JPS5941056B2 - エンジンにおける樹脂製ギヤ - Google Patents

エンジンにおける樹脂製ギヤ

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JPS5941056B2
JPS5941056B2 JP13754178A JP13754178A JPS5941056B2 JP S5941056 B2 JPS5941056 B2 JP S5941056B2 JP 13754178 A JP13754178 A JP 13754178A JP 13754178 A JP13754178 A JP 13754178A JP S5941056 B2 JPS5941056 B2 JP S5941056B2
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resin
tooth
gears
molding
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茂良 伊藤
敏彦 前田
誠次郎 広瀬
知 吉野
正志 藤本
恒夫 梅田
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Daihatsu Motor Co Ltd
Kojima Industries Corp
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Kojima Press Industry Co Ltd
Daihatsu Kogyo KK
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Publication of JPS5941056B2 publication Critical patent/JPS5941056B2/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H55/00Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
    • F16H55/02Toothed members; Worms
    • F16H55/12Toothed members; Worms with body or rim assembled out of detachable parts

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はエンジンにおける新規な樹脂製ギヤに関する。
さらに詳しくは、ギヤの樹脂部を二重成形してなる、ブ
ツシュと樹脂部との間に有害なスキ間が生じにくくかつ
捩れが小さい樹脂製ギヤに関する。
エンジンにおけるギヤとしては、たとえばバランスシャ
フトギヤ、カムシャフトギヤ、アイドルギヤ、クランク
シャフトギヤ、ディストリビュータギヤ、オイルポンプ
ドリブンギヤなどがあげられる。
かかるエンジンにおけるギヤとしては従来より金属製ギ
ヤが用いられているが、近年軽量化と低騒音化を図るた
めに金属製ギヤにかえて樹脂製ギヤが用いられるように
なってきている。
たとえばバランスシャフトギヤとして綿布にフェノール
樹脂を含浸したものを積層し、これを圧縮成形したとこ
ろのフェノール樹脂製ギヤを用いる例、またオイルポン
プドリブンギヤとしてナイロン66を射出成形により一
重成形したナイロン66製ギヤを用いる例が知られてい
る。
すなわちこれら樹脂製ギヤが用いられているゆえんは、
金属製ギヤにくらべて軽量であるとともに歯の噛み合い
、衝撃などによって生ずる騒音が顕著に低く、しかも耐
食性、耐薬品性にすぐれているために用いられる場所を
えらばないというところにある。
しかしながら、前記樹脂製ギヤのうちフェノール樹脂製
ギヤは綿布にフェノール樹脂を含浸したものを形成する
