JPS6012379B2 - ポリビニルエステルをベ−スとする−成分系接着剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、水性ポリピニルェステル分散物、尿素ーホル
ムアルデヒド樹脂および酸性金属塩より成る、良好な耐
水性および貯蔵安定性を有する一成分系接着剤に関する
。

ポリビニルェステルータイプの接着剤は公知である。

このものは、溶液として、溶融接着物としてまたは水性
重合体分散物の状態で用いられる。この分散物接着剤の
欠点は、水性分散物中に於ける乳化剤および保護コロイ
ドの如き水溶性分散物質の存在に影響されて耐水性が低
いことである。耐水性は尿素樹脂を加えることによって
改善することはできる〔イー・ラックネス（Ｅ．Ｒａｋ
ｎｅｓ）の“ホルツ・アルツ・ローーウント・ヴエルク
ストッフ（ＨｏｌｚａｌｓＲｏｈ一皿ｄＷｅｒｋｓｔｏ
ｆｆゾ、１９巻（１９６１）、第２３９〜２４刀頁）。
しかし、この様な混合物は不安定であり、最高１週間程
の限定された貯蔵安定性しか有していない。更にほとん
どの場合硬化剤も一緒に用いなければならない。ドイツ
特許出願公開第１５９４１９４号明細書からは、ポリピ
ニルアルコール含有の水性ポリビニルアセテート分散物
を、硬化剤としての酸性金属塩で処理し、その際に耐水
性で且つ遠硬化性の結合剤混合物が得られることが知ら
れている。

しかしこの混合物は、最高４糊時間の貯蔵安定性しか有
していない。本発明者は、保護コロイドとしてポリビニ
ルアルコールを含有している水性のポリビニルェステル
分散物をベースとする一成分系接着剤において該接着剤
が、１．５〜３重量％の水溶性の低縮合度の尿素−ホル
ムアルデヒド樹脂の水溶液（樹脂舎量４０〜７の重量％
）および０．０５〜０．３重量％のアルミニウムまたは
クロムの水溶性酸性塩を含有する場合に、高い耐水性お
よび良好な貯蔵安定性を示すことを見出した。

水性ポリビニルェステル分散物としては、ビニルェステ
ルのホモ重合体または、ビニルェステル同志またはビニ
ルェステルと他のエチレン系不飽和モノマ−との共重合
体、この場合重合体中の組入れ重合されたビニルェステ
ルの割合は少なくとも５の重量％である−の重合体分散
物が適している。

ビニルェステルとしては、１〜１８個のｃ−原子を有す
る飽和脂肪族モノカルボン酸のピニルェステル、例えば
ビニルー蟻酸ェステル、ビニルアセテート、ビニルプロ
ピオナート、ビニルイソプチラート、ビニルラウレート
等、９〜１１個のＣ−原子を有する分岐した飽和モノカ
ルポン酸のビニルェステルまたはビニルステアレートが
適しており、特にビニルアセテートが適している。ピニ
ルェステル共重合し得る、その他のエチレン系不飽和モ
ノマ−は、アクリル−またはメタアクリル酸またはこれ
らと１〜８個のＣ一原子を有する１価の飽和脂肪族アル
コールとのェステル、マレィン酸、フマル酸、ィタコン
酸またはシトラコン酸の如きＱ，８−エチレン系不飽和
ジカルボン酸と１〜８個のＣ−原子を有する１価の飽和
脂肪族フルコ−ルとのモノ−またはジ−エステル、エチ
レン系不飽和炭化水素、例えばエチレン、３〜１２個の
Ｃ−原子を有するＱーオレフィン、スチレン、ビニルト
ルェンまたはビニルキシレン、ハロゲン化不飽和脂肪族
炭化水素、例えば塩化化ビニル、弗化ビニル、ビニリデ
ンクロライドまたはビニリデンフロライド、並びにアク
リル−またはメタアクリル酸の窒素含有誘導体、例えば
アクリルニトリル、アクリルアミドまたはＮーメチロー
ルアクリルアミドである。水性ポリビニルェステル分散
物は、場合によっては、分子中に少なくとも２個のエチ
レン系二重結合を有している架橋性モノマー、例えばジ
アリルフタレート、ジアリルマレイナート、トリアリル
シアヌラレート、テトラアリルオキシエタン、ジビニル
ベンゾール、ブタンジオールー１・４ージメタアクリレ
ートまたはトリェチレングリコールージメタアクリート
等を全てのモノマーの全体量に対して１の重量％まで重
合体中に組入れ重合含有していることもできる。本発明
に従う水性ポリピニルェステル分散物は、更に、重合体
に対して１〜１５重量％、殊に４〜ｌａ重量％のポリビ
ニルアルコールを保護コロイドとして含有している。こ
のポリピニルアルコールは重合前、一中または−後に添
加することができる。開放時間、硬化時間、接着力およ
び温度安定性の如き接着剤の一定の用途技術的性質を得
る為には、種々の水性ポリビニルェステル分散物の混合
物を用いるのが、いまいま有利である。水性ポリビニル
ェステル分散物、殊にホモポリマーのポリビニルアセテ
ート分散物を用いるのが特に有利である。水性ポリビニ
ルェステル分散物の固形分量は約４０〜６の重量％であ
る。水性ポリピニルヱステル分散物の製造は、公知の方
法において水性分散液中でモノマーをラジカル重合する
ことによって行なう。

