JPS5952216B2 - ガス吹込用ノズルの交換方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、精錬炉において、その炉壁を通してガスを
浴面下に導入するための、例えば多種のガスを通す内管
と同心円状に配置された外管とを有する２重管ノズルの
交換方法に関する。

例えば、転炉に上記の２重管を装着した場合、２重管ノ
ズルとその周囲の煉瓦積とをできるだけ均一に摩滅させ
ることが、転炉の寿命にとって最も重要である。

ところが、実操業では、２重管ノズルとこれを直接囲繞
する煉瓦積は総じてこれ以外の煉瓦にくらべ多少早く摩
滅することが知られている。

このため底吹転炉の場合、転炉を継続して使用する間に
１回ないし数回新しい炉底を挿設するのが通常である。

この発明は、上記の煉瓦積を均一に摩滅させ、また、万
一尚早な摩滅が起った場合、ノズル交換のために炉を止
めることなくこれに対処しつるノズル交換法を提案する
ことを目的とするものである。

すなわちこの発明は、精錬炉の炉壁を通してガスを浴面
下に導入するためのノズル交換において、炉壁に開孔し
た上記ノズルの外径より１０〜８０ｍｍ大きな内径の孔
とその孔に挿入した上記ノズルとの隙間に耐火モルタル
を圧入することを要旨とするものである。

以下にこの発明方法を詳述するため図面に示す一実施例
にもとづいて説明する。

第１図に、精錬炉の耐火材中の２重管ノズルを示すよう
に例えば、転炉の炉底あるいは転炉の側壁の鉄皮１を通
して煉瓦積等の耐火材２中に、外管４と外管４内にそれ
より小径の同心管なる内管５とによって環状空間６を有
する２重管ノズル３を埋設する。

外管４．内管５はそれぞれ独立したスリット部ガス導入
管７．内管ガス導入管８を介して、アルゴン、キセノン
、クリプトンのような不活性ガス、窒素、一酸化炭素の
ような中性ガス、二酸化炭素、酸素のような酸化性ガス
のうち１種又は２種以上のガスを供給する。

このような、炉壁を通しガスを浴面下に導入するための
、ノズルを使用して、２重管ノズル３を直接囲繞する耐
火材２が残余の耐火材よりも速く摩滅損傷して、漏斗状
凹部９を形成した場合、これを補修する方法として、耐
火材２の損傷のないレベルまで２重管ノズル３を押し進
め、その後漏斗状凹部９を注入、塗布あるいはスタンピ
ングなどで充填することができるが、２重管ノズル３を
押し進めたために、外管４と耐火材２との間に隙間が生
じ、上記漏斗状凹部の充填のみでは、この隙間からの溶
鋼もれの危険性がある。

そこで、耐火材２中に漏斗状凹部９が形成されると、新
しい２重管ノズル３と交換し、溶鋼もれが起らないよう
に、外管４と耐火材２との隙間を充填するのがよい。

この２重管ノズル３の交換時期の決定は、レーザー光線
等を利用して光学的に漏斗状凹部９を測定することによ
り決定できるが、炉外より内管５を通して炉内にＬ字形
に曲げた針金等の部材を挿通することにより測定できる
。

すなわち、炉内に開口した２重管ノズル３の先端部に部
材のＬ字形の部位を掛け、該ノズル３の開口部から鉄皮
１までの距離を測ることにより交換時期を決定すること
ができる。

このようにして、２重管ノズル３の交換時期が決まると
、２重管ノズル３を耐火材２内より引き抜き後の耐火材
２中の孔にそって、２重管ノズル３の外径より１０〜８
０ｍｍ大きな内径の孔を穿設する。

もちろん、引き抜き後の孔を耐火材料で充填し、全く別
の位置に新たな孔を穿設することもできる。

ここで、穿設した孔の内径が２重管ノズル３の外径より
１０ｍｍ未満しか大きくない場合には、下述する耐火材
料の圧入が十分性なえず、該ノズル３の外径よ’） ８
０ｍｍ以上大きい場合は、耐火材料の圧入は出来るが、
多量の耐火材料を必要とし不経済であるばかりでなく、
充填した耐火材料の乾燥に時間を要する。