ためその成形法が圧縮成形に限定され、生産性がわるい
またフェノール樹脂製ギヤはナイロン66製ギヤなどの
熱可塑性樹脂製ギヤにくらべて1騒音の点で不利である
すなわちギヤの噛み合い時に出る騒音の原因には種々あ
るが、材料の物性面からみたばあい、摩擦係数の小さい
もの、硬度が低いものおよび曲げ弾性率の小さいものは
騒音が小さいといえ、フェノール樹脂はこれら項目のい
ずれにおいても熱可塑性樹脂に劣る。
さらにフェノール樹脂は樹脂のレオロジー特性のうち振
動的変形や振動的外力に対するいわゆる動的特性、なか
んづく振動吸収性に関連するtanδ(δ:応力に対す
る歪の遅れ角)が熱可塑性樹脂にくらべて小さくエネル
ギー吸収能が劣り、この点においても騒音に関し不利で
ある。
一方ナイロン66製−重成形ギヤは成形手段、騒音の点
においてフェノール樹脂製ギヤよりすぐれているが、長
時間の使用中にギヤが受ける衝撃力および冷熱サイクル
によりブツシュと樹脂部との間にスキ間が生じるという
欠点がある。
このスキ間はエンジンにおけるギヤのうちでもバランス
シャフトギヤ、カムシャフトギヤ、アイドルギヤなと慣
性モーメント、トルクが大きくかつトルク変動が急激で
、しかもエンジンオイル中に浸漬されているため作動時
の最高温度が130〜140℃にも達する従動用ギヤの
ばあいには顕著となる。
ブツシュと樹脂部との間のスキ間が大きくなるとブツシ
ュと樹脂部との間にズレが生じ始動時および回転時に樹
脂部に大きな衝撃力が加わり耐久性の低下の一因となり
、かつ騒音も大きくなり、さらにバランスもとれなくな
るので好ましくない。
またナイロン66製−重成形ギヤのばあいは、成形後残
留応力を除くためにアニーリング処理を施したのちのギ
ヤを見れば、第1図に示すごとき捩れが生じ、ギヤ側面
の平面性がわるくなる傾向がある。
もちろんアニーリング処理を施さないばあいにはより以
上の捩れが生じ、平面性がわるい。
第1図は捩れを生じたギヤの縦断面図を示すものである
第1図において、1はブツシュ、2は樹脂部であり、ギ
ヤのある個所の歯部側面を平面においたばあい、反対側
の歯部側面は平面から距離Hだけ浮き上っている。
前記のごとき成形後のギヤの捩れが顕著なばあいは成形
時に歯を一体成形する歯付き成形によってギヤを作製す
るのが困難になり、また成形後に歯切り加工を行なう後
歯切りのばあいにおいても切削ロスが大きくなるので好
ましくない。
本発明者らは前記のごときエンジンにおける従来の樹脂
製ギヤの問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、少
なくとも歯部については成形の容易な熱可塑性樹脂を用
いてしかも従来のナイロン66製−重成形ギヤにおける
欠点が解消されたまったく新規なエンジンにおける樹脂
製ギヤの開発に成功した。
すなわち本発明は、ブツシュと、リム部および歯部を構
成する樹脂部とからなるエンジンにおける樹脂製ギヤに
おいて、該樹脂部がコア形成用リム部を構成する樹脂部
Aと歯部形成用リム部および歯部を構成する樹脂部Bと
からなり、樹脂部Aが歯部に向って徐々に薄肉に形成さ
れ、樹脂部Bが樹脂部Aの少なくとも一方の側面を覆う
ように歯部に向って徐々に厚肉に形成されかつ樹脂部A
の少なくとも外周部においてはその両側面を包むように
形成され、さらに該外周部の少なくともギヤの回転軸方
向に噛み合わせ手段が設けられてなり、少なくとも樹脂
部Bが熱可塑性樹脂にて形成されてなることを特徴とす
るエンジンにおける樹脂製ギヤに関する。
つぎに本発明のエンジンにおける樹脂製ギヤを図面に基
づいて説明する。
第2〜5図は本発明のギヤの好ましい実施態様を示すも
のである。
第2図および第4図はそれぞれの実施態様の縦断面図で
あり、第3図および第5図はそれぞれ第2図のX−X線
横断面面および第4図のY−Y線描断面図である。
第2〜5図において、1はブツシュ、2は樹脂部、3は
