の複合フィルム
でスキンバック包装を行った。

各種複合フィルムについて最適な温度でスキンパックを
行って、成形性、即ちフィルムの競豚への密着性（柔軟
性）、及び８０℃で２０分間温水殺菌した後の包装の状
態、さらには、スキンパック後、２０ｑ０×６５％ＲＨ
条件下での保存性（酸素ガスバリャー性）について評価
を行った結果、実施例３、４がすべての面で優れており
、実施例１、２は温水殺菌を行わない場合のスキンパッ
ク包装用複合フィルムとして十分使用可能であった。実
施例 ２ Ｎａ＋−１／ＥＶＡけん化物よりなる複合フィルムを深
絞り成形機で所定深さを持った形状に深絞り成形した後
、スライスハムを充てんし、ＰＶＤＣコートポリエステ
ル／シール性樹脂層よりなるふた材用後合フィルムとシ
ールし深絞り包装体を得た。

該包装体はガスバリア性もよく見ばえのするものであっ
た。注，）複合フィルムの項の各層の厚みを（ ）内に
〃単位で示した。

注２）各構成樹脂の言白号は下記の通りｏＨＴ−ＰＶＣ
： 後塩素化ポリ塩化ピニルＮａ＋−１： ナトリウム
タイプのアイオノマ様相旨ＰＡ： ポリァミト樹脂ＦＴ
： ポリエステル樟明旨 ＫＮｙ： ポリ塩化ビニリデンコートのナイロンＰＥ：
ポリエチレンＰＶＤＣ： ポリ塩化ビニリデン ＳＰＶＣ： 軟質塩化ビニル

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 厚み２〜２０μでエチレン含有量２５〜７５モル％
   、ケン化度９０モル％以上のエチレン−酢酸ビニル共重
   合体ケン化物の樹脂層の一方の面には酢酸ビニル含有量
   ８〜２５重量％のエチレン−酢酸ビニル共重合体の樹脂
   層又はナトリウムタイプのアイオマー樹脂の樹脂層を、
   他方の面にはナトリウムタイプのアイオマー樹脂の樹脂
   層を積層してなることを特徴とするスキンパツク用又は
   深絞り成形用複合フイルム。 ２ ナトリウムタイプのアイオマー樹脂がブロツキング
   防止剤を配合したナトリウムタイプのアイオノマー樹脂
   である特許請求の範囲第１項記載の複合フイルム。