JPS599774Y2 - ハンマドリル機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案の目的はハンマ・ドリル等において、ギヤを介し
てモータにより回転されかつその先端に工具ピットを取
付けたスピンドルを有し、該スピンドルの後端部にはノ
ツチ付き歯をもうけた可動ハンマ部材がスピンドルの回
りに同心に固定されており、かかるノツチ付き歯がギヤ
ケースカバー内に固定された固定ハンマ部材のノツチ付
歯と係合した状態でスピンドルが回転すると、前記二つ
のノツチ付歯間のカム様作用により、可動ハンマ部材お
よびそれが固定されているスピンドルが軸方向に反復往
復運動をしてハンマ・ドリリング動作を行うことができ
、常時は、動力工具本体にもうけられた引張りばねによ
りスピンドルは工具前方へ引張られており、従って前記
二つのノツチ付歯が係合していないので回転動作、即ち
ドリリング動作のみを行うようになっている、ハンマ・
ドリル等のポータブル動力工具において、作業者がかか
るドリリング動作のみを希望する場合に、工具ビットを
工作物に押しつけてもハンマ・ドリリング動作が起らな
いようにするために、可動ハンマ部材とギヤケースカバ
ーとの間に、カムを有しかつ回転および軸方向に摺動自
在なシフトワツシャをもうけ、かかるカムとギヤケース
力バー上のカムとの間のカム作用によって可動ハンマ部
材およびそれが固定されてスピンドルを固定ハンマ部材
から離れる方向に移動させ、それにより前記二つのノツ
チ付歯の相互係合を不可能にし、従ってハンマ・ドリリ
ング動作を防止するための、ドリノングとハンマ・ドリ
リングとの二つの作動モードの切り換え装置５を提供す
ることである。

ポータブル電気工具は２つの作動モードを有し、１つは
ドリリング用で゛あり、他はハンマ・ドリリング用であ
る。

この工具はモータハウジング、モータハウジングの前方
に装着されたギヤケース、および両者間のギヤケースカ
バーを有し、後者はハウジングの内壁を構或している。

軸方向に進退自在のスピンドルは後方部分がギヤケース
力バー内のベアリング内にジャーナル装着されている。

このギヤケースカバー内にはスピンドノレベアリングの
半径方向に固定ハンマ部材が固定されている。

可動ハンマ部材はスピンドルによって担持され、ノツチ
付き歯を備え、このノツチ付き歯はハンマ・ドリリング
作動モード中固定ハンマ部材上の対応するノツチ付き歯
とラチェット係合するようになっている。

固定ハンマ部材の半径方向にシフト部材が配置され、シ
フト部材と可動ハンマ部材との間にはスラストベアリン
グ手段が設けられている。

シフトボタンを有する手段が設けられ、シフト部材をス
ピンドルの軸を中心としてある角度にわたって回転させ
るようになっている。

シフト部材とギヤケース力バーとの間には協同カム手段
が形或され、シフト部材の回転はその軸方向移動を起こ
し、それによってドリリング作動モード中可動ハンマ部
材を移動させて固定ハンマ部材との係合を解くようにな
っている。

第１図を参照すると、本技術分野でハンマ・ドリルと呼
ばれるポータブル電気工具１０が示されている。

工具１０はモータハウジング１１，ギャケース１２、お
よひ゛それらの間のギヤケースカバー１３を有し、後者
は工具ハウジング内で内壁を構戊している。

さらに、ハンマ・ドリルはハンドル１４、モータハウジ
ング内のモータを付勢するスイッチ１５、および適当な
工具ビットあるいは他の道具を受け入れるチャック１６
を有する。

例示の便宜上、モータと工具ビットは図示されていない
。

モータはギヤケース力バー内の第一のスリーブベアリン
グ１８内にジャーナル装着されたアーマチャシャフト１
７を備えている。

アーマチャシャフト上にはピニオン１９が形威され、ギ
ャケース内にジャーナル装着された中間シャフト２１上
に装着された中間ギャ２０と係合している。

中間ギャ２２と２３（大きさが異なっている）は中間シ
ャフトによって担持され、チャックが装着されているス
ピンドル２６によってゆるく担持された対応ギャ２４，
２５と係合している。

ギャ２４， ２５は、常時は、スピンドル２６に対して
回転および軸方向に摺動自在で゛ある。

ギャ２４， ２５のおのおのはそれぞれの圧縮スプリン
グ２７． ２８によってお互に向い合う方向にバイアス
され、ギヤおのおのはスピンドルに適当な方法で固定さ
れたピン３１とクラッチ係合するのに適応したノツチ付
き部分２９， ３０を有する。

ギヤの１つ（２４あるいは２５）を軸方向にスライドさ
せてピンから離すために手動操作可能な調整手段が設け
られ（図示せず）、それによって他のギヤをピンと係合
させ、それによって他のギヤをスピンドルにキー止めす
る。