リム音艮4は歯部、5は歯であり、6は歯元を示す。
第2〜3図のギヤは、ブツシュ1とリム部および歯部を
構成する樹脂部2とからなり、該樹脂部2は1回目の成
形により形成されたコア形成用リム部を構成する樹脂部
20aと2回目の成形により形成された歯部形成用リム
部と歯部を構成する樹脂部20bとからなっている。
そして樹脂部20aは歯部に向って徐々に薄肉に形成さ
れるとともに樹脂部20aの片側面が樹脂部20bによ
って包まれてなるもの、つまり2回目の成形による樹脂
部20bはゲートから歯部に向って徐々に断面積を拡大
して形成したものである。
第4〜5図のギヤは、ブツシュ1とリム部および歯部を
構成する樹脂部2とからなり、該樹脂部2は1回目の成
形により形成されたコア形成用リム部を構成する樹脂部
21aと2回目の成形により形成された歯部形成用リム
部と歯部を構成する樹脂部21bとからなっている。
そして樹脂部21aは歯部に向って徐々に薄肉に形成さ
れるとともに樹脂部21aの両側面が樹脂部21bによ
って包まれてなるものである。
第6図は本発明のギヤの別の実例態様を示す縦断面図で
ある。
第6図のギヤにおいては、樹脂部22aが歯部に向って
徐々に薄肉に形成されるとともに樹脂部22aの片側面
の全体および他の側面の一部が樹脂部22bによって包
まれている。
第7図は本発明のギヤのさらに別の実施態様を示す縦断
面図である。
この第7図のギヤはブツシュ1′とリム部および歯部を
構成する樹脂部2とからなり、該樹脂部2は1回目の成
形によりゲート10′から形成された歯部形成用リム部
と歯部を構成する樹脂部23bと、2回目の成形により
ゲート12′から形成されたコア形成用リム部を構成す
る樹脂部23aとからなっている。
そして樹脂部23aおよび23bはそれぞれブツシュ1
′と結合されており、その強度を増すために樹脂部23
aと23bの山と谷を持つ足17と17′が噛み合って
いる。
前記各実施態様においては、コア形成用リム部を構成す
る樹脂部20a、21a、22a、23aは歯部に向っ
て徐々に薄肉に形成されている。
なお本発明のギヤにおいては、第3図、第5図、第6図
および第7図に示されるごとく、コア形成用リム部を構
成する樹脂部20a、21a、22a。
23aの外周部にギヤの回転軸方向に複数個の噛み合わ
せ手段7を設けるのが好ましい。
噛み合わせ手段7としては溝または突起もしくはそれら
の組合わせが通常用いられる。
第2〜3図のギヤおよび第4〜5図のギヤにおいては噛
み合わせ手段として溝が用いられている。
かかる噛み合わせ手段7を設けることによって樹脂部2
0a、21a。
22a 、23aと樹脂部20b 、21 b 、22
b。
23bがそれぞれ噛み合い、ギヤの回転方向における樹
脂部20a 、21 a 、22a 、23aと樹脂部
20b 、21 b 、22b 、23bとの間の相互
のずれが容易に防止される。
噛み合わせ手段の形状、個数などはギヤの大きさ、慣性
モーメント、トルクの大きさなどを考慮して適宜法めら
れる。
なお噛み合わせ手段は外周部の上面だけでなく側面にも
設けてもよく、また外周面上から側面上にまたがって設
けてもよい。
つぎに第2〜3図のギヤを射出成形法によって成形する
ばあいを例にとって本発明のギヤの成形方法を説明する
第8〜9図は本発明のギヤの成形方法を工程順に示す部
分断面図である。
まず第8図に示されるごとく、ゲート方式としてダイレ
クトリングゲート方式を採用しかつえられるギヤがスプ
ルーに対して点対称になるような金型を用い、樹脂部2
0aを形成する。
第8図において、8は金型、9はスプルー、10は1回
目の成形時のゲートである。
ついで金型8からブツシュ1と樹脂部20aの一体化物
を取出し、これを第9図に示されるごとく別の金型11
に装填し、2回目の成形を行なって樹脂部20bを形成
する。
