JPS5928621B2 - 熱間加工性のすぐれた二相ステンレス鋼 - Google Patents

熱間加工性のすぐれた二相ステンレス鋼

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JPS5928621B2
JPS5928621B2 JP6039176A JP6039176A JPS5928621B2 JP S5928621 B2 JPS5928621 B2 JP S5928621B2 JP 6039176 A JP6039176 A JP 6039176A JP 6039176 A JP6039176 A JP 6039176A JP S5928621 B2 JPS5928621 B2 JP S5928621B2
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ferrite
hot workability
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steel
less
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重裕 山口
尚 小林
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Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はフェライト量を10〜75%含有し残りがオー
ステナイトからなる熱間加工性が著しくすぐれた二相ス
テンレス鋼に関するものである。
二相ステンレス鋼は耐食性(とくに耐応力腐食割れ性)
、溶接割れ性がすぐれているため近年多く用いられるよ
うになってきた。しかしながら二相ステンレス鋼は機械
的性質のことなるフェライト相、オーステナイト相が同
時に含まれているため分塊圧延、熱間圧延等の熱間加工
の際、フェライト相とオーステナイト相との界面から割
れが発生しやすく、フェライト相の増加とともに加工性
が著しく悪くなることは周知の事実である。そのため二
相ステンレス鋼は分塊圧延、熱間圧延工程で歩留が非常
に悪い。又鍛造分塊では歩留が向上しても作業性、経済
性から著しく不利であった。本発明は分塊圧延、熱間圧
延工程での割れ発生を低減させて歩留を向上させた二相
ステンレス鋼に関するもので、その要旨とするところは
重量でC ■ 0005〜0.2%、SiO、01〜3
%、Mn15%以下、Cr15〜35%、Ni10〜3
0係、N:0.01〜004%を主成分とし、Nb■
2%以下、Mo■ 6 %以下、Ti:1%以下、Cu
:3係以下の一種または二種以上を含み、さらにA6、
Ga、Inのうち一種または二種以上を0501〜6%
含み、P:0.08%以下、S:0003%以下として
残部がFeおよび不可避的不純物とからなり、かつフェ
ライト量を10〜75ヂとしたことを特徴とする熱間加
工性のすぐれた二相ステンレス鋼にある。従来ステンレ
ス鋼に不純物として含有されるSおよびPはこれらに対
して特殊な溶解法、精錬法を施をか原料の吟味をしない
限りそれぞれ0.006〜0.02010、001〜0
03%程度含まれるのが普通である。
この量程度の不純物P、Sが含まれていても熱間加工性
におよぼす悪影響はフェライトステンレス鋼の場合はほ
とんどなく、オーステナイトステンレス鋼の場合でもそ
れほど大きくない場合が多い。しかしながら二相ステン
レス鋼ではこの量程度のP、Sが含まれていても熱間で
の加工性は著しく悪くなる。
Sは特殊溶解法、精錬法等により低減することは可能で
ある。Pは鋼溶製時の精錬で低くすることは困難であり
、通常低P原料を使用している。しかし低P原料使用は
原料自体が非常に高価なため製品は非常に高くなり工業
的、経済的に著しく不利であった。本発明者はPがO、
Ol%以上含まね,ていてもPを固定しておけばよいと
いう思想のもとに種々の元素を添加し二相ステンレス鋼
の熱間加工性の試験結果を検討したところMB族元素が
Pを固定し、Pの熱間加工性への悪影響をとりのぞくと
いうことを発見したのである。
すなわちIIIB族元素VB族元素とGaAs,InSb
等のm−v族化合物半導体を作ることは良く知られてい
るが、本発明者は鋼中でもMB族元素がVB族元素に対
して強い相互作用をもつことを発見したのである。この
