JPS6021013B2 - 穴明け加工機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は穴明け加工機、さらに詳しくは、断面コ字状ま
たはＵ字状をした被加工相材の穴明け加工機の改良に関
するものである。

従来、穴明け加工機により片側の閉じた、すなわち、断
面コ字状またはＵ字状をした被加工組材について打抜き
により穴明け加工を行なう場合は、一端を固定した片持
ちダィを用いて加工を行なっているが、この手段による
ときは該断面コ字状またはＵ字状の深いもの、または抜
板の分厚いものの場合は片持ちダィの固定端に多大の曲
げ応力が発生ることとなり、したがって型寿命の低下を
招いたり、ときとしてはそのプレス加工自体を諦めざる
をえないという事態が発生する。

また、寄せカム等で穴明けを行なうような場合、カムを
使用して被加工組材を介してダィを支持する方式がとら
れているが、このような方式によるときは、被加工粗材
の板厚公差を厳しくしなければならないし、両側に同時
加工が施せないため精度要求の厳しいものは加工が不可
能である。本発明は、上述のような従来技術に存する諸
問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは
、従来技術において加工困難あるいは加工不能とされて
いた断面コ字状またはＵ字状の深い被加工粗材、抜板の
分厚い粗材等についての打抜による穴明けを可能ならし
め、かつ安価で簡単なプレス機においても使用可能な穴
明け加工機を提供するにある。

以下において、本発明の第１実施例を第１図および第２
図に基づいて説明する。

図において、１は穴明け加工機であるプレス機の上型台
、２は下型台である。

３は固定カムで上型台１を介してプレスラム４と連動し
て上下動を行なう。

５は可動カムで固定カム３の下方部斜面と対向する煩斜
面において接しスライドガイド６に案内されて、第１図
の矢印で示す方向に左右にスライドするように形成され
ている。

また、この可動カム５にはパンチ７がパンチホルダ８を
介して取付けられている。９は板押え、１０はそのクッ
ション用のばねである。

以上述べた構成は、従来の一般抜型機の構成となんら異
なるところはないが、本実施例の構成の特徴は、符号１
１をもって示すダィが設けられていることである。

このダイ１１は被加工組村１２の内幅に相応する外幅を
有する柱状体に形成され、該柱状体側壁の適当個所には
パンチ７，７が挿入可能なパンチ挿通孔１１ａが設けら
れている。また、このダィ１１は、左右の可動カム５．
５間に渡架された状態で該可動カム５の本体下方部に鉄
着されているガイドポスト１３にパンチの移動方向に案
内される沼動自在に取付けられている。なお、ガイドポ
スト１３は本実施例に示す構成のものに限られるもので
はなく、スライドガイドの機能を果すものであればよい
。図において、１４は加工前の正位置調整用のぱねを示
している。本実施例の穴明け加工機を使用するには、先
ずプレスラム４を下降させる。

そうすると、可動カム５，５は、固定カム３，３の下方
部斜面により押されて内方向にスライドし、板押え９，
９でダィ１１に被冠された被加工組材１２を挟み押え、
次いでパンチホルダ８，８が前進し、パンチ７．７が板
押え９，９の孔を貫通して被加工粗材１２に当綾し、こ
こに打抜きによる穴明け加工が開始される。このとき、
ダィ１１は抜き方向に自由であるため、抜荷軍の反力は
それぞれ相対するパンチ７，７が受けることとなり、し
たがって、左右両側の可動カム５，５に均等の荷重（こ
の荷重は被加工組材１２の片側の荷重に等しい）がかか
る。そして、被加工粗材１２のいずれかの一側肇、たと
えば、第２図に示すように、左側肇の穴が先きに抜けた
とすると、ダィ１１は未だ穴が抜かれていない右側のパ
ンチ７の押圧力により押され被加工組材１２の左側壁を
介して板押え９とパンチホルダ８が密着するまで、ばね
１０，１４の弾発力に抗してではあるが殆ど無負荷の状
態で左方に移動する。そして、さらに右側の可動カム５
が前進することにより被加工組村１２の右側肇の穴明け
が行なわれるが、この際の反力は左側の可動カム５が受
けることとなり、結局、両側の可動カム５．５には常に
均等な荷重がかかり、ダィ１１には加工による曲げ応力
が発生するようなことがない。第３図は、本発明に係る
第２実施例を示すものである。

図において、１５はプレスラム、１６は上型本体、１７
はパンチ、１８はパンチホルダ、１９は板押え、２０は
被加工粕材、２１は板押え１９，１９のクッション用の
ばねである。２２はダイで、このダィ２２は被加工粗村
２０の内幅とほぼ等しい外幅の柱状体に形成され、かつ
、このダィ２２の適当個所にはパンチ１７，１７を挿入
可能にする挿通孔２２ａが設けられている。

また、このダイ２２は、その末端部は、下型本体２３に
垂直に槍立されてその上端部を上型本体１６内に挿通し
てなるガイドポスト２４に、ダイ２２の位置決め用のば
ね２５に付勢されて上下動可能に取付けられている。第
２実施例の機成は上記のとおりであって、第１図および
第２図に示す第１実施例を異なる点は、第１実施例にお
けるような可動カムを使用せず、上型本体および下型本
体に直接パンチホルダを取付け、パンチの動きをプレス
ラムの動き方向と一致させたことにある。

そして、この場合、ダィの動きをプレスラムと同一方向
としておけば、第１実施例について述べたと同様の作用
と効果を奏することとなる。各部品についての動作は第
１実施例の説明より明らかであるので省略する。以上述
べたような本発明により、従来技術においては加工不能
であったものを加工可能ならしめ、また寄せカムによる
両側面同時穴明けに際しては、従来のものでは穴明けの
タイミングがばらつくため、必ず偏荷重がかかり、穴明
け加工機としてのプレス機械は高剛性の高価なプレスが
必要であったが、本発明に係る穴明け加工機によれば、
穴明けのタイミングにかかわらず、常に両方のカムに均
等に荷重がかかる上、抜荷重自体も片側面の荷重のみで
両面を加工できるため、非常に安価な簡易のプレス機で
加工できる等の効果を奏する穴明け加工機が提供できる
。図面の筋単な説明 第１図は本発明にかかる第１実施例の一部を切欠いた正
面図、第２図は同じく第１実施例の作用を説明するため
の一部断面正面図、第３図は第２実施例の一部断面正面
図である。

７，１７……パンチ、１１，１２……ダイ、１１ａ，２
２ａ・・・・・・挿通孔、１２，２０・・・・・・被加
工類材、１３，２４・・・・・・ガイドポスト、１４，
２５……ばね。

第１図 第２図 Ｌ第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 断面コ字状またはＵ字状の被加工粗材の両側面に穴
   明けを行なう穴明け加工機において、パンチホルダに保
   持された対向するパンチの中間位置に前記被加工粗材を
   被冠すると共に前記パンチの移動方向にスライドガイド
   を案内として摺動自在で且つパンチ挿通孔を有するダイ
   を設け、前記パンチの周囲に該パンチより先行して前記
   被加工粗材を押える板押えを付設したことを特徴とする
   穴明け加工機。