第9図において、12は2回目の成形時のゲートである
ついで成形物を金型11から取出し、切断線13のとこ
ろで切断し、アニーリング処理を施して製品をうる。
後歯切りのばあいはアニーリング処理を施したのちさら
に歯切り加工を施して製品とする。
本発明の二重成形ギヤは従来のナイロン66製ギヤなど
の一重成形ギヤにくらべてつぎのごとき顕著な効果を奏
する。
(1)本発明の二重成形ギヤにおいては、歯部にたえず
加わる衝撃性の回転力が歯部とリム部との界面である程
度緩衝されてブツシュに伝わり、かつリム部と歯部の膨
張量が分散される結果、ブツシュと樹脂部との間に有害
なスキ間が生じない。
たとえば本発明の二重成形ギヤ(後記実施例2)と一重
成形ギヤ(後記比較例1)について400時間のエンジ
ン台上耐久試1験を行なったばあい、本発明の二重成形
ギヤに発生するスキ間は一重成形ギヤの1/10程度以
下である。
エンジンにおけるギヤのうちでもバランスシャフトギヤ
、カムシャフトギヤ、アイドルギヤなどの慣性モーメン
ト、トルクが大きくかつトルク変動が急激で、しかもエ
ンジンオイル中ニ浸漬されているため作動時の最高温度
が130〜140℃にも達し、温度差の大きい冷熱サイ
クルを受ける従動用ギヤのばあいは、プッシュと樹脂部
との間のスキ間が大きくなる傾向が犬であるが、一重成
形ギヤにくらべてスキ間発生の小さい本発明の二重成形
ギヤはかかる従動用ギヤにも好適に適用されうるもので
ある。
(2)本発明の二重成形ギヤにおいては、成形時の残留
応力がリム部と歯部に分散される結果、アニーリング処
理により残留応力を解放したばあいに発生するギヤの捩
れが一重成形にくらべて小さい。
たとえば本発明の二重成形ギヤのばあいは第1図に示さ
れる距離Hが一重成形ギヤにくらべて1/6程度以下に
なる。
ギヤの捩れが大きくなりギヤ側面の平面性がわるくなる
ばあいは歯付き成形によってギヤをうろことが困難とな
り、また後歯切りのばあいもギヤの捩れを修正するため
に切削ロスが大きくなる。
かかる点においてギヤの捩れの小さい本発明の二重成形
ギヤは一重成形ギヤにくらべて有利である。
(3)本発明の二重成形ギヤにおいては、一重成形ギヤ
にくらべてとくに肉厚部(歯部)におけるボイド、白化
の発生を防止しやすく、かつウェルド、波紋も防止しや
すい。
したがってひけかなく、品質のバラツキのない均一な強
度のギヤかえられやすい。
(4)本発明の二重成形ギヤにおいては、樹脂部の補強
材としてガラス繊維、炭素繊維などの繊維状フィラーを
用いるばあい、これら繊維状フィラーをギヤの強度をよ
り高めるように配向せしめることが容易である。
このことを第2〜3図のギヤを第8〜9図に示される二
重成形法でうるばあいを例にとって説明する。
第8〜9図に示されるごとき二重成形法においては、ダ
イレクトリングゲート方式を採用していること、ギヤ形
状がスプルーに対して点対象であること、2回目の成形
時における樹脂の湯道がゲートから徐々に拡がるように
配慮されていることなどがあいまって、任意の断面にお
ける繊維状フィラーの配向の再現性が良好であり、その
配向はギヤとしての機能上とくに重要な歯部付近におい
て第10〜11図に示されるごときモデルが支配的とな
る。
第10図は繊維状フィラーの配向モデルを示すギヤの部
分縦断面図、第11図は第10図のZ−Z線部分横断面
図である。
第10〜11図に示されるごとく、ギヤの歯部側面の表
面層(通常1〜2mmの厚さ)における繊維状フィラー
14の配向は歯部側面に平行にかつギヤの半径方向にそ
って配列するのが支配的となる。
かかる配向により歯部側面における繊維状フィラー14
は曲げ応力によって荷重を受容することが支配的になり
、歯部側面が強化されてギヤの強度向上に寄与し、たと
えばギヤに熱膨張または歪などにより多少の変形、捩れ
などの作用が働いたばあいでも変形、捩れなどを起しに
くくなる。
また表面層を除いた歯元付近においては繊維状フィラー
