JPS6018666Y2 - フアンドライブ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はエンジンの冷却ファンを駆動する装置、いわゆる
ファンドライブの改良に関するものである。

従来のファンドライブにおいては、その作動状態が断（
ＯＦＦ）のとき作動室内の粘性流体のほとんどが貯蔵室
へ抜けてしまうため、エンジンの振動が駆動軸より軸受
を介してハウジングを主要構成要素とする被動側へ直接
伝達され、軸受自体の寿命低下や被動側の各装置、例え
ば感温機構や軸受及びファンブレード等に損傷を与える
不具合があった。

本案は上述のような従来ファンドライブの不具合を除去
するために案出ししたもので、その要旨は、ファンブレ
ード１３を有し、駆動軸１に軸受５により支持される粘
性流体を封入したハウジング３，４内を、感温機構６，
７と連動するバルブ８により開閉される孔１１ａを有す
る仕切壁１１により貯蔵室９と作動室１０とに隔威し、
該両室９．１０を流体逃し口１２ａで連通ずるとともに
、作動室１０内に先端部２１を鋭角三角形とした駆動板
２を作動室内周面３ｂと先端部２１の間に絞り部２２を
形成するよう駆動軸１に取付け、且つ先端部２１に対向
する作動室１０の両側面３ａ、４ａに拡幅室３０を形成
してなるファンドライブにあり、ファンドライブオフ時
における駆動軸からハウジングを主要構成要素とする被
動側へ直接伝達される振動を軽減して、軸受や被動側各
装置への振動による損傷を防止すると同時に、上記絞り
部の形成により生ずるいわゆるひきずりによる動力損失
も少ない、耐久性のすぐれたファンドライブを提供せん
とするものである。

以下、本考案の１実施例を図について説明する。

エンジン（図示せず）に直結された駆動軸１には駆動板
２が固定され、また上記駆動軸には駆動板２を包囲する
と共に、流体を封入したハウジング３，４が軸受５を介
して支持されている。

そして、ハウジング４の前面には感温機構の一構成要素
であるバイメタル６が取付けられ、このバイメタル６に
よってハウジング４を貫通した前記感温機構の一構成要
素であるピストン７がバルブ８を作動させ、粘性流体の
貯蔵室９と作動室（駆動板室）１０との間を隔成するた
めに設けられた仕切壁１１に形成した孔１１ａを開閉す
るように構成されている。

尚、上記孔１１ａは、粘性流体を貯蔵室９より作動室１
０へ供給（導入）するためのものである。

また、ハウジング３，４の一方例えばハウジング３の後
面には複数のファンブレード１３が固着されている。

更に、１２はハウジング４の内部に形成された作動室１
０と貯蔵室９を連通ずる粘性流体の通路であり、１２ａ
は作動室１０からの粘性流体を通路１２を経て貯蔵室９
へ導入するためのダム状に形成した流体逃し口である。

上記駆動板２の流体逃し口１２ａより外周側にあって作
動室内周面３ｂに近接する外周端を一頂点とする鋭角三
角形とした先端部２１と作動室内周面３ｂとの間に粘性
流体に絞り作用を与える絞り部２２を形成するとともに
、前記先端部２１の前後に対向する作動室１０の両側面
３ａ、４ａを拡幅して拡幅室３０を形成したものである
。

従って、本願考案装置はファンドライブがオンの時は、
粘性流体は孔１１ａより作動室１０側に供給され、作動
室１０側の粘性流体は外周の絞り部２２のほか、駆動体
１の中央部の適所に設けられた図示しない開口部を経て
、流体逃し口１２ａに流れ、通路１２を介して貯蔵室９
側に還流され、その循環する粘性流体を介して、駆動板
２よりハウジング３，４側が駆動される。

次に、ファンドライブがオフ時には、粘性流体が残留す
る拡幅室３０内における駆動板２の先端部２１とハウジ
ング内周面３ｂとの間に、上述のように絞り部２２を形
成することにより、駆動板２の軸線方向の振動Ａが生じ
たとき、駆動板２の先端部２１の左右に存在する粘性流
体が絞り部２２を介して矢印Ｂの如く・移動することと
なり、即ち、粘性流体が絞り作用を繰り返えし受けるた
め、その振動ダンピング効果によりハウジング３．４へ
の振動が軽減されるものである。

