JPS6023561Y2 - デイスクブレ−キ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ディスクブレーキの改良、特に摩擦パッドの
案内部分の改良に関する。

ディスクブレーキのなかには、車両の非回転部材に固定
されたトルク受部材としてリキャリアに、それぞれディ
スクを跨いでこの周回り方向に間隔をあけた一対のアー
ム部を一体成形し、ディスクを挾んで配置した一対の摩
擦パッドを、それぞれの前記一対のアーム部間に架設し
て、該一対の摩擦パッドをそれぞれディスクの軸線方向
に摺動自在としたものがある。

このものは、摩擦パッドが直接キャリアの一対のアーム
部で吊下保持されるため、別途摩擦パッド吊下保持用の
案内ピンを用いる必要がなくて構造が簡単になる等の利
点を有する反面、キャリアは通常アルミニウム等の金属
で鋳造されるため、大型部材であるキャリアの摩擦パッ
ド摺動案内面を加工仕上げしなければならないという問
題を生じる。

この問題を解決するために摩擦パッドの摺動案内面に金
属の案内プレートを取付ける提案がなされている（実開
昭５４−９８９８２号公報）が、その取付けはキャリア
側に突設された突起と案内プレートに設けた止孔との保
合によって行っており、加工および組付けの工数に問題
があるものである。

本考案は以上のような問題点を解消するもので、キャリ
アの一対のアーム部に摩擦パッドを吊下保持させたもの
において、一対のアーム部に摩擦パッドの摺動案内面を
構成する金属の案内プレートを設けるに当り、案内プレ
ートの爪部に弾性を与えると共に傾斜案内面を形威し、
これによって平滑なアーム部の端面を弾力的に把持する
ことにより、該一対のアーム部に摩擦パッド案内面を仕
上加工することを不要にし、しかも該案内プレートのア
ーム部に対する取付けを、極めて簡単に行えるようにし
たディスクブレーキを提供することを目的とする。

以下に本考案の実施例を図面に基いて説明する。

第１図〜第４図において、１はディスク、２は車両の非
回転部材に固定されたトルク受部材としてのキャリアで
、該キャリア２には、ディスク１の外周を跨いでその周
回り方向に間隔をあけた一対のアーム部３，４が一体成
形されている。

この一対のアーム部３，４間に形成された摩擦パッド挿
入空間Ａには、ディスク１を挾んで一対の摩擦パッド５
，６が配置され、該摩擦パッド５，６は、それぞれディ
スク１の軸線方向に摺動自在として、後述のように一対
のアーム部３，４に吊下保持されている。

そして、キャリア２には、ディスク１の外周を跨ぐキャ
リパ７が、該ディスク１の軸線方向に摺動自在に保持さ
れ、そのディスク１の一面側には、押圧機構としてのシ
リンダ装置８が内蔵され、またディスク１の地面側には
摩擦パッド６の背面側へ延びる脚部７ａが形成されてい
る。

前記キャリア２の摩擦パッド５，６の案内部分の構造に
ついて、第４図〜第１０図を参照して説明する。

キャリア２の一対のアーム部３，４はその相対向する面
側にディスク１の軸線方向に伸びる案内段部９，１０を
形成することにより、摩擦パッド５，６の吊下支持面１
１ａ、 ｌｌｂ （１２ａ、１２ｂ）と、その内端（
挿入空間Ａ側端）より下方へ直角に延設されたトルク受
面１３ａ、１３ａ （１４ａ、１４ｂ）とを有し、更に
、キャリパ７の逃げ用空間等を確保するため、吊下支持
面１１ａ、ｌｌｂ （１２ａ、１２ｂ）の上方壁が、こ
の外端から直角に延びる案内面１５ａ、１５ｂ（１１６
ａ、１６ｂ）とされている。

なお、この吊下保持面１１ａと１１ｂ、１２ａと１２ｂ
とは、実施例では、ディスク１の外周を跨いで連設され
た形状となっているが、ディスク１の部分で分断された
形式としてもよい。

上記一対のアーム部３，４の吊下支持面１１ａ、ｌｌｂ
、１２ａ、１２ｂには、摩耗しにくい比較的硬質の金属
板を屈曲形成してなる案内プレート１７．１８が設けら
れているが、この両者は同一構造とされているので、以
下案内プレート１７についてのみ詳述する。