14はランダム配向となり、繊維状フィラー14により
均一に樹脂が強化され、相手ギヤから歯部に加えられる
力に対して均一に骨間強度が向上される。
また歯先の表面層においても繊維状フィラー14の配向
はギヤ表面に平行にかつギヤの回転軸方向に平行に配列
するのが支配的となり、かかる配向によって歯先が強化
され、かつ歯部側面の繊維状フィラー14の前記配向と
あいまってクラック防止に寄与することとなる。
とくに歯先の配向については、ヘリカルな歯のばあいは
1駆動力を繊維状フィラー14が曲げ応力で受容するこ
とが主体となるため配向の効果が増大される。
つぎに本発明のギヤの樹脂部2を構成する樹脂について
述べると、コア形成用リム部を構成する樹脂部20a
、21 a 、22a 、23aはブツシュとのくらい
付きがよく、その結合強度の面で問題のないものであれ
ばとくに限定されるものではなく、その基材樹脂として
は、熱可塑性樹脂ではナイロン6、ナイロン66などの
ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹
脂、ポリカーボネート樹脂が、また熱硬化性樹脂ではフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ジア
リルフタレート樹脂などが用いられる。
歯部形成用リム部と歯部を構成する樹脂部20b、21
b 、22b 、23bの基材樹脂としては、騒音な
どの面から熱可塑性のナイロン6、ナイロン66などの
ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂などが用い
られる。
かかる基材樹脂には補強材として無機質フィラーを配合
してもよい。
無機質フィラーとしてはガラス繊維および炭素繊維が好
ましいものとしてあげられ、これらは単独で用いてもよ
く、混合して用いてもよい。
ガラス繊維および炭素繊維としては通常直径5〜15μ
程度、長さ0.3〜2龍程度のものが用いられる。
これら繊維は成形後はその長さが0.1〜0.6 mr
n程度となる。
なお無機質フィラーとしてはタルク、石綿なども用いる
ことができ、これらとガラス繊維、炭素繊維を併用して
もよい。
さらに前記基材樹脂には酸化防止剤、摩耗特性の向上の
ための二硫化モリブデンなどの通常の補助剤を適宜配合
してもよい。
本発明においては、少なくとも歯部形成用リム部と歯部
を構成する樹脂部20bt21b、22b。
23bには無機質フィラーを30〜50重量%、なかん
づく30〜45重量%含有するポリアミドを用いるのが
とくに好ましい。
かかる無機質フィラー含有ポリアミドを用いるときは、
バランスシャフトギヤ、カムシャフトギヤ、アイドルギ
ヤなどの慣性モーメント、トルクが大きくかつトルク変
動が急激で、しかも作動時の最高温度が130〜140
℃にも達しかつエンジンオイル中のスラッジにより摩耗
が促進されるなど過酷な環境下で使用される従動用ギヤ
としてとくに好適なギヤかえられる。
かかる従動用ギヤとして用いられていた樹脂製ギヤは前
述のごとくフェノール樹脂製ギヤであるが、このフェノ
ール樹脂製ギヤはエンジンオイル中のスラッジおよびト
ルク変動による大きな衝撃により異常摩耗を起しやすい
この異常摩耗と経時的熱収縮が大きいこととがあいまっ
てバックラッシュが拡大し摩耗、クラックの発生、損傷
が促進される。
熱膨張による歯形干渉をさけるため熱膨張分を見込んで
最低温度時のバンクラッシュを選定すると低温時、常温
時付近におけるバックラッシュが大きくなり、それによ
って摩耗、クラックの発生、損傷が促進され、かつ騒音
が大きくなるなどの欠点を有するものである。
ところが前記特定の無機質フィラー含有ポリアミドを少
なくとも樹脂部20b 、21 b 、22b 、23
bに用いる無機質フィラー含有ポリアミド製ギヤのばあ
いは従来のフェノール樹脂製ギヤにくらべて格段にすぐ