更に、本考案ファンドライブでは、駆動板２の先端部２
１を鋭角三角形とし、且つ駆動板２の前後面に対向する
作動室１０の両側面３ａｖ４ａを拡幅した拡幅室３０を
設けて、上記絞り部２２を構成する作動室内周面３ｂに
近接する駆動板２の先端部２１の面積を極力小さく、更
に流体逃し口１２ａより外周側となる駆動板２のその他
の部分も作動室内周面３ｂおよびその軸線方向側面３ａ
ｖ４ａからの距離をできるだけ隔らせたので、振動吸収
のため駆動板２と作動室内周面３ｂとの近接部分による
絞り部２２を設けたことによって生ずるひきずり、即ち
バルブ８の閉時（オフ時）における駆動板２の回転に伴
うハウジング３．４の緩速回転を防止できるものである
。

以上のように、本考案のファンドライブはファンブレー
ド１３を有し、駆動軸１に軸受５により支持される粘性
流体を封入したハウジング３，４内を、感温機構６，７
と連動するバルブ８により開閉される孔１１ａを有する
仕切壁１１により貯蔵室９と作動室１０とに隔成し、該
両室９，１０を流体逃し口１２ａで連通ずるとともに、
作動室１０内に先端部２１を鋭角三角形とした駆動板２
を作動室内周面３ｂと先端部２１の間に絞り部２２を形
成するよう駆動軸１に取付け、且つ先端部２１に対抗す
る作動室１０の両側面３ａ、４ａに拡幅室３０を形成し
てなるので、バルブ８の閉時、即ちファンドライブの作
動状態が断 （ＯＦＦ）のとき、流体逃し口１２ａより内周面の粘性
流体が作動室１０より通路１２を介して貯蔵室９側へ流
出するが、流体逃し口１２ａより外周側の粘性流体は拡
幅室３０に残り、絞り部２２による絞り作用を繰り返え
し受けるため、その振動ダンピング効果によって吸収・
軽減され、従って、軸受５を介して被動側即ちハウジン
グ３，４側へ伝達される振動負荷が軽減されるから、上
記被動側に装着されているバイメタル６やピストン７等
の感温機構や軸受及びファンブレード１３等の損傷が防
止される効果がある。

同時に、前記絞り部２２によるいわゆるひきずりもほと
んどなくなるため、動力損失の少ない、耐久性のすぐれ
たファンドライブが得られるという効果がある。

また、ファンドライブの作動状態がオンのときは、作動
室１０から貯蔵室９へ還流する粘性流体は、上記絞り部
２２ばかりでなく、図示しない駆動板２の中央部の適所
に設けられた周知の開口部を介して流体逃し口１２ａに
流れ、通路１２を介して貯蔵室９側に還流するので、絞
り部２２によるファンドライブの作動時の粘性流体の循
環に悪影響を及ぼすことはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案ファンドライブ機構を示す断面図、第２図
は同機構の要部拡大図である。 １；駆動軸、２；駆動板、３，４；ハウジング、３ ａ
、４ ａ ；両側面、３ｂ；作動室内周面、６；バイメ
タル、７；ピズトン、８；バルブ、９：貯蔵室、１０；
作動室、１１；仕切壁、１１ａ；孔、１２；通路、１２
ａ；流体逃し口、１３；ファンブレード、２１；先端部
、２２；絞り部、３０：拡幅室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ファンブレードを有し、駆動軸に軸受により支持される
   粘性流体を封入したハウジング内を、感温機構と連動す
   るバルブにより開閉される孔を有する仕切壁により貯蔵
   室と作動室とに隔威し、該両室を流体逃し口で連動する
   とともに、作動室内に先端部を鋭角三角形とした駆動板
   を作動室内周面と先端部の間に絞り部を形成するよう駆
   動軸に取付け、且つ先端部に対向する作動室の両側面に
   拡幅室を形成してなるファンドライブ。