際Pの悪影響を取除くだけでは不十分でありSの悪影響
も同時にとりのぞく必要がある。二相ステンレス鋼の割
れを組織観察してみるとフエライト結晶粒とオーステナ
イト結晶粒とが混在しており熱間加工時の割れはこれら
オーステナイト粒とフエライト粒との二相界面から発生
して粒界を伝播している。
ここでPをAA,Ga,InなどのIIIB族元素で固定
すると加工性があがる理由は固溶Pが低減された結果、
粒界での固溶Pも低減し、オーステナイト粒界、フエラ
イト粒界およびフエライト粒とオーステナイト粒との粒
界の結合力がそれぞれ著しく高められるためである。
もう一つの理由はフエライト相とオーステナイト相とへ
のPの固溶度の差による両相の熱間変形能の違いである
すなわちもし固溶Pが多く存在するとPはオーステナイ
ト粒よりもフエライト粒中に多く固溶してフエライト粒
を著しく硬くし、フエライト相の高温での変形能を著し
く劣化させる。したがってフエライト粒とオーステナイ
ト粒との界面は固溶Pが増加するにしたがい割れやすく
なる。さらにSを低減すれば熱間加工性があがる理由は
Pの場合と同じようにSを少なくすることにより粒界S
が低減され結晶粒界の結合力が著しく高められるためで
ある。
Sを下げるためには鋼中Sを特殊な溶解法、精錬法によ
り下げればよい。勿論、二相鋼を構成する変形能の異な
る両相の量的割合に応じて、第二相の結晶粒形状、およ
び分布を適当に制御して二相鋼の熱間加工性を向上させ
ることも可能であるがPを多量に固溶したフエライト粒
は非常に強固であって熱加工処理によってもその形状分
布を変えることは極めて困難でありその効果の程度も僅
少である。したがって熱間加工性をあげるためには固溶
P,Sの量を同時に低くしてやることが必須である。次
に本発明における化学組成の限定理由について説明する
Cは強度を増大させるに必要な元素であり、最低000
5%以上必要である。
またあまり多く入れるとカーバイトとして結晶粒界に析
出し、熱間加工性を劣化させるのでその上限を0.2%
とする。のぞましい範囲は0.01〜008%である。
Siは製鋼の際に脱酸のため加えられこの目的のために
は0.01%以上が必要である。Siはまた高温で使用
中の耐酸化性を高めるがその量が3係をこえると加工性
、溶接性が阻害されるのでSiの上限は3%とする。M
nは脱酸および熱間脆性防止のために加えら,?17る
がオーステナイトを安定にする効果が強く高価なNiの
代替元素として使用することもできる。
しかしながらMnが多すぎると耐酸化性が劣化するので
その量は15%以下とする。Crは耐酸化性を向上させ
るために15%以上必要であるがあまり多くなるとシグ
マ脆化が生じやすくなるので35%以下とした。
Niはシグマ脆化や浸炭、窒化を防止する効果があるが
あまり多く加えすぎるとその効果はほぼ飽和に達し、か
えって材料費を高めることになるのでlθ〜30%とし
た。
NbはTaと同様強力な炭化物生成元素でありC重量%
の約10倍程度添加することにより耐粒界腐食性を改善
する。
(TaはNbの1/2の効果を示す)。またNbは徽細
な炭化物、窒化物となって転位上に優先析出し、高温強
さ、クリープ特性を向上させる。しかし過剰に添加する
と熱間加工性が劣化するのでその上限を2係とする。M
Oを0.5%以上添加すると非酸化性の酸に対して著し
くすぐれた耐食効果を発揮する。またMOは基地を強化
し高温強度、クリープ破断強度を高める。しかしながら
6%を超えての合金化は異常酸化を起し耐高温酸化性の
著しい劣化を示す。又前述の効果も飽和に達するのでそ
の上限を6%とする。Tiは強い脱酸、脱窒、脱硫効果
を示す。
また強力なフエライト生成元素であり、C重量係の4〜
6倍のTiで粒界腐食を防止する。耐孔食性はTiが析
出物、介在物として存在すると著しく劣化するのでその
上限を1%とする。Cuはオーステナイト中に約3%ま
で均一に固溶し、基地を強化するとともに非酸化性酸に
対する耐食性を増す。
また浸炭、窒化に対する抵抗、耐酸化性を示す。しかし
ながら3%をこえると熱間加工性が劣化するのでその上
限を3%とする。Nは普通、ステンレス鋼中に(,.0
1%程度含まれているが、強力なオーステナイト生成元
素であり、Niの代用として用いられる。大気中添加で
は04%が限界であり、この程度のNで変形抵抗は著し
く高くなり熱間加工は著しく困難となるので0.4%を
上限とする。Sは鋼中に含まれている不純物元素である