即ち圧縮スプリング２８がギャ２５を第１図および第２
図の右方ヘバイサスしているとき、スピンドル２６に固
定されたピン３１はギャ２５のノツチ３０と係合する。

ギヤ調整手段を操作して、たとえばギャ２５を第１図お
よび第２図の左方へ動かすとノツチ３０はピン３１から
外れ、圧縮スプリング２７はギャ２４を左方へ動かし、
ギャ２４のノツチ２９がピン３１と係合する。

ピン３１はスピンドル２６に回転不能に固定されている
ので該スピンドルと共に回転する。

その結果、ギャ２４または２５のノツチ２９， ３０が
ピン３１に供合していると、かかるギャ２４または２５
はスピンドル２６と共に回転する。

これは、一般に「ドッグ・クラッチ」と呼ばれる公知の
機構である。

前記ギヤ調整手段はギヤをスピンドルの軸方向に動かす
ための機構であり、適当な公知の機構を使用することが
できる。

このギヤシフト用二段速度機構は１９６５年４月２０日
に発行された米国特許第３１７８９５５号および第３１
７８９５６号に開示されており、両特許は本考案の譲受
人に譲渡されている。

第１図を再び参照し、かつさらに第２図〜第４図を参照
すると、スピンドルは軸方向に進退可能であり、常時は
、引張りばねであるさら形スプリング２６Ａにより、前
方へ、即ち、第１図第２図の左方へ付勢されている。

さらに、スピンドル後方部分２６Ｂを有し、この部分は
ギヤケース力バー内に装着された第二のスリーブベアリ
ング３２内にジャーナル装着されている。

フランジ付ブツシング３３からなる固定ハンマ部材はベ
アリング３２のまわりに同心に固定され、ギヤケースカ
バー内に固定されている。

可動ハンマ部材３４は固定ハンマ部材の前方でスピンド
ル上に適当な方法で同心に固定されている。

第２図、第３図およひ゛第４図に見られるように、これ
らのハンマ部材は対応するノツチ付歯３５， ３６をそ
れぞれ有し、ハンマ・ドリリング作動モードにおいて相
互にラチェット係合し、スピンドルが回転すると、係合
しているノツチ付き歯３５， ３６間のカム作用により
スピンドルが軸方向に反復運動をしてハンマ・ドリリン
グ動作を行う。

固定ハンマ部材３３のノツチ付き歯３５と可動ハンマ部
材３４のノツチ付き歯３６とは公知のもので、それぞれ
類似の形状であり、***部（歯）と切矢部（ノツチ）と
を有し、一方の***部を他方の切矢部に係合させた状態
でスピンドル２６およびそれに固定された可動ハンマ部
材３４が回転すると、一方の***部が他方の***部上に
乗り上げ次に再び切矢部と係合するという動作を急速に
反復することにより、可動ハンマ部材およびそれが固定
されているスピンドルに軸方向に反復往復運動を生じさ
せる。

かかるノツチ付き歯とその作用は公知である。

工具の使用にさいして、作業者がチャックによって担持
される工具を工作物に押しつけると、スピンドルにはそ
の軸方向の後方へ、即ち第１図、第２図の右方ヘバイア
スがかかる。

このバイアス圧によってスピンドルはさら形スプリング
２６Ａの力に抗してギヤケース内へ軸方向に後退し、各
ハンマ部材上のノツチ付き歯をラチェット係合させ、そ
れによってハンマ・ドリリング作動モードが与えられる
。

この場合、前述した手動調整により、スピンドル２６上
のギャ２４をピン３０とクラッチ係合させると低速ハン
マ・ドリリング作動モードが得られ、ギャ２５をピン３
０とクラッチ係合させると高速ハンマ・ドリリング作動
モードが得られる。

ワツシャ３７からなるシフＩ・部材は固定ハンマ部材３
３のまわりに同心に回転自在にがつ軸方向に摺動自在に
装着され、シフトボタン４０内に形或された横スロット
３９と係合する半径方向に突出するタング３８を有する
。

シフトボタンは、適当な戒形プラスチック製のものでよ
く、モータハウジングとギャケース間のギヤケースカバ
ー内に形或された弧状スロット４１（第４図）内で制限
された交互回転移動を行なうように案内される。

タング３８とスロット３９間の連結により、シフトボタ
ン４０とシフトワツシャ３７はスピンドルの軸を中心と
してある角度にわたって結合したまま回転される。

ギヤケース力バーに直面するシフトワッシャの側面には
カム面４２が形戒され、ギヤケースカバー上の対応する
カム４３（第３図）と係合する。

これらのカム４２と４３は対応する形状を有し、それぞ
れ、軸方向に***した４個の山部とそれらの間の４個の
谷部とから構威されている。

それぞれのカムの山部と谷部とが係合している状態では
シフトワツシャ３７は軸方向に最も右方に位置しており
、従って可動ハンマ部材のノツチ付き歯が固定ハンマ部
材のノツチ付き歯と係合することを妨げない。

