JPS592287Y2 - ヒンジ用カバ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はヒンジ用カバーに係り、たとえば家具の扉など
に使用されるヒンジを被覆するものに関する。

従来、この種のヒンジとして、たとえば家具本体の側板
のような固定板部に取付ける一方の固着部と、家具本体
の扉板のような可動板部に取付ける他方の固着部とを複
数の可動アームにて回動自在に連結し、９０度以上の開
閉角を可能にした構造のものが知られている。

すなわち、たとえば゛第２図に示すように、ヒンジ本体
Ａの一方の固着部としての固定枠１の両端部に支軸２，
３を介して第１および第２の可動アーム４，５の一端部
を回動自在に軸着し、この第１および第２の可動アーム
４．５の他端部に支軸６，７を介して第３および第４の
可動アーム８，９の一端部を回動自在に軸着し、この第
３および第４の可動アーム８，９の他端部に他方の固着
部としての取付片１０を有する固定円盤１１を支軸１２
．１３にて回動自在に軸着し、さらに、上記第１および
第４の可動アーム４，９の交叉部を中間軸１４にて回動
自在に連結した構造となっている。

そして、一方の固定枠１を家具本体の側板１５にその取
付孔１６からねじ１７をねじ込んで固着するとともに、
他方の固定円盤１１を家具本体の扉板１Ｂに形成された
取付凹部１９内に埋設し取付片１０のねじ孔２０よりね
し２１をねじ込んで固着するようになっている。

このようにして家具本体の側板１５に扉板１８を開閉自
在に連結されるが、この場合、扉板１Ｂを開閉する際、
各可動アーム４，５，８．９は扉板１８の開閉方向に回
動および伸縮しつつ行われるので、したがって、この各
可動アーム４，５，８．９に衣類などが挾持され、衣類
等を損傷するおそれがあるとともに、衣類等を挟持した
場合にはそれによって扉板１５の開閉が困難になるなど
の問題を有している。

本考案はこのような点に鑑みなされたもので、ヒンジ本
体にヒンジ本体の動作をさまたげない形状に形成したカ
バ一体を被嵌することにより、ヒンジ本体を確実に被覆
し、ヒンジ本体の動作時に衣類などを挾持し衣類などを
損傷することがないようにしたヒンジ用カバーを提供す
るものである。

つぎに、本考案の一実施例を添附図面について説明する
。

２５は合成樹脂などにて形成されたカバ一体で、このカ
バ一体２５は一方側にヒンジ本体Ａの一方の固着部とし
ての固定枠１側を収容する第１の収容体２６が配設され
ている。

この第１の収容体２６は水平部２７ ａと円弧状部２７
ｂからなる上面板２７とこの上記板２７の左右両側に
配設された左右両側面板２８とこの左右両側面板２８の
一端部と上面板２７の一端部を閉塞した端面板２９にて
下面を開放した収容部３０が形成されている。

また、この第１の収容体２６の上面板２７の円弧状部２
７ ｂの開口端部に係止突条３１が一体に形成され、ま
た、左右両側面板２８の他端下部に係止孔３２が相対し
て穿設されている。

また、この第１の収容体２６の上面板２７の水平部２７
ａの裏面に第４の可動アーム９の上面に穿設されてい
る大小の係止孔３３，３４に嵌合する係止部としての大
小の保合突起３５ｊ６が一体に突設されている。

また、カバ一体２５の他方側に上記ヒンジ本体Ａの他方
の固着部としての取付片１０を有する固定円盤１１側を
収容する第２の収容体３７が配設されている。

この第２の収容体３７は上記上面板２７の円弧状部２７
ｂの上面に沿う円弧状上板３Ｂとこの円弧状上板３Ｂ
の両側に配設された上記左右両側面板２Ｂの外面に沿う
三角形状の左右両側板３９にて形成されている。