が熱間加工性を向上さすために取除く必要のある元素で
あり0003%以下にしてはじめて熱間加工性は向上す
る。
Pは鋼中に含まれている不純物元素であり通常003%
以下であるがIIIB族の効果が発揮されるのは008%
までである。
したがって上限を0.08係とする。Al(Ga,In
等のIIIB族元素を含む)はPを固足して熱間加工性を
向上させるに必要な元素であり0旧係未満ではその効果
は認められずまた一力2%位で効果は飽和に達するが6
%までは効果はそのまま保たれるので6%を上限とする
好ましい範囲は006〜5.5%である。フエライト量
を10〜75%に限定した理由は通常の生産材では経済
性から添加合金量を規格を下限にするため2〜3%のフ
エライト相が含まれているのが普通であり、ここではこ
の範囲を除いて意識的にフエライト相をふやし、しかも
熱間加工性の悪くなる10%を下限とした。
10〜75係までは通常加工性が著しく悪いといわれて
いるので75%を上限とする。
次に本発明の実施例についてのべる。
実施例 表1に示す組成の試料を真空溶解してそれらから試験片
を作成しグリーブル試験(高淵高速引張試験)および小
型プロック試験片( 120(履)X(SO) (M)
Xl9O(FJ) )を用いた連続8パス圧延試験に
より熱間加工性を調べた。
表1中のフエライト量はフエライトメータ一により測定
しjラ30視野の組織写真を観察しそれからフエライト
面積率を測定し体積率に換算した平均フエライト量とフ
エライトメータ一により測定したフエライト量は1%程
度の差で計算値と一致した。第1図は/F;.1鋼の組
織写真の一部である。組織写真より計算したフエライト
量は12、1%であり、フエライトメータ一で測定した
フエライト量は11.3%であった。第2図、第3図、
第4図および第5図はグリーブル試験によりSおよびA
l等のIIIB族元素の熱間加工性におよほす影響を調べ
たものである。
扁1乃至五9鋼は鋼中に多量のPとSまたはどちらか一
力を多く含有している比較鋼であり、五10乃至庸15
鋼は本発明鋼である。Sが低く、Pを八l等のIB族元
素で固定した本発明鋼(五10,五11,五12,五1
3,煮14および415鋼)は比較鋼にくらべて延性(
絞り率)が著しく向上しているのがわかる。グリーブル
試験で五10,五11,溜12,K13,五14および
五15鋼程度の絞り率があれは経験的に分塊圧延司能で
あることがわかっている。
したがってSが低く、PをAl等のIII8族元素で固定
した本発明鋼は分塊圧延することが可能である。一力比
較鋼は分塊圧延監度範囲が狭く実際上、工業的な規模で
分塊圧延することは困難である。参考図は41鋼、AI
O鋼から切り出した小型プロック材を連続8パス(12
0m→20層)圧延後の圧延材の耳割れの様子を示す写
真図である。
& 10鋼はグリーブル試験から予想されるように耳割
れは全然みられないが&1鋼には著しい耳割れがみられ
た。以上説明したように本発明鋼は熱間加工性が著しく
改善され従って従来困難であった分坊圧延を行なうこと
ができ、その効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は扁1鋼の組織写真図、第2図、第3図、第4図
および第5図はグリーブル試験(高温高速引張試験)結
果を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 重量でC:0.005〜0.2%、Si:0.01
    〜3%、Mn:15%以下、Cr:15〜35%、Ni
    :10〜30%、N:0.1〜0.4%を主成分とし、
    Nb:2%以下、Mo:6%以下、Ti:1%以下、C
    u:3%以下の一種または二種以上に加えてAl、Ga
    、Inのうちの一種または二種以上を0.01〜6%含
    み、P:0.08%以下、S:0.003%以下として
    残部がFeおよび不可避的不純物とからなり、かつフェ
    ライト量を10〜75%としたことを特徴とする熱間加
    工性のすぐれた二相ステンレス鋼。
JP6039176A 1976-05-25 1976-05-25 熱間加工性のすぐれた二相ステンレス鋼 Expired JPS5928621B2 (ja)

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