JPS595715B2 - スチ−ルコ−ドノ セイゾウホウホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複数本の素線より成る芯ストランドを有する二
層又は三層以上のスチールコードの製造方法に関するも
のである。

従来、芯ストランドを有するスチールコードを製造する
場合、カゴ型撚線機或いは筒型撚線機等の撚線機が用い
られている。

しかし、これらの撚線機では装置も大きくなり回転数が
小さく又使用動力は大きくなるという欠点がある。

最近スチールコード製造装置において回転数が高＜、使
用動力も小さいダブルツイスト式パンチャー撚線機が採
用されるようになってきたが、上記パンチャー撚線機を
そのまま複層撚りのスチールコードの製造に使用すると
その構造上、各線には全て回転に応じて捻れが入る。

これにより芯ストランドに捻れが入ると、撚りピッチに
変化が現われるため、コードでの撚りひら、撚り不良の
原因となってスチールコードの品質が低下する。

このため、芯ストランドに捻れが入ったり、又は撚りも
どりが生じたりするのを考慮して、予じめ多いめ又は少
ないめの撚りを与えておいて側線と撚す合わせ、規定の
撚りピッチの芯ストランドをもったスチールコードを製
造する方法が考えられているが、この方法においても撚
りが形成される途中で撚りピッチの変化が生じるため、
芯ストランドに著しく損傷を与え、さらに撚り不良の発
生を解消することができず、スチールコードの品質が低
下する原因となる。

例えば、芯ストランドの撚りピッチが１０調、コードの
撚りピッチが１８ＴａｒＬであるスチールコードをパン
チャー撚線機で撚るためには、そのスチールコードがＳ
／Ｓよりの構造では、予かしめ芯ストランドを２２．５
１ｒｒｒｒＬの撚りピッチとし、またＳ／Ｚ撚りの構造
では、予かしめ芯ストランドを６．４閣の撚りピッチと
する必要がある。

このように、芯ストランド自体の撚りピッチと、それが
スチールコードの一部となった時の撚りピッチとが大巾
に変化すると、当然、撚込率の違いから生じるストラン
ドの長さが変化することになり、撚りが形成される途中
でこの現象が起ると芯ストランドと側線との間に長さむ
らが生じ、いわゆる撚りひら、キンク不良、断線等の欠
点が生じる。

本発明は従来の斯る欠点に鑑みてなされたものであり、
撚りむら、キンクのない良品質のスチールコード、特に
タイヤコードの製造方法を提供するものである。

以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

実施例 第１図に示す如く、クレード１７に回動可能に装着され
たリール１に捲かれた撚シ方向Ｓ１撚りピッチ１０ｗｎ
の芯ストランド４をガイドローラ１９を通し、さらにＳ
方向の捻りを与えるように鏡板１１の中心を通し、ボイ
ス１２に導く。

一方機枠或いは地面に回動自在に固定されたり一ル２に
捲かれた側素線５を複数本引き揃え、ターンローラ１０
を通して鏡板１１、ボイス１２に導き入れる。

上記ボイス１２より出た芯ストランド４と側素線５の複
数本をフライヤ８０回転数より高い回転する過撚ローラ
１３に導き、さらにフライヤ８に設けたガ・イドローラ
ー９を通し、撚り方向がＺ１撚りピッチが１８ｒＩｒｒ
ｒＬとなるよう撚りを与えながらクレードルＩ内に設け
られた引取りキャプスタン１４に捲きつケ、トラバーサ
１５を介して捲取りリール３に捲取り、撚り方向Ｓ／Ｚ
、撚りピッチ１０ｒｒａｎ／ １８ｍ＋＋＋のスチール
コード６を得るものである。

ここで、撚り方向がＳの芯ストランド４はフライヤ１８
によってさらにＳ撚りに撚られ、その後フライヤ８によ
って２撚りに撚りもどされるような経過をたどるが、実
際には芯ストランド４はフライヤ１８とフライヤ８との
間で連続しており、しかもフライヤ１８とフライヤ８と
は近接しているため、フライヤ８０回転によって生じる
撚りもどりがフライヤ１８に伝わり、結局運転途中にお
いてはストランド４に撚り込みや、撚りもどりが起らな
いような現象となる。

上記装置においてフライヤ８，１８は同一の駆動源或い
は別個の駆動源より伝達された駆動ギア１６．２０によ
り同方向で且つ、略同−回転数で回転することが最も好
ましい。

なお、前記過撚ローラ１３の回転数はフライヤ８０回転
数の略１．５〜３倍とすることがＩましい。

また、芯ストランド及び側素線の集合装置として鏡板１
１、ボイス１２を用いているが、第２図に示す如く撚り
ロローラ２１を用いてもよいものである。

つぎに、本発明の方法によって製造したスチールコード
と従来の方法によって製造したスチールコードの比較例
を第１表に示す。

本発明は上記の如き方法によりスチールコードを製造す
るため、例えば、Ｓ／Ｚ撚りのスチールコードを製造す
る場合、従来の方法ではフライヤ８の回転によって芯ス
トランド４の撚りが戻るべきところがあるが、本発明で
はフライヤ１８の回転によって芯ストランドに予じめ撚
り込みを付与しているため、それが打ち消され、芯スト
ランドの撚りピッチがコードとなった後も変化せず、も
ちろん撚り工程の途中においても撚シピツチの変化はほ
とんど起らず、したがって、芯ストランドと側素線との
間に長さむらが生じず、しかも過撚ローラにより予じめ
撚りぐせが付与されているため撚りが安定し、撚りむら
、キンクのない所要のスチールコードが得られる。

このため、芯ストランドに隙間が出来たり、芯ストラン
ドが側線の外側へ飛び出したりすることがなく、均一な
品質のスチールコードを容易に得ることができるという
大きな効果を有する発明である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図はスチールコー
ド製造装置の構成図を示し、第２図は第１図に於ける集
合装置の他の実施例を示す構成図である。 １．２・・・・・・リール、３・・・・・・巻取りリー
ル、４・・・・・・芯ストランド、５・・・・・・側素
線、６・・・・・・スチールコード、７，１７・・・・
・・クレードル、８，１８・・・・・・フライヤ、９，
１９・・・・・・ガイドローラ、１０・・・・・・ター
ンローラ、１１・・・・・・鏡板、１２・・・・・・ボ
イス、１３・・・・・・過撚ローラ、１４・・・・・・
引取りキャップスタン、１５・・・・・・トラバーサ、
１６，２０・・・・・・駆動ギア、２１・・・・・・撚
りロローラ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数本より成る芯ストランドを巻成したリールを機
   枠に遊動自在に懸架されたクレードル中に回動自在に装
   着し、上記リールより芯ストランドをクレードルの周囲
   を回転するフライヤを介して撚り込みを与えながら繰出
   し、上記撚り込みを与えられた芯ストランドと側素線を
   構成する複数本の単線をフライヤーの回転数より高い回
   転数で回転する過撚ローラに導き、さらに上記フライヤ
   ーと同方向で且つ、略同−同転数で回転するフライヤー
   を有するパンチャー撚線機に供給し、芯ストランドを有
   するスチールコードを得ることを特徴としたスチールコ
   ードの製造方法。