また、この第２の収容体３７の上記円弧状上板３Ｂの一
端部裏面に上記第１の収容体２６の係止突条３１に係合
する係合突条４０が一体に形成され、また、他端部に連
結片４１が一体に形成されている。

この連結片４１は一端部の円弧状上板３８との連結部、
その中央部および他端部近傍にそれぞれ肉薄に形成され
た折目４２，４３．４４を有して形成されているととも
に、他端部に第３の可動アーム８に穿設されている係止
孔４５に係止する係止部としての係止突起４６が一体に
突設されている。

また、この第２の収容体３７の上記三角形状の左右両側
板３９の下端部に上記第１の収容体２６の左右両側面板
２８に形成された係止孔３２内に挿入して回動自在に連
繋する連結ピン４７が相対して内側に突設されている。

そうして、第１の収容体２６の左右両側面板２８に第２
の収容体３７の左右両側板３９を係合し、その係止孔３
２内に両側の連結ピン４７を挿入し、この連結ピン４７
を介して第１の収容体２６に第２の収容体３７を回動自
在に連繋する。

つぎに、カバ一体２５をヒンジ本体Ａに取付ける場合に
は、まず、前記のようにヒンジ本体Ａの一方の固定枠１
を家具本体の側板１５にねじ１７にて止着するとともに
他方の固定円盤１１を家具本体の扉板１Ｂの取付凹部１
９内に嵌着し、その取付片１０をねじ２１にて止着する
。

ついで、上記ヒンジ本体Ａに対しカバ一体２５を被嵌し
第１の収容体２６を押圧すると、この第１の収容体２６
の上面板２７の裏面に突設した大小の保合突起３５．３
６は第４の可動アーム９の大小の係止孔３３，３４内に
嵌着係合される。

したがって、この保合突起３５．３６によりカバ一体２
５の第１の収容体２６はヒンジ本体Ａの一方側に確実に
係止され、この第１の収容体２６の収容部３０内にヒン
ジ本体Ａの一方の固着部側、すなわち固定枠１、第２お
よび第４の可動アーム５゜９が収容される。

また、第２の収容体３７の連結片４１の係止突起４６を
第３の可動アーム８の係止孔４５内に押圧によって嵌着
係合する。

これにより第２の収容体３７の連結片４１はヒンジ本体
Ａの他方側に確実に係止され、この第２の収容体３７内
にヒンジ本体Ａの他方の固着部側、すなわち第１および
第３の可動アーム４，８が収容される。

したがって、扉閉塞時には第３図に示すようにヒンジ本
体Ａはカバ一体２５にて確実に被覆される。

この場合、カバ一体２５の第２の収容体３７は第１の収
容体２６の円弧状部２７ ｂ−Ｌに回動により係合し、
また、連結片４１は各折目４２，４３．４４から折り曲
か゛す、連結片４１の一片４１２は円弧状部２７ ｂの
裏側に係合し、他片４１ ｂは第３の可動アーム８に沿
って係合する。

また、扉開放時には第４図に示すように各可動アーム４
，５，８．９は開放方向に回動しつつ伸長するが、カバ
一体２５の第１の収容体２６は第４の可動アーム９とと
もに動作するので、家具本体においては第２の可動アー
ム５および第４の可動アーム９は第１の収容体２６より
露出することがなく、常に被覆されている状態で動作す
る。

また、カバ一体２５の第２の収容体３７は回動する固定
円盤１１に伴って伸長する第３の可動アーム８および回
動する第１の可動アーム４によって回動しながら引張り
出されるので、第１および第３の可動アーム４，８はこ
の第２の収容体３７から露出することがなく、常に被覆
されている状態で動作する。

そして、第２の収容体３７の係合突条４０が第１の収容
体２６の係止突条３１に係止された時点が最も大きく開
いた状態となる。

また、開いた扉を閉じる場合も伸長した各可動ア・−ム
４，５，８．９などは上記とは逆方向に回動しつつ収縮
し７次第にカバ一体２５の第１および第２の収容体２６
．３７の収容部３０内に収容される。