れた従動用ギヤがえられる。
(イ)すなわち、ポリアミドのすぐれた耐摩耗性と歯面
に露出した無機質フィラーが歯面に供給されるエンジン
オイル中のスラッジを取去る、いわゆるクリーニング作
用を果す効果とがあいまって摩耗が少ない。
また無4%[フィラー含有ポリアミドはフェノール樹脂
にくらべて弾性率が少さく、トルク変動による大きな衝
撃を受けても弾性変形を起してそのエネルギーを吸収す
ることと衝撃強度、曲げ強度とがともに大きく、かつ意
外にもオイル中ではほとんど熱老化を示さないこととが
あいまってトルク変動に起因する摩耗が少なく、かつク
ラックの発生、損傷などを生じない。
(0)このように異常摩耗を生じないことと経時的熱収
縮をほとんど示さないこととがあいまってバックラッシ
ュの経時的拡大量が小さく、そのためフェノール樹脂製
ギヤにおけるごときバックラッシュの拡大による摩耗、
クランクの発生、損傷の促進という問題を生じない。
(ハ)また無機質フィラー含有ポリアミド製ギヤのばあ
いは前記のごとく弾性率が小さく、衝撃強度、曲げ強度
が大きいため、フェノール樹脂製ギヤの2倍程度のバッ
クラッシュを与えても摩耗、クラックの発生、損傷など
の問題を生じないので。
フェノール樹脂製ギヤにおける熱膨張によるバンクラッ
シュの縮小にかかわる問題が回避される。
さらに無機質フィラー含有ポリアミド製ギヤにおいては
歯付き成形のばあいはその成形後に、また後歯切りのば
あいはその加工により歯の捩れが発生する。
もともとポリアミド製ギヤのばあい歯精度はJISの等
級でせいぜい7〜8級程度であり、バックラッシュが大
きくても前記応力による歯の捩れがさいわいしてバック
ラッシュが少なくなった感じとなり、所期のバックラッ
シュがフェノール樹脂製ギヤより大きくても問題はない
また無機質フィラー含有ポリアミド製ギヤのばあいも運
転中温度が上昇すると熱膨張によりバックラッシュが縮
小する方向に変化するが歯における捩れかもとにもどり
、結果としてバックラッシュはほとんど変化しないもの
となり、摩耗、クラックの発生、損傷などを生じない。
に)無機質フィラー含有ポリアミド製ギヤは材料の物性
面からみてフェノール樹脂製ギヤにくらべて摩擦係数が
小さく、硬度が低くかつ曲げ弾性率が小さく、しかも前
記(p)項で述べたごとくバックラッシュの経時的拡大
量が小さいこととがあいまって騒音が小さい。
さらにフェノール樹脂製ギヤにくらべて振動吸収性に関
連するtanδが大きく、エネルギー吸収能が太きいか
ら、この点においても騒音に関し有利であるという証左
になる。
(ホ)前記(イ)〜に)項で述べた理由から、無機質フ
ィラー含有ポリアミド製ギヤはフェノール樹脂製ギヤに
くらべてエンジンにおける従動用ギヤとしての寿命がい
ちじるしく長くなる。
第12図に本発明における無機質フィラー含有ポリアミ
ド製ギヤ(後記実施例1)とフェノール樹脂製ギヤ(後
記比較例3)をバランスシャフトギヤとして用いたばあ
いの寿命曲線(エンジン回転数550 Orpm、全負
荷運転下)を示す。
第12図において、曲線h’bよび曲線Bはそれぞれ本
発明における無機質フィラー含有ポリアミド製ギヤおよ
びフェノール樹脂製ギヤの寿命曲線を示し、曲線Cは寿
命限界曲線を示す。
なお動力伝達用の樹脂製ギヤのばあい歯面に接触による
摩耗、衝撃によるピッチング摩耗などの現象が起るわけ
であるが、このような損傷によって騒音が発生したり、
損傷が進行すると歯が破損するなど耐久性を低下させる
原因となる。
さらに伝達荷重、回転速度、運転負荷、潤滑および歯面
の状態や温度上昇などの要因が影響し、ギヤの使用条件
によってさまざまな現象を生じるため強度設計によって
そのギヤの強度や寿命などを一義的に正確に求めること
は困難であるが、ここでは寿命の判断ファクターとして
一応つぎのどとく騒音、バックラッシュの変化量、クラ