案内プレート１７は、吊下支持面１１ａ、ｌｌｂの全長
に渡ってこの上に位置し、摩擦パッド５，６（その裏金
５ａ、６ａ）の実質的な摺動案内面となる摺動案内部１
７ａと、この外端部より上方へ直角に折曲されて案内面
１５ａ、１５ｂへ添設されるガード部１７ｂと、摺動案
内部１７ａのディスク１の軸線方向両端部から下方に９
０°強屈曲されかつガード部１７ｂに向って拡がるよう
に傾斜する案内面２０を有する一対の爪部１７ｃ、１７
ｄとからなる。

すなわち、第６図および第８図に示す通り、一対の爪部
１７ｃ、１７ｄは、ガード部１７ｂ徊端部間（基部間）
の長さ１４がアーム部３のディスク軸線方向長さ１１と
同一かこれよりも若干大きくされる一方、挿入空間Ａ側
端部間（先端部間）の長さ１５が、前記１１よりも小と
なるように、角度α屈曲されている。

この一対の爪部１７ｃ、１７ｄにより構成された内面の
傾斜案内面２０（爪部１７ｃ。

１７ｄの相対向面）を利用して、アーム部３に対してス
ムーズに取付けられる。

なお、制動作用そのものは従来と全く同じなので、その
説明は省略する。

本考案は以上の構成からなるものであるから、キャリア
のアーム部に断面り字状の摩擦パッド摺動案内用の金属
プレートを設けたので、鋳造後に大型部材であるキャリ
アに摺動案内面を仕上げ加工することが不用になり、製
作上極めて有利となる。

また、案内プレートは、その一対の爪部の弾力と二つの
異なる方向に傾斜する傾斜案内面とを利用してアーム部
に取付けるので、いずれかの部材に突起とか止孔または
係合溝等を形成する必要がなく、またこれをかしめや接
着剤を利用して取付ける場合に比して取付交換作業が容
易になり、また組付は後の脱落防止が図られる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第１０図は本考案の一実施例を示すもので、第
１図は摩擦パッドが組込まれたキャリアを、ディスクの
軸線方向から見た図、第２図は第１図の平面図、第３図
は本考案のディスクブレーキの側面断面図、第４図は第
３図のＩＶ−ＩＶ線断面図、第５図は案内プレートのキ
ャリアへの取付後の状態を示す要部分解斜視図、第６図
は案内プレートをキャリアに組付ける際の状態を示す斜
視図、第７図〜第１０図は、夫々順に案内プレートの正
面図、底面図、平面図、右側面図である。 １・・・・・・ディスク、２・・・・・・キャリア、３
，４・・・・・・アーム部、５，６・・・・・・摩擦パ
ッド、（ｌｌａ、１１ｂ、１２ａ、１２ｂ）・・・・・
・・・・吊下支持面、１７．１８・・・・・・案内プレ
ート、１７ａ・・・・・・摺動案内部、１７ｂ・・・・
・・ガード部、１７ｃ、１７ｄ・・・・・・爪部、２０
・・・・・・傾斜案内面、Ａ・・・・・・摩擦パッド挿
入空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両の非回転部材に固定されたトルク受部材が、それぞ
   れディスクの外周を跨ぐ一対のアーム部を有し、該一対
   のアーム部間に形威された摩擦パッド挿入空間に、前記
   ディスクを挾んで一対の摩擦パッドを配置し、該一対の
   摩擦パッドを前記一対のアーム部で前記ディスクの軸線
   方向に摺動自在として吊下保持し、前記アーム部の前記
   摩擦パッド吊下支持面に、該摩擦パッドの摺動案内面を
   構成する金属の案内プレートを設けてなるディスクブレ
   ーキにおいて、前記案内プレート１７は、前記アーム部
   ３，４の吊下支持面に当接した摺動案内部１７ａと、前
   記アーム部の対向する案内面に添設するガード部１７ｂ
   と、前記摺動案内部のディスク１の軸線方向両端部から
   ９０度強屈曲され、かつ基部間の寸法をアーム部のディ
   スク軸線方向の寸法より大または同一とし、先端部間の
   寸法をアーム部のディスク軸線方向の寸法より小とした
   、対向する傾斜案内面を有する一対の爪部１７ｃ、１７
   ｄとからなり、前記一対の爪部によって平滑な前記アー
   ム部の端面を弾力的に把持することを特徴とするディス
   クブレーキ。