JPS5936400B2 - Ｘ線装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、蓄電池を電源とするＸ線装置に係り、特に蓄
電池端子電圧降下の影響を好適に制御する制御回路を備
えたＸ線装置に関するものである。

一般に、蓄電池は放電が進むに従って端子電圧が降下し
、その値は充電完了直後は約２．３ｖ／セルが再充電必
要とする頃には１．７■／セルと実用使用範囲に於いて
２０〜３０％程度端子電圧が変化する。

Ｘ線は、管電圧の２〜５乗に比例してＸ線量が変化する
ので、このような観点から変圧器式Ｘ線装置においては
、その許容差は±７％と管電流、撮影時間より厳しい値
となっている。

従って、蓄電池をＸ線装置の電源とする場合は、蓄電池
の端子電圧が降下した場合でも何らかの手段によりそれ
を補正してやり、管電圧変化による利用Ｘ線量の変化を
最小限にくいとどめることが必要である。

さらには、蓄電池の放電が進んで再充電必要な端子電圧
に達した場合は蓄電池保護のために、それ以上の放電を
停止する必要がある。

本発明の目的は、前述要望に応え、Ｘ線放射の電源とし
ている蓄電池の端子電圧降下の影響を少なくすると共に
、過放電から蓄電池を保護するに好適なＸ線制御装置を
提供することにある。

本発明は、Ｘ線放射直前の蓄電池端子電圧をコンパレー
タ等により検出し、その値が定められた値以下であるか
否かを、Ｘ線放射によって端子電圧が変化しても放射仏
前の状態を保つリレー回路等によって判別し、該接点回
路により管電圧を設定する単捲変圧器の一次側巻数を切
替えて端子電圧降下による補正を行なうようにしたもの
である。

さらに、電圧降下が進んだ場合には、上記と同様の動作
をする回路によりＸ線放射を停止するようにしたもので
ある。

以下添付図に従って本発明を詳述する。

第１図は本発明の一実施例を示す回路構成図で、１は交
流電源を整流して蓄電池３および１４に充電するための
充電回路、２および１２は充電のとき閉じる図示してい
ないリレー回路の常開接点、４および１３は充電のとき
開くやはり図示していないリレー回路の常閉接点、５は
直流電力を交流電力に変換するインバータなどの直流−
交流変換回路、６．７はＸ線管電圧を調整するための単
捲変圧器８の巻数切替えをする後記説明のリレー２５の
常閉、常開接点、９は所望の管電圧を選択するためのロ
ークリスイッチ、１０はＸ線高電圧発生装置、１１はＸ
線管である。

なお、蓄電池３はＸ線放射のための電力を供給する蓄電
池で、１４は変圧器の巻数切替え制御をする制御回路の
電力を供給するためのものである。

また、単捲変圧器８の巻数切替え制御回路において、１
５および１６は基準電圧を発生させるための抵抗および
ツェナーダイオード、１７，１Ｂは蓄電池３の端子電圧
をコンパレータ１９に入力する抵抗並びに可変抵抗で、
このコンパレータ１９において前記基準電圧と比較され
る。

２２は抵抗２０，２１を介しコンパレーク１９の出力電
圧によって動作するトランジスタで、このトランジスタ
２２の動作によりリレー２５を駆動し、前述の単捲変圧
器に設けた接点６，７を制御するものである。

２３はＸ線放射中は開いている図示していないリレーの
常閉接点、２４はリレー２５を自己保持するための接点
である。

第２図は第１図に示す蓄電池３の端子電圧の様子を表わ
したもので、縦軸は充電または放電量で、Ａ部は充電中
、Ｂ部は無負荷放電状態、６部は放電中で、６部の破線
はＸ線放射のように瞬間に大電流を流した場合の端子電
圧の降下状態を示したものである。

また、端子電圧イは検出すべき端子電圧で、口は蓄電池
の放電を止めるべき最終電圧である。

同図からもわかるように、Ｘ線放射のような負荷では負
荷をかける前は検出すべき端子電圧以上であったものが
、負荷をかけることにより検出すべき端子電圧以下に降
下してしまう。

このことは放射直前の状態をＸ線放射中も保持する必要
性を意味している。

以下第１図の回路動作を説明する。

Ｘ線放射直前の蓄電池３の端子電圧は、抵抗１７および
１８で分圧してコンパレータ１９の一方の入力端子へ入
力される。

コンパレータ１９の他方の入力の端子には、抵抗１５お
よびツェナーダイオード１６で発生した基準電圧を入力
しており前記した蓄電池の端子電圧の分圧した値が、こ
の基準電圧より越えているか否かをコンパレータ１９に
て比較する。

