JPS602488B2 - 内燃機関のカムシャフトの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は内燃機関の吸・排気カムを駆動させるカムシャ
フトの製造方法に関するものである。

更に詳しくは、シャフト及びこれに遊隊する鋼板のプレ
ス成形品等のカムリングよりなり、シャフトとカムリン
グ間に合成樹脂を充填して両者を一体結合し、カムシャ
フトの製造を可及的に簡単化し、これの量産化、コスト
ダウンに資するとともに、実用上充分の精度を有し、潤
滑用溝等の成形も容易であり、且つ夕べット等の金属騒
音低減にも資するカムシャフトの製造方法に関する。内
燃機関の吸・排気カムを駆動させるカムシャフトは、従
来では一般的に鋳造法で製造された鋳造品或は鍛造法で
製造された鍛造品が使用されている。このような従来の
鋳造品、鍛造品は、いずれも素材成形後機械加工により
所定寸法に切断し爾後凝入等の熱処理を施し、次いで最
終仕上げとして研磨加工しているのが現状である。

このような従来手段は、カムの相関角度、形状等と、鋳
造、鍛造成形型の製法上の問題で素材の加工取代が多く
、そのため機械加工にさし、し、粗研、仕上研削等の工
程を必要とする。従ってカムシャフトの製造上工数が極
めて多く、作業が煩雑化し、又特殊研削盤等の設備も必
要とし、設備費も高くなりカムシヤフトの生産上好まし
くない。又これによりカムシャフトのコストも当然に高
くならざるを得ない。又以上に代えて予じめ焼結金属で
調整したカムシャフト構成部品をシャフトに組み付けて
溶接等で一体化した結合式のカムシャフトも提案される
。

しかしながらこの場合においても結合後に熱処理や研磨
等の仕上加工を必要とする等の問題があり、前記と同様
にカムシヤフト生産上において好ましくない等の問題が
ある。

本発明者等は従来のカムシャフトの製造上における上記
の諸問題点に鑑み、これを有効に解決すべく本発明を成
したものである。

本発明の目的とする処は、シャフトと別体に鋼板素材に
よりカムリングを形成し、これをシャフトに遊鼓してこ
の間に耐熱性、耐圧性を有する合成樹脂を充填し、シャ
フトとカムリングを該合成樹脂で結合一体化したカムシ
ャフトの製造方法を提供する。

従って本発明の目的とする処は、熱処理や溶接等を必要
とする従来手段と異なり、又鋳造、鍛造手段の如く機械
加工による粗研、仕上げ加工等を一切不要とし、カムシ
ャフトの製造を合理化、簡便化し、量産化上好都合であ
り、これの生産性を向上させ、カムシヤフトのコストダ
ウンにも資するカムシャフトの製造方法を提供する。

又本発明の目的とする処は、以上の如く製造を簡単化し
、量産性を向上させたにもかかわらず精度良好であり、
実用上充分のカムシャフトが得られるとともに、シャフ
トとカムリングとを合成樹脂で結合一体化したため、機
能的には夕べット音等のカムと彼動部村の駆動金属音を
可及的に減少せしめ、騒音防止上も有効となるカムシャ
フトの製造方法を提供する。

以下に本発明の好適一実施例を添付図面に従って詳述す
る。

第１図はカムシャフトの側面図を示し、カムシャフト２
０は鋳造、鍛造等で所定長さ、所定形状に形成されたシ
ャフト１と、鋼板素材をプレス成形して得たカムリング
１０とからなり、このカムリング１０をシャフト１上の
所定位層に精度を維持して遊鼓し、カムリング１０とシ
ャフト１との間に耐熱性、耐圧性の合成樹脂を充填し、
カムリング１０とシャフトーとを合成樹脂で結合一体化
する。

これにより第１図に示す如くシャフト１上に軸方向への
多数のカム２１・・・を有するカムシャフト２０を得る
。

更に詳しく説明すると、カムリング１０は例えばリング
状のＳＵＳ材等を熱間プレス等で所定の形状、寸法精度
、硬度、表面処理等の当該カムとし３て必要とされる全
ての加工を施して仕上げられた状態として予じめ成形す
る。

カムリング１０は、例えば第４図及び第５図に示す如く
成形され、端面形状は例えば一部を半径方向へ膨出１１
と、他の部分をシャフト１の後述する敬付部２の円形な
４部分と遊合する如く円形に形成され、麹方向へ幅をも
って形成され、この幅は被動部材の係合部関係で定めら
れ、又膨出部１１の外周面を含むカムリング１０のカム
面を構成する外周面１２は被動部材と蓮なる吸・排気弁
等の必要とされる作動により決定される。シャフト１は
鋳造、或は鍛造等で形成され、これの軸方向の所定位置
にカムリング１０の取付部２・・・を形成する。