水落性の低縮合度の尿素−ホルムァルデヒド樹脂は、尿
素とホルムアルデヒドとを１：１〜１：４、殊に１：２
〜１：３のモル比で縮合することによって得られ、４０
〜７の重量％の樹脂含有量の水溶液の状態に成っている
。

この溶液は、簡単なメチロール尿素化合物、即ちモノ−
、ジー、トリ−およびテトラーメチロール尿素を主とし
て含有している。本発明に従う接着剤は、全混合物に対
して約１．５〜３重量％の低縮合度の尿素−ホルムアル
デヒド樹脂水溶液を含有している。水落性の酸性金属塩
としては、舞藷喬しながらポリビニルアルコールと反応
する如き、アルミニウムまたはクロムの塩が用いられる
。

アルミニウムーニトレート、クロル（ｍ）−ニトレート
が適しており、特にアルミニウムークロラィドが好まし
い。添加量は、全混合物に対して０．０５〜０．箱重量
％（固形分）あるいは１０％水溶液で０．５〜３重量％
である。更に、室温における接着剤の皮膜形成を改善す
る為には、公知の皮膜形成助剤、例えばグリコール酸プ
チルェステルまたはプチルージグリコール−アセテ−ト
を全混合物に対して約１〜３重量％添加することができ
る。

本発明による一成分系接着剤により木材や紙の接着物が
得られ、この接着物は比較的長時間湿気のある室や冷水
中に貯蔵することができ、これによって接着が弛むこと
はない。

この様な目的に対して従来水性ポリビニルェステル分散
物は全く不適当であるか又は二成分系としてのみ適当で
あった。これは従来の水性ポリピニルェステル分散物で
は不可能であり、二成分系においてのみ適応しえたこと
である。貯蔵安定性は、接着剤のその使用能が減少する
ことないこ少なくとも１年間であり、これは公知の分散
物接着剤の貯蔵安定性に相当する。長い開放時間、短か
し、硬化時間、高い接着力および接合点の良好な温度安
定性の如き従来の好ましい分散物接着剤の有利な性質を
も保持している。更に本発明に従う接着剤は、プレス成
形層状物、発泡体、繊維、レザー、石綿およびその他の
多孔質材料等の接着にも適している。以下の実施例にて
本発明を詳細に説明する。

実施例 １保護コロイドとして７％のポリビニルアルコ
ールを含有するホモポリマーのポリビニルアセテ−ト５
の重量％濃度水性分散物を製造し、この水性分散物９５
．５重量部に贋梓下に低縮合度の尿素ーホルムアルデヒ
ド樹脂の５０重量％濃度水溶液１．５重量部を加える。
良好に分散させた後に、同様に濃伴しながら造膜助剤と
してのグリコール酸ブチルェステル１．５重量部および
塩化アルミニウム１０％水溶液１．５重量部を加える。
次に更に２０分間、均一化させる。蝿洋機の回転数は約
３０〜５０回転／分である。こうして得られた接着剤を
、少なくとも２独特間の熟成時間の後に以下の接着剤試
験に委ねる。