いま、第２図のイ点より端子電圧が下がっていた場合は
、コンパレータ１９の出力によってトランジスタ２２が
オンし、リレー２５が励磁され、接点６は開き、接点７
は閉じることになる。

この動作により単捲変圧器８の一次捲数が減少し、二次
出力タップの出力電圧は蓄電池の端子電圧が降下しても
補正されることになる。

また、接点２３はＸ線放射中は開いているが、上記のよ
うに検出電子イ点より端子電圧が下がっていた場合はＸ
線放射直前にリレー２５は動作するためリレーの動作は
接点２３が開いても接点２４によって自己保持されてい
る。

また、端子電圧がイ点より上がっている場合は、リレー
２５は動作しないためＸ線放射中に第２図点線のように
端子電圧が降下しても接点２３が開いているためリレー
２５の動作はしないことになり、いずれの場合でもＸ線
放射直前の状態を保つことになる。

Ｘ線放射中の単捲変力器８への入力電圧は、第２図中２
点鎖点て示したものであるが、このときの電圧は負荷電
流が一定であれば無負荷時の実線で示される端子電圧に
ほぼ比例するものであり、このことから無負荷時の端子
電圧を測定して端子電圧降下による管電圧補正を行なう
ことが有効といえる。

第３図は本発明の他の実施例を示す一部回路図であり、
本実施例では単捲変圧器８の一次巻数を切替える代わり
に検出電圧より高い端子電圧の場合には単捲変圧器８の
一次側に適当な電圧降下を起こさせる抵抗２６を接続し
、検出電圧より低い電圧になった場合には接点７により
抵抗２６の両端を短絡して蓄電池の端子電圧降下による
管電圧補正を行なう方法である。

なお、この接点７は前述第１図と同様の制御により行な
われるものである。

また、第１図および第３図とも１７〜２５で構成される
検出回路を複数個設ければ尚一層細い管電圧の補正が可
能である。

さらに、第４図は、前述の原理を利用して第２図に示す
端子電圧の白点に達したときＸ線放射を停止するように
した回路で、前述第１図と同一符号は同一の機能を有す
るものであり、また、説明に直接関係しないところは省
略しである。

同図に示すように、抵抗１７および可変抵抗１８で端子
電圧白点を検出し、第１図の１９〜２４で示す端子電圧
検出回路と同等の回路２９でリレー３０を動作させ、蓄
電池３と直流−交流変換回路５間に挿入した、そのリレ
ー３０の接点３１を開くことによってＸ線放射を停止す
るようにしている。

上記実施例からも明らかなように本発明に′よれば、Ｘ
線放射直前の蓄電池端子電圧を検出し、その値が定めら
れた値以下であった場合には単捲変圧器のタップ切替え
をして放射直前の状態を保つようにし、しかも、蓄電池
の端子電圧がさらに降下した場合にはＸ線放射を停止す
るようにしたものであるから、Ｘ線撮影において均一な
黒化度の写真を得ることができ、かつ過放電による蓄電
池の破損を防止することができる等の利点を有し、蓄電
池を電源とするＸ線装置として最適なものといえる。

【図面の簡単な説明】

添付図は本発明を説明するためのものであって、第′１
図はＸ線装置の一実施例を示す制御回路図、第２図は蓄
電池の充、放電特性を示した図、第３図は本発明の他の
実施例を示した要部回路図、第４図はＸ線放射の停止制
御をする一実施回路図である。 １・・・・・・充電回路、３，１４・・・・・・蓄電池
、５・・・・・・直流−交流変換回路、６，７，２４，
３１・・・・・・接点、８・・・・・・単捲変圧器、９
・・・・・・叱−クリ−スイッチ、１０・・・・・・高
電圧発生装置、１１・・・・・・Ｘ線管、１５．１７，
２０，２１，２６，２７・・・・・・抵抗、１６・・・
・・・ツェナーダイオード、１Ｂ、２８・・・・・・可
変抵抗、１９・・・・・・コンパレータ、２２・・・・
・・トランジスタ、２５，３０・・・・・・リレー、２
９・・・・・・端子電圧検出回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 蓄電池からの直流電力を交流電力に変換し、Ｘ線高
   電圧発生装置で昇圧、整流してＸ線管に加えるようにし
   たＸ線装置において、Ｘ線放射直前の蓄電池端子電圧を
   検出し、該検出結果が定められた値以下であった場合に
   Ｘ線放射を停止するようにした蓄電池端子電圧検出手段
   、並びに該検出結果をＸ線放射中も保持する手段を備え
   、前記検出した蓄電池端子電圧に応じて、Ｘ線高電圧発
   生装置−次側にてＸ線管電圧を補正するように構成した
   ことを特徴とするＸ線装置。