この取付部２は例えば第４図に示す如きカムリング１０
であれば、これに相似の形状に形成され、第３図に示す
如くシャフト１の外径より大径な半円形基部３及び半径
方向への山型膨出部４を一体に備え、この取付部２の外
形寸法はその外周面５がカムリング１０をこれに鞍合し
た状態でこれの内周面１３と充分の隙間が形成されるよ
うに設定する。従って取付部２は寸法精度を出すための
加工を要しない。以上の取付部２の外周適所、例えば第
３図に示す如く半円形基部３の外周及び第２図に示す如
く膨出部４の頂部には複数個所Ｖ型の凹溝６…を形成す
る。

このシャフトー上の取付部２に前記カムリング１０を遊
鼓し、シャフトーの軸方向両端を第１図に示す如く治具
３０，３０で支持し、この状態で分割タイプの成形用型
３１，３２に挿入する。

型３１，３２は接合面にシャフトー及びカムリング１０
の収納凹部３３，３４を対称的に備え、この凹部３３，
３４内にシャフト１及びカムリング１０を収納し、この
凹部３３，３４はシャフト日とカムリング１０の相対角
度関係、轍方向取付位置等の精度、位置決めを厳密に満
足することができるように設定する。このシャフト１及
びカムリング１０を収納した状態で型３１，３２を型締
めし、カムリング１０及びシャフト１を精度良く保持す
る。

これによりカムリング１０の内周面１３とシャフト１の
取付部２外周面５間に充分の隙間が形成され、保持され
ることとなる。次いで型３１，３２内に形成した通路３
６・・・を介してカムリング１０とシャフトの取付部２
間の隙間にカムリング１０の軸方向端面から耐熱、耐圧
性の合成樹脂、例えばフッ素樹脂を３５０℃の溶融温度
で充填する。

充填された合成樹脂３５は図示例では隙間の軸万向前後
面に所定の厚さ膨出し、又カムリング１０，シャフトの
取付部２の端面迄連続的に被覆し、カムリング１０とシ
ャフト１との結合を強化し、更に又凹溝６・・・への合
成樹脂の侵入でこれが喰い込んだ状態となり、両者の結
合を強化した。

冷却後型３１，３２を開離し合成樹脂のバリを除去し、
カムシャフト２０を得る。尚カムに必要とされる潤滑簿
は結合部材が合成樹脂であるため、カムリング１０の内
面等に容易に形成することができる。

以上で明らかな如く本発明によれば、予じめカムとして
必要とされる精度、鋼板素材をプレス成形等で成形して
カムリングを形成し、これをシャフトに遊鉄し、シャフ
トとカムリング間の隙間に合成樹脂を充填してシャフト
とカムリングを結合一体化し、カムシャフトを得るよう
にしたため、従来手段の如くカム部分の粗研、仕上げ研
削等の機械加工を一切必要とせず、カムシャフトの製造
を画期的に簡単化する。

特に本発明は、予じめリングの段階で表面処理を行い、
硬度、寸法、形状等の全てを満足させるカムリングを形
成し、これを合成樹脂で結合するため、合成樹脂充填時
においても従来の熱処理や溶援等の如き高温にさらされ
ることがなく、従って熱による歪の発生が極めて少く、
このため熱処理や裕接等で発生した歪により必要となっ
た仕上加工や矯正等のための機械加工は一切必要がなく
、カムシャフトを実用上充分の精度を維持して簡便に製
造することができ、カムシャフト製造の省力化、合理化
、簡便化に資し、量産性に優れ、これのコストダウンに
も資する。

又本発明によれば、カム形状の変更等が生じても、シャ
フトをそのまま用い、設備等を変更することなくカムリ
ング等を変更するのみで容易に対応することができると
ともに、カムシャフトとしては、カムリングとシャフト
の間に合成樹脂を介在させたため、内熱機関の騒音の大
きな原因となっている夕べット費等の金属騒音を吸収す
ることができ、騒音対策上も有効である他、潤滑溝も相
手が合成樹脂であるため容易に設けることができる等の
諸特長を発揮し、頗る実用性に富む。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図はカムシ
ャフトの説明的側面図、第２図は同要部を拡大した一部
破断側面図、第３図は第２図３−３線断面図、第４図は
カムリングの端面図、第５図は同側面図である。 尚図面中１はシャフト、２は取付部、１０はカムリング
、２０は力ムシヤフト、３１，３２は型、３３，３４は
凹部、３５は合成樹脂である。 第１図第２図 第３図 第４図 第５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 予じめカムとして必要な精度に仕上げて形成された
   カムリングを所定位置にカムリング取付部を形成したシ
   ヤフトの該取付部に遊嵌し、カム部のみを該取付部とカ
   ムリングとの間に軸方向端面から耐熱、耐圧性の合成樹
   脂を充填して形成することを特徴とする内燃機関のカム
   シヤフトの製造方法。