先ず、乾燥した塗腰について耐水性を試験する為に、０
．３側の一定のスリットを通してガラス坂上に接着剤を
フローコーティングする。２ぴ０の室温および５０％の
相対湿度での６日間の乾燥時間の後に、その乾燥後の塗
膜を水中に放置する。

貯蔵時間は２独特間である。塗膜は白色に成ることもな
く水中に再乳化することもない。実施例例 ２ 斑．の重量部の、保護コロイドとして１０％のポリピニ
ルアルールを含有するホモポリマ−のポリビニルアセテ
ート・５の重量％濃度水性分散物、５７．５重量部の、
保護コロイドとして５％のポリビニルアルコールを有す
るホモポリマーのポリビニルアセテート・５の重量％濃
度水性分散物、１．５重量部の、低縮合度の尿素−ホル
ムアルデヒド樹脂５の重量％濃度水溶液、１．６重量部
の硝酸アルミニウム１０％水溶液および１．５重量部の
グリコール酸ブチルェステルより実施例１と同機に製造
した接着剤を、フィルム状に流す。

比較用に、５匹重量％の固形分合有愛で且つ保護コロイ
ドとして５％のポリビニルアルコールを含有している公
３句のホモポリマーポリピニルアセテート水性分散物を
同様に処理する。フィルムを造る前に、あわを取り除く
為に本発明に従う接着剤および比較用の分散物に僅かな
水を加える。周囲に囲いを有している平らなポリエチレ
ン坂上に秤量した量を流して、０．８伽の乾燥被膜厚を
有したフィルムを得る。これらのフィルムを２チ○、５
０％の相対湿度に空気調節して７日間放置する。このフ
ィルムの吸水量は、２０℃の水中に入れ、次いで１＆分
、６ひげ、１２０分、２４ぴ分および２独特間水中放置
後に重量を測定した本発明に従う接着剤のフィルムは、
次の表に示す様に比較用分散物のそれに比べて非常に水
に対して安定である。

第１表 実施例 ３ 接着剤を、 ９３．の重量部の、保護コロイドとして７％のポリビニ
ルアルコールを含有するホモポリマーのポリビニルアセ
テート・５の重量％濃度水性分散物、３．の重量部の、
低縮合度の尿素−ホルムアルデヒド樹脂５の重量％濃度
溶液、２．５重量部の硝酸クロム（ｍ）・１０％水溶液
および１．５重量部のグリコール酸ブチルェステルにて
実施例１と同様に製造する。

この接着剤にて並びに５の重量％の固形分合有星で且つ
保護コロイドとして５％のボリビニルアルコールを含有
している公知のホモポリマー水性ポＩＪビニルアセテー
ト分散物の状態の比較用接着剤にて結合強度について、
ＤＷ５３２５４に従ってブナ木材製の試験体を用いて試
験する。

試験体は以下の如く製造した：このＤＩＮの規定に従っ
てブナの木より成る２つの接合用部材を接合する。

この接合用部村は少なくとも６００肋の長さおよび１３
０肋の中を有している。この部材の厚さは５風である。
接着剤を両方の部材に塗布する。塗布厚さは１５０夕／
仇である。次にこの両方の部材を約１の１ての圧縮圧力
にて接合する。圧縮時間は２時間である。これらの試験
体をＤＩＮ斑２Ｗに従う貯蔵シリ−ズ１、４および５に
従って耐水性を検査する。

貯蔵シリーズ１は、２０ｑｏ、６５％の相対湿度のもと
で７日間試験体を空気調節放置することにより成ってお
り、貯蔵シリーズ４も２ぴ○、６５％の相対湿度に空調
下に７日間放置しそして次いで２蝿時間水中に放置する
ことより成っている。一方貯蔵シリーズ５は更に２０℃
、６５％の相対湿度のもとに空調下に再度７日間放置し
続けることである。貯蔵シリーズ５の後の結合強度は再
乾燥強度とも呼ぶ。次の第ロ表に得られた結果を示す。
第〇表 本発明に従う接着剤で接着した結合強度は、２４時間の
水中放電の後でも尚測定し得るが、一方比較用接着剤を
用いた試験体は水中で崩れてしまう。