なお、新しい管を挿入する際には、ノズル３先端開口部
を分離可能な蓋１２で閉じ、異物等の侵入を防止し、ガ
ス吹込みに際して上記蓋を離脱するか、あるいは、高温
金属の影響によって蓋を破損する。

この蓋には通常、鋼浴の熱により容易に焼失する厚紙が
使用される。

次に第２図のこの発明方法の説明図に示すように、新し
い２重管ノズル３を上述した内径とする孔に遊挿するに
際し、該ノズル３が孔の中心に挿置するように、中心に
２重管ノズルの貫通孔を有する花形の耐火物板１１を取
り付ける。

耐火物板１１を花形にすることにより、耐火材料１０の
圧入に際して、該孔と耐火物板１１の隙間より気体を孔
外に逃がすことができる。

ここで、２重管ノズル３は耐火材２の損傷のないレベル
まで押し進めておく必要がある。

以上のごとく、新しいノズル３を耐火材２中の孔の中心
部に挿置すると、下述する耐火材料１０の圧入機で鉄皮
１側より耐火材料１°０を圧入すｉる。

この圧入する耐火材料１０は、高炉の出鉄口の閉鎖に用
いられりアルミナとシリカの混合物にタールを混ぜたタ
ールボタ、マグネシアペースト、高アルミナモルタルな
ど、通常用いられる耐火モルタルでもよい。

１ 耐火材料１０の圧入機１３は、第３図に示すごとく
、フレーム１４はその後部に油圧シリンダ１５を固設し
、そのピストン１６が摺動可能なように耐火材料圧入筒
１７を内設する。

この圧入筒１７は、炉壁又は炉底内に先端を挿入した鉄
皮フラ；ンジ１９で位置決めされる圧入ノズル１８とそ
れぞれのフランジ部１７ａ、１８ａで連結しである。

この圧入機１３は耐火材料圧入筒１７内の耐火材料１０
をピストン１６によって圧入ノズル１８よりノズル３の
外管４と耐火材２との隙間に圧１人する。

なお、圧入に際し、２重管ノズル３の炉外開口部にシー
リングケース２０を嵌合させ耐火材料１０が該ノズル３
内に侵入しないようにする。

このように、外管４と孔との隙間に耐火材料１７０を圧
入した後、先に２重管ノズルは耐火材２の損傷のないレ
ベルまで押し進められているので、漏斗状凹部９を通常
の焼付剤によって充填して完了する。

上述のごとく、この発明によるガス吹込用ノズデルの交
換方法は、このノズルを運転外に置くことなく、万一尚
早な摩滅が起ってもこれに対処し得るすぐれた交換方法
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は耐火材とノズルが損傷した状態を示す９精錬炉
の平面図と縦断面図、第２図はこの発明によるノズルの
交換に際し耐火材料の圧入状態を示す精錬炉の平面図と
縦断面図、第３図は耐火材料圧入機の縦断面図である。 図中１・・・・・・鉄皮、２・・・・・・耐火材、３・
・・・・・２重管ノズル、４・・・・・・外管、５・・
・内管、９・・・・・・漏斗状凹部、１０・・・・・・
耐火材料、１１・・・・・・花形耐火物板、１３・・・
・・・圧入機、１５・・・・・・シリンダ、１７・・曲
圧入筒、１８・・・・・・圧入ノズル、２０・・・・・
・シーリングケース。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 精錬炉の炉壁を通してガスを浴面下に導入するため
   のノズルの交換において、炉壁に開孔した上記ノズルの
   外径より１０〜８０ｍｍ大きな内径の孔とその孔に挿入
   した上記ノズルとの隙間に耐火モルタルを圧入すること
   を特徴とするガス吹込用ノズルの交換方法