ックの程度およびピッチング摩耗の有無を考慮した。
騒 音:1m離れた所での歯の噛み合い周波数の変化量
が5dB以上 バックラッシュ:変化量が0.1 mm以上クラック:
歯元において1 mm以上 ピッチング摩耗:有 本発明における無機質フィラー含有ポリアミド製ギヤの
ばあい寿命限界に達したものが皆無である。
しかして本発明における無機質フィラー含有ポリアミド
製ギヤにおいて無機質フィラーの含有率が30重量%未
滴のばあいは曲げ強度、衝撃強度、圧縮強度などの機械
的強度が低下し、熱膨張率が大きく寸法安定性がわるく
なり、かつ耐疲労性、耐熱劣化性が低下する傾向がある
一方無機質フィラーの含有率が50重量%を超えるばあ
いはとくに曲び弾性率が大きくなってエネルギー吸収能
が低下し、また成形性がわるくなり、さらに相手ギヤに
与える損傷も大きくなる傾向がある。
本発明の樹脂製ギヤの歯は成形時に一体成形してしまう
方が工程数、コストの面から有利であるが、精度を必要
とするギヤ、大型のギヤのばあいは成形後に歯切り加工
を行なうのが好ましい。
もちろん成形時に大体の歯形をつくり、成形後に最終歯
形切削して仕上げることもできる。
アニーリング処理は、成形後に歯切り加工または仕上げ
歯加工を行なうものにおいては、その歯切り加工または
仕上げ歯加工の前に行なうのが好ましい。
そのばあい成形時の残留応力を取り除いたのち歯切り加
工または仕上げ歯加工を行なうのでこれら後加工の精度
が高くなるとともに残留応力の解放により強度が向上す
る。
本発明の樹脂製ギヤはエンジンにおけるバランスシャフ
トギヤ、カムシャフトギヤ、アイドルギヤ、クランクシ
ャフトギヤ、ディストリビュータギヤ、オイルポンプド
リブンギヤなどに好適に使用される。
つぎに実施例および比較例をあげて本発明の樹脂製ギヤ
を説明する。
なお実施例において%は重量%である。
実施例1〜5および比較例1〜5 第1表に示すごとき無機質フィラー含有樹脂を用いて第
1表に示すごとき条件にしたがってつぎに示すごときギ
ヤパラメーターを有するバランスシャフト用樹脂製ハス
バギャを射出成形により作製した。
ギヤパラメーター 歯 形:並歯 モジュール=2.5 圧力角:20゜ 歯数:34 捩れ角:左26゜ 基準ピンチ円直径:94.571關 + 0.041 オーバーピン直径:130.109 mvt−
〇、039 (ただしピン直径: 4.763mm) 転位係数:0.21 中心距離(クランク軸の中心からバランス軸までの距離
):94mm バックラッシュ:歯直角で0.25mm なおガラス繊維入りナイロン6として東しくへ)製CM
IOIIG、ガラス繊維入りナイロン66として東し作
製CM3001 G、炭素繊維入りナイロン66として
東し作製トレカペレット3001T。
ガラス繊維入りフェノール樹脂として旭有機材株製≠9
00Bを用いた。
アニーリング処理は歯付き成形のばあいは成形後に行な
い、後歯切りのばあいは成形後歯切り加工の前に行なっ
た。
えられた各ギヤについて、第1図に示されるギヤ側面の
捩れによって生じる距離Hを測定した。
結果を第1表に示す。
第1表から明らかなごとく、本発明の二重成形樹脂製ギ
ヤのばあいはアニーリング処理後のギヤ側面の捩れHが
一重成形樹脂製ギヤにくらべて1/6程度になり、歯付
き成形によっても何ら後加工を要せずそのままギヤとし
て使用しつるギヤかえられ、また後歯切りのばあいにギ
ヤ側面の捩れを修正する際にも切削ロスが50%程度軽
減される。
また比較のために、レゾール型エポキシ変性フェノール
樹脂を綿布に含浸せしめたもの(綿布含有率45%)を
ブツシュのまわりに積層し、190℃で1300 kg
/iの圧力下に圧縮成形したのち歯切り加工を施し、つ
いでエンジンオイル中で150℃で6時間アニーリング
処理を施して前記と同様なギヤパラメーターを有するバ
ランスシャフト用フェノール樹脂製ハスバギャを作製し
た(比較例3)。
前記でえられたギヤのうち実施例1と比較例3のギヤ(
ただし歯切り加工前のもの)について、各ギヤの中心部
から外径100mm、内径84mm。
断面積8mm×8mmのリングを切出し、切出したリン
グからさらに適宜のテストピースを切出し、それらを用
いて曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度および圧縮強度を
一30〜135℃の温度範囲にわたって測定した。
結果を第13〜16図に示す。また前記でえられたすべ
てのギヤについてエンジン台上耐久試1験を行なった。
試験はエンジン回転数550 Orpm、全負荷運転、
オイル温度135℃、試験時間400時間で行なった。
寿命判断ファクターとしてつぎの項目を考慮した。
騒 音:1m離れた所での歯の噛み合い周波数の変化量
が5dB以上 バックラッシュ:変化量が0.1 mm以上クラック:
歯元において1朋以上 ピッチング摩耗二有 ブツシュと樹脂部とのスキ間:0.1mm以上結果を第
2表に示す。
第2表における記号はつぎのことを意味する。
◎ 余裕をもって合格 ○合格 × 不合格 第2表から明らかなごとく、本発明の二重成形樹脂製ギ
ヤのばあいは耐久試1験項目のいずれにおいても合格で
あるが、一重成形ポリアミド製ギヤのばあいはスキ間の
項目において不合格となり、フェノール樹脂製ギヤのば
あいはスキ間の項目以外のすべての項目において不合格
であった。
【図面の簡単な説明】
第1図はアニーリング処理後捩れを生じた一重成形樹脂
製ギヤの縦断面図、第2図は本発明の樹脂製ギヤの一実
施態様を示す縦断面図、第3図は第2図のX−X線横断
面図、第4図は本発明の樹脂製ギヤの別の実施態様を示
す縦断面図、第5図は第4図のY−X線横断面図、第6
図は本発明の樹脂製ギヤのさらに別の実施態様を示す縦
断面図、第7図は本発明の樹脂製ギヤのさらに別の実施
態様を示す縦断面図、第8〜9図は本発明の樹脂製ギヤ
の一実施態様を成形するさいの工程順を示す部分縦断面
図、第10図は本発明の樹脂製ギヤにおける繊維状フィ
ラーの配向モデルを示す部分縦断面図、第11図は第1
0図のZ−Z線描断面図、第12図は本発明の樹脂製ギ
ヤの寿命曲線A、従来のフェノール樹脂製ギヤの寿命曲
線Bおよび寿命限界曲線Cを示すグラフ、第13〜16
図は本発明の樹脂製ギヤ(実施例1)および従来のフェ
ノール樹脂製ギヤ(比較例3)について、それぞれ曲げ
強度、曲げ弾性率、衝撃強度および圧縮強度を示すグラ
フである。 (図面の主要符号)、1 、1’:ブツシュ、2:樹脂
部、20a、21a、22a、23a:コア形成用リム
部を構成する樹脂部、20b、21b。 22b、23b:歯部形成用リム部と歯部を構成する樹
脂部、3:リム部、4:歯部、5:歯、6:歯元、γ:
噛み合わせ手段、8,11 :金型、10.10’、1
2.12’:ゲート、14:繊維状フィラー。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ブツシュと、リム部および歯部を構成する樹脂部と
    からなるエンジンにおける樹脂製ギヤにおい゛て、該樹
    脂部がコア形成用リム部を構成する樹脂部Aと歯部形成
    用リム部および歯部を構成する樹脂部Bとからなり、樹
    脂部Aが歯部に向って除徐に薄肉に形成され、樹脂部B
    が樹脂部Aの少なくとも一方の側面を覆うように歯部に
    向って徐々に厚肉に形成されかつ樹脂部Aの少なくとも
    外周部においてはその両側面を包むように形成され、さ
    らに該外周部の少なくともギヤの回転軸方向に噛み合わ
    せ手段が設けられてなり、少なくとも樹脂部Bが熱可塑
    性樹脂にて形成されてなることを特徴とするエンジンに
    おける樹脂製ギヤ。
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