シフトワッシャを回転して、カム４２． ４３のそれぞ
れの山部をお互に係合させるとシフトワツシャは左方に
移動し、スラストベアリング４４を介して接触している
可動ハンマ部材を押して左方に移動させるので、スピン
ドル２６も左方に移動し、前記山部相互の係今によりシ
フトワッシャの右方への移動が不可能になるのでツッチ
付き歯３５と３６の相互係合も不可能となり、工具ビッ
トを工作物に押しつけてもハンマ・ドリリング動作が生
じ得ない。

これが工具のドリリング作動モードである。

スラストベアリング４４は、第２図に示したように、可
動ハンマ部材の直径の小さくなった部分のまわりに、固
定されずにはめられており、スラストベアリングの軸方
向の両側面はそれぞれ、シフトワツシャ３７および可動
ハンマ部材３４と接触し滑動可能である。

この場合、前述した手動調整により、スピンドル２６上
のギャ２４をピン３０とクラッチ係合させると低速ドリ
リング作動モードが与えられ、ギャ２５をピン３０とク
ラッチ係合させると高速ドリリング作動モードが与えら
れる。

第３図および第４図に示されているように、シフトボタ
ン４０は弧状に離間した各ポケット４５Ａ，４５Ｂを有
し、これらのポケットはギヤケース力バー内に一体に鋳
造された突起する各ラグ４６Ａ， ４６ Ｂを交互に受
け入れるようになっている。

シフトボタン４０はその弧状の形状と材質により若干弾
性を有するので、力を入れてシフトボタンを回転すると
、ラグに接触した時、シフトボタンが弾性的に若干変形
してそのポケット内にラグが出し入れされる。

それらの間の協同はシフトボタンの弧状移動を制限し、
もどり止め形の「スナップ作用（“ｓｎａｐ ａｃｔ
ｉｏｎ”）を与えてシフトボタンの不注意による移動を
不可能にする。

本技術分野の当業者には理解されるように、この考案は
、作業者によってドリリングにもまた「ハンマ・ドリリ
ング）にも随意に調整できる、比較的高容量の動力工具
用の低コストで、簡単で、信頼性のある機構を与えるも
のである。

さらに、二段変速装置は「低速」および「高速」動作を
与え、それによって全部で４通りの明確な作動モードが
与えられる。

【図面の簡単な説明】

第１図はハンマ・ドリル作動モードに調整された機構を
示すために一部破除しかつ断面にした工具の側面図であ
る。 第２図はドリリング作動モードに調整された機構を示す
第１図の一部分の側面図である。 第３図は第１図および第２図に示された機構の分解透視
図である。 第４図は第２図の４４線断面図である。 １０：ポータブル電気工具、１１：モータハウジング、
１２：ギャケース、１３：ギャケースカバー、１７：ア
ーマチャシャフト、１８：第一スリーブベアリング、２
６：スピンドル、３２：第二スリーブベアリング、３３
：固定ハンマ部材、３４：可動ハンマ部材、３５，３６
：ノツチ付き歯、３７：シフト部材、４０：シフトボタ
ン、４１：弧状スロット、４２． ４３ ：カム面、４
４：スラストベアリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 モータハウジング、モータハウジングの前方に設けられ
   たギヤケース、ギヤケースとモータハウジングの中間の
   ギヤケースカバー、先端に工具を装着でき、ギヤケース
   にジャーナル装着され、スプリングにより軸方向に付勢
   され、軸方向に進退可能な、モータにより駆動されるス
   ピンドル、ギヤケース力バーのスピンドルベアリングの
   まわりに同心に配置されたブツシングから戊る固定ハン
   マ部材、固定ハンマ部材の前方にスピンドルに担持され
   た可動ハンマ部材、前記固定ハンマ部材と可動ハンマ部
   材のそれぞれに形戊され、ハンマドリリング作動モード
   において相互に係合してスピンドルのハンマリング運動
   を生じさせるノツチ付き歯、とを有するポータブル動力
   工具において、前記ギヤケースカバー上のカム面、ギヤ
   ケースカバーと可動ハンマ部材との中間に、固定ハンマ
   部材のまわりに同心に配置され、前記カム面と協同的に
   保合可能なカム面を有するシフトワツシャ、シフトワツ
   シャと可動部材との間のスラストベアノング、およびシ
   フトワツシャをスピンドルの軸のまわりにある角度だけ
   回転させる手段、とを有し、それにより、シフトワツシ
   ャを回転運動させるとシフトワツシャが軸方向に動いて
   可動ハンマ部材を固定ハンマ部材から離れる方向に十分
   な距離だけ動かし、可動ハンマ部材と固定ハンマ部材と
   に形或された前記ノツチ付き歯の係合を不可能にし、従
   ってドリリング作動モードにおいて該ノツチ付き歯の相
   互作用によるスピンドルのハンマリング作動を不可能に
   するようにしたことを特徴とする。 ドリリングとハンマ・ドリリングとの２つの選択的作動
   モードを有するポータブル動力工具の作動モード切り換
   え装置。