本発明に従う接着剤を用いた試験体の再乾燥強度は、初
めの結合強度の値（貯蔵シリーズ１の後）にに近ずく。
実施例 ４ 第ｍ表に記した組成より成る実験Ｎｏ．１〜６の接着剤
を実施例１におけるのと同機に製造する。

但し、実験Ｎｏ．４〜６の接着剤は本発明のものとの比
較の為に製造したものである。実施例１におけるのと同
機に耐水性試験を行ない、その結果を第ｍ表に示す。

結合強度の試験は、実施例３における如く製造した試験
体を用い、ＤＩＮ球２５４に従って以下の如く行なう：
２３℃、５０％の相対湿度のもとに７日間放置した後に
、こうして接合した都村から２ｑ固の試験体を切り取る
。

この試験体は、１５仇帆の長さおよび２０肌の中の寸法
を有している。次に、これらの試験体を、２０×１０（
他）の試験面が現われる様に、木の柾に対して横切って
削り取る。Ｄ川５３２５４に従う引張試験で鱗断強度を
測定する。即ち、試験体が破断するまで引張り、その際
の最高の負荷力を測定する。別に、試験体を水中に放置
し、２岬時間後にその試験体を水から取り出し、その直
後に、同様に引張試験に委ねる。

試験体の結合強度は次式に従って算出する：試験体の船
磯顎鷺鰯蓑（Ｎ側（注） ＩＮ′協；０．１０２ｋｇ／
磯：１０．２ｋ９／柵結果を第ｍ表に示す。

聡 白 糠 第ｍ表から、耐水性に関しては金属塩を含有する全ての
接着剤の塗膜が再乳化せず、良好であることが判る。

また２３ｏｏでの乾燥結合強度については、いずれの塗
膜も実質的に相違していないことが判る。この試験で測
定値が多少相違しているのは、試験に用いたそれぞれの
木の強度に依存している。更に試験体を２独特間、水中
に貯蔵した後の結合強度の試験では、金属塩を加えてな
い接着剤の場合にはもはや強度を有しておらず、一方、
クロム−およびアルミニウム塩を用いた場合には非常に
良好な結果が得られている。

この効果は、従釆技術（侍公昭４４一２９５９６号）で
用いられている亜鉛塩を用いた接着剤の場合よりも格別
に優れている。以上から判る通り、クロム−およびアル
ミニウム塩を用いた本発明の接着剤は、耐水性、乾燥結
合強度および貯蔵安定性に関して、従釆技術において用
いられていた亜鉛塩の場合と同様に優れているだけでな
く、２独時間水中貯蔵後の結合強度に関しては、一応の
効果を示す亜鉛塩の場合よりも遥かに優れており、この
様な効果は従来技術からも全く予想できなかったことで
ある。

本発明は、特許請求の範囲に記載の接着剤に関するもの
であるが、実施の態様として以下を包含する。

‘１１ 特許請求の範囲に記載の接着剤において、分散
物の重合体成分に対して１〜１５重量％のポリビニルア
ルコールを含有する、上記接着剤。

【２１ 特許請求の範囲および上記第‘１｝項に記載の
接着剤において、ポリビニルヱステル分散物が重合体成
分に対して少なくとも５の重量％の組入れ重合されたビ
ニルェステルを含有する、上記接着剤。‘３｝ 特許請
求の範囲および上記第ｍ〜■項に記載の接着剤において
、ポリビニルェステル分散物としてポリビニルアセテー
ト分散物を用いる上記援着剤。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 保護コロイドとしてポリビニルアルコールを含有す
   る水性ポリビニルエステル−分散物をベースとする一成
   分系接着剤において、該接着剤が、尿素とホルムアルデ
   ヒドとが１：１〜１：４のモル比であり且つ主としてモ
   ノ−、ジ−、トリ−およびテトラ−メチロール尿素より
   成る水溶性縮合度尿素−ホルムアルデヒド樹脂の水溶液
   （樹脂含有量４０〜７０重量％）１．５〜３重量％およ
   びアルミニウムまたはクロムの水溶性の酸性塩０．０５
   〜０．３重量％を含有することを特徴とする、上記ポリ
   ビニルエステルをベースとする貯蔵安定性を有する一成
   分系接着剤。