したがって、ヒンジ本体Ａはカバ一体２５を伴って回動
かつ伸縮し、その動作を司る各可動アーム４゜５．８．
９は常にカバ一体２５内に被覆されている状態で動作す
ることになるので、この各可動アーム４，５，８．９の
動作時に衣類などが挟持されるようなことがない。

実施にあたってはカバ一体２５の大きい係合突起３６に
タッピングねじをねじ込み、保合突起３６を拡大するこ
とによって通孔３４に対し一層確実に係止することがで
きる。

本考案によれば、固定板部に取付ける一方の固着部と可
動板部に取付ける他方の固着部とを複数の可動アームを
介して回動かつ伸縮自在に連結したヒンジ本体を被覆す
るカバ一体であって、このカバ一体は一方側には上記一
方の固着部側を収容する第１の収容体を配設するととも
に、他方側には上記他方の固着部側を収容し、第１の収
容体に重合可能に形成した第２の収容体を上記第１の収
容体に回動自在に連繋して配設したので、このカバ一体
の第１の収容体と第２の収容体をそれぞれヒンジ本体に
取付けることにより、ヒンジ本体は確実に被覆されヒン
ジ本体の外観性が高められるとともに、このヒンジ本体
の回動伸縮動作に関連して第１の収容体に対して第２の
収容体は連動回動され、一方の固着部側に他方の固着部
側が近づいた場合には第２の収容体は第１の収容体に次
第に重合し、またその逆の場合には自動的に引出されそ
のため複数の可動アームなどは露出することがないので
、その動作時に複数の可動アームが衣類などを挾持し衣
類などを損傷するおそれがなく、また、カバ一体によっ
てヒンジ本体の動作がさまたげられるようなことがなく
、また第１の収容体の裏面には保合突起を形成するとと
もに、第２の収容体の先端部には係止突起を形成し、こ
の係合突起及び係止突起を可動アームの係止孔内に押圧
係止することによってカバ一体をヒンジ本体に簡単かつ
確実にセットすることができ、そして、このカバ一体は
可動アームの回動伸縮動作に追従して移動するので、ヒ
ンジ本体の動作時においてもヒンジ本体を確実に被覆す
ることができ、また、その全体的構造が簡単で製作が容
易であり、したがって、開閉角の大きいヒンジ本体の動
作機能をそこねることなく、ヒンジ本体を被覆できるの
で安全なカバ一体を安価に提供することができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図はヒンジ用
カバーを分解して一部を切欠いた斜視図、第２図はヒン
ジ本体の斜視図、第３図は同上取付は状態を示す断面図
、第４図は同上作動状態を示す断面図である。 １・・・・・・一方の固着部としての固定枠、４，５，
８゜９・・・・・・可動アーム、１１・・・・・・他方
の固着部としての固定円盤、２５・・・・・・カバ一体
、２６・・・・・・第１の収容体、３３．３４．４５・
・・・・・係止孔、３７・・・・・・第２の収容体、３
５゜３６・・・・・・係合突起、４６・・・・・・係止
突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定板部に取付ける一方の固着部と可動板部に取付ける
   他方の固着部とを複数の可動アームを介して回動かつ伸
   縮自在に連結したヒンジ本体を被覆するカバ一体におい
   て、上記カバ一体は、一方側には」―記一方の固着部側
   を収容する第１の収容体を配設するとともに他方側に上
   記他方の固着部側を収容し上記第１の収容体に重合可能
   に形成された第２の収容体を配設し、かつこの第２の収
   容体を上記第１の収容体の一端部に回動自在に連繋し、
   −上記第１の収容体の裏面に上記一方の固着部側の可動
   アームに形成された係止孔内に係止する係合突起を一体
   に形成するとともに、上記第２の収容体の先端部に上記
   他方の固着部側の可動アームに形成された係止孔内に係
   止する係止突起を一体に形成したことを特徴とするヒン
   ジ用カバー