JPS5940584Y2 - 歯車変速機のギヤ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、主として自動車用の歯車変速機において、
シフト操作時にクラッチハブスリーブの内歯と互いに噛
み合うギヤスプラインと、変速ギヤとを別体に形成し、
その後、これら相互を一体化させた形式のギヤ構造に関
するものである。

この種のギヤ構造のものにお゛いて、上記ギヤスプライ
ンの強度を高めるためには、そのスプライン歯の歯幅を
大きくすることが考えられる。

しかしながら、このようにスプライン歯の歯幅を大きく
すれば、その分だけ当然に変速機の前後方向の寸法（全
長寸法）が増加することとなって好ましくない。

この考案は、変速機の全長を増大させることなく、ギヤ
スプラインの強度を高めることができるギヤ構造の提供
を、その目的とするものである。

次に、この考案の構成を、図面で示す実施例に従って詳
細に説明する。

自動車用歯車変速機内の一部（第５連用同期装置の部分
）を表した第１図において、シャフト１は図示されてい
ない変速機ケース（エクステンションハウジングも含む
）に対して回転自在に支持されでいる。

このシャフト１の軸上にはクラッチハブ２がシャフト１
と共に回転し得るように配設されており、このハブ２の
外周にはハブスリーブ３が変速機のシフト操作によって
軸方向へスライド動作するようにスプライン嵌合されて
いる。

また、このハブスリーブ３の内周部には周知のシフティ
ングキー４が、一対のキースプリング５の弾発力を受け
てハブスリーブ３の内周面に押しつけられた状態で組み
込まれている。

上記クラッチハブ２の右側には、第５連用の変速ギヤ６
がシャフト１に対して自由に回転し得るように配設され
ている。

このギヤの左右両端面には、その軽量化などの目的で環
状の四部６ ａ、 ６ ｂが形成されている。

さらに上記クラッチハブ２の側に位置するギヤ６のボス
部７外周には、このギヤ６とは別体に形成されたギヤス
プライン８がセレーション圧入等の手段に固定されてい
る。

そして、この圧入に際してのボス部７に対するギヤスプ
ライン８の軸方向の規制は相互のストッパー面１０によ
ってなされる。

上記ギヤスプライン８の外周には、第５速へのシフト操
作時に前記ハブスリーブ５の内歯と噛み合うスプライン
歯８ａが形成されている。

このスプライン歯８ａが形成されている部分は、第２図
でも示すように上記のストッパー面１０がらさらにギヤ
６側へ張り出しており、この張り出した部分はギヤ６の
左端面に形成されている前記の凹部６ａ内に入り込んで
いる。

なお、ギヤスプライン８と一体に形成されでいるテーパ
コーン面８ｂの外周にはシンクロナイザリング９が配設
されている。

上記の構成において、第５速へのシフト操作により、シ
フトフォーク（図示しない）の動作を通じてハブスリー
ブ３が第１′図の右方向へ移動するこの結果、前記シフ
ティングキー４ならびにシンクロナイザリング９等によ
り、周知のようにシャフト１側（クラッチハブ側）と変
速ギヤ６側との回転同期作用を果した後、ハブスリーブ
３の内歯が前記ギヤスプライン８のスプライン歯８ａに
噛み合ってシフトが完了する。

このシフト状態においてハブスリーブ３の内歯と噛み合
っているスプライン歯８ａの歯幅は、このハブスリーブ
３との有効な噛み合いの範囲を越えて充分に大きく形成
されているのである。

しかも、このスプライン歯８ａの歯幅の増加は、上述し
たようにギヤ６の凹部６ａ内に張り出させることで行っ
ているため、変速機の前後方向の寸法に影響をお・よぼ
すことが避けられる。

このように本考案は、変速機の前後方向の寸法（全長）
を増加させることなく、ギヤスプラインのスプライン歯
の歯幅を増大させてその強度を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の実施例を示し、第１図は歯車変速機
内の一部を表した１祈面図、第２図はギヤスプラインの
みを単体で表した半断面図である。 ３・・・・・・ハブスリーブ、６・・・・・・変速ギヤ
、６ａ・・・・・・環状の凹部、７・・・・・・ボス部
、８・・・・・・ギヤスプライン、８ａ・・・・・・ス
プライン歯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 変速ギヤのボス部外周に対して固定されるギヤスプライ
   ンの外周スプライン歯の部分を、この変速ギヤの端面に
   形成されている環状の凹部内に張り出させた状態で形成
   したことを特徴とする歯車変速